第21回(H25年)はり師きゅう師国家試験 解説【午後101~105】

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101.腎精の不足が最も疑われるのはどれか。

1.息切れ
2.不妊
3.目のかすみ
4.食欲不振

解答

解説
1.× 息切れは、主に心や肺の病証でみられる。

2.〇 正しい。不妊は、腎精の不足が最も疑われる。腎精不足の症状として、倦怠感、発育不全、不妊、陽萎、耳鳴、視力減退、脱毛、腰膝酸軟などがみられる。

3.× 目のかすみは、主にの病証でみられる。

4.× 食欲不振は、主にの病証でみられる。

 

 

 

 

 

102.肺の病証でみられるのはどれか。

1.暑くなくても汗が出る。
2.腑臓が下垂する。
3.腹痛のない下痢が起こる。
4.よくため息が出る。

解答

解説
1.〇 正しい。暑くなくても汗が出る。肺の病証で主な症状は、咳嗽、喘息、息切れ、自汗、易感冒などである。

2~3.× 腑臓が下垂する。腹痛のない下痢が起こる。
これは、と関連する。肺の病証で主な症状は、食欲不振、腹臓、下痢、浮種、身体の重だるさ、やせ、腹鳴などである。
・統血作用低下で、内出血、月経周期が短くなるなど。
・昇清作用低下で、めまい、頭痛、倦怠感、内臓下垂、慢性下痢など。
・胃の機能失調で、胃痛、悪心、嘔吐など。

4.× よくため息が出る。
これは、と関連する(特に、肝気鬱結)。肝の病証で主な症状は、精神抑鬱、急躁、易怒、胸肋部痛、目赤、目のかすみ、舌辺紅、脈弦などである。肝気鬱結とは、精神的ストレスによる症状をさす。気の巡りが悪く、イライラ、憂うつ、胸脇部の張り、ため息などの症状を呈する。女性では、生理時に乳房が張って痛む、生理痛、生理不順などの症状もみられる。

 

 

 

 

 

103.陰虚による舌質の色はどれか。

1.淡白舌
2.淡紅舌
3.紅舌
4.紫舌

解答

解説
1.× 淡白舌は、気血不足、寒証である。

2.× 淡紅舌は、正常、表証(外感病の初期)である。

3.〇 正しい。紅舌は、陰虚による舌質の色である。実熱、陰虚による熱証である。

4.× 紫舌は、血瘀である。淡暗は気虚血瘀、暗紅は熱証、青紫は寒証、瘀斑・瘀点は血である。

 

 

 

 

 

104.だるい痛みはどれか。

1.刺痛
2.隠痛
3.脹痛
4.酸痛

解答

解説
1.× 刺痛は、瘀血にみられる痛みの性質である。

2.× 隠痛は、虚証にみられる痛みの性質である。

3.× 脹痛は、気滞にみられる痛みの性質である。

4.〇 正しい。酸痛は、だるい痛みである。酸痛は、気血不足・湿邪にみられる痛みの性質である。

 

 

 

 

 

105.虚証でみられるのはどれか。

1.緊脈
2.滑脈
3.細脈
4.洪脈

解答

解説
1.× 緊脈は、実寒、痛証で起こり、張った縄に触れたような、緊張して有力なものを指す。弦脈に似る。

2.× 滑脈は、痰湿、食滞で起こり、脈の流れが滑らかで、円滑に指に触れるものである。

3.〇 正しい。細脈は、虚証でみられる。細脈は、血虚で起こり、脈幅が小さく細いが、指にはっきり感じられるものである。

4.× 洪脈は、陽明病で起こる。陽明病は、裏実熱証で、発汗、壮熱、口渇、潮熱、大便秘結、譫語、洪脈などが起こる。洪脈とは、脈管が太く、有力であふれるように感知される場合を指す。

 

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