問題11 あはき法で、免許の取り消し処分を受けたときに5日以内に行わなければならないのはどれか。
1.免許証再交付の申請
2.免許証の返納
3.名簿登録の削除申請
4.施術所休止の届出
解答2
解説
1.× 免許証再交付の申請の「期限は決められていない」。また、免許証の再交付申請は、免許証を破損したり、紛失したりした場合に、有効な免許を持っている人が免許証を改めて発行してもらうために行う手続きである。免許取り消し処分(資格自体が剥奪された状態)は、有効な免許は存在せず、再交付の申請をすることはできない。
第六条(免許証の再交付申請) 施術者は、免許証又は免許証明書を破り、汚し、又は失ったときは、免許証の再交付を申請することができる。2 前項の申請をするには、様式第四号による申請書に戸籍の謄本若しくは抄本又は住民票の写しを添えて厚生労働大臣に提出しなければならない。3 第一項の申請をする場合には、手数料として三千三百円を国に納めなければならない。4 免許証又は免許証明書を破り、又は汚した施術者が第一項の申請をする場合には、申請書にその免許証又は免許証明書を添えなければならない。5 施術者は、免許証の再交付を受けた後、失った免許証又は免許証明書を発見したときは、五日以内に、これを厚生労働大臣に返納しなければならない(※引用:「柔道整復師法施行規則」厚生労働省HPより)。
2.〇 正しい。免許証の返納は、免許の取り消し処分を受けたときに5日以内に行わなければならない。
第七条(免許証又は免許証明書の返納) 施術者は、名簿の登録の消除を申請するときは、免許証又は免許証明書を厚生労働大臣に返納しなければならない。第四条第二項の規定により名簿の登録の消除を申請する者についても、同様とする。2 施術者は、免許を取り消されたときは、五日以内に、免許証又は免許証明書を厚生労働大臣に返納しなければならない(※引用:「柔道整復師法施行規則」厚生労働省HPより)。
3.× 名簿登録の削除申請する「期限は決められていない」。なぜなら、名簿登録の削除は、「申請」によって起こるのではなく、厚生労働大臣によって行政処分の一環として自動的に行われるため。
4.× 施術所休止の届出は、「施術者が免許の取消し処分を受けたとき」とは直接関係がない。
第九条の二 施術所を開設した者は、開設後十日以内に、開設の場所、業務に従事する施術者の氏名その他厚生労働省令で定める事項を施術所の所在地の都道府県知事に届け出なければならない。その届出事項に変更を生じたときも、同様とする。② 施術所の開設者は、その施術所を休止し、又は廃止したときは、その日から十日以内に、その旨を前項の都道府県知事に届け出なければならない。休止した施術所を再開したときも、同様とする(※引用:「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」e-GOV法令検索様HPより)。
問題12 あはき法で、施術所の構造設備の基準として誤っているのはどれか。
1.6.6平方メートル以上の専用の施術室を有する。
2.3.3平方メートル以上の待合室を有する。
3.施術器具や手指などの消毒設備を有する。
4.施術室は室面積の9分の1以上に相当する部分を外気に開放し得る。
解答4
解説
・6.6平方メートル以上の専用の施術室を有すること
・3.3平方メートル以上の待合室を有すること
・施術室は、室面積の7分の1以上に相当する部分を外気に開放し得ること(ただし、これに代わるべき適当な換気装置があるときはこの限りではない)
・施術に用いる器具、手指等の消毒設備を有すること
(※引用:「施術所の構造設備基準等について」東京都多摩府中保健所HPより)
1.〇 正しい。6.6平方メートル以上の専用の施術室を有する。
2.〇 正しい。3.3平方メートル以上の待合室を有する。
3.〇 正しい。施術器具や手指などの消毒設備を有する。
4.× 施術室は室面積の「9分の1」ではなく7分の1以上に相当する部分を外気に開放し得る。
9分の1では不十分である。
問題13 あはき法で、都道府県知事は施術者に対し、衛生上害を生ずるおそれがあると認めるときは、その業務に関して必要な指示ができる。
この指示に関して都道府県知事に意見を述べることができるのはどれか。
1.医師の団体
2.厚生労働大臣
3.はり師、きゅう師の団体
4.保健所長
解答1
解説
1.〇 正しい。医師の団体は、都道府県知事に意見を述べることができる。
第八条 都道府県知事は、衛生上害を生ずるおそれがあると認めるときは、施術者に対し、その業務に関して必要な指示をすることができる。
② 医師の団体は、前項の指示に関して、都道府県知事に、意見を述べることができる。
(※引用:「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」e-GOV法令検索様)
2.× 厚生労働大臣とは、日本の厚生労働省の長および主任の大臣たる国務大臣である。厚生労働省は、「国民生活の保障・向上」と「経済の発展」を目指すために、社会福祉、社会保障、公衆衛生の向上・増進と、働く環境の整備、職業の安定・人材の育成を総合的・一体的に推進する。
3.× はり師、きゅう師の団体(例:日本鍼灸師会など)は、施術者自身の代表や業界団体である。都道府県知事が行う業務指示の対象となる側である。
4.× 保健所長とは、保健所内の組織管理を主な業務とし、医師たる職員であって、3年以上の公衆衛生の実務経験等を経た者を充てることが原則である。看護職の免許申請窓口としても活用されている。
問題14 法律として定義されている事項の組み合わせで正しいのはどれか。
1.医療法:要介護認定区分
2.地域保健法:助産所
3.医薬品医療機器等法:管理医療機器
4.生活保護法:国民健康保険
解答3
解説
1.× 要介護認定区分は、「医療法」ではなく介護保険法である。
・医療法とは、病院、診療所、助産院の開設、管理、整備の方法などを定める日本の法律である。①医療を受けるものの利益と保護、②良好かつ適切な医療を効率的に提供する体制確保を主目的としている。
・介護保険法とは、1997年12月に公布された法律で、40歳以上で介護が必要になった人の自立生活を支援するために、国民が負担する保険料や税金を財源として、日常生活の行為にかかるさまざまな介助やリハビリなどのサービスにかかる給付を行うことを目的にしている。加齢に伴って生じる心身の変化による疾病等により介護を要する状態となった者を対象として、その人々が有する能力に応じ、尊厳を保持したその人らしい自立した日常生活を営むことができることを目指している。
2.× 助産所は、「地域保健法」ではなく医療法である。
・助産所とは、助産師が公衆又は特定多数人のためその業務(病院又は診療所において行うものを除く)を行う場所をいう。助産師が助産を行う場所、又は妊婦・褥婦もしくは新生児の保健指導などを行う場所として適法に設置された施設をいう。
・地域保健法とは、地域保健対策の推進に関する基本指針、保健所の設置その他地域保健対策の推進に関し基本となる事項を定めることにより、母子保健法その他の地域保健対策に関する法律による対策が地域において総合的に推進されることを確保し、地域住民の健康の保持及び増進に寄与することを目的として制定された法律である。
3.〇 正しい。医薬品医療機器等法:管理医療機器
・管理医療機器とは、保守点検、修理その他の管理に専門的な知識及び技能を必要とする医療機器のことをいう。人の生命及び健康に影響を与えるおそれがあることから、その適切な管理が必要な医療機器である。
・医薬品医療機器等法とは、日本における医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品に関する運用などを定めた法律である。品質、有効性、安全性を確保することなどにより、保健衛生の向上を図ることを目的としている。
4.× 国民健康保険は、「生活保護法」ではなく国民健康保険法である。
・生活保護法とは、『日本国憲法』25条の理念に基づき、生活困窮者を対象に、国の責任において、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長することを目的としている。8つの扶助(生活扶助、住宅扶助、教育扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助)があり、原則現金給付であるが、医療扶助と介護扶助は現物給付である。被保護人員は約216.4万人(平成27年度,1か月平均)で過去最高となっている。
・国民健康保険とは、日本の国民健康保険法等を根拠とする、法定強制保険の医療保険である。病気やケガで医療機関や薬局を受診する場合に、「国民健康保険証」を窓口に提示することで医療費の一定の割合を国民健康保険が負担できる。国民健康保険の加入者は、職場の健康保険(協会けんぽ、健康保険組合、共済組合)の加入者、75歳以上等で後期高齢者医療制度の加入者および生活保護を受けている人以外の方となる。つまり、無職者である。
問題15 筋細胞について正しいのはどれか。
1.平滑筋細胞は介在板で連結する。
2.心筋細胞は大動脈壁に広く分布する。
3.心筋細胞は細胞間にギャップ結合をもつ。
4.筋小胞体には高濃度のナトリウムイオンが含まれる。
解答3
解説
1.× 介在板で連結するのは、「平滑筋細胞」ではなく心筋細胞である。これをギャップ結合という。ギャップ結合とは、細胞の介在板にみられる構造で、直径2nmの通路を隣接する細胞間で形成し、その通路をイオンや小分子が通過し、心筋の同期性収縮(繰り返される収縮のこと)に寄与していることである。これは心筋や平滑筋に見られ、この結合を介して興奮伝導が行われる。
2.× 大動脈壁に広く分布するのは、「心筋細胞」ではなく平滑筋細胞である。
・心筋細胞は、その名の通り心臓の壁(心筋層)に存在し、心臓のポンプ機能(収縮)を担う。
・平滑筋細胞は、大動脈のような血管の壁に広く分布し、血管の収縮・弛緩を調節を担う。血圧や血流をコントロールする役割を果たす。
3.〇 正しい。心筋細胞は、細胞間にギャップ結合をもつ。ギャップ結合とは、細胞の介在板にみられる構造で、直径2nmの通路を隣接する細胞間で形成し、その通路をイオンや小分子が通過し、心筋の同期性収縮(繰り返される収縮のこと)に寄与していることである。これは心筋や平滑筋に見られ、この結合を介して興奮伝導が行われる。
4.× 筋小胞体には、高濃度の「ナトリウムイオン」ではなくカルシウムイオンが含まれる。
・カルシウムイオンの放出が筋収縮を開始するきっかけとなる。
・筋細胞において高濃度のナトリウムイオンが存在するのは、主に細胞外液である。細胞内には、ナトリウム-カリウムポンプの働きにより、ナトリウムイオンの濃度は低く保たれている。
【筋収縮の機序】
①筋小胞体から放出されたCa2+がトロポニンと結合する。
②ATPエネルギーを利用したミオシンの頭部首振り運動が起こる。
③アクチンフィラメントを引き寄せながらミオシンフィラメント上を滑走して筋収縮が起こる。
【運動による筋疲労によって起こる事象】
①代謝産物の蓄積(乳酸の増加やpHの低下)
②エネルギー供給率の低下(ATP低下、ADP増加、グリコーゲン低下)
③興奮収縮連関不全(筋小胞体へのCa2+取り込み低下)