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51.親子間で行われる移植はどれか。
1.自家移植
2.同系移植
3.異形移植
4.異種移植
解答3
解説
1.× 自家移植とは、自家造血幹細胞移植とも言い、ある個体の組織を同一の個体に移植することである。組織は自家移植片として移植される。例として、やけどの皮膚移植の際に、患者自身のやけどをしていない部分の皮膚を採取し、やけどの部分に移植する場合などが挙げられる。
2.× 同系移植とは、一卵性双生児や近交系の動物どうしなど、遺伝学的に同一な個体間で組織の一部を移植することである。移植免疫による拒絶反応は起こらない。
3.〇 正しい。異形移植は、親子間で行われる移植である。異形移植とは、ドナーとレシピエントの関係ではなく、正常部位以外に移植(例:骨盤内腎移植)するものをいう。
4.× 異種移植とは、生きている細胞、組織、または臓器を、ある種の個体から別の種の個体(例:動物からヒト)へ移植することである。例えば、ブタの心臓弁移植が当てはまる。
52.急性腹膜炎でみられる徴候はどれか。
1.ケルニッヒ徴候
2.ブルンベルグ徴候
3.ロンベルグ徴候
4.バビンスキー徴候
解答2
解説
1.× ケルニッヒ徴候は、髄膜刺激症状であり髄膜炎などでみられる。方法は、①背臥位にて股・膝関節90°屈曲位に保持する。②他動的に膝関節伸展する。③膝関節に痛みが出たら陽性。膝関節を135°以上伸展できない。
2.〇 正しい。ブルンベルグ徴候は、急性腹膜炎でみられる徴候である。圧痛のある部位をできるだけ深く圧迫し、急に手を離すと鋭い痛みを感じる反跳痛のことである。炎症が波及した腹膜が急速に元の場所へ戻ると痛覚がより刺激されるために生じるもので、炎症が虫垂壁を超えて壁側腹膜に及んでいるサインである。腹膜に炎症があることを示し、腹膜炎を呈する疾患(消化管穿孔・急性虫垂炎など)で出現する。
3.× ロンベルグ徴候は、脊髄後索障害や末梢神経障害などに認められる。Romberg徴候(ロンベルグ徴候)は、被験者に足をそろえ、目を閉じて直立する検査で、陽性(閉眼時)では、脊髄性障害(脊髄癆)では動揺が大きくなる。ちなみに、開眼時・閉眼時ともに動揺がみられる場合は小脳障害を考える。
4.× バビンスキー徴候は、錐体路障害で陽性となる。バビンスキー反射は、下肢の病的反射のひとつである。皮膚への刺激によって母趾がゆっくりと背屈すれば陽性(母趾現象または伸展足底反射)ときには他の4指が開く(開扇現象)。正常では足底反射より母趾屈曲が起こる。
53.汎血球減少がみられるのはどれか。
1.関節リウマチ
2.肝硬変
3.溶血性貧血
4.重症筋無力症
解答2
解説
汎血球減少(※読み:はんけっきゅうげんしょう)とは、血液中の赤血球、白血球、血小板のすべての血中細胞成分が全体的に減少する症候である。ヘモグロビン:男12.0g/dL未満、女 11.0g/dL未満、白血球:4000/μL未満、血小板:10万/μL未満を指す。 骨髄穿刺所見では、有核細胞数の減少、特に巨核球の減少とリンパ球比率の増加が特徴的である。血球の形態には、異形成を認めない。(※参考:「重篤副作用疾患別対応マニュアル」厚生労働省様)
1.× 関節リウマチとは、関節滑膜を炎症の主座とする慢性の炎症性疾患である。病因には、遺伝、免疫異常、未知の環境要因などが複雑に関与していることが推測されているが、詳細は不明である。関節炎が進行すると、軟骨・骨の破壊を介して関節機能の低下、日常労作の障害ひいては生活の質の低下が起こる。関節破壊(骨びらん) は発症6ヶ月以内に出現することが多く、しかも最初の1年間の進行が最も顕著である。
2.〇 正しい。肝硬変は、汎血球減少がみられる。なぜなら、肝硬変では、脾腫による脾機能亢進症が起こることが多いため。
・赤血球/白血球:脾臓での破壊が促進され、貧血・白血球減少を起こす。
・血小板:血小板破壊の増加により減少する。
3.× 溶血性貧血とは、血管の中を流れる赤血球が破壊される(溶血)ことにより起こる貧血の一種である。これにより、血液中の赤血球の数が減少し、貧血状態になる。溶血性貧血は、血液中のビリルビン(赤血球の分解産物)の量が増加することで黄疸となる。
4.× 重症筋無力症とは、末梢神経と筋肉の接ぎ目(神経筋接合部)において、筋肉側の受容体が自己抗体により破壊される自己免疫疾患のこと。全身の筋力低下、易疲労性が出現し、特に眼瞼下垂、複視などの眼の症状をおこしやすいことが特徴(眼の症状だけの場合は眼筋型、全身の症状があるものを全身型と呼ぶ)。嚥下が上手く出来なくなる場合もある。重症化すると呼吸筋の麻痺をおこし、呼吸困難を来すこともある。日内変動が特徴で、午後に症状が悪化する。クリーゼとは、感染や過労、禁忌薬の投与、手術ストレスなどが誘因となって、急性増悪し急激な筋力低下、呼吸困難を呈する状態のことである(※参考「11 重症筋無力症」厚生労働省HPより)。
54.貧血で黄疸がみられるのはどれか。
1.溶血性貧血
2.巨赤芽球性貧血
3.鉄欠乏性貧血
4.再生不良性貧血
解答1
解説
黄疸とは、皮膚や粘膜が胆汁色素(ビリルビン)で黄色に染まることで、胆汁色素の血漿中濃度の上昇により生じる。原因としては、①溶血によるもの、②肝細胞の障害によるもの、③胆汁の流れの障害によるもの、④体質によるもの、などがある。胆汁は肝臓で作られ、胆管を通じて十二指腸に排出されるが、その流れが障害されたときに生じる黄疸のことを閉塞性黄疸と呼ぶ。多くは総胆管結石や腫瘍により、胆管が閉塞することが原因となる。
1.〇 正しい。溶血性貧血は、貧血で黄疸がみられる。溶血性貧血とは、血管の中を流れる赤血球が破壊される(溶血)ことにより起こる貧血の一種である。これにより、血液中の赤血球の数が減少し、貧血状態になる。溶血性貧血は、血液中のビリルビン(赤血球の分解産物)の量が増加することで黄疸となる。
2.× 巨赤芽球性貧血とは、ビタミンB12あるいは葉酸の不足が原因の、骨髄に巨赤芽球が出現する貧血の総称である。偏食や過度の飲酒などを背景にビタミン欠乏症の患者がみられる。貧血の症状(動悸や息切れ、疲労感)の他に、萎縮性胃炎やハンター舌炎(味覚障害や舌の痛みを伴う炎症)など消化器系に異常をきたす。
3.× 鉄欠乏性貧血とは、体内に流れている赤血球に多く含まれるヘモグロビンと鉄分が欠乏する事により、酸素の運搬能力が低下し全身に十分な酸素が供給されず倦怠感や動悸、息切れなどの症状がみられる貧血の種類の中でも最も多く特に女性に多い疾患である。
4.× 再生不良性貧血とは、骨髄の造血幹細胞の減少と、それによる末梢血の汎血球減少を主徴とする症候群で、骨髄で血液が造られないために血液中 の赤血球、白血球、血小板のすべての血球が減ってしまう病気である。白血球(Tリンパ球)の働きが何らかの原因で異常をきたし、自分自身の造血幹細胞を攻撃して壊してしまうことが原因と考えられている。医療費助成の対象となる疾患は、300以上あるため、以前にも出題された病気を中心に覚えていく。このほかにも、パーキンソン病、全身性エリテマトーデス、潰瘍性大腸炎などが指定されている。
①小球性低色素性貧血:鉄欠乏性血・鉄芽球性血・サラセミア・異常へモグロビン症・慢性炎症による貧血など。
②正球性正色素性貧血:再生不良性貧血・溶血性貧血・遺伝性球状赤血球症・自己免疫性溶血性貧血・発作性夜間血色素尿症など。
③大球性貧血(大球性正色素性貧血)
巨赤芽球性貧血:悪性貧血・胃切除後貧血・葉酸欠乏性貧血・ビタミンB12欠乏性貧血など。
非巨赤芽球性貧血:溶血性貧血・出血性血・肝障害・甲状腺機能低下症・骨髄異形成症候群など。
55.眼瞼下垂をきたさないのはどれか。
1.顔面神経麻痺
2.重症筋無力症
3.動眼神経麻痺
4.ホルネル症候群
解答1
解説
1.〇 正しい。顔面神経麻痺は、眼瞼下垂をきたさない。とは、ある日突然顔の半分、あるいは一部分が思うように動かせなくなる状態である。その中で最も多いのが、「ベル麻痺」、「ハント症候群」という呼ばれるウイルスが顔面神経管の中の顔面神経に感染して生じる。ベル麻痺とは、特発性の末梢性顔面神経麻痺のことである。他の麻痺(中枢性、感染によるRamsay-Hunt症候群、外傷、中耳炎、腫瘍など)を除いたものをさす。顔の片側の筋肉に起こる突然の筋力低下または麻痺がおこる。ちなみに、顔面神経は顔面の筋肉を動かし、唾液腺と涙腺を刺激し、舌の前方3分2の部分で味覚を感じることを可能にし、聴覚に関わる筋肉を制御している。
2.× 重症筋無力症とは、末梢神経と筋肉の接ぎ目(神経筋接合部)において、筋肉側の受容体が自己抗体により破壊される自己免疫疾患のこと。全身の筋力低下、易疲労性が出現し、特に眼瞼下垂、複視などの眼の症状をおこしやすいことが特徴(眼の症状だけの場合は眼筋型、全身の症状があるものを全身型と呼ぶ)。嚥下が上手く出来なくなる場合もある。重症化すると呼吸筋の麻痺をおこし、呼吸困難を来すこともある。日内変動が特徴で、午後に症状が悪化する。クリーゼとは、感染や過労、禁忌薬の投与、手術ストレスなどが誘因となって、急性増悪し急激な筋力低下、呼吸困難を呈する状態のことである(※参考「11 重症筋無力症」厚生労働省HPより)。
3.× 動眼神経麻痺は、眼瞼挙筋を支配しているため、眼瞼下垂が生じる。他にも、眼球運動障害や散瞳が伴う。ちなみに、動眼神経とは、外側直筋と上斜筋以外の眼筋を支配する運動神経と、眼球内の瞳孔括約筋や毛様体筋を支配する副交感神経を含んでいる。
4.× ホルネル症候群とは、交感神経遠心路の障害によって生じる。三大徴候:中等度縮瞳、眼瞼下垂(眼裂狭小)、眼球陥凹(眼球後退)とする症候群である。眼の徴候以外は、顔面の発汗低下と紅潮を特徴とする。