第33回(R7年)はり師きゅう師国家試験 解説【午後116~120】

 

問題116 回旋筋腱板で肩を外転させる筋上にある経穴はどれか。

1.肩貞
2.臑兪
3.曲垣
4.天宗

解答

解説

回旋筋腱板とは?

腱板(回旋筋腱板:ローテーターカフ)とは、肩甲骨と上腕骨をつないでいる4つの筋肉の腱の総称である。①棘上筋、②棘下筋、③小円筋、④肩甲下筋から成る。
棘上筋の【起始】肩甲骨の棘上窩、棘上筋膜の内側、【停止】上腕骨大結節の上部、【作用】肩関節外転、【神経】肩甲上神経である。

1.× 肩貞は、肩周囲部、肩関節の後下方、腋髙横紋後端の上方1寸に位置する。小円筋、大円筋、上腕三頭筋の治療穴である。

2.× 臑兪は、肩周囲部、腋窩横紋後端の上方、肩甲棘の下方陥凹部に位置する。棘下筋や三角筋の治療穴である。

3.〇 正しい。曲垣は、回旋筋腱板で肩を外転させる筋上にある経穴である。
・曲垣は、肩甲部、肩甲棘内端の上方陥凹部に位置する。

4.× 天宗は、肩甲部、肩甲棘の中点と肩甲骨下角を結んだ線上、肩甲棘から1/3にある陥凹部に位置する。棘下筋の治療穴である。

 

 

 

 

 

問題117 広背筋上にある経穴はどれか。

1.神堂
2.淵腋
3.章門
4.志室

解答

解説

広背筋

【起始】第6~8胸椎以下の棘突起、腰背腱膜、腸骨稜、第(9)10~12肋骨および肩甲骨下角
【停止】上腕骨の小結節稜
【作用】肩関節内転、伸展、多少内旋
【神経】胸背神経

1.× 神堂は、上背部、第5胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸に位置する。

2.× 淵腋は、側胸部、第4肋間、中腋窩線上に位置する。

3.× 章門は、側腹部、第11肋骨端下縁に位置する。

4.〇 正しい。志室は、広背筋上にある経穴である。
志室は、腰部、第2腰椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸に位置する。第12助骨端下縁の内方に位置する。

 

 

 

 

 

問題118 足の少陰経の経金穴と同じ高さに並ぶのはどれか。

1.交信
2.陽輔
3.豊隆
4.中都

解答

解説

MEMO

足の少陰(腎)経の経金穴は、復溜である。
・復溜は、下腿後内側、アキレス腱の前縁、内果尖の上方2寸に位置する。

1.〇 正しい。交信は、足の少陰経の経金穴と同じ高さに並ぶ。
交信は、下腿内側、脛骨内縁の後方の陥凹部、内果尖の上方2寸に位置する。

2.× 陽輔は、下腿外側、腓骨の前方、外果尖の上方4寸に位置する。

3.× 豊隆は、下腿前外側、前脛骨筋の外縁、外果尖の上方8寸に位置する。

4.× 中都は、下腿前内側、脛骨内側面の中央、内果尖の上方7寸に位置する。

 

 

 

 

 

問題119 頭部、耳介の付け根の後縁の直上、髪際の上方2寸にあるのはどれか。

1.角孫
2.浮白
3.天衝
4.曲鬢

解答

解説
1.× 角孫は、頭部、耳尖の当たるところに位置する。

2.× 浮白は、頭部、乳様突起の後上方、天衝と完骨を結ぶ(耳の輪郭に沿った)曲線上、天衝から1/3に位置する。

3.〇 正しい。天衝は、頭部、耳介の付け根の後縁の直上、髪際の上方2寸にある。

4.× 曲鬢は、頭部、もみあげ後緑の重線と耳尖の水平線の交点に位置する。

 

 

 

 

 

問題120 足の太陰経の五兪穴で、身体が重く関節が痛む際に用いる経穴の部位はどれか。

1.足の第1指、第1中足指節関節内側の遠位陥凹部、赤白肉際
2.足内側、第1中足指節関節内側の近位陥凹部、赤白肉際
3.足内側、内果の前下方、舟状骨粗面と内果尖の中央陥凹部
4.足関節前内側、前脛骨筋腱内側の陥凹部、内果尖の前方

解答

解説

MEMO

足の太陰()経の五兪穴
身体が重く関節が痛む際に用いる経穴の部位(兪穴
これは、太白である。

1.× 足の第1指、第1中足指節関節内側の遠位陥凹部、赤白肉際
これは、足の太陰(脾)経の栄穴の大都である。

2.〇 正しい。足内側、第1中足指節関節内側の近位陥凹部、赤白肉際は、足の太陰()経の五兪穴で、身体が重く関節が痛む際に用いる経穴(兪穴)である。
これは、太白である。
・足の太陰脾経:舌が強ばりやすくなり、食べるとからえずきし、胃の辺りが痛み、腹部が張ってよくゲップが出る。大便や放屁すると今まであった不快感がなくなり楽になる。身体全体が重くなる。舌本が痛み、身体が動かしにくく、食べた物がつかえてなかなか下に降りていかない。横になっても不快感や胸苦しさで寝付きが悪くなり、無理に立とうとすると膝の内側が腫れて引きつってくる。足の親指が動かしにくい。

3.× 足内側、内果の前下方、舟状骨粗面と内果尖の中央陥凹部
これは、足の太陰(脾)経の経穴である商丘である。

4.× 足関節前内側、前脛骨筋腱内側の陥凹部、内果尖の前方は、中封である。
・足の厥陰肝経である中封は、前脛骨筋の治療穴である。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)