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問題41 上肢の病的反射はどれか。
1.バビンスキー反射
2.チャドック反射
3.トレムナー反射
4.ゴードン反射
解答3
解説
1.× バビンスキー反射は、下肢の病的反射である。
バビンスキー反射は、皮膚への刺激によって母趾がゆっくりと背屈すれば陽性(母趾現象または伸展足底反射)ときには他の4指が開く(開扇現象)。正常では足底反射より母趾屈曲が起こる。
2.× チャドック反射は、下肢の病的反射である。
チャドック反射とは、足の外果の下方を後ろから前へこする。バビンスキー反射の変法で、錐体外路障害で陽性となる。
3.〇 正しい。トレムナー反射は、上肢の病的反射である。
手指屈筋反射のひとつである。手関節を軽く背屈させ、手指をやや屈曲させておく。検者は左手で患者の中指中節を支えて、右手の示指または中指で患者の中指末節掌側面を強くはじく。刺激により母指の内転が起これば陽性。
4.× ゴードン反射(ゴルドン反射)は、下肢の病的反射である。
バビンスキー反射の変法のひとつである。ふくらはぎを指で強くつまむ。バビンスキー反射の他に母指の背屈現象を起こす反射である。
問題42 呼吸機能検査で閉塞性換気障害を示すのはどれか。
1.気管支喘息
2.胸水貯留
3.間質性肺炎
4.肺動脈血栓塞栓症
解答1
解説
(※図引用:yakugaku lab様HP)
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の最大の原因は喫煙であり、喫煙者の約20%がCOPDを発症する。慢性閉塞性肺疾患とは、以前には慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称である。他の特徴として、肺の過膨張、両側肺野の透過性亢進、横隔膜低位、横隔膜の平低化、滴状心などの特徴が認められる。進行性・不可逆性の閉塞性換気障害による症状が現れる。
増加:残気量・残気率・肺コンプライアンス・全肺気量・PaCO2
減少:一秒率・一秒量・肺活量・肺拡散能・PaO2
1.〇 正しい。気管支喘息は、呼吸機能検査で閉塞性換気障害を示す。
気管支喘息とは、主に気管支に炎症が起きている状態である。炎症により気管支が狭くなったり(狭窄)、刺激に対して過敏な反応を示したりする。喘息は乳幼児期に発症することが多く、全体の60~70%が2~3歳までに発症する。子どもの喘息の多くは思春期の頃には症状がよくなるが、そのうちの約30%は大人になっても続くといわれている。
2.× 胸水貯留
胸水とは、胸腔に液体が異常にたまることや、その液体自体のことをいう。原因としては、感染症、外傷、腫瘍、外傷、心不全、肝不全、肺の血管に詰まった血栓(肺塞栓症)、薬物など、数多くある。
3.× 間質性肺炎
間質性肺炎とは、肺の間質組織の線維化が起こる疾患の総称で、慢性的かつ進行性の特徴を持つ。病因は、喫煙、職業上の曝露、感染、免疫不全などである。症状は咳、痰、呼吸困難などで、早期には特徴的な症状がないこともある。
4.× 肺動脈血栓塞栓症
肺動脈血栓塞栓症とは、肺の血管に血のかたまり(血栓)が詰まって、突然、呼吸困難や胸痛、ときには心停止をきたす危険な病気である。ロング・フライト血栓症やエコノミークラス症候群などと呼ばれる。原因として、①血液凝固能の亢進、②静脈血流のうっ滞、③静脈壁の障害の3つの因子が種々の程度に重なって起こる。動脈より静脈のほうがきたしやすい。離床(車椅子乗車や立位訓練、歩行訓練など)を開始したタイミングで発症するリスクが高くなるため注意が必要である。症状として、呼吸困難、胸痛、失神などが認められ、時に心停止となり、突然死に至る場合もある。
肺塞栓症とは、肺動脈に血栓が詰まる病気のこと。この血栓が9割以上は脚の静脈内にできる。この血栓を「深部静脈血栓症」といい、それが血液の流れに乗って右心房、右心室を経由して肺動脈まで運ばれてきて、肺塞栓症の原因となる。肺塞栓症と深部静脈血栓症は、極めて関係が深い病気で、二つを合わせて「静脈血栓塞栓症」と呼ばれる。深部静脈血栓症患者の約50%は潜在性の肺塞栓症を有し、肺塞栓症患者の30%以上は証明可能な深部静脈血栓症患者を有すると報告されている。
問題43 疾患と腫瘍マーカーの組合せで最も適切なのはどれか。
1.肝臓癌:CA125
2.胃癌:AFP
3.前立腺癌:PSA
4.卵巣癌:SCC抗原
解答3
解説
1.× CA125は、「肝臓癌」ではなく卵巣癌である。
CA125(carbohydrate antigen 125)とは、卵巣がん、子宮頸がん、子宮体がんの腫瘍マーカーとして最も一般的に使用されている糖鎖抗原である。子宮内膜や腹膜に存在するタンパク質で、卵巣がんや子宮がんなどの婦人科系の病気で血液中に増加する。
2.× AFPは、「胃癌」ではなく肝臓癌である。
AFP(α-フェトプロテイン)とは、肝臓の疾患を見つける腫瘍マーカーのひとつである。健康な成人の血液には含まれないが、肝臓がんになると血液中に増加するため、肝臓がんのスクリーニング検査として用いられる。
3.〇 正しい。前立腺癌:PSA
PSA(Prostate Specific Antigen)とは、前立腺特異抗原で、前立腺で作られるタンパク質である。採血で測定し、前立腺がんの腫瘍マーカーとして用いられる。PSAの基準値は、0~4ng/mLとされている。4~10ng/mLは、25~40%の割合でがんが発見され、100ng/mLを超える場合には前立腺がんが強く疑われ、転移も疑われる。
4.× SCC抗原は、「卵巣癌」ではなく扁平上皮がん関連抗原である。
SCC抗原(squamous cell carcinoma)は、扁平上皮がん関連抗原であり、宮頸部扁平上皮がんで発見されたタンパク質で、扁平上皮がんで高値を示すがん関連抗原である。子宮頸癌、外陰・膣癌、肺癌、食道癌、頭頸部癌、皮膚癌、口腔・舌・上顎癌など多くの扁平上皮癌で陽性となる。
問題44 季節性インフルエンザウイルス感染症の特徴で正しいのはどれか。
1.膿性痰を認める。
2.潜伏期は1週間前後である。
3.感染経路は飛沫感染である。
4.ワクチンで感染を防ぐことができる。
解答3
解説
インフルエンザとは、インフルエンザウイルスへの感染を原因に発症する。A型、B型、C型の3種類があり、このうち冬季に流行する「季節性インフルエンザ」はA型とB型によるものである。症状として、38度以上の発熱や寒気、関節痛、全身のだるさなどの全身症状と、喉の痛みや咳などの風邪のような症状が現れる。
1.× 膿性痰を認めるのは、細菌性の感染である。
季節性インフルエンザは、ウイルスであるため白黄色から淡黄色の痰がみられる。
2.× 潜伏期は「1週間前後」ではなく1~5日程度である。
潜伏期間とは、ウイルスが体内に侵入してから症状が現れるまでの期間である。この期間はほとんど症状が見られないため、感染してもすぐには症状が出ない。
3.〇 正しい。感染経路は飛沫感染である。
飛沫感染とは、咳やくしゃみなどに伴って発生する飛沫(粒径5μm以上の粒子)が経気道的にヒトの粘膜に付着し感染する感染経路のことである。特徴として、飛散する範囲は1m以内である。例:風疹、流行性耳下腺炎、 インフルエンザ、マイコプラズマ、百日咳など。もちろん接触感染でも感染する。
4.× ワクチンで感染を防ぐことができない。
ワクチンとは、病原性(毒性)を完全になくしたり弱めたりした病原体の一部などを接種することで、免疫システムが次の病原体の侵入に備えられるようにして、重篤な感染症を予防する薬である。つまり、重症化の予防が目的となる。
感染には、①接触感染、②空気感染、③飛沫感染がある。
①接触感染(例:流行性角結膜炎、疥癬、ノロウイルス感染症など)
(1)直接接触感染:感染者の皮膚粘膜との直接接触による伝播・感染する。
(2)間接接触感染:感染者の微生物で汚染された衣類、周囲の器物、環境などとの接触による伝播・感染する。
②飛沫感染(例:風疹、流行性耳下腺炎、 インフルエンザ、マイコプラズマ、百日咳など)
咳やくしゃみなどに伴って発生する飛沫(粒径5μm以上の粒子)が経気道的にヒトの粘膜に付着し感染する。飛散する範囲は1m以内であることが特徴。
③空気感染(例:結核、水痘、麻疹など)
飛沫核 (粒径5μm未満の粒子に付着した微生物)が長期間空中を浮遊し、これを吸い込むことで感染が伝播・感染する。
(※参考:「医療施設等における感染対策ガイドライン」厚生労働省様HPより)
問題45 中殿筋機能不全を確認する徒手検査法はどれか。
1.トレンデレンブルグテスト
2.パトリックテスト
3.ブラガードテスト
4.マクマレーテスト
解答1
解説
1.〇 正しい。トレンデレンブルグテストは、中殿筋機能不全を確認する徒手検査法である。
Trendelenburg(トレンデレンブルグ)徴候とは、中殿筋が麻痺や筋力低下などの機能不全が生じているときに、患側での立脚期において健側の骨盤が下がる現象である。
2.× パトリックテスト
Patrickテスト(パトリックテスト)は、股関節の炎症や痛みのテストである。背臥位で評価側の足背を反対側の膝蓋骨に載せ、評価側の膝を床へ押さえる。鼠径部に痛みが出れば陽性である。
3.× ブラガードテスト
Bragardテスト(ブラガードテスト)は、椎間板ヘルニアの検査である。下肢伸展挙上テスト(SLR)で下肢痛を生じた位置より、角度を少し減じた位置で、足関節を背屈させ、同様の下肢痛を認めたときに陽性とする。
4.× マクマレーテスト
McMurrayテスト(マックマリーテスト)の陽性は、半月板損傷を疑う。①背臥位で膝を完全に屈曲させ片手で踵部を保持する。②下腿を外旋させながら膝を伸展させたときに痛みやクリックを感じれば内側半月の損傷、下腿を内旋させながら膝を伸展させたときに生じるならば外側半月の損傷を示唆する。