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専門基礎科目
問題1 介護保険制度の保険者はどれか。
1.国
2.都道府県
3.市町村
4.介護施設
解答3
解説
1.× 国
国は医療保険の保険者である。ちなみに、公的医療保険とは、私たちやその家族が、病気やケガをしたときに医療費の一部を公的な機関が負担する制度のことである。日本では「国民皆保険」といって、すべての人が何らかの公的医療保険に加入しているが、その種類によって保障内容に若干の差がある。
2.× 都道府県
都道府県は国民健康保険の保険者である。国民健康保険とは、日本の国民健康保険法等を根拠とする、法定強制保険の医療保険である。病気やケガで医療機関や薬局を受診する場合に、「国民健康保険証」を窓口に提示することで医療費の一定の割合を国民健康保険が負担できる。国民健康保険の加入者は、職場の健康保険(協会けんぽ、健康保険組合、共済組合)の加入者、75歳以上等で後期高齢者医療制度の加入者および生活保護を受けている人以外の方となる。
3.〇 正しい。市町村は、介護保険制度の保険者である。
4.× 介護施設
介護施設は、介護サービスを実施する施設である。
介護保険制度とは、寝たきりや認知症等で常時介護を必要とする状態(要介護状態)になった場合や、家事や身支度等の日常生活に支援が必要であり、特に介護予防サービスが効果的な状態(要支援状態)になった場合に、介護の必要度合いに応じた介護サービスを受けることができる。
【目標】
予防とリハビリテーションの重視
高齢者による選択
在宅ケアの推進
利用者本位のサービスの提供
社会連帯による支え合い
介護基盤の整備
重層的で効率的なシステム
【基本理念】
自己決定の尊重
生活の継続
自己支援(残存能力の活用)
問題2 我が国の国民医療費に含まれるのはどれか。
1.正常分娩の費用
2.訪問看護の療養費用
3.入院時室料差額の費用
4.予防接種の費用
解答2
解説
「国民医療費」とは、当該年度内の医療機関等における保険診療の対象となり得る傷病の治療に要した費用を推計したものである。この費用には、医科診療や歯科診療にかかる診療費、薬局調剤医療費、入院時食事・生活医療費、訪問看護医療費等が含まれる。なお、保険診療の対象とならない評価療養(先進医療(高度医療を含む)等)、選定療養(入院時室料差額分、歯科差額分等)及び不妊治療における生殖補助医療などに要した費用は含まない。また、傷病の治療費に限っているため、(1)正常な妊娠・分娩に要する費用、(2)健康の維持・増進を目的とした健康診断・予防接種等に要する費用、(3)固定した身体障害のために必要とする義眼や義肢等の費用も含まない。
(※一部抜粋:「国民医療費の範囲と推計方法の概要」厚生労働省HPより)
1.× 正常分娩の費用/入院時室料差額の費用/予防接種の費用は含まれない。
なぜなら、傷病の治療費に限っているため。(1)正常な妊娠・分娩に要する費用、(2)健康の維持・増進を目的とした健康診断・予防接種等に要する費用、(3)固定した身体障害のために必要とする義眼や義肢等の費用も含まない。
2.〇 正しい。訪問看護の療養費用は、我が国の国民医療費に含まれる。
「国民医療費」とは、当該年度内の医療機関等における保険診療の対象となり得る傷病の治療に要した費用を推計したものである。この費用には、医科診療や歯科診療にかかる診療費、薬局調剤医療費、入院時食事・生活医療費、訪問看護医療費等が含まれる。
(※図引用:「国民医療費の範囲と推計方法の概要」厚生労働省HPより)
問題3 被用者保険でないのはどれか。
1.船員保険
2.共済組合
3.協会けんぽ
4.国民健康保険
解答4
解説
被用者保険とは、被用者を対象とする保険のことである。被用者とは、企業や個人事業主等に雇われた人々で、いわゆるサラリーマン等の会社員や公務員、さらには船員が含まれる。職域保険ともいう。被用者保険の場合、雇用に伴う給料支払等を通じて、被用者の所得等が把握されるため、雇用主からの拠出や被用者からの保険料徴収が相対的に容易に行えるというメリットがある。被用者保険は、①健康保険(一般被用者保険)、②特定被用者保険に分かれる。①健康保険は、組合管掌健康保険(組合健保)、全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)があり、②特定被用者保険は、国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、私立学校教職員共済制度、船員保険があげられる。
1.〇 船員保険
船員保険とは、船員法第1条に規定する船員として船舶所有者に使用される者を対象としている。船員保険法等を根拠とする。特徴として、船員保険は健康保険より給付が手厚いことがあげられる。特に通常の健康保険と違うのは、業務上の災害や事故による場合でも、保険給付が行われるという部分である。また、独自の給付に加え、健康保険、年金、さらには雇用保険と労働災害保険の全てを兼ね備えている。
2.〇 共済組合
国家公務員共済組合とは、公務員および私立学校教職員を対象とした公的社会保障を運営する社会保険組合である。組合は医療保険、年金保険の役割を担っており、組合員は健康保険法に基づく保険料の徴収・各種給付が行なわれない。
3.〇 協会けんぽ
全国健康保険協会管掌保険(協会けんぽ)とは、中小企業の労働者やその家族を対象とした保険制度で、被用者保険の範囲内に含まれる。協会けんぽは、加入者の医療費や年金を支払うために設立されている。
4.× 国民健康保険は、被用者保険でない。
国民健康保険とは、日本の国民健康保険法等を根拠とする、法定強制保険の医療保険である。病気やケガで医療機関や薬局を受診する場合に、「国民健康保険証」を窓口に提示することで医療費の一定の割合を国民健康保険が負担できる。国民健康保険の加入者は、職場の健康保険(協会けんぽ、健康保険組合、共済組合)の加入者、75歳以上等で後期高齢者医療制度の加入者および生活保護を受けている人以外の方となる。
問題4 患者が「よろしくお願いします」と言い、医療従事者が「お任せください」と言う会話から考えられる両者の関係はどれか。
1.パターナリズム
2.セカンドオピニオン
3.インフォームド・アセント
4.インフォームド・コンセント
解答1
解説
1.〇 正しい。パターナリズムが、両者の関係である。
パターナリズム(父権主義)とは、弱い立場の者の意思・判断に関係なく強い立場の者が介入・干渉し、それに従うべきだとする考えのことである。医療において、患者の意思にかかわらず、医師などの専門家に任せた治療を進めることを指す。
2.× セカンドオピニオン
セカンドオピニオンとは、診断や治療について、主治医以外の医師の意見を求めることを指す。主治医の意見に不安や悩みを抱えている患者に提案することが多い。
3.× インフォームド・アセント
インフォームド・アセントとは、小児を対象とした治験を行う際、子どもの理解度に応じてわかりやすく説明し、その内容について被験者である小児自身が納得すること、そして試験に関する同意を得ることをいう。
4.× インフォームド・コンセント
インフォームドコンセントとは、患者・家族が病状や治療について十分に理解し、また、医療職も患者・家族の意向や様々な状況や説明内容をどのように受け止めたか、どのような医療を選択するか、患者・家族、医療職、ソーシャルワーカーやケアマネジャーなど関係者と互いに情報共有し、皆で合意するプロセスである。
インフォームド・コンセントは、各国の法律や規則の規制を受けるため義務として実施しているが、それに対してインフォームド・アセントは、法規制上の義務が無いにも関わらず、自発的に医師及び治験スタッフが患者に対して治療に関する説明及び同意取得を行うことをいう。
問題5 疾病予防について、ハイリスクアプローチはどれか。
1.受動喫煙を減らすための法整備
2.食習慣改善のための広報活動
3.市民対象のウォーキング大会の実施
4.喫煙者に対する禁煙指導の実施
解答4
解説
・ポピュラーアプローチ(ポピュレーションストラテジー):対象を限定せず地域や職場など、集団全体に働きかけてリスクを下げる方法である。1次予防とされる。
・ハイリスクアプローチ(ハイリスクストラテジー):リスクの高いものに対象を絞り込んで働きかける方法である。2次予防とされる。
1~3.× 受動喫煙を減らすための法整備/食習慣改善のための広報活動/市民対象のウォーキング大会の実施
これは、ポピュラーアプローチである。なぜなら、対象を限定せず地域や職場など、集団全体に働きかけているため。
4.〇 正しい。喫煙者に対する禁煙指導の実施が、ハイリスクアプローチである。
ハイリスクアプローチ(ハイリスクストラテジー)は、リスクの高いものに対象を絞り込んで働きかける方法である。2次予防とされる。