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問題6.細胞外液より細胞内液の濃度が高いのはどれか。
1.ナトリウムイオン
2.カリウムイオン
3.塩素イオン
4.重炭酸イオン
解答2
解説
総水分(体液成分)は、①細胞外液、②細胞内液に分けられる。
①細胞外液:間質液と血漿。間質液が細胞外液の7~8割を占める。
②細胞内液:体液のうち細胞内に存在する。
1.× ナトリウムイオンは、細胞外液に多く存在する。なぜなら、ナトリウムイオンは、細胞膜上のNa⁺/K⁺ポンプ(ナトリウムポンプ)によって細胞外へ汲み出されているため。
・ナトリウムは、細胞外液中の陽イオンの90%を占め、血漿浸透圧や酸塩基平衡、細胞外液量の調整に重要である。 成人の人体の約60%はナトリウムなどの電解質を含む水分で構成されている。
2.〇 正しい。カリウムイオンは、細胞外液より細胞内液の濃度が高い。
・カリウムイオン(K+)は、細胞内液で最も多い陽イオンである。カリウムは、細胞内の主要な陽イオンであり、体内のカリウムのほとんどが細胞内に分布しているため、溶血が起こると、血清カリウムの濃度が上昇する。溶血の原因としては、①不適切な採血手技、②血球成分の異常、③採血検体の不適切な保存─が主に挙げられる。
3.× 塩素イオンは、細胞外液に多く存在する。なぜなら、塩素イオンはナトリウムイオンとともに細胞外液の主要陰イオンとして存在し、浸透圧や酸塩基平衡の維持に関与しているため。
4.× 重炭酸イオンは、細胞外液(特に血漿)に多く存在する。なぜなら、
・重炭酸イオンとは、血液の主要な緩衝系である炭酸–重炭酸緩衝系(H₂CO₃ ⇄ H⁺ + HCO₃⁻)の中心的成分で、血液の pH を約 7.4 に保つ働きを持つ。体が酸性に傾くと、腎臓は重炭酸イオンの再吸収を促進し、さらに新規に生成して血液中に供給することでアシドーシスを補正する。
電解質異常とは、体内の電解質バランスが崩れることによって引き起こされる病気のことである。電解質とは、体内の液体に存在するイオン(带電粒子)のことで、主なものにナトリウム(Na+)、カリウム(K+)、カルシウム(Ca2+)、マグネシウム(Mg2+)などがある。電解質異常は、体液の浸漏や脱水、腎臓や腸の異常、薬剤などによって引き起こされる。症状は異常によって異なる。
問題7.筋の長さを検知するのはどれか。
1.パチニ小体
2.ルフィニ小体
3.筋紡錘
4.ゴルジ腱受容器
解答3
解説
1.× パチニ小体とは、振動や圧力の感覚受容器である。
2.× ルフィニ小体とは、触圧覚の感覚受容器である。皮膚の伸張を感じ取る。
3.〇 正しい。筋紡錘は、筋の長さを検知する。
・筋紡錘とは、骨格筋の収縮を感知する感覚器(筋の長さとそれが変化する速さを感知する感覚器)であり、腱をたたいて骨格筋を急速に伸ばすと起こる筋単収縮(伸張反射)に関与する。
4.× ゴルジ腱受容器とは、腱器官ともいい、筋張力を感知する器官であり、Ⅰb求心性ニューロンを介して調節される。
問題8.運動の欲求や動機付けに関与する大脳の部位はどれか。
1.辺縁系
2.後頭葉
3.基底核
4.感覚野
解答1
解説
1.〇 正しい。辺縁系は、運動の欲求や動機付けに関与する。
・大脳辺縁系は脳梁を取り囲むように大脳の内側部に存在し、本能・情動・記憶などを司る構造物の総称である。構成要素としては、辺縁葉(梁下野、帯状回、海馬傍回)、海馬、扁桃体、乳頭体、中隔核などがあげられる。
2.× 後頭葉とは、主に視覚情報の処理を担当する。
3.× 基底核は、①線条体(被殻 + 尾状核)、②淡蒼球、③黒質、④視床下核である。骨格筋の不随意運動に関与する。小脳とともにからだの運動をスムーズにする役割がある。
4.× 感覚野とは、感覚刺激を知覚する大脳皮質の領域のことで、人では、視覚は後頭葉に、聴覚は側頭葉に、味覚は体性感覚の領域の後下部に接した所にある。

問題9.骨折の治癒過程の順序で正しいのはどれか。
1.血腫→肉芽組織→類骨→仮骨→骨折治癒
2.血腫→類骨→肉芽組織→仮骨→骨折治癒
3.血腫→類骨→仮骨→肉芽組織→骨折治癒
4.血腫→肉芽組織→仮骨→類骨→骨折治癒
解答1
解説
骨折の治癒過程において、「①炎症期→②仮骨形成期→③仮骨硬化期→④リモデリング期」となる。
①炎症期:骨折後2〜3日で活動のピークを迎える。骨折した人が経験する初期の痛みのほとんどがこの炎症によるものである。
②仮骨形成期:骨折後1週間が過ぎると骨芽細胞が活動し、1週間目から14週目ぐらいに仮骨が形成する時期である。仮骨とは、骨折した場合に折れたり欠損したりした骨の代わりに、新たにできる不完全な骨組織のことである。
③仮骨硬化期:8週間目から36週間目ぐらいにあたる。
④リモデリング期:硬化仮骨が患部の機能とともに回復に、本体の骨に吸収、添加作用していく時期である。これが20週目から52週目ぐらいにあたる。
1.〇 正しい。血腫→肉芽組織→類骨→仮骨→骨折治癒
なぜなら、骨折後の組織修復は「血液→線維→骨組織」へと段階的に変化し、最終的に骨連続性が回復するため。
・血腫とは、体の中で血管が傷つき、流れ出た血が一か所にたまってふくらんだ状態である。いわば「体の中にできた血のかたまり」である。
・肉芽とは、毛細血管に富んだ新生結合組織(幼若な結合組織)である。
・類骨とは、 骨が形づくられる中で、石灰化する前の柔らかい状態の骨のことである。
・仮骨とは、骨折した場合に折れたり欠損したりした骨の代わりに、新たにできる不完全な骨組織のことである。
2.× 血腫→類骨→肉芽組織→仮骨→骨折治癒
3.× 血腫→類骨→仮骨→肉芽組織→骨折治癒
4.× 血腫→肉芽組織→仮骨→類骨→骨折治癒
これらは、どこかしらの過程が誤っている。
問題10.柔道整復師で正しいのはどれか。
1.医師の同意のもとに内服薬を投与する。
2.施術所の広告は自由に行うことができる。
3.守秘義務は柔道整復師免許を返納すれば解除される。
4.厚生労働大臣は麻薬中毒者の業務を停止することができる。
解答4
解説
1.× 医師の同意のもとに内服薬を投与する「ことはできない」。医療行為のうち投薬や注射は、看護師である。
・柔道整復師とは、骨折、脱臼、打撲、捻挫などの怪我を治療する医療技術職である。骨折や脱臼を手技で元の位置に戻したり、包帯やテーピングで固定したりする。
2.× 施術所の広告は自由に行う「ことはできない」。例えば、誇大広告は違法とされている。
(広告の制限)第二十四条 柔道整復の業務又は施術所に関しては、何人も、文書その他いかなる方法によるを問わず、次に掲げる事項を除くほか、広告をしてはならない。①柔道整復師である旨並びにその氏名及び住所、②施術所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項、③施術日又は施術時間、④その他厚生労働大臣が指定する。2事項前項第一号及び第二号に掲げる事項について広告をする場合においても、その内容は、柔道整復師の技能、施術方法又は経歴に関する事項にわたつてはならない(※引用:「柔道整復師法」e-GOV法令検索様HPより)。
3.× 守秘義務は、柔道整復師免許を返納しても、解除される「ことはない」。
(秘密を守る義務)第十七条の二 柔道整復師は、正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。柔道整復師でなくなつた後においても、同様とする(※引用:「柔道整復師法」e-GOV法令検索様HPより)。
4.〇 正しい。厚生労働大臣は麻薬中毒者の業務を停止することができる。
第四条(欠格事由) 次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。
一 心身の障害により柔道整復師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
二 麻薬、大麻又はあへんの中毒者
三 罰金以上の刑に処せられた者
四 前号に該当する者を除くほか、柔道整復の業務に関し犯罪又は不正の行為があつた者(※引用:「柔道整復師法」e-GOV法令検索様HPより)。
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