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問題71 物理療法機器を用いた間欠的圧迫法の適応はどれか。
1.肺水腫
2.心不全
3.リンパ浮腫
4.骨折の急性期
解答3
解説
間欠的圧迫法とは、はじめは弱く、徐々に圧を上げていき、痛くない程度(40mmHg以下)で圧迫する方法をいう。収縮期血圧を超える圧では血流が遮断され、さらにリンパ流のうっ滞を助長する。
1.× 肺水腫とは、肺静脈性肺高血圧と肺胞内の液貯留を伴った重度の急性左室不全である。
2.× 心不全とは、心臓のポンプ機能低下のため末梢組織の酸素需要に見合った血液量を供給できない状態である。肺循環系にうっ血が著明なものを左心不全、体循環系にうっ血が著明なものを右心不全という。体液の著明やうっ血を生じ、主な症状として呼吸困難、咳嗽、チアノーゼ、血性・泡沫状喀痰(ピンクの痰)などがある。
心拍出量の低下を起こす原因として、
・左心不全:肺循環系にうっ血が著明なもの(呼吸困難、起座呼吸、尿量減少など)
・右心不全:体循環系にうっ血が著明なもの(頸静脈怒張、胸水・腹水、下腿浮腫、肝腫大など)
右室拡張末期圧の上昇(体循環の静脈系のうっ血)により右心不全は引き起こされる。
3.〇 正しい。リンパ浮腫は、物理療法機器を用いた間欠的圧迫法の適応である。リンパ浮腫とは、がんの治療部位に近い腕や脚などの皮膚の下に、リンパ管内に回収されなかった、リンパ液がたまってむくんだ状態のことをいう。つまり、リンパ浮腫以外の浮腫を惹起する疾患や、癌の転移・再発が除外される必要がある。ちなみに、リンパ浮腫の治療は、複合的理学療法といわれ、以下の4つの治療を組み合わせながら行う。①リンパドレナージ、②圧迫療法、③圧迫下における運動療法、④スキンケアである。リンパ液を流してあげることで突っ張った皮膚を緩め、硬くなった皮膚を柔らかくする。この状態で弾性包帯を巻いたり、スリーブといわれるサポーターのようなものや、弾性ストッキングを着用し、リンパの流れの良い状態を保ち、さらにむくみを引かせて腕や脚の細くなった状態を保つ。そして、圧迫した状態でむくんだ腕や脚を挙上する、動かすことでさらにむくみを軽減・改善をはかる。
4.× 骨折の急性期は、炎症症状が著明である。この時期は、RICE療法(安静、冷却、圧迫、挙上)が基本で、間欠的圧迫法を用いると損傷部位にさらに負担をかけたり、血行を悪化させたりする可能性がある。
心不全は心臓のポンプ機能低下のため末梢組織の酸素需要に見合った血液量を供給できない状態である。肺循環系にうっ血が著明なものを左心不全、体循環系にうっ血が著明なものを右心不全という。体液の著明やうっ血を生じ、主な症状として呼吸困難、咳嗽、チアノーゼ、血性・泡沫状喀痰(ピンクの痰)などがある。
心拍出量の低下を起こす原因として、
・左心不全:肺循環系にうっ血が著明なもの(呼吸困難、起座呼吸、尿量減少など)
・右心不全:体循環系にうっ血が著明なもの(頸静脈怒張、胸水・腹水、下腿浮腫、肝腫大など)
右室拡張末期圧の上昇(体循環の静脈系のうっ血)により右心不全は引き起こされる。
問題72 高齢者の外傷予防エクササイズで誤っているのはどれか。
1.バランスエクササイズ
2.ハイパワーエクササイズ
3.エアロビクスエクササイズ
4.柔軟性の改善エクササイズ
解答2
解説
骨粗鬆症は閉経後の女性に多く、骨の変形や痛み、易骨折性の原因となる。高齢者に多い骨折は①大腿骨頸部骨折、②脊椎圧迫骨折、③橈骨遠位端骨折、④上腕骨頸部骨折などがあり、これらは「高齢者の4大骨折」と呼ばれている。
1.〇 正しい。バランスエクササイズは、高齢者の外傷予防エクササイズである。なぜなら、バランスエクササイズは、高齢者の転倒リスクを減少させるため。
2.× ハイパワーエクササイズは、高齢者の外傷予防エクササイズではない。なぜなら、ハイパワーエクササイズは、速筋(筋肥大)の強化を主とした運動であるため。一般健常者も含め高齢者の日常生活において、高負荷下においた短時間な筋力発揮は必要ない。介護予防や病気の進行の予防に対し、低~中強度の筋力トレーニングが効果的である。
3.〇 正しい。エアロビクスエクササイズは、高齢者の外傷予防エクササイズである。エアロビクスエクササイズとは、有酸素運動を含むエクササイズで、心肺機能を向上させ、体力の維持・向上に役立つ。ウォーキング、スイミング、軽いエアロビクスなどを提案する。
4.〇 正しい。柔軟性の改善エクササイズは、高齢者の外傷予防エクササイズである。なぜなら、柔軟性を高めることで、つま先が上がりやすくなりつまづき転倒の防止や円背防止して体を起こして歩行効率が上がるため。
問題73 競技者外傷予防で相反神経支配を用いたのはどれか。
1.PNFストレッチング
2.スタティックストレッチング
3.ダイナミックストレッチング
4.バリスティックストレッチング
解答3
解説
相反神経支配とは、相反性抑制ともいい、主働筋が収縮する際に拮抗筋を収縮させない(弛緩させる)命令が出されるというような、互いに拮抗しあう筋の活動を抑制するメカニズムのことである。
1.× PNFストレッチングは、筋再教育訓練のひとつである。PNF(proprioceptive neuromuscular facilitation:固有受容性神経筋促通法)は、固有受容器の刺激により神経筋機構の反応を促進する方法である。末梢神経疾患のみでなく、中枢神経疾患の治療としても用いられる。①促進要素、②特殊テクニック、③促進パターンの3つから構成される。
2.× スタティックストレッチング(静的ストレッチ)とは、反動をつけずにゆっくりと静的に筋を伸張し、その肢位を数十秒間保持するストレッチ方法である。
3.〇 正しい。ダイナミックストレッチングは、競技者外傷予防で相反神経支配を用いている。ダイナミック・ストレッチング(動的ストレッチ)とは、特定の競技や動作パターンに準じた動きの中で、その場で特定の筋群を動的に伸張する方法である。(例:ラジオ体操)
4.× バリスティックストレッチングとは、反動をつけて行うストレッチである。(例:アキレス腱伸ばし)
問題74 下顎骨骨折で誤っているのはどれか。
1.20歳代に好発する。
2.咬合不全を残しやすい。
3.下顎枝部では開放性が多い。
4.体部では直達外力によるものが多い。
解答3
解説
1.〇 正しい。20歳代に好発する。なぜなら、骨折受傷原因の半分以上が交通事故によるものであるため。交通事故の中では、自転車やバイクによる転倒である。その他にけんか、スポーツ、作業事故など、下顎骨に大きな外力を受ける。
2.〇 正しい。咬合不全を残しやすい。咬合不全とは、歯のかみ合わせがずれることである。咬合不全がみられる場合は、観血療法が適応となる。他の症状として、顔貌変形や開口・嚥下障害、唾液流出、異常可動性などがみられる。
3.× 下顎枝部では、「開放性」ではなく閉鎖性骨折が多い。一方、下顎骨折体部の場合は開放性骨折が多い。閉鎖性骨折とは、単純骨折や皮下骨折皮膚ともいわれ、内部で骨が折れた状態の骨折である。開放性骨折とは、骨折した骨の端が皮膚を突き破って露出したりして、骨折部とつながるきずが皮膚にある骨折である。
4.〇 正しい。体部では直達外力によるものが多い。直達外力とは、打撃や衝突などの外力により加わった力が直接患部に作用することである。一方、介達外力とは、打撃や圧迫などの外力が加わった部位から離れた部位に体内組織を通じて外力が伝わることである。
問題75 肋骨骨折で誤っているのはどれか。
1.介達外力では胸郭内方凸の変形となる。
2.合併症に胸壁動揺がある。
3.第5~9肋骨に好発する。
4.小児では虐待を考える。
解答1
解説
1.× 「介達外力」ではなく直達外力では胸郭内方凸の変形となる。一方、介達外力では、胸郭外方凸の変形となる。直達外力とは、打撃や衝突などの外力により加わった力が直接患部に作用することである。一方、介達外力とは、打撃や圧迫などの外力が加わった部位から離れた部位に体内組織を通じて外力が伝わることである。
2.〇 正しい。合併症に胸壁動揺がある。胸壁動揺とは、複数の肋骨が骨折することで正常な胸壁運動が障害され、換気が困難になることである。 フレイルチェスト、胸郭動揺ともいう。重篤な胸部外傷である。他ほ合併症は、外傷性気胸、血胸、内臓損傷などがみられる。
3.〇 正しい。第5~9肋骨に好発する。特に、第7肋骨前側胸部に後発する。非常にまれなのは、幼少期や第1~2肋骨・浮肋骨である。※ゴルフによる肋骨疲労骨折の好発部位は、第2~9肋骨に好発する。
4.〇 正しい。小児では虐待を考える。なぜなら、小児の肋骨骨折は非常にまれであるため。これは、小児の骨は、柔軟な骨構造であるため。もちろん、虐待だけでなく事故の可能性を考慮する必要がある。