第26回(H30年)はり師きゅう師国家試験 解説【午前21~25】

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問題21 固有口腔に存在するのはどれか。

1.口唇
2.耳下腺
3.歯肉
4.舌骨

解答

解説

MEMO

口腔は、歯列の唇・頬側の部分を口腔前庭、舌側を固有口腔という。口腔前庭には、歯肉や頬粘膜、小帯(上唇、下唇、頬)、耳下腺乳頭(耳下腺 開口部)などが含まれる。固有口腔には舌、口蓋のほか、舌小帯、舌下小丘(顎下腺開口部)、舌下ヒダ(舌下腺開口部)などが含まれる。

・口腔前庭:歯列の前
・固有口腔:歯列の後方

1.× 口唇とは、くちびるのことで、口の開口部の外側に位置し、固有口腔の外にある。

2.× 耳下腺とは、唾液腺の一つで、耳の下に位置し、固有口腔の外に存在する。

3.〇 正しい。歯肉は、固有口腔に存在する。歯肉とは、歯を覆い歯を支える役割を持つ。

4.× 舌骨とは、口腔の外側にあり喉の上部に位置する骨で、舌や咽頭に付着する筋肉の支えとなる。

 

 

 

 

 

問題22 男性尿道の隔膜部に最も近いのはどれか。

1.精巣
2.肛門
3.尿道球腺
4.膀胱

解答

解説


1.× 精巣とは、陰嚢内にあり、男性の生殖器で、精子やテストステロンといった男性ホルモンを産生する臓器である。

2.× 肛門は、消化器系の終末部に位置している。

3.〇 正しい。尿道球腺が男性尿道の隔膜部に最も近い。尿道球腺液とは、カウパー腺液ともいい、男性の尿道球腺から分泌される弱アルカリ性の粘性がある無臭無色透明な液体である。尿道球腺は、前立腺の下、陰茎の付け根付近に位置する。尿生殖隔膜とは、骨盤隔膜とともに骨盤下口を覆う筋膜である。

4.× 膀胱とは、骨盤の中にある袋状の臓器で、腎臓で作られた尿を貯めたり、排出したりする役割を担っている。

 

 

 

 

 

問題23 脳室について正しいのはどれか。

1.室間孔は左右の側脳室をつなぐ。
2.第3脳室は左右の間脳の間にある。
3.中脳水道には脈絡叢がある。
4.第4脳室は硬膜下腔に開口する。

解答

解説

(※図引用:「脳(矢状断)」illustAC様HPより)

 

1.× 室間孔は、左右の側脳室と第3脳室をつなぐ。第三脳室の両外側では室間孔:Monro孔(モンロー孔)を通じて側脳室に、尾側では中脳水道を通じて第四脳室につながり、脳脊髄液の通り道になっている。

2.〇 正しい。第3脳室は、左右の間脳の間にある。第3脳室とは、間脳の正中部に位置する脳室で、室間孔(モンロー孔)によって左右の側脳室に接続し、中脳水道により第四脳室に通じる。

3.× 中脳水道には脈絡叢「はない」。中脳水道とは、第三脳室と第四脳室を結ぶ中脳の内腔のことをさす。脈絡叢とは、脳脊髄液を産生する組織であり、側脳室や第3脳室、第4脳室に存在する。

4.× 第4脳室は、「硬膜下腔」ではなくクモ膜下腔に開口する。第4脳室は、脳幹と小脳に挟まれた空間を指し、中央の正中孔(マジャンディー孔)と左右一対の外側孔(ルシュカ孔)で、クモ膜下腔に開口する。「頭蓋骨→硬膜→くも膜→クモ膜下腔(この中に脳脊髄液が存在)→軟膜」という構造となっている。

 

 

 

 

 

問題24 腕神経叢の後神経束から分枝するのはどれか。

1.腋窩神経
2.筋皮神経
3.長胸神経
4.内側上腕皮神経

解答

解説

MEMO

腕神経叢は、第5~8頚神経(C5~8)と第1胸神経(T1)との前枝によって構成される。

中枢側から末梢側に向かって、①神経根、②神経幹、③神経束の3部に分けられる。

1.〇 正しい。腋窩神経は、腕神経叢の後神経束から分枝する。腋窩神経とは、腕神経叢から出る上腕部に走行する末梢神経で、上肢の背側を走行し、上腕部で、停止する。後神経束から分岐する。上腕の上外側の感覚と、小円筋と三角筋の筋肉を支配する。腋窩神経麻痺は、肩関節周辺の骨折や脱臼、肩関節の打撲、局所の神経圧迫、不良肢位、手術侵襲などで伴いやすい。

2.× 筋皮神経は、腕神経叢の外側神経束から分枝する。筋皮神経とは、頚から出た腕神経の束から枝分かれした神経である。主に、上腕二頭筋と前腕外側の感覚を司る。

3.× 長胸神経は、腕神経叢の上神経幹から分枝する。長胸神経とは、最も近位である根から起こり(C5~7)、前鋸筋を支配する。

4.× 内側上腕皮神経は、腕神経叢の内側神経束から分枝する。上腕内側の皮膚感覚を支配する。

(※図引用:日本整形外科学会様HPより)

 

 

 

 

 

問題25 脳神経と機能の組合せで正しいのはどれか。

1.動眼神経:角膜の痛覚
2.下顎神経:舌の痛覚
3.顔面神経:顔面の触覚
4.舌咽神経:舌の運動

解答

解説

(※図引用:「イラストでわかる歯科医学の基礎 第4版 」永未書店HPより)

1.× 角膜の痛覚は、「動眼神経」ではなく三叉神経である。動眼神経とは、外側直筋と上斜筋以外の眼筋を支配する運動神経と、眼球内の瞳孔括約筋や毛様体筋を支配する副交感神経を含んでいる。一方、三叉神経とは、咀嚼運動にかかわる脳神経である。三叉神経は、主に咀嚼筋の咀嚼運動と顔面の皮膚感覚を司る。運動神経と感覚神経を含む。

2.〇 正しい。舌の痛覚は、下顎神経が司る。下顎神経とは、脳神経である三叉神経の第3枝で、下顎や舌、咀嚼筋などを支配する神経である。
【味覚】顔面神経:舌前2/3、舌咽神経:後1/3
【知覚(痛覚)】三叉神経:前2/3、舌咽神経:後1/3

3.× 顔面の触覚は、「顔面神経」ではなく三叉神経である。顔面神経とは、表情筋の運動、涙腺や口蓋腺などの分泌作用制御の副交感神経、および味覚を司る感覚神経を含む混合神経である。したがって、顔面神経の障害により、顔面表情筋の障害、角膜反射低下、聴覚過敏、味覚低下(舌前2/3)、涙分泌低下、唾液分泌低下などが起こる。

4.× 舌の運動は、「舌咽神経」ではなく舌下神経である。舌咽神経とは、知覚・運動・分泌を受けもつ混合神経で、舌の後部3分の1の感覚や咽頭筋の運動を支配する。 また分泌線維は耳下腺に分布し、唾液の分泌を司る。 鼓室粘膜の知覚もこの神経が支配する。

 

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