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問題71 腕神経叢外側神経束の障害で麻痺が生じるのはどれか。
1.腋窩神経
2.筋皮神経
3.尺骨神経
4.橈骨神経
解答2
解説
(※図引用:日本整形外科学会様HPより)
1.× 腋窩神経は、後神経束の枝である。
2.〇 正しい。筋皮神経は、腕神経叢外側神経束の障害で麻痺が生じる。
3.× 尺骨神経は、内側神経束の枝である。
4.× 橈骨神経は、後神経束の枝である。
問題72 柔道整復師の後療法でないのはどれか。
1.運動療法
2.作業療法
3.手技療法
4.物理療法
解答2
解説
1.3~4.〇 運動療法/手技療法/物理療法は、柔道整復師の後療法である。
・後療法とは、損傷した組織を回復させる治療法の事をいう。後療法には大きく3つの治療法(物理療法・運動療法・手技療法)がある。目的は、早期に社会復帰させることである。
2.× 作業療法は、柔道整復師の後療法でない。なぜなら、作業療法は、作業療法士が実施するため。ちなみに、作業療法とは、さまざまな道具を使うリハビリテーションなどを通して、身体の動作改善や筋力強化を図り、入浴する、着替える、食事をするといった日常生活に必要な応用動作の回復をはかる専門職である。心身の障害がある人に対して、料理や工芸といった自立に必要な作業を治療に取り入れることで、精神的・身体的・社会的能力の改善や維持に貢献する。
問題73 サルコペニアで正しいのはどれか。
1.速筋を鍛える筋力トレーニングが有効である。
2.散歩で筋肥大が得られる。
3.筋断面積は増加する。
4.筋線維数は増加する。
解答1
解説
【フレイルとは?】
フレイルとは、健常な状態と要介護状態(日常生活でサポートが必要な状態)の中間の状態のことをいう。多くは、「健康状態」→「フレイル」→「要介護状態」と経過する。
定義:加齢とともに心身の活動(運動機能や認知機能など)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態である。
診断基準に含まれるのは【①体重減少、②主観的疲労度、③日常生活活動量の低下、④歩行速度の低下、⑤握力の減弱】である。
【サルコペニアとは?】
サルコペニアは、加齢に伴う骨格筋量と骨格筋力の低下によって身体的な障害やQOLの低下を招いている状態のことをいう。サルコペニアの診断には、四肢骨格筋量の低下があることに加えて身体機能(歩行速度)の低下または、筋力(握力)の低下、下腿周径、5回椅子立ち上がりテストがある。
1.〇 正しい。速筋を鍛える筋力トレーニングが有効である。なぜなら、特に速筋線維(瞬発力や大きな力を出すのに使われる筋肉)の萎縮や減少が顕著に起こるため。速筋は高齢になるにつれて、遅筋よりも優先的に失われやすい傾向がある。
2.× 散歩で筋肥大が得られるとはいいがたい。なぜなら、散歩は、有酸素運動であるため。心肺機能の向上や健康維持には非常に有効であるが、筋肉に十分な負荷を与えるほどの強度とはいえない。筋肥大を促すには、筋肉に「過負荷」をかける必要がある。
3.× 筋断面積は、「増加」ではなく減少する。なぜなら、加齢とともに筋線維自体が萎縮したり、数が減少したりするため。
・筋断面積とは、筋肉を輪切りにしたときの断面の面積を指し、筋肉の太さや大きさを表す指標である。この面積が大きいほど、筋肉が発揮できる力も強くなる傾向がある。
4.× 筋線維数は、「増加」ではなく減少する。なぜなら、加齢に伴い、特にタイプⅡの速筋線維を中心に、筋線維自体の数が減少するため。
外眼筋:13
虫様筋:110
前脛骨筋:610
上腕二頭筋:750
側頭筋:930
腓腹筋:1720
問題74 非放射性検査はどれか。
1.PET検査
2.磁気共鳴画像
3.骨シンチグラフィ
4.コンピュータ断層撮影
解答2
解説
1.× PET検査(Positron Emission Tomography:陽電子放射断層撮影)は、放射能を含む薬剤を用いる、核医学検査の一種である。放射性薬剤を体内に投与し、その分析を特殊なカメラでとらえて画像化する。PET検査は、通常がんや炎症の病巣を調べたり、腫瘍の大きさや場所の特定、良性・悪性の区別、転移状況や治療効果の判定、再発の診断などに利用されている。アルツハイマー病やてんかん、心筋梗塞を調べるのにも使われている。
2.〇 正しい。磁気共鳴画像(MRI)は、非放射性検査である。核磁気共鳴画像法(MRI)とは、核磁気共鳴現象を利用して生体内の内部の情報を画像にする方法である。つまり、磁場と電波を使用して体内の情報を画像化し撮影する検査である。治療前にがんの有無や広がり、他の臓器への転移がないかを調べたり、治療の効果を判定したり、治療後の再発がないかを確認するなど、さまざまな目的で行われる精密検査である。
3.× 骨シンチグラフィとは、体内に投与した放射性同位体から放出される放射線を検出し、その分布を画像化したものである。
4.× コンピュータ断層撮影(CT)とは、エックス線を使用した撮影で、脳内の腫瘍や出血などの異常の有無や程度が分かる。出血部位(急性)は高吸収域(白)としてうつる。
問題75 高所から墜落し殿部から落ちた際に生じるのはどれか。
1.頰骨骨折
2.頭蓋冠骨折
3.頭蓋底骨折
4.眼窩底破裂骨折
解答3
解説
1~2.× 頰骨骨折/頭蓋冠骨折より優先されるものが他にある。なぜなら、頰骨(頬の骨)/頭蓋冠は、顔面の前方や頭頂にあるため。転落や転倒の場合、無意識に手で顔を防衛しやすい。
3.〇 正しい。頭蓋底骨折は、高所から墜落し殿部から落ちた際に生じる。なぜなら、高い位置から殿部で着地すると、強い縦方向の圧力が脊椎を通して頭蓋底(頭の底)に伝わるため。
4.× 眼窩底破裂骨折より優先されるものが他にある。なぜなら、眼球に直接的な衝撃が加わったときに生じるため。たとえば、殴打やボールが目に当たるなど、顔面前方からの衝撃によって眼窩の底が破裂する。
頭蓋底骨折とは、頭蓋底骨折頭の骨の底の部分(頭蓋底)にひびや骨折が生じる状態である。原因として、主に頭部への直接的な衝撃によるもの(交通事故や転落)である。頭蓋冠(椀を伏せた形のドーム型の部分)の線状骨折や陥没骨折とは病態も治療方針も異なる。なぜなら、頭蓋骨の底面である頭蓋底は、でこぼこして多くの孔が開いている複雑な構造をしているため。
【頭蓋底骨折の症状】主に①髄液漏と②脳神経麻痺があげられる。
①髄液漏とは、頭蓋底骨折をとおしてなかの脳脊髄液がもれ出てくる状態である。出てくるのは耳の穴(髄液耳漏)か鼻の穴(髄液鼻漏)で、髄液漏では頭蓋内(頭蓋骨よりも内側)に細菌が入って髄膜炎を起こす危険がある。また、髄液が流れ出る代わりに空気が頭蓋内に入る気脳症を起こすこともある。
②脳神経麻痺について、頭蓋底の孔の多くには、脳から出て顔面や内臓に至る脳神経がとおっている。この孔に骨折が及ぶと、なかをとおっている脳神経を傷つけて脳神経麻痺を来すことがある。