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46.プリオン病に分類される疾患はどれか。
1.クロイツフェルト・ヤコブ病
2.エボラ出血熱
3.オウム病
4.ワイル病
解答1
解説
1.〇 正しい。クロイツフェルト・ヤコブ病は、プリオン病に分類される疾患である。クロイツフェルト・ヤコブ病とは、異常なプリオン蛋白が脳に蓄積する致死性神経感染症である。初期には精神症状(健忘症、抑うつなど)、視覚障害、歩行障害、運動失調などで発症し、進行すると精神症状が急速に悪化し、高度の認知症に発展する。会話、自発語不能となり、四肢のミオクローヌスも特徴的所見である。様々な症状を呈して、多くは数ヶ月から半年以内、長くとも2年以内で死亡する。
2.× エボラ出血熱とは、エボラウイルスによる感染症であり、エボラウイルスに感染すると、2~21日(通常は7~10日)の潜伏期の後、突然の発熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛、咽頭痛等の症状を呈す。その後、嘔吐、下痢、胸部痛、出血(吐血、下血)等の症状が現れる。
3.× オウム病とは、オウム病クラミジアによる感染症である。主に鳥類の排泄物を吸入することで感染する。初期症状として悪寒を伴う高熱、頭痛、全身倦怠感、食欲不振、筋肉痛、関節痛などがみられる。呼吸器症状として咳、粘液性痰などがみられる。軽い場合は風邪程度の症状であるが、高齢者などでは重症になりやすい。
4.× ワイル病(レプトスピラ症)とは、病原性レプトスピラ感染に起因する人獣共通の急性熱性疾患である。保菌動物(ドブネズミなど)の腎臓に保菌され、尿中に排出されます。ヒトは、保菌動物の尿で汚染された水や土壌 から経皮的あるいは経口的に感染する。ちなみに、レプトスピラとは、スピロヘータ目レプトスピラ科に属するグラム陰性細菌である。
47.融解壊死がよくみられる疾患はどれか。
1.心筋梗塞
2.脳梗塞
3.腎梗塞
4.肺壊疽
解答2
解説
融解壊死とは、壊死組織が液化してしまう状態である。脳梗塞後に特に見られる病変である。
1.× 心筋梗塞は、凝固壊死が見られる。凝固壊死とは、高度の虚血が持続したときに認められる壊死形態であり、梗塞発症後約4~6時間を経て顕微鏡で観察される。
2.〇 正しい。脳梗塞は、融解壊死がよくみられる疾患である。なぜなら、脳組織は、脂質含有量が多く、血流遮断後、自己融解酵素の作用で液状化するため。
3.× 腎梗塞は、凝固壊死が見られる。腎梗塞とは、何らかの理由で腎臓の太い動脈が詰まる病気である。腎梗塞では突然発症する腹痛や背部痛、吐き気などが生じる。したがって、腎梗塞は腎実質性または腎後性急性腎障害を引き起こす。腎後性とは、尿が腎臓を出た後にある場合をいう。尿の排出経路が閉塞することで発症し、前立腺がん、左右両側の尿路結石、子宮頸がんなどによる尿管の圧迫などが原因として挙げられる。
4.× 肺壊疽は、湿性壊疽が見られる。
・肺壊疽(肺膿瘍)の原因は、ほとんどが細菌で、糖尿病、歯の病気(歯周病や歯槽膿漏など)、アルコール依存症などで誤嚥を繰り返す人に起こることが多い。
・湿性壊疽とは、細菌感染によって壊死組織が湿潤し腐敗する状態で、糖尿病性足壊疽や腸管壊疽などでみられる。
48.門脈圧亢進症で生じやすい出血はどれか。
1.吐血
2.喀血
3.血尿
4.血胸
解答1
解説
門脈は、だいたいの消化管から得られた栄養を肝臓へと運ぶ働きを持つ機能血管である。胃、腸、膵臓、脾臓、胆嚢の毛細管から静脈血を集める。門脈圧亢進症とは、門脈内の圧力が上昇した状態である。原因として最も頻度が高いものは、肝硬変、住血吸虫症、および肝血管異常である。続発症として、食道静脈瘤や門脈大循環性脳症などが生じる。診断は臨床基準に基づいて行い、しばしば画像検査や内視鏡検査を併用する。
1.〇 正しい。吐血は、門脈圧亢進症で生じやすい出血である。なぜなら、続発症として、食道静脈瘤が起こり、時として破裂するため。ちなみに、吐血とは、上部消化管からの出血がある。
2.× 喀血とは、下気道(気管支肺)からの出血である。肺結核、肺癌、気管支拡張症などにみられる。
3.× 血尿とは、尿に血液が混ざっている状態を指す。主な原因として、悪性腫瘍や結石、膀胱炎などの炎症、腎臓の内科的な病気などが考えられる。
4.× 血胸とは、肺と胸壁との間に血液がたまることである。主な原因は、外傷や胸部手術などである。症状として、ふらつきや息切れ、胸痛を感じたり、皮膚が汗ばみ、青く冷たくなったりする。
門脈は、だいたいの消化管から得られた栄養を肝臓へと運ぶ働きを持つ機能血管である。胃、腸、膵臓、脾臓、胆嚢の毛細管から静脈血を集める。
49.循環障害について正しい組合せはどれか。
1.レイノー病:皮膚温上昇
2.奇異塞栓症:卵円孔開存
3.バージャー病:炎症性充血
4.肺高血圧症:左心室肥大
解答2
解説
(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」より)
1.× レイノー病は、「皮膚温上昇」ではなく皮膚温下降である。Raynaud病(レイノー病)は、末梢血管障害である。末梢血管の一過性の収縮により、手指や足趾の蒼白・チアノーゼが発生する。
2.〇 正しい。奇異塞栓症:卵円孔開存
・奇異塞栓症とは、体の静脈系で発生した血栓が、本来であれば肺に流れて肺塞栓を引き起こすはずが、何らかの異常経路を通って体の動脈系に移動し、脳梗塞などの動脈塞栓症を引き起こす現象である。つまり、静脈系で形成された血栓が右左シャントを介して左心系に流入する病態である。右左シャント疾患には、卵円孔開存、心房中隔欠損、肺動静脈瘻などがある。
・卵円孔は、生後2~3日で自然閉鎖するのが一般的だが、まれに開存したままの場合がある。開存していても無症状であれば問題にはならないが、下肢の静脈にできた血栓が開存した卵円孔を通じて右心房から左心房に流れ、それが脳塞栓を引き起こす場合には治療が必要である。卵円孔開存は、奇異性脳塞栓症に分類される。ちなみに、奇異性脳塞栓症とは、卵円孔開存・心室中隔欠損症・肺動静脈痩などがある場合に、深部静脈血栓症などで末梢静脈系に生じた血栓が左心系に入り発症する脳塞栓である。
3.× バージャー病は、「炎症性充血」ではなく閉塞性血栓性血管炎である。閉塞性血栓血管炎(バージャー病)とは、脚や腕の細い動脈や中間サイズの動脈が、炎症を起こして閉塞する病気である。喫煙は病変の増悪因子であるが、原因不明である。症状は、腕や脚への血流減少による冷感、しびれ、チクチクする感覚、灼熱感などである。治療で最も重要なのは禁煙で、薬剤も有効なことがある。寒さにより血管が狭くなるため(収縮)、寒さへの曝露を回避することが助けになる。
4.× 肺高血圧症は、「左心室肥大」ではなく右心室肥大である。なぜなら、肺血管抵抗の上昇により、右心室の負荷が増加し、右心室肥大を引き起こす疾患であるため。ちなみに、原発性肺高血圧症とは、肺高血圧症のうち、原因疾患がないにもかかわらず、肺小動脈が狭窄し肺動脈圧が上昇した病態である。平均年齢40歳ぐらいの比較的若い女性に多く、進行性である。
卵円孔とは、胎児期の心臓に存在する穴のことで、右心房と左心房の間の壁(心房中隔)の中央に組織が重なり合うようにできた穴のことである。胎児期は肺が機能していないため、左心房と右心房を卵円孔がつなぐことで、血液の循環が行われる。つまり、母体から供給される酸素を多く含んだ血液を胎児の全身に循環させるためにある。
通常は出生後、肺機能の活動開始および呼吸の開始と共に卵円孔は自然に閉鎖する。しかし、約20%の確率で卵円孔が5mmほど開いたままの状態となり、これを卵円孔開存と呼ぶ。一方で、胎児期に卵円孔が閉鎖することもあり、この場合を卵円孔早期閉鎖と呼ぶ。
50.放射性ヨウ素の被爆によって最も生じやすい腫瘍はどれか。
1.胃癌
2.肺癌
3.前立腺癌
4.甲状腺癌
解答4
解説
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の症状として、発汗や食欲亢進、体重減少、下痢、振戦、メルセブルグ3徴(眼球突出、甲状腺腫、頻脈)がみられる。放射線性ヨウ素内用療法は、バセドウ病(甲状腺機能亢進症)や甲状腺がんに対して行われる治療のひとつである。甲状腺機能亢進症では、放射性ヨウ素から放出されるベーター線で正常な甲状腺細胞を破壊し、甲状腺機能亢進症を改善させる。
【治療後1週間の注意事項】
・不要な放射性ヨウ素を早く体外に出すため十分に水分を摂る。
・排泄後、2度水を流す。尿の飛散による汚染を軽減させるため便座に座る。
・汗に少量の放射性ヨウ素が出るから入浴は最後に入る。
・可能ならば1人で寝る。
・唾液や体液にごく少量の放射性ヨウ素が出るからキスやセックスを避ける。
・子供との親密に接触(距離1m以内)すること、近くで長時間過ごすこと(添い寝など)などは避ける。
1.× 胃癌のリスク要因は、食生活やピロリ菌感染、塩分摂取などである。
2.× 肺癌のリスク要因は、喫煙、大気汚染、職業的曝露、他の肺疾患、年齢、家族歴、既往歴などである。
3.× 前立腺癌のリスク要因は、家族歴や高年齢、食事や運動などの生活習慣、環境因子などである。
4.〇 正しい。甲状腺癌は、放射性ヨウ素の被爆によって最も生じやすい腫瘍である。なぜなら、放射性ヨウ素被爆は、甲状腺に直接影響を及ぼすため。特に小児期の被曝では、将来的な甲状腺癌の発症リスクが高い。
①肝細胞癌:B型、C型肝炎ウイルス
②子宮頸癌:ヒトパピローマウイルス(16,18型)
③上咽頭癌:Burkittリンパ腫、NK細胞リンパ腫:Epstein barrウイルス
④胃癌:ヘリコバクター・ピロリ菌
⑤胆管癌:肝吸虫