第29回(R3年)はり師きゅう師国家試験 解説【午後121~125】

この記事には広告を含む場合があります。

記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

 

問題121 顔面神経支配の筋にある経穴の部位はどれか。

1.頬骨弓中央の上際の陥凹部
2.外眼角の直下、頬骨下方の陥凹部
3.珠間切痕と下顎骨関節突起の間の陥凹部
4.耳珠上の切痕と下顎骨関節突起の間の陥凹部

解答

解説

(※図引用:「illustAC様」)

1.× 頬骨弓中央の上際の陥凹部は、「上関」である。
足の少陽胆経である上関(※読み:じょうかん)は、頭部、頬骨弓中央の上際陥凹部に位置する。別名は、客主人で、頻骨弓をはさんで、下関(胃経)の直上にあたる。側頭筋の治療穴である。側頭筋の支配する神経は、三叉神経の第3枝である下顎神経の枝のひとつである。

2.〇 正しい。外眼角の直下、頬骨下方の陥凹部は、顔面神経支配の筋にある経穴の部位である。
手の太陽小腸経である顴髎(※読み:けんりょう)は、顔面部、外眼角の直下、頬骨下方の陥凹部に位置する。下関(胃経)の前方にあたる。

3.× 珠間切痕と下顎骨関節突起の間の陥凹部は、「聴会」である。
足の少陽胆経である聴会(※読み:ちょうえ)は、顔面部、珠間切痕と下顎角関節突起の間、陥凹部である。聴宮(小場経)の直下にあたる。

4.× 耳珠上の切痕と下顎骨関節突起の間の陥凹部は、「耳門」である。
手の少陽三焦経である耳門は、下顎神経の支配神経領域に位置する。

 

 

 

 

 

問題122 経穴の部位で正しいのはどれか。

1.秩辺は、第2後仙骨孔と同じ高さ、正中仙骨稜の外方3寸にある。
2.三陽絡は、橈骨と尺骨の骨間の中点、肘頭の下方5寸にある。
3.蠡溝は、脛骨内側面の中央、内果尖の上方5寸にある。
4.本神は、前髪際から入ること5分、瞳孔線上にある。

解答

解説
1.× 秩辺は、第「2」ではなく4後仙骨孔と同じ高さ、正中仙骨稜の外方3寸にある。
秩辺(※読み:ちっぺん)は、殿部、第4後仙骨孔と同じ高さ、正中仙骨稜の外方3寸である。下髎と同じ高さにあたる。ちなみに、胞肓(※読み:ほうこう)は、殿部、第2後仙骨孔と同じ高さ、正中仙骨稜の外方3寸である。

2.× 三陽絡は、橈骨と尺骨の骨間の中点、肘頭の下方「5」ではなく4寸にある。
三陽絡(※読み:さんようらく)は、前腕後面、橈骨と尺骨の骨間の中点、手関節背側横紋の上方4寸に位置する。ちなみに、四瀆(※読み:しとく)は、前腕後面、橈骨と尺骨の骨間の中点、肘頭の下方5寸である。

3.〇 正しい。蠡溝は、脛骨内側面の中央、内果尖の上方5寸にある。
蠡溝(※読み:れいこう)は、下腿前内側、脛骨内側面の中央、内果尖の上方5寸に位置する。

4.× 前髪際から入ること5分、瞳孔線上にあるのは、「本神」ではなく頭臨泣である。
本神(※読み:ほんじん)は、頭部、前髪際の後方5分、前正中線の外方3寸に位置する。
頭臨泣(※読み:あたまりんきゅう):頭部、前髪際から入ること5分、瞳孔線上※瞳孔の直上にあたる。

 

 

 

 

 

問題123 経金穴の部位はどれか。

1.長掌筋腱と橈側手根屈筋腱の間、手関節掌側横紋の上方3寸
2.長母指外転筋腱と短母指伸筋腱の間、手関節掌側横紋の上方1寸5分
3.橈骨と尺骨の骨間の中点、手関節背側横紋の上方3寸
4.尺骨内縁と尺側手根屈筋の間、手関節背側横紋の上方5寸

解答

解説

経金穴

中封、霊道、商丘、経渠、復溜、間使

1.〇 正しい。長掌筋腱と橈側手根屈筋腱の間、手関節掌側横紋の上方3寸は、経金穴の部位である。手の厥陰心包経の間使(※読み:かんし)である。

2.× 長母指外転筋腱と短母指伸筋腱の間、手関節掌側横紋の上方1寸5分は、「列欠」である。
列欠は、手の太陰肺経の絡穴である。

3.× 橈骨と尺骨の骨間の中点、手関節背側横紋の上方3寸は、「支溝」である。
支溝は、手の少陽三焦経の経穴である。

4.× 尺骨内縁と尺側手根屈筋の間、手関節背側横紋の上方5寸は、「支正」である。
支正は、手の太陽小腸経の絡穴である。

 

 

 

 

 

問題124 五兪穴の滎穴が深腓骨神経の分布領域にあるのはどれか。

1.肝経
2.脾経
3.腎経
4.胆経

解答

解説

五兪穴の栄穴

【陰経】行間、少府、大都、魚際、然谷、労宮、栄穴
【陽経】侠渓、前谷、内庭、二間、足通谷、液門

1.〇 正しい。肝経は、五兪穴の滎穴が深腓骨神経の分布領域にある。
行間(※読み:こうかん)は、足背、第1~2指間、みずかきの近位、赤白肉際に位置する。

2.× 脾経は、大都である。
大都(※読み:だいと)は、足の第1指、第1中足指節関節の遠位陥凹部、赤白肉際に位置する。

3.× 腎経は、然谷である。
然谷(※読み:ねんこく)は、足内側、舟状骨粗面の下方、赤白肉際に位置する。

4.× 胆経は、侠谿である。
侠渓(※読み:きょうけい)は、足背、第4~5指間、みずかきの近位、赤白肉際に位置する。

 

 

 

 

 

問題125 少陽経の郄穴が位置する筋はどれか。

1.前脛骨筋
2.長腓骨筋
3.ヒラメ筋
4.長指伸筋

解答

解説
1.× 前脛骨筋は、足の陽明胃経が関係する。
前脛骨筋の【起始】脛骨外側面、下腿骨間膜、【停止】内側楔状骨と第1中足骨の底面、【作用】足関節背屈、内返し、【神経】深腓骨神経である。

2.〇 正しい。長腓骨筋は、少陽経の郄穴が位置する筋である。
少陽経(足の少陽胆経)の郄穴は、外丘である。外丘(※読み:がいきゅう)は、下腿外側、腓骨の前方、外果尖の上方7寸に位置する。陽交と下巨虚(胃経)との間にあたる。

3.× ヒラメ筋は、足の少陰腎経が関係する。
ヒラメ筋の【起始】腓骨頭と腓骨後面、脛骨のヒラメ筋線と内側縁、腓骨と脛骨間のヒラメ筋腱弓、【停止】踵骨腱(アキレス腱)となり踵骨隆起後面の中部、【作用】膝関節底屈、踵の挙上、【支配神経】脛骨神経:L5~S2である。

4.× 長指伸筋は、足の陽明胃経が関係する。
足の長指伸筋の【起始】腓骨体前面、前下腿筋間中隔、脛骨上端の外側面、下腿骨間膜の下部、【停止】第2~5趾の中節骨、末節骨、【作用】第2~5趾の伸展、足関節背屈、外返しである。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)