第27回(H31年)はり師きゅう師国家試験 解説【午前21~25】

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問題21 鼻腔について正しいのはどれか。

1.キーゼルバッハ部位は上鼻道にある。
2.嗅上皮は中鼻道にある。
3.鼻涙管は下鼻道に開口する。
4.鼻粘膜は重層扁平上皮からなる。

解答

解説

(※図引用:「illustAC様」)

1.× キーゼルバッハ部位は、「上鼻道」ではなく鼻中隔の前端部にある。
キーゼルバッハ部位とは、鼻に指をほんの少し入れたとき、その指先が内側(鼻中隔側)で触れることのできる中央の硬い部分である。ここには血管が多く集まっているため、鼻出血に最も関与する。

2.× 嗅上皮は、「中鼻道」ではなく鼻腔上部にある。
嗅上皮は、鼻粘膜嗅部つまり、鼻腔の後上部である。多列線毛上皮で嗅神経が分布なことが特徴である。

3.〇 正しい。鼻涙管は下鼻道に開口する
鼻涙管とは、内眼角(目頭)にある2つの小さな穴(涙点)から、骨の中を通り鼻腔内へと抜ける管で、涙が排泄されるための通り道である。

4.× 鼻粘膜は、「重層扁平上皮」ではなく多列線毛上皮からなる。
多列線毛上皮の特徴として、表面に線毛があり、杯細胞が豊富。線毛と粘液で塵や異物をからめとる。鼻腔~気管・気管支(気道)があげられる。一方、重層扁平上皮の特徴として、摩擦など機械的刺激に強く、皮膚、口腔~食道、肛門、膣などがあげられる。

上皮組織の形態による分類

・単層扁平上皮:薄いので物質の交換などに向く。
(胸膜、腹膜、血管内皮、肺胞など)

・単層立方上皮:甲状腺の濾胞細胞など。
(甲状腺の濾胞上皮、尿細管など)

・単層円柱上皮:吸収と分泌を行う場所に向く。
消化器系(胃、小腸、大腸)、卵管・子宮など

・重層扁平上皮:摩擦など機械的刺激に強い。
皮膚、口腔~食道、肛門、膣など。

・多列線毛上皮:表面に線毛があり、杯細胞が豊富。線毛と粘液で塵や異物をからめとる。
鼻腔~気管・気管支(気道)

・移行上皮:伸び縮みすることができる。
腎杯腎~尿管~膀胱(尿路)

 

 

 

 

 

問題22 食道について正しいのはどれか。

1.第3頸椎の高さで始まる。
2.気管分岐部の高さで狭窄している。
3.気管の前を通る。
4.成人では長さ約15cmである。

解答

解説

(※図引用:「illustAC様」)

1.× 「第3頸椎」ではなく第6頸椎の高さで始まる。
ちなみに、左右の主気管支の分岐は、第4~5胸椎から始まる。

2.〇 正しい。気管分岐部の高さで狭窄している
食道の生理的狭窄部:①輪状軟骨部(食道入口部)、②気管分岐部、③噴門部である。

3.× 気管の「前」ではなくを通る。
※下図参照

4.× 成人では長さ「約15cm」ではなく約25cmである。
気管の長さが約10cmである。

(※図引用:「illustAC様」)

 

 

 

 

 

問題23 肝臓について正しいのはどれか。

1.実質はグリソン鞘により肝小葉に分けられる。
2.肝鎌状間膜は方形葉と尾状葉の間にある。
3.右葉よりも左葉の方が大きい。
4.肝静脈は肝門を通る。

解答

解説

(※図引用:「看護師イラスト集」より)

1.〇 正しい。実質はグリソン鞘により肝小葉に分けられる
肝小葉とは、肝臓において肝細胞の配列により小葉構造を形成する領域であり、肝小葉の間には小葉間結合組織が存在する。 グリソン鞘によって、肝に入る血管(門脈と肝動脈)、肝から胆汁を分泌する胆管の3つは結合織によって束ねられている。

2.× 肝鎌状間膜は、「方形葉と尾状葉」ではなく「右葉と左葉」の間にある。
肝臓は、右側が右葉、左側が左葉と分かれている。その肝臓を左右を分けている膜を肝鎌状間膜(※読み:かんかまじょうかんまく)という。方形葉とは、胆嚢と左葉の間を指し、尾状葉とは下大静脈と左葉の間を指す。つまり、前後の組織である。

3.× 逆である。「左葉」よりも「右葉」の方が大きい。
なぜなら、胃が位置しているため。

4.× 肝静脈は肝門を通らない
肝門とは、肝臓の下面中央部付近にある肝臓に出入りする血管(門脈・肝動脈)・胆管・リンパ管・神経が集まって通るところである。

 

 

 

 

 

問題24 男性生殖器について正しいのはどれか。

1.セルトリ細胞は男性ホルモンを分泌する。
2.射精管は陰茎を貫いている。
3.精子は精囊に蓄えられる。
4.精巣上体は陰囊内にある。

解答

解説


1.× セルトリ細胞は、「男性ホルモンの分泌」ではなく精子形成のサポートである。
セルトリ細胞とは、脊椎動物の細精管壁の基底部のところどころにある大型の細胞である。精子を形成していく細胞群を物理的・内分泌的にサポートし、これらの細胞の維持・分化に重要な働きをする。ちなみに、男性ホルモンの分泌は、ライディッヒ細胞(間細胞)である。ライディッヒ細胞とは、間細胞ともよばれ、脂質顆粒を含み、滑面小胞体がよく発達しており、雄性ホルモンは主としてここから分泌される。

2.× 陰茎を貫いているのは、「射精管」ではなく尿道である。
尿管と射精管が合流し尿道となる。

3.× 精子は、「精囊」ではなく精巣上体(副睾丸)に蓄えられる。
睾丸(精巣)は、男性ホルモンと精子を作り出す臓器である。精嚢とは、前立腺の後ろに一対ある長さ5cmほどの袋状の器官で、精嚢液を分泌して射精のときに精子と混ぜ合わせ精液を作る。

4.〇 正しい。精巣上体は陰囊内にある
精巣上体とは、陰嚢の中、精巣の外側に付属する組織である。精巣(睾丸)で作られた精子を蓄えて成熟させる。精子を運ぶ管(精管)の一部である。

 

 

 

 

 

問題25 脊髄神経とその数の組合せで正しいのはどれか。

1.頸神経:7対
2.胸神経:11対
3.腰神経:5対
4.仙骨神経:6対

解答

解説

(※画像引用:医療法人鉄蕉会様HP)

1.× 頸神経は、「7対」ではなく8対である。

2.× 胸神経は、「11対」ではなく12対である。

3.〇 正しい。腰神経は、「5対」である。

4.× 仙骨神経は、「6対」ではなく5対である。

 

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