この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
66.骨肉腫の初発症状でよくみられるのはどれか。
1.発熱
2.運動時痛
3.腫脹
4.間欠跛行
解答2
解説
骨肉腫は原発性悪性骨腫瘍の中で最も多い。10歳代に好発し、大腿骨遠位部と脛骨近位部の骨幹端部に多く発生する。骨Paget(骨ページェット病)などに続発する場合がある(二次性骨肉腫)。肺転移が多いが、5年生存率は近年70%以上にまで改善してきている。骨肉腫の初期は、症状が出ないこともある。初期症状として、運動時痛や足を引きずりがみられる。最初は運動時に痛みを感じるくらいである。その後、腫瘍が発生した場所に痛みや腫れ、熱っぽさなどの症状がある。
1.3.× 発熱/腫脹は、骨肉腫の初期とはいえない。骨肉腫の初期は、症状が出ないこともある。初期症状として、運動時痛や足を引きずりがみられる。最初は運動時に痛みを感じるくらいである。その後、腫瘍が発生した場所に痛みや腫れ、熱っぽさなどの症状がある。
2.〇 正しい。運動時痛は、骨肉腫の初発症状でよくみられる。骨肉腫の最も典型的な初発症状として、運動時に痛みを訴え、進行すると安静時や夜間にも痛みが現れるようになる。
4.× 間欠跛行は、腰部脊柱管狭窄症や閉塞性動脈硬化症で見られる。間欠性跛行とは、歩行を続けると下肢の痛みと疲労感が強くなり、足を引きずるようになるが、休むと再び歩けるというものである。「体幹前傾」ではなく休むと改善する。ちなみに、体幹前傾で改善するのは腰部脊柱管狭窄症である。
67.僧帽弁狭窄症について正しいのはどれか。
1.先天性が多い。
2.心拍出量は増加する。
3.左房圧は低下する。
4.心房細動の合併が多い。
解答4
解説
(※図引用:「僧帽弁閉鎖不全症の原因、症状—早期に診断し適切な治療を行うために」Medical Note様HPより)
僧帽弁狭窄症とは、僧帽弁の開口部が狭くなり、左心房から左心室への血流が妨害(閉塞)されている状態である。
1.× 「先天性」ではなく後天性が多い。なぜなら、僧帽弁狭窄症の大多数は、リウマチ熱後に発症するため。リウマチ熱とは、A群レンサ球菌と呼ばれる細菌に感染することによって起こる病気である。子どもの頃に感染・発症することが一般的で、中年期になってから僧帽弁狭窄症を引き起こすことがある。リウマチ熱の症状は、39℃程度の高熱と同時に、膝、肘、足、手首などの関節で強い関節痛が現れる。
2.× 心拍出量は、「増加」ではなく低下する。なぜなら、僧帽弁狭窄症では、僧帽弁が狭くなるため。左心房から左心室への血流が制限され、心拍出量は減少する。
3.× 左房圧は、「低下」ではなく上昇する。なぜなら、僧帽弁狭窄により、左房から左室への血液流入が障害されるため。したがって、肺静脈圧を増加させ、肺高血圧や肺水腫の原因となる。
4.〇 正しい。心房細動の合併が多い。なぜなら、僧帽弁狭窄症では、左心房が血液を排出しにくくなるため。したがって、心房が拡張しやすいことが原因で、心房細動を合併することが多い。ちなみに、心房細動とは、心臓がこまかく震えている状態である。血栓ができやすいため脳塞栓の原因となり最多である。心房細動の特徴として、心房の興奮が形・大きさともに不規則であり、基線が揺れている(f波)。心房が正常に収縮しないためにP波が消失し、QRS波が不規則である。
心拍出量は、「一回心拍出量×心拍数」で示される。どちらが増加しても、心拍出量が増加する。心拍数の増加の刺激には、動脈血圧の下降、静脈還流量増加、吸息、精神運動興奮、激しい痛覚、交感神経活動高揚、カテコールアミン、筋活動、サイロキシン、体温上昇などがある。一回拍出量は、基礎収縮力、前負荷・後負荷の影響を受ける。運動開始から軽い運動中は、主に一回拍出量の増加に伴った心拍出量の増加が起こっている。
68.狭心症について正しいのはどれか。
1.心電図ではP波の変化が特徴である。
2.発作時にはニトログリセリンが有効である。
3.冠攣縮型による狭心症は日中に起こりやすい。
4.不安定狭心症は心筋梗塞へ移行しにくい。
解答2
解説
(図引用:「看護師 イラスト集【フリー素材】」看護roo!様HPより)
狭心症とは、心臓に血液を供給する血管の狭窄により、心筋が虚血(酸素不足)状態になることによって生じる病気である。治療は、血管を拡張させる薬(硝酸薬)や、狭窄の原因となる動脈硬化や血栓を予防する薬(抗血小板薬)を用いる。
1.× 心電図ではP波の変化が特徴であるのは、心房細動である。
・心房細動とは、心原性脳塞栓症の原因として最も多い不整脈である。心房細動は、心臓がこまかく震えている状態である。血栓ができやすいため脳塞栓の原因となり最多である。心房細動の特徴として、心房の興奮が形・大きさともに不規則であり、基線が揺れている(f波)。心房が正常に収縮しないためにP波が消失し、QRS波が不規則である。
・心筋梗塞とは、心筋が壊死に陥った状態のことである。心電図の特徴は、STの上昇である。症状として、胸痛や血圧低下、不整脈などである。危険因子として、①高血圧、②喫煙、③糖尿病、④脂質代謝異常などである。
2.〇 正しい。発作時にはニトログリセリンが有効である。ニトログリセリンとは、主に狭心症、他に心筋梗塞、心臓喘息、アカラジアの一時的緩解などに用いる。狭心症は冠動脈の内腔が一時的に閉塞、狭窄する。ニトログリセリンに代表される硝酸薬は血管平滑筋を弛緩させ、血管を拡張させる作用がある。
3.× 冠攣縮型による狭心症は、「日中」ではなく夜間から早朝に起こりやすい。冠攣縮型狭心症(異型狭心症) は、冠動脈の攣縮によるもので、主に夜間から早朝に発作が起こりやすい。日中よりも交感神経の活動が低下する時間帯に発作が多くなる。ちなみに、異型狭心症とは、深夜、早朝の就寝中や安静時の決まった時間帯に胸痛発作が起こりやすい特徴をもつ。早朝の運動時にも起こり、喫煙、過呼吸、ストレス、過労、不眠やアルコール過飲が発作の引き金となる。 胸痛に冷汗や嘔吐、失神を伴う時があり、また中には重症の不整脈や心筋梗塞を引き起こして突然死する方もいる。
4.× 不安定狭心症は心筋梗塞へ「移行しやすい」。不安定狭心症とは、安定性狭心症と比べて発作の回数が増えたり安静時にも胸痛がみられる重症・増悪型の狭心症である。冠動脈内において動脈硬化に起因する不安定プラークの破綻などにより血栓が形成され、それによって急激に冠動脈内が狭窄し、心筋虚血に至った状態である。また、心臓の栄養血管である冠動脈の高度な狭窄を反映していることが多い。つまり、心筋梗塞の前兆で突然死に至る可能性があり、早急な対処が必要である。
69.帯状疱疹の治療に用いられるのはどれか。
1.抗菌薬
2.抗真菌薬
3.抗ウイルス薬
4.抗寄生虫薬
解答3
解説
帯状疱疹とは、身体の左右どちらか一方に、ピリピリと刺すような痛みと、これに続いて赤い斑点と小さな水ぶくれが帯状にあらわれる病気である。多くの人が子どものときに感染する水ぼうそうのウイルスが原因で起こる。
1.× 抗菌薬とは、細菌を壊したり、増えるのを抑えたりする薬のことである。細菌による感染症の治療に使用される医薬品である。
2.× 抗真菌薬とは、真菌(カビ)の増殖を止める薬剤である。真菌による白癬(はくせん)やカンジダ症などの感染症に用いられる。
3.〇 正しい。抗ウイルス薬は、帯状庖疹の治療に用いられる。抗ウイルス薬とは、ウイルスが細胞内で増殖する過程を食い止めて症状を改善する薬である。
4.× 抗寄生虫薬とは、寄生虫感染症に用いられる薬剤である。寄生虫(例:マラリア、蠕虫感染症)の治療に用いられる。
70.パニック障害の症状はどれか。
1.息苦しさ
2.嗄声
3.妄想
4.幻聴
解答1
解説
1.〇 正しい。息苦しさは、パニック障害の症状である。パニック障害とは、誘因なく突然予期せぬパニック発作(動悸、発汗、頻脈などの自律神経症状、狂乱・死に対する恐怖など)が反復して生じる状態をいう。また発作が起こるのではないかという予期不安を認め、しばしば広場恐怖を伴う。治療として、①SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、②抗不安薬、③認知行動療法(セルフコントロール)などである。
2.× 嗄声とは、声帯を振動させて声を出すとき、声帯に異常が起こり「かすれた声」になっている状態である。嗄声の原因は、①声帯自体に問題がある場合と、②声帯を動かす神経(反回神経)に問題がある場合がある。反回神経は迷走神経の分枝であり、気管と食道の間を上行して、喉頭に入る。左側は大動脈を迂回するので長く、また麻痺の頻度も多い。②声帯を動かす神経(反回神経)に問題がある場合の例として、肺癌、甲状腺癌、大動脈瘤などがあげられる。他にも、甲状腺、心臓、食道の手術後に術後性麻痺を伴うこともある。
3~4.× 妄想/幻聴は、主に統合失調症の症状である。統合失調症とは、幻覚・妄想・まとまりのない発語および行動・感情の平板化・認知障害ならびに職業的および社会的機能障害を特徴とする。原因は不明であるが、遺伝的および環境的要因を示唆する強固なエビデンスがある。好発年齢は、青年期に始まる。治療は薬物療法・認知療法・心理社会的リハビリテーションを行う。早期発見および早期治療が長期的機能の改善につながる。統合失調症患者の約80%は、生涯のある時点で、1回以上うつ病のエピソードを経験する。統合失調症患者の約5~6%が自殺し,約20%で自殺企図がみられる。したがって、うつ症状にも配慮して、工程がはっきりしたものや安全で受け身的で非競争的なものであるリハビリを提供する必要がある(※参考:「統合失調症」MSDマニュアル様HPより)。