第20回(H24年)柔道整復師国家試験 解説【午前51~55】

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問題51.機能上、支配関係にある組合せはどれか。

1.下垂体後葉:松果体
2.甲状腺:上皮小体
3.下垂体前葉:副腎皮質
4.松果体:膵島

解答

解説
1.× 下垂体後葉は、「松果体」ではなく視床下部に機能上、支配されている。
・下垂体後葉(神経葉)は、視床下部ホルモンを貯蔵・放出する部位である。つまり、視床下部の支配下である。
・松果体は、光刺激に応じてメラトニンを分泌する内分泌器官である。

2.× 甲状腺は、「上皮小体」ではなく下垂体前葉に機能上、支配されている。
・甲状腺は、トリヨードチロニンなどを分泌し代謝促進する。
・上皮小体(副甲状腺)は、パラトルモン(PTH)を分泌し血中Ca²⁺濃度を上昇する。

3.〇 正しい。下垂体前葉:副腎皮質
なぜなら、下垂体前葉から分泌される副腎皮質刺激ホルモンが、副腎皮質を刺激して糖質コルチコイド(コルチゾールなど)の分泌を促すため。
①視床下部が、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンを分泌する。→②下垂体前葉が、副腎皮質刺激ホルモンを分泌する。→③副腎皮質が、副腎皮質刺激ホルモンによりコルチゾール・アルドステロンなどを分泌する。

4.× 松果体は、「膵島」ではなく視床下部に機能上、支配されている。
・松果体は、概日リズムに関与するメラトニンを分泌する。
・膵島(ランゲルハンス島)は、血糖値を調整する内分泌腺である。

 

 

 

 

 

問題52.脳室で正しいのはどれか。

1.室間孔は第三脳室と第四脳室を連絡する。
2.側脳室前角は前頭葉に位置する。
3.第三脳室の側壁は中脳である。
4.第四脳室底の上半部は延髄である。

解答

解説

(※図引用:「脳(矢状断)」illustAC様HPより)

脳脊髄液とは?

脳脊髄液とは、中枢神経系を保護・栄養する液体である。脳脊髄液は、脳室・くも膜下腔に存在し、神経組織の代謝産物を除去したり、機械的保護を担う液体である。

脳脊髄液は、脳室系を通って流れ、最終的にくも膜下腔へ出て循環する。
①側脳室(左右)→(室間孔〔モンロー孔〕)→②第三脳室→(中脳水道〔Sylvius管〕)→③第四脳室→(正中孔・外側孔)→④くも膜下腔(脳と脊髄を包む空間)→くも膜顆粒から静脈洞へ吸収

1.× 室間孔は、「第三脳室と第四脳室」ではなく「第三脳室と側脳室」を連絡する。

2.〇 正しい。側脳室前角は、前頭葉に位置する。なぜなら、側脳室は各大脳半球内に存在し、前角は前頭葉、後角は後頭葉、下角は側頭葉に位置しているため。

3.× 第三脳室の側壁は、「中脳」ではなく間脳である。
・第三脳室は視床の両側に位置し、視床を包囲するように存在している。

4.× 第四脳室底の上半部は、「延髄」ではなくである。ちなみに、第四脳室底の下半部は、延髄である。
・第四脳室とは、脳幹と小脳に挟まれた空間を指す。

 

 

 

 

 

問題53.上眼窩裂を通過するのはどれか。

1.視神経
2.眼神経
3.上顎神経
4.下顎神経

解答

解説

MEMO

上眼窩裂は、動眼神経、滑車神経、眼神経、外転神経が通る。

1.× 視神経は、視神経管を通る。
・視神経とは、視覚を司る感覚神経である。

2.〇 正しい。眼神経は、上眼窩裂を通過する。
・(動)眼神経とは、外側直筋と上斜筋以外の眼筋を支配する運動神経と、眼球内の瞳孔括約筋や毛様体筋を支配する副交感神経を含んでいる。

3.× 上顎神経は、正円孔を通る。
・上顎神経とは、上顎、側頭部、頬部、鼻腔の知覚を支配する三叉神経第2枝である。

4.× 下顎神経は、卵円孔を通る。
・下顎神経とは、下顎や舌、咀嚼筋などを支配する三叉神経の第3枝である。

頭蓋骨にある孔

大後頭孔(後頭骨):延髄、副神経、椎骨動·静脈
舌下神経管(後頭骨):舌下神経
上眼窩裂(蝶形骨):動眼・滑車・外転神経、眼神経、上眼静脈
下眼窩裂(蝶形骨-上顎骨頬骨間):眼窩下神経、頬骨神経、下眼静脈
視神経管(蝶形骨-小翼):視神経、眼動脈
正円孔(蝶形骨-大翼):上顎神経
卵円孔(蝶形骨-大翼):下顎神経
棘孔(蝶形骨-大翼):下顎神経硬膜枝、中硬膜動脈
破裂孔(蝶形骨-側頭骨間):頚動脈管(内頸動脈)
内耳孔(側頭骨-錐体):顔面神経、内耳神経、迷路動脈
頚静脈孔(側頭骨):内頚静脈、舌咽神経、迷走神経、副神経
茎乳突孔(側頭骨):顏面神経
下顎孔(下顎骨-下顎枝):下歯槽神経、下歯槽動・静脈
オトガイ孔(下顎骨-下顎体):オトガイ神経、オトガイ動・静脈
眼窩上孔(前頭骨):眼窩上神経外側枝
眼窩下孔(上顎骨):眼窩下神経

 

 

 

 

 

問題54.左右の神経線維が交叉するのはどれか。

1.視神経
2.動眼神経
3.顔面神経
4.舌咽神経

解答

解説
1.〇 正しい。視神経は、左右の神経線維が交叉する。なぜなら、視覚伝導路の経路のひとつに「視交叉」があるため。視交叉とは、左右の視神経が脳の底部で交差する部位である。視神経は網膜からの視覚情報を脳に伝える感覚神経の線維束である。
・視神経とは、視覚を司る感覚神経である。視覚伝導路は、「視神経―視交叉―視索―外側膝状体―視放線―視覚野」である。

2.× 動眼神経は、左右の神経線維が交叉しない
・動眼神経とは、外側直筋と上斜筋以外の眼筋を支配する運動神経と、眼球内の瞳孔括約筋や毛様体筋を支配する副交感神経を含んでいる。

3.× 顔面神経は、左右の神経線維が交叉しない
・顔面神経とは、表情筋の運動、涙腺や口蓋腺などの分泌作用制御の副交感神経、および味覚を司る感覚神経を含む混合神経である。したがって、顔面神経の障害により、顔面表情筋の障害、角膜反射低下、聴覚過敏、味覚低下(舌前2/3)、涙分泌低下、唾液分泌低下などが起こる。

4.× 舌咽神経は、左右の神経線維が交叉しない
・舌咽神経とは、知覚・運動・分泌を受けもつ混合神経で、舌の後部3分の1の感覚や咽頭筋の運動を支配する。 また分泌線維は耳下腺に分布し、唾液の分泌を司る。 鼓室粘膜の知覚もこの神経が支配する。

(※図引用:「イラストでわかる歯科医学の基礎 第4版 」永未書店HPより)

 

 

 

 

 

問題55.神経と筋との組合せで正しいのはどれか。

1.腕神経叢:前鋸筋
2.胸神経:横隔膜
3.腰神経叢:大殿筋
4.仙骨神経叢:精巣挙筋

解答

解説

(※図引用:日本整形外科学会様HPより)

腕神経叢麻痺とは?

腕神経叢とは、頚髄から分枝した神経が鎖骨や肋骨の間を通り、腋窩付近を走行する際に形成する神経の束のことである。腕神経叢麻痺は、腕神経叢の過伸展によって引き起こされることが多い。
・上位型:C5~6神経根
・下位型:C8~T1神経根
・全型:C5~T1神経根

1.〇 正しい。腕神経叢:前鋸筋
なぜなら、腕神経叢は、C5〜T1脊髄神経から構成され、そのうちC5〜C7から分かれる長胸神経が前鋸筋を支配するため。
・前鋸筋の【起始】第1~8(~10)肋骨前外側面、【停止】第1,2肋骨とその間の腱弓からの筋束は肩甲骨上角。第2,3肋骨からは分散して広く肩甲骨内側縁。第4肋骨以下からは下角、【作用】全体:肩甲骨を前方に引く。下2/3:下角を前に引いて肩甲骨を外方に回旋し、上腕の屈曲と外転を補助。最上部:肩甲骨をやや引き上げる、【神経】長胸神経である。

2.× 胸神経:横隔膜
横隔膜を支配するのは、頸神経(C3〜C5)から出る横隔神経である。
・横隔膜の【起始】胸郭下口の全周で、腰椎部、肋骨部、胸骨部の3部からなる。①腰椎部は、内側脚:第1~4腰椎体、外側脚:内側弓状靭帯と外側弓状靭帯、②肋骨部は、第7~12肋軟骨(肋骨弓部)の内面、③胸骨部は、剣状突起。一部は腹横筋腱膜の内面、【停止】腱中心、【作用】その収縮によって円蓋を下げ、胸腔を広げる(吸息)、【支配神経】横隔神経と副横隔神経(30~40%で欠如)である。

3.× 腰神経叢:大殿筋
大殿筋を支配するのは、仙骨神経叢から出る下殿神経である。
・大殿筋の【起始】腸骨翼の外面で後殿筋線の後方、仙骨・尾骨の外側縁、仙結節靭帯、腰背筋膜、【停止】腸脛靭帯、大腿骨の殿筋粗面、【作用】股関節伸展、外旋、外転、上部:内転、下部:骨盤の下制、【支配神経】下殿神経:(L4)、L5~S2である。

4.× 仙骨神経叢:精巣挙筋
精巣挙筋を支配するのは、陰部大腿神経(大腿枝)である。
・精巣挙筋とは、精巣を引き上げる働きをする。精索を包む内外2層の精筋膜の間にある横紋筋をいう。完全に続いた筋層をなさず、筋成分を欠くところは結合組織によって補われており、これを上方にたどると内腹斜筋に移行する。

腰神経叢

腹部から下肢に分布する脊髄神経は、腰神経叢と仙骨神経叢とを形成する。腰神経叢は、T12~L4の前枝で構成され、その枝は腹部から大腿前面に分布する。一方、仙骨神経叢は、L4~S4前枝から構成され、その枝は腰部~大腿後面と下肢~足部に分布する。

腰神経叢:①腸骨下腹神経、②腸骨鼠経神経、③外側大腿皮神経、④大腿神経、⑤陰部大腿神経、⑥閉鎖神経

仙骨神経叢:①上殿神経、②下殿神経、③坐骨神経、④後大腿皮神経、⑤陰部神経

 

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