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問題91 三焦を通って全身に分布する気はどれか。
1.原気
2.宗気
3.営気
4.衛気
解答1
解説
1.〇 正しい。原気が三焦を通って全身に分布する気である。原気とは、元気ともいい、先天の精を源とし、生命活動の原動力となる気である。三焦を通って、全身に分布し、臓腑の生理活動を始動させる。
2.× 宗気とは、呼吸で得られる気(水穀の精微と精気)によって化生された気である。胸中に集まり、心肺の活動(呼吸・血の推動)を支える。
3.× 営気とは、津液を血に変化させ、脈中を巡らせる。豊かな栄養分により組織・器官の活動を支える気である。
4.× 衛気とは、体表(昼)と体内(夜)をめぐる活動性の高い気のことである。全身を温め、腠理の開闔により、発汗を調節し、外邪の侵襲を防ぐ。つまり、脈外をめぐる。
問題92 水の上源といわれる臓腑はどれか。
1.脾
2.肺
3.腎
4.膀胱
解答2
解説
1.× 脾の生理は、①運化(飲食物を水穀の精微に変化させ、心・肺に運ぶ)、②統血(血が脈中から漏れ出るのを防ぐ(気の固摂作用))、脾は気血生成の源、生痰の源といわれる。また、特性は①昇清(生理物質の上昇、組織・器官を正常な位置に保つ)、②喜燥悪湿である。
2.〇 正しい。肺は、水の上源といわれる臓腑である。肺の生理は、①宣粛(宣発(宣布・発散)、粛降(清肅・下降。通調水道、水の上源))、②主気(呼吸を主る(治節)、一身の気を主る)肺は百脈を朝ず。また、特性は①華蓋(外邪の侵襲を防ぐ)、②嬌臓(機能が失調しやすい)である。
3.× 腎の生理は、①蔵精(精を貯蔵し、生命活動を調節する)、②主水(水を主り、水液代謝を調節する)、③納気(吸気を補助し、呼吸のバランスを保つ)。また、特性は、①封蔵(漏れ出るのを防ぐ)、②陰陽の根本(気・血・精・津液の化生に関わり、供給・補充する)である。
4.× 膀胱の生理は、不要となった津液が気化されたもの(尿)を貯留することで、それぞれ津液(水)の代謝に関与している。腎の気化作用によって、余分な水を尿として貯め、排泄する。
問題93 心下付近に結ぶ経筋はどれか。
1.足の三陰
2.足の三陽
3.手の三陰
4.手の三陽
解答3
解説
1.× 足の三陰は、足から起こり、陰部に結ぶ。
2.× 足の三陽は、足から起こり、頬に結ぶ。
3.〇 正しい。手の三陰は、心下付近に結ぶ経筋である。手から起こり、心下に結ぶ。
4.× 手の三陽は、手から起こり、側頭部に結ぶ。
問題94 次の文で示す患者の症状を引き起こす六淫はどれか。
「55歳の女性。梅雨の頃より頭や体が重く、四肢がだるくなり、関節が腫れ、下瀬をするようになった。」
1.風邪
2.暑邪
3.湿邪
4.寒邪
解答3
解説
・55歳の女性。
・梅雨の頃より頭や体が重く(重濁性)。
・四肢がだるい(粘滞性)。
・関節が腫れ、下瀬をするようになった。
→本症例は、湿邪が疑われる。湿邪は、陰性の邪気で重濁性、粘滞性、下注性がある。脾を損傷しやすい。気機を滞らせやすい。
1.× 風邪は、陽性の邪気で軽揚性、開泄性、遊走性があり、他の外邪の先導役となる(百病の長)。
2.× 暑邪(熱邪)は、陽性の邪気で夏季のみに出現し、炎熱性、昇散性がある。気・津液を損傷しやすく、湿邪を伴う。
3.〇 正しい。湿邪は、本症例の症状を引き起こす六淫である。湿邪は、陰性の邪気で重濁性、粘滞性、下注性がある。脾を損傷しやすい。気機を滞らせやすい。
4.× 寒邪は、陰性の邪気で寒冷性、凝滞性、収引性があり、陽気を損傷しやすい。
風邪:陽性の邪気で軽揚性、開泄性、遊走性があり、他の外邪の先導役となる(百病の長)。
寒邪:陰性の邪気で寒冷性、凝滞性、収引性があり、陽気を損傷しやすい。
暑邪(熱邪):陽性の邪気で夏季のみに出現し、炎熱性、昇散性がある。気・津液を損傷しやすく、湿邪を伴う。
湿邪:陰性の邪気で重濁性、粘滞性、下注性がある。脾を損傷しやすい。気機を滞らせやすい。
燥邪:陽性の邪気で乾燥性があり、肺を損傷しやすい。秋に現れることが多い。
火邪(熱邪):陽性の邪気で炎上性があり、気・津液を損傷する。また、生風、動血という特徴も持つ。
問題95 五労と傷られる臓が現す症状の組合せで正しいのはどれか。
1.久視:語
2.久臥:欠
3.久坐:吞
4.久立:咳
解答3
解説
1.× 久視は、五行の「火」である。
語は、五病の「木」である。
2.× 久臥は、五行の「金」である。
欠は、五病の「水」である。
3.〇 久坐、呑は、ともに五行、五病の「土」である。
4.× 久立は、五行の「水」である。
咳は、五病の「金」である。