第24回(H28年)はり師きゅう師国家試験 解説【午後111~115】

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111.絡穴が八脈交会穴である経脈はどれか。

1.手の太陽経
2.足の太陽経
3.手の少陽経
4.足の少陽経

解答

解説

八脈交会穴(八総穴)

【衝脈】公孫:内関【陰維脈】
【帯脈】足臨泣:外関【陽維脈】
【督脈】後渓:申脈【陽蹻脈】
【任脈】列欠:照海【陰蹻脈】

1.× 手の太陽経の絡穴は、支正である。
手の太陽経で、八脈交会穴になっているのは、後渓(督脈)である。

2.× 足の太陽経の絡穴は、飛揚である。
足の太陽経で、八脈交会穴になっているのは、申脈(陽蹻脈)である。

3.〇 正しい。手の少陽経の絡穴は、八脈交会穴である経脈である。これは、外関である。
外関は、前腕後面、橈骨と尺骨の骨間の中点、手関節背側横敏の上方2寸に位置する。

4.× 足の少陽経の絡穴は、光明である。
足の少陽経で、八脈交会穴になっているのは、足臨泣(帯脈)である。

 

 

 

 

 

112.奇穴の取穴と主治の組合せで正しいのはどれか。

1.百会の前後左右の各1寸:胃炎
2.翳風の後方約1寸:歯根炎
3.足三里の下方約2寸:胆嚢炎
4.中極の外方3寸:膀胱炎

解答

解説
1.× 百会の前後左右の各1寸は、四神聡である。【主治】頭痛、眩量、精神病、中風である。ちなみに、胃炎を主治とする奇穴は、痞根である。
・痞根(※読み:ひこん)は、腰部、第1腰椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸5分に位置し、【主治】痞塊(肝臓・脾臓・膵臓などの肥大)、胃炎、腸炎、鼓腸、腰痛である。

2.× 翳風の後方約1寸は、翳明である。【主治】老眼(老視)、近視、耳下腺炎、耳鳴、眩暈、不眠である。ちなみに、歯根炎を主治とする奇穴は、夾承漿である。
・夾承漿(※読み:きょうしょうしょう)は、顔面部、承漿(任)の外方1寸に取る。【主治】歯根炎、下歯痛、顔面神経麻痺、痙攣である。

3.× 足三里の下方約2寸は、闌尾である。【主治】急性虫垂炎である。ちなみに、胆嚢炎を主治とする奇穴は、胆嚢点である。
・胆嚢点は、陽陵泉(胆)の下約1寸に取る。【主治】胆嚢炎、胆石症、胸脇痛、下肢痛、下肢運動麻痺である。

4.〇 正しい。中極の外方3寸:膀胱炎
・子宮(※読み:しきゅう)は、下腹部、臍下4寸、中極(任)の外方3寸に取る。【主治】婦人科疾患(月経痛、月経不順、不妊、子宮下垂など)、膀胱炎である。

 

 

 

 

 

113.奇穴の取り方で正しいのはどれか。

1.内膝眼は膝関節部、膝蓋骨底上際中央の陥凹部に取る。
2.痞根は第1腰椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸に取る。
3.十七椎は後正中線上、第5腰椎棘突起下方の陥凹部に取る。
4.腰痛点は手背、第2・第3および第3・第4中手骨底間の陥凹部の2点に取る。

解答

解説
1.× 膝関節部、膝蓋骨底上際中央の陥凹部に取るのは、「内膝眼」ではなく鶴頂である。
・鶴頂(※読み:かくちょう)は、膝関節部、膝蓋骨底上際中央の陥凹部に取る。別名は、膝頂(※読み:しつちょう)である。【主治】膝関節疾患、下肢の麻痺である。
・内膝眼(※読み:ないしつがん)は、膝前面、膝蓋靱帯内方の陥凹部に取る。【主治】膝関節疾患、脚気、中風、下肢痛、下肢倦怠感である。

2.× 第1腰椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸に取るのは、「痞根」ではなく肓門である。
・肓門(※読み:こうもん)は、腰部、第1腰椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸である。
・痞根(※読み:ひこん)は、腰部、第1腰椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸5分である。【主治】痞塊(肝臓・脾臓・膵臓などの肥大)、胃炎、腸炎、鼓腸、腰痛である。

3.〇 正しい。十七椎は、後正中線上、第5腰椎棘突起下方の陥凹部に取る。十七椎(※読み:じゅうななつい):腰部、後正中線上、第5腰椎棘突起下方の陥凹部である。別名は、上仙(※読み:じょうせん)である。【主治】月経痛、腰痛、妊娠による排尿困離、痔疾、下肢の麻痺である。

4.× 腰痛点は、手背、第2・第3および、「第3・第4」ではなく第4・第5中手骨底間の陥凹部の2点に取る。別名は、腰腿点(※読み:ようたいてん)である。【主治】急性腰痛、捻挫、腱鞘炎、リウマチである。

 

 

 

 

 

114.肩甲挙筋のトリガーポイント好発部位に当たるのはどれか。

1.肩井
2.肩髃
3.天髎
4.肩外兪

解答

解説

MEMO

肩甲挙筋の【起始】第1~(3)4頸椎の横突起後結節、【停止】肩甲骨の上角と内側縁の上部、【作用】肩甲骨を内上方に引く、【支配神経】頸神経叢の枝と肩甲背神経:C2~C5である。

1.× 肩井(※読み:けんせい)は、後頸部、第7頸椎棘突起と肩峰外縁を結ぶ線上の中点に位置する。天髎(三焦経)の上方にあたる。僧帽筋の治療穴である。

2.× 肩髃(※読み:けんぐう)は、肩周囲部、肩峰外縁の前端と上腕骨大結節の間の陥凹部に位置する。三角筋の治療穴である。

3.× 天髎(※読み:てんりょう)は、肩甲部、肩甲骨上角の上方陥凹部に位置する。僧帽筋の治療穴である。

4.〇 正しい。肩外兪は、肩甲挙筋のトリガーポイント好発部位に当たる。肩外兪(※読み:けんがいゆ)は、上背部、第1胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸に位置する。陶道(督脈)の外方3寸、肩甲骨上角の内方にあたる。僧帽筋、肩甲挙筋の治療穴である。

 

 

 

 

 

115.次の文で示す患者の病証に対する治療で、原絡配穴法(主証、客証を踏まえて原穴と絡穴を配穴する法)の原則として適切な治療穴の組合せはどれか。「38歳の女性。2週間前に右側の顔面神経麻痺を発症。ほぼ同時期に同側の大腿前外側から下腿前面に痛みがある。最近、右足の第1指から下腿内側の痛みが加わった。」

1.太白:豊隆
2.衝陽:公孫
3.太白:公孫
4.衝陽:豊隆

解答

解説

MEMO

・38歳の女性。
・2週間前に右側の顔面神経麻痺を発症。
・同側の大腿前外側から下腿前面に痛みがある。
・最近:右足の第1指から下腿内側の痛み。
→原絡配穴法は、主に病んでいる経脈の原穴と、それに関連する表裏の経脈の絡穴を組み合わせて治療する方法である。
・原穴:経絡における気の流れを調整する穴、臓腑や経絡の病証に対して行う。
・絡穴:表裏関係にある別の経絡に影響を与え、その経絡の病証を改善を図る。

【本症例の場合】
・主:右側の顔面神経麻痺、同側の大腿前外側から下腿前面(胃経)。
・客:右足の第1指から下腿内側の痛み(脾経)。
胃経の原穴脾経の絡穴を選ぶ。

1.× 太白:豊隆
・脾経の原穴である太白(※読み:たいはく)は、足内側、第1中足指節関節の近位陥凹部、赤白肉際に位置する。
・胃経の絡穴である豊隆(※読み:ほうりゅう)は、下腿前外側、前脛骨筋の外縁、外果尖の上方8寸に位置する。

2.〇 正しい。衝陽:公孫
胃経の原穴である衝陽(※読み:しょうよう)は、足背、第2中足骨底部と中間楔状骨の間、足背動脈拍動部に位置する。
脾経の絡穴である公孫(※読み:こうそん)は、足内側、第1中足骨底の前下方、赤白肉際に位置する。

3.× 太白:公孫
・脾経の原穴である太白(※読み:たいはく)は、足内側、第1中足指節関節の近位陥凹部、赤白肉際に位置する。
・脾経の絡穴である公孫(※読み:こうそん)は、足内側、第1中足骨底の前下方、赤白肉際に位置する。

4.× 衝陽:豊隆
・胃経の原穴である衝陽(※読み:しょうよう)は、足背、第2中足骨底部と中間楔状骨の間、足背動脈拍動部に位置する。
・胃経の絡穴である豊隆(※読み:ほうりゅう)は、下腿前外側、前脛骨筋の外縁、外果尖の上方8寸に位置する。

 

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