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問題76.骨芽細胞で誤っているのはどれか。
1.中胚葉由来である。
2.コラーゲンを分泌する。
3.骨細胞になる。
4.エストロゲンによって活動が抑制される。
解答4
解説
骨芽細胞とは、骨形成を担う細胞であり、骨基質蛋白合成と基質小胞を介した石灰化を誘導する。自ら産生した骨基質に埋まり骨細胞へと分化を成し遂げる。つまり、骨芽細胞は、骨基質の合成を行い、成熟(分化)すると骨の中に取り込まれて骨細胞となる。
1.〇 正しい。中胚葉由来である。なぜなら、骨や軟骨、筋肉、血液などはすべて中胚葉から分化するため。
【各胚葉に由来する器官】
外胚葉:神経(脳・脊髄)・表皮(毛・爪)・感覚器(視・聴覚)
中胚葉:骨格(軟骨)・筋・循環器系(心臓・血管・リンパ)・泌尿生殖器(腎臓・精巣・子宮・卵巣)
内胚葉:消化器(胃・腸)・呼吸器(気管・肺)・尿路系(膀胱・尿道)
2~3.〇 正しい。コラーゲンを分泌する/骨細胞になる。なぜなら、骨組織の有機基質(骨基質の約90%)は、Ⅰ型コラーゲンからなり、骨芽細胞がそれを産生・分泌することで骨の基礎構造を作るため。その後、カルシウムとリン酸が沈着(石灰化)し、硬い骨となる。
4.× エストロゲンによって活動が、「抑制」ではなく促進される。
・エストロゲンは、骨芽細胞の活動を促進し、骨吸収(破骨細胞の働き)を抑制する。したがって、閉経後の女性ではエストロゲンが減少し、破骨細胞の活性が上昇し、骨吸収が優位となって骨粗鬆症を引き起こす。
エストロゲンとは、女性らしさをつくるホルモンで、成長とともに分泌量が増え、生殖器官を発育・維持させる働きをもっている。女性らしい丸みのある体形をつくったり、肌を美しくしたりする作用もあるホルモンである。分泌量は、毎月の変動を繰り返しながら20代でピークを迎え、45~55歳の更年期になると急激に減る。
問題77.カルシウムが関与しないのはどれか。
1.筋の収縮
2.血液凝固
3.糖質の吸収
4.骨の形成
解答3
解説
1.〇 筋の収縮は、カルシウムが関与する。なぜなら、カルシウムは、筋収縮の引き金となるイオンであるため。
【筋収縮の機序】
①神経刺激が筋細胞膜を介して伝わり、筋小胞体からCa²⁺が放出される。
②放出されたCa²⁺はトロポニンに結合する。
③Ca²⁺が結合すると、トロポニンの構造が変化し、トロポミオシンがアクチンのミオシン結合部位から移動。
④ミオシン頭部がアクチンに結合できるようになり、ATP分解のエネルギーで首振り運動が起こる。
⑤アクチンフィラメントがミオシンフィラメントの間を滑走して筋収縮が生じる。
2.〇 血液凝固は、カルシウムが関与する。
・血液凝固因子とは、Ⅰ:フェブリノーゲン、Ⅱ:プロトロンビン、Ⅲ:トロンボプラスチン、Ⅳ:カルシウムイオン、Ⅴ:プロアクセレリン、Ⅵ:(欠番)、Ⅶ:プロコンバーチン、Ⅷ:抗血友病因子、Ⅸ:クリスマス因子、Ⅹ:スチュアート因子、Ⅺ:PTA、Ⅻ:ハーゲマン因子、XIII:フェブリン安定化因子である。
3.× 糖質の吸収は、カルシウムが関与しない。なぜなら、小腸での糖質吸収は主にナトリウム(Na⁺)依存性の能動輸送によって行われるため。
4.〇 骨の形成は、カルシウムが関与する。食事では骨の形成に必要なカルシウムを充分に摂取することが重要となる。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)の概要」では1日のカルシウムの摂取推奨量は男性30~74歳で750㎎、75歳以上では700㎎、女性30~74歳で650㎎、75歳以上では600㎎となっている。過剰摂取による健康障害を防ぐために摂取上限量は2,500㎎と定められている。
問題78.シナプス伝達で誤っているのはどれか。
1.グルタミン酸は興奮性伝達物質として働く。
2.化学伝達物質はシナプス間隙に放出される。
3.シナプス伝達は双方向性に起こる。
4.シナプス伝達では時間的遅れが生じる。
解答3
解説
1.〇 正しい。グルタミン酸は興奮性伝達物質として働く。
・グルタミン酸とは、中枢神経系において主要な興奮性神経伝達物質であり、記憶・学習などの脳高次機能に重要な役割を果たしている。また、広作動域ニューロンに関与する。広作動域ニューロンとは、非侵害刺激を含めた色々の種類の刺激を受け入れるC線維(ポリモーダル受容器)が受けた刺激を脳へ中継する神経細胞のことである。脊髄Ⅴ層に存在する。一次感覚細胞から広作動域ニューロンへの痛みの信号はサブスタンスPやグルタミン酸などの興奮性アミノ酸によって伝達される。
2.〇 正しい。化学伝達物質はシナプス間隙に放出される。シナプス間隙がある理由は、情報を正確に調整して伝えるため。神経が直接くっついていると、信号が一方通行になりにくく混乱しやすい。シナプス間隙があることで、決まった物質だけが放出され、必要な相手にだけ情報が届くことに寄与する。たとえるなら、手紙を郵便で送るような仕組みで、これにより安全かつ正確に情報伝達を行う。
3.× シナプス伝達は、「双方向」ではなく一方向性に起こる。
【神経線維の興奮伝導】
①絶縁性(隔絶)伝導…1本の神経線維の興奮は、隣接するほかの神経線維を興奮させない。
②不滅衰伝導…興奮は減衰せずに伝わる。
③両方向(両側)性伝導…神経線維の一部を刺激すると、興奮は両方向に伝導する。ただし、シナプスからの出力は原則一方向性である。
4.〇 正しい。シナプス伝達では、時間的遅れが生じる。なぜなら、伝達物質の放出・拡散・受容体結合などに時間がかかるため。
問題79.ニコチン性受容体を介して生理作用を発現するのはどれか。
1.瞳孔括約筋
2.副腎髄質
3.唾液腺
4.汗腺
解答2
解説
ニコチン受容体は、副腎髄質の受容体で、刺鍼により交感神経節前線維から遊離されるアセチルコリンが結合する。
・ニコチン受容体は、アセチルコリン受容体の1種である。ニコチン性アセチルコリン受容体(ニコチン受容体)に作用してアセチルコリンと同様の効果をしめす。
1.× 瞳孔括約筋は、副交感神経支配でムスカリン性受容体を介する。
・瞳孔括約筋とは、副交感神経支配筋であり、アセチルコリンで瞳孔は収縮(縮瞳)する。
・ムスカリン受容体には、①イオンチャネル型のニコチン受容体と②代謝型受容体であるムスカリン受容体がある。副交感神経性の反応に関与している。
2.〇 正しい。副腎髄質は、ニコチン性受容体を介して生理作用を発現する。なぜなら、副腎髄質は、交感神経の節後ニューロンに相当し、節前線維(アセチルコリン作動性)が副腎髄質のクロム親和細胞にシナプスを作り、ニコチン性受容体を介して刺激するため。
3.× 唾液腺は、交感神経・副交感神経の2重支配を受けている。主に、副交感神経のムスカリン性受容体を介して刺激される。一方、交感神経刺激(ノルアドレナリン)により、粘稠な唾液分泌を促進される。
4.× 汗腺は、交感神経支配であるが、ムスカリン性受容体を介する特殊例である。汗腺は、交感神経支配であるにもかかわらず、節後線維がアセチルコリンを放出し、標的細胞上のムスカリン性受容体に作用して発汗を起こすという特異な例である。
・α1作用:主に血管収縮
・α2作用:ノルアドレナリン放出抑制によるネガティブフィードバック
・β1作用:心臓の陽性変性作用
・β2作用:血管、気管支の弛緩
問題80.ⅡB型筋と比べてⅠ型筋で正しいのはどれか。
1.収縮速度が速い。
2.疲労しやすい。
3.グリコーゲン含量が多い。
4.ミオグロビン含量が多い。
解答4
解説
タイプⅡb線維は速筋線維である。ミトコンドリアは少ないが、ピルビン酸による瞬発的な収縮が可能である。
タイプⅠ線維は遅筋線維である。タイプⅠ線維(遅筋線維)の特徴は、ミトコンドリアやミオグロビンが多く、有酸素的エネルギー産生酵素も多いので持久力がある。
1.× ⅡB型筋と比べてⅠ型筋の収縮速度は、「速い」ではなく遅い。したがって、Ⅰ型筋(遅筋線維)は、姿勢維持や持久的運動(マラソンなど)に適する。
2.× ⅡB型筋と比べてⅠ型筋は、疲労「しにくい」。なぜなら、Ⅰ型筋(遅筋線維)は、ミトコンドリアやミオグロビンが多く、有酸素的エネルギー産生酵素も多いため。
3.× ⅡB型筋と比べてⅠ型筋は、グリコーゲン含量が「少ない」。なぜなら、タイプⅠ線維は、酸化的代謝(脂質と酸素を利用してATPを作る)が主体であるため。したがって、グリコーゲン依存度は低い。
4.〇 正しい。ミオグロビン含量が多い。タイプⅡb線維は、解糖系主体なのでミトコンドリアは少なく、白っぽく見える。
国試オタク 