第33回(R7年)柔道整復師国家試験 解説【午前51~55】

 

問題51 上皮組織と臓器の組合せで正しいのはどれか。

1.移行上皮:膀胱
2.重層扁平上皮:肺
3.単層円柱上皮:血管
4.単層扁平上皮:皮膚

解答

解説

上皮組織の形態による分類

・単層扁平上皮:薄いので物質の交換などに向く。
(胸膜、腹膜、血管内皮、肺胞など)

・単層立方上皮:甲状腺の濾胞細胞など。
(甲状腺の濾胞上皮、尿細管など)

・単層円柱上皮:吸収と分泌を行う場所に向く。
消化器系(胃、小腸、大腸)、卵管・子宮など

・重層扁平上皮:摩擦など機械的刺激に強い。
皮膚、口腔~食道、肛門、膣など。

・多列線毛上皮:表面に線毛があり、杯細胞が豊富。線毛と粘液で塵や異物をからめとる。
鼻腔~気管・気管支(気道)

・移行上皮:伸び縮みすることができる。
腎杯腎~尿管~膀胱(尿路)

1.〇 正しい。移行上皮:膀胱
・移行上皮:伸び縮みすることができる。
腎杯腎~尿管~膀胱(尿路)

2.× 肺は、「重層扁平上皮」ではなく単層扁平上皮である。
・重層扁平上皮:摩擦など機械的刺激に強い。
皮膚、口腔~食道、肛門、膣など。

3.× 血管は、「単層円柱上皮」ではなく単層扁平上皮である。
・単層円柱上皮:吸収と分泌を行う場所に向く。
消化器系(胃、小腸、大腸)、卵管・子宮など

4.× 皮膚は、「単層扁平上皮」ではなく重層扁平上皮である。
・重層扁平上皮:摩擦など機械的刺激に強い。
皮膚、口腔~食道、肛門、膣など。

 

 

 

 

 

問題52 線維軟骨がみられるのはどれか。

1.気管
2.喉頭蓋
3.耳介
4.恥骨結合

解答

解説

軟骨とは?

軟骨は気質の成分により、主に3種類の①硝子軟骨、②線維軟骨、③弾性軟骨に分類される。
①硝子軟骨:骨端部分を覆う関節や、気管、咽頭などに存在する。
②線維軟骨:脊椎など動きの少ない関節に存在し、骨と骨の間でクッションの役割する。
③弾性軟骨:耳や鼻などを形づくる軟骨である。

1.× 気管は、硝子軟骨がみられる。

2.× 喉頭蓋は、弾性軟骨がみられる。

3.× 耳介は、硝子軟骨がみられる。

4.〇 正しい。恥骨結合は、線維軟骨がみられる。
(線維)軟骨結合とは、骨と骨の間に線維軟骨が存在し、可動性がまったくないかごくわずかである不動関節のことである。線維軟骨結合は、①恥骨の線維軟骨結合で連結された寛骨、②椎間板で連結された椎骨があげられる。

 

 

 

 

 

問題53 内胚葉に由来するのはどれか。

1.気管
2.心臟
3.腎臟
4.脊髄

解答

解説

各胚葉に由来する器官

外胚葉:神経(脳・脊髄)・表皮(毛・爪)・感覚器(視・聴覚)
中胚葉:骨格(軟骨)・筋・循環器系(心臓・血管・リンパ)・泌尿生殖器(腎臓・精巣・子宮・卵巣)
内胚葉:消化器(胃・腸)・呼吸器(気管・肺)・尿路系(膀胱・尿道)

1.〇 正しい。気管は、内胚葉に由来する。

2~3.× 心臟/腎臟は、中胚葉に由来する。

4.× 脊髄は、外胚葉に由来する。

 

 

 

 

 

問題54 トルコ鞍があるのはどれか。

1.篩骨
2.蝶形骨
3.側頭骨
4.後頭骨

解答

解説
1.× 篩骨とは、眼窩と鼻腔の間に位置する、非常に薄くて多孔性の骨である。主に嗅覚に関わる。

2.〇 正しい。蝶形骨は、トルコ鞍がある。トルコ鞍は、頭蓋骨(蝶形骨)の内部にあるくぼみで、下垂体を収める役割を担っている。

3.× 側頭骨は、頭蓋の両側面に位置し、聴覚と平衡感覚に関わる。

4.× 後頭骨は、頭蓋の後部に位置し、脊髄が頭蓋に入る大後頭孔がある。

(※図引用:「頭蓋底手術」金沢大学脳神経外科HPより)

 

 

 

 

 

問題55 関節分類の組合せで正しいのはどれか。

1.肩関節:鞍関節
2.腕尺関節:蝶番関節
3.上橈尺関節:楕円関節
4.橈骨手根関節:球関節

解答

解説
1.× 肩関節は、「鞍関節」ではなく球関節である。
・球関節:肩関節、腕橈関節
・鞍関節:母指手根中手(CM)関節、胸鎖関節
※胸鎖関節:ただし、複合運動として軸回旋の運動も含めるならば3軸性の関節である。

2.△ 腕尺関節:蝶番関節
※文献や参考書によって、「蝶番関節=らせん関節」とは言えないみたいで、厳密には分別されているようである。とはいえ、この問題は「蝶番関節=らせん関節」となっている。
・蝶番関節:指節間関節(PIP・DIP関節)
・らせん関節:腕尺関節、距腿関節、膝関節
※膝関節は、顆状関節という文献もあり。

3.× 上橈尺関節は、「楕円関節」ではなく車軸関節である。
・車軸関節:上橈尺関節(=近位橈尺関節)、環軸関節、下橈尺関節(=遠位橈尺関節)
・顆状関節=楕円関節:橈骨手根関節、手根中央(尺側)関節、顎関節、中手指節関節(MP関節)

4.× 橈骨手根関節は、「球関節」ではなく顆状関節(=楕円関節)である。
・顆状関節(=楕円関節):橈骨手根関節、手根中央(尺側)関節、顎関節、中手指節関節(MP関節)

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)