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問題21.関節唇損傷が起こりやすいのはどれか。
1.顎関節前方脱臼
2.肩関節前方脱臼
3.膝蓋骨外側脱臼
4.第1中足指節関節背側脱臼
解答2
解説
関節唇とは、関節窩の縁にあり、肩関節の安定性を高めると同時に、さまざまな衝撃から守るクッションの役割を果たしている。
1.× 顎関節前方脱臼では、関節唇損傷が起こらない。なぜなら、顎関節に関節唇は存在しないため。顎関節は、関節円板を有する。
2.〇 正しい。肩関節前方脱臼は、関節唇損傷が起こりやすい。なぜなら、肩関節前方脱臼時に上腕骨頭が関節唇を押し破って転位するため(バンカート損傷)。
・バンカート損傷とは、肩が脱臼した際に関節窩の周りにある関節唇が損傷するものをいう。自然には修復されず、さらに靭帯が緩んでしまうと脱臼を繰り返す。これを反復性脱臼という。
3~4.× 膝蓋骨外側脱臼/第1中足指節関節背側脱臼では、関節唇損傷が起こりにくい。なぜなら、膝蓋骨に関節唇は存在しないため。
問題22.上腕骨外科頸外転型骨折で正しいのはどれか。
1.三角筋の膨隆が消失する。
2.骨幹軸の骨折端部は外方に向く。
3.骨折部が前内方凸変形となる。
4.肩峰と大結節との間隔は狭くなる。
解答3
解説
発生機序:肩外転位で手掌、肘を衝いて転倒
鑑別疾患:肩関節前方脱臼
好発年齢層:高齢者
腱板損傷:棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋
整復前の確認:腋窩動脈(橈骨動脈)、腋窩神経の確認
【上腕骨外科頸外転型骨折の転位・変形】
・近位骨片は軽度内転
・遠位骨片は軽度外転
・遠位骨折端は前内上方へ転位
・骨折部は前内方凸の変形
1.× 三角筋の膨隆が消失するのは、烏口下脱臼にみられる。
・烏口下脱臼とは、肩関節前方脱臼(約90%)のひとつである。上腕骨頭が肩甲骨関節窩から前方に脱臼した症状で、①烏口下脱臼と②鎖骨下脱臼に分類される。関節全体を覆う袋状の関節包と靭帯の一部が破れ、突き出た上腕骨頭が烏口突起の下へすべることで起こる脱臼である。介達外力が多く、後方から力が加わる、転倒するなどで手を衝くことで過度の伸展力が発生した場合(外旋+外転+伸展)などに起こる。症状として、①弾発性固定、②関節軸の変化(骨頭は前内方偏位、上腕軸は外旋)、③脱臼関節自体の変形(三角筋部の膨隆消失、肩峰が角状に突出、三角筋胸筋三角:モーレンハイム窩の消失)、④上腕仮性延長、⑤肩峰下は空虚となり、烏口突起下に骨頭が触知できる。
2.× 骨幹軸の骨折端部(遠位骨折端)は、外方ではなく前内上方へ向く。
3.〇 正しい。骨折部が前内方凸変形となる。
4.× 肩峰と大結節との間隔は、「狭く」ではなく広くなる。なぜなら、骨頭は軽度内転するため。
【上腕骨外科頸外転型骨折の転位・変形】
・近位骨片は軽度内転
・遠位骨片は軽度外転
・遠位骨折端は前内上方へ転位
・骨折部は前内方凸の変形
問題23.上腕骨顆上骨折伸展型で正しいのはどれか。
1.ソルター・ハリス分類のⅡ型である。
2.骨折線は前上方から後下方に走行する。
3.肘関節前方脱臼と誤診されやすい。
4.後遺症に内反肘が挙げられる。
解答4
解説
ソルター・ハリス分類(Salter-Harris分類)とは、成長板(骨端線)の骨折を評価するための一般的な分類法である。小児は大人と違って骨端に軟骨が挟まっており、そこから骨が成長する。タイプⅡは最も一般的なタイプで、成長板と骨端の一部が関与するが、多くの場合、完全に治癒し、長期的な成長障害を引き起こすことは少ない。Salter-Harris法では異なる型に分類される。骨折がⅠ型からⅤ型に進むに従い、成長障害のリスクが高まる。
タイプⅠ:骨折線が成長板をまっすぐ通って進む。骨端線の完全分離である。
タイプⅡ:骨折線が成長板の上方へ伸びる、または成長板から離れて伸びる。骨端線の完全分離と骨幹端の三角骨片である。
タイプⅢ:骨折線が成長板の下方へ伸びる。骨端線の分離と骨端の骨片である。
タイプⅣ:骨折線が骨幹端、成長板、および骨端を通過して伸びる。骨幹端から関節軟骨にわたり縦断されたものである。
タイプⅤ:成長板が押しつぶされている。骨端軟骨が圧挫されたものである。
成長板だけでなく骨端も含む損傷(タイプⅢ~Ⅳ)または成長板を圧縮する損傷(タイプⅤ)は、予後不良である。
1.× ソルター・ハリス分類と上腕骨顆上骨折伸展型の関係はない。なぜなら、ソルター・ハリス分類は骨端線(成長線)損傷の分類であるため。
2.× 骨折線は前上方から後下方に走行するのは、「上腕骨顆上骨折屈曲型」である。ちなみに、伸展型では骨折線は前下方から後上方へ走行する。
3.× 肘関節「前方」ではなく後方脱臼と誤診されやすい。なぜなら、肘関節後方脱臼の外観が類似しているため。肘関節後方脱臼の場合、ヒューター三角の位置関係が乱れるが、上腕骨顆上伸展型骨折の場合は乱れない。
4.〇 正しい。後遺症に内反肘が挙げられる。上腕骨顆上伸展型骨折の後遺症は、フォルクマン拘縮、骨化性筋炎、可動域制限、内反肘などがみられる。内反肘により運搬角の減少が伴いやすい。
・バウマン角とは、上腕骨長軸に垂直な線と外顆部の成長軟骨の線とのなす角のことである。正常は10~20°で、減少によって肘の内反を示唆する。
問題24.手の舟状骨骨折で誤っているのはどれか。
1.手根骨の中で最も発生頻度が高い。
2.介達外力で発生することが多い。
3.手関節の橈背屈で痛みが増強する。
4.遠位骨片が骨壊死に陥りやすい。
解答4
解説
舟状骨骨折とは、サッカーなどの運動時に後ろ向きに転倒して、手関節背屈で手をついた時に受傷することが多い。10〜20代のスポーツ競技者によくみられる骨折である。急性期では、手首の母指側が腫れ、痛みがある。急性期を過ぎると一時軽快するが、放置して骨折部がつかずに偽関節になると、手首の関節の変形が進行し、手首に痛みが生じて、力が入らなくなり、また動きにくくなる。
1.〇 手根骨の中で最も発生頻度が高い。なぜなら、舟状骨は、転倒時に手をついた際の衝撃が集中しやすいため。
2.〇 介達外力で発生することが多い。なぜなら、舟状骨骨折の典型的な受傷機転は「手をついて転倒する」という動作であり、これは外力が手掌から橈骨を介して舟状骨に伝わる介達外力であるため。
3.〇 手関節の橈背屈で痛みが増強する。なぜなら、舟状骨は、手関節を橈背屈(橈側+背屈)により、舟状骨に圧縮力が加わるため。したがって、骨折部が刺激されて疼痛が増強する。
4.× 「遠位」ではなく近位骨片が骨壊死に陥りやすい。なぜなら、舟状骨の血流は、遠位端から近位端へ向かう逆行的に血流が供給されているため。したがって、骨折によって血行が遮断されると、血流が届きにくい近位骨片が虚血(壊死)になりやすい。
問題25.べネット(Bennet)骨折で正しいのはどれか。
1.関節包は損傷されない。
2.遠位骨片は尺側に転位する。
3.近位小骨片は背側に残存する。
4.母指の外転強制により発生する。
解答4
解説
ベネット(Bennet)骨折とは、第一中手骨基部の関節内骨折で、第一中手骨の脱臼を伴いやすい。母指先端にボールが当たったり喧嘩やボクシングで母指の先端に力が加わった際に起こりやすい。骨棘は、骨折や関節の摩耗により関節周囲の骨が増殖する現象である。
1.× 関節包は、損傷される。なぜなら、べネット骨折は、関節内骨折であり、脱臼を伴うため。したがって、関節包の一部が必ず断裂または伸展損傷を受ける。
・関節包とは、骨と骨があたる部分にはやわらかな軟骨があり、そのまわりは丈夫な袋の構造であるため。関節包の内面は、滑膜でおおわれ、滑膜から潤滑油のように滑らかな液が分泌されて、関節の滑りをよくしている。一般的な脱臼は、関節包を破って逸脱(関節包外脱臼)するが、肩関節や顎関節の脱臼の多くでは関節包を破ることなく逸脱(関節包内脱臼)する場合が多い。その結果、再発を繰り返す「反復性脱臼」に進展する例が多い。
2.× 遠位骨片は、「尺側」ではなく橈側に転位する。なぜなら、母指外転筋群(特に長母指外転筋)の牽引が起きるため。
・長母指外転筋の【起始】尺骨と橈骨の中部背側面、前腕骨間膜背面、【停止】第1中手骨底背面外側付近、【作用】母指外転である。
3.× 近位小骨片は、「背側」ではなく掌側に残存する。なぜなら、近位骨片は大菱形骨に付着する掌側手根中手靭帯に牽引されるため。したがって、関節内の掌側に固定されたまま残る。
4.〇 正しい。母指の外転強制により発生する。母指先端にボールが当たったり喧嘩やボクシングで母指の先端に力が加わった際に起こりやすい。
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