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問題101.炎症反応で誤っている組合せはどれか。
1.滲出反応:ヒスタミン
2.赤血球の漏出:浮腫
3.好中球の増多:化膿
4.組織の増生:線維芽細胞
解答2
解説
1.〇 正しい。滲出反応:ヒスタミン
・滲出反応とは、炎症の初期に起こる生体反応であり、血管から血漿成分や白血球が組織へしみ出る現象である。炎症刺激により肥満細胞などからヒスタミンが放出され、血管拡張と血管透過性の亢進が起こる。その結果、血液中の水分やタンパク質が組織に移動し、腫脹や発赤、疼痛といった炎症症状が生じるのである。
・ヒスタミンとは、酸素が不足すると細胞から放出される「発痛物質」の1つである。また、アレルギー様症状を呈する化学物質である。組織周辺の肥満細胞や血中の好塩基球がアレルギー反応の際に分泌される。血圧降下血管透過性亢進、血管拡張作用がある。
2.× 浮腫は、「赤血球の漏出(内出血)」ではなく血漿成分(特に水分と蛋白)の滲出である。赤血球が血管外に出るのは、血管が破綻したとき(出血)に限られる。
・浮腫とは、体液のうち間質液が異常に増加した状態を指す。主に皮下に水分が貯留するが、胸腔に溜まった場合は胸水・腹腔に溜まった場合は腹水と呼ばれる。軽度の浮腫であれば、寝不足や塩分の過剰摂取、長時間の起立などが要因で起きることがある。病的な浮腫の原因はさまざまだが、①血漿膠質浸透圧の低下(低アルブミン血症など)、②心臓のポンプ機能低下による血液のうっ滞(心不全など)、③リンパ管の閉塞によるリンパ液のうっ滞、④血管透過性の亢進(アナフィラキシーショックなど)に大別することができる。
3.〇 正しい。好中球の増多:化膿
なぜなら、好中球は、感染部位に遊走・集積して細菌を貪食・殺菌するためである。
・好中球とは、白血球の中で一番多く、細菌免疫の主役である。マクロファージが好中球に指令し、好中球は活性化・増殖する。末梢血白血球の40~70%を占め、生体内に細菌・真菌が侵入すると、まず好中球が感染部位に遊走し、菌を貪食する。
・化膿とは、傷口や炎症を起こした場所に菌が入り込み、膿が出るほどまでに炎症が悪化した状態のことである。
4.〇 正しい。組織の増生:線維芽細胞
なぜなら、線維芽細胞は、コラーゲンや細胞外基質を合成し、損傷組織を修復・瘢痕形成へ導く主要な細胞であるため。線維芽細胞増生は、皮膚の創傷治癒過程において血餅の下層にみられる。増殖期には、線維芽細胞が増殖し、コラーゲンや他の細胞外マトリックスを合成して創傷部位を修復する。
・線維芽細胞とは、真皮線維芽細胞ともいい、皮膚の真皮にある細胞である。肌の元となる成分(コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸)を作り出す役割を担う。細胞分裂周期が早く、古くなったら分解し細胞分裂によって絶えず新しい線維芽細胞を増やし続けている。
①血液凝固期(術後~数時間後):出血による凝固塊が欠損をふさいで止血する時期である。
②炎症期(術直後~3日目ころ):炎症性細胞(好中球、単球、マクロファージなど)が傷に遊走して、壊死組織や挫滅組織などを攻める時期である。
③増殖期(3日目~2週間後):線維芽細胞が周辺から遊走して、細胞外マトリックスを再構築し、血管新生が起こり、肉芽組織が形成される時期である。
④成熟期(2週間~数か月後)(再構築期:リモデリング期):線維芽細胞が減り、線維細胞へと成熟し変化するじきである。コラーゲンの再構築が起き、創部の抗張力が高くなることで創傷が治癒していく。
問題102.滲出性炎でないのはどれか。
1.カタル性炎
2.線維素性炎
3.肉芽腫性炎
4.化膿性炎
解答3
解説
1.〇 カタル性炎は、滲出性炎に該当する。
・カタル性炎症とは、粘膜の滲出性炎症のことである。したがって、粘液の分泌が亢進する。この状態では、粘膜の保護と清浄化が目的で、炎症反応により粘膜が過剰に粘液を産生して防御しようとする特徴を持つ。例えば、気管支炎や胃炎などが典型的なカタル性炎である。
2.〇 線維素性炎は、滲出性炎に該当する。
・線維素性炎とは、血漿の滲出物に大量のフィブリノゲンを含む炎症のことである。生体組織の滲出液中に線維素(フィブリン)が析出し、細網状に沈着する。これは、漿膜、粘膜、肺などに好発し、代表的な例としては、胸膜炎や腹膜炎などが挙げられる。
3.× 肉芽腫性炎は、「滲出性炎」ではなく増殖性炎に該当する。
・肉芽腫性炎とは、増殖性炎症の一つであり、肉芽腫(マクロファージ、類上皮細胞、多核巨細胞の増生からなる結節性の肉芽)の形成が特徴である。肉芽腫は慢性炎症などで見られる。
4.〇 化膿性炎は、滲出性炎に該当する。
・化膿性炎とは、滲出物に多量の好中球を含む炎症で、漿液に混ざっているものを漿液化膿性炎、線維素が混ざっているものを線維素化膿性炎という。膿性カタルや蜂窩織炎があてはまる。
問題103.自己免疫疾患でないのはどれか。
1.後天性免疫不全症候群(AIDS)
2.全身性エリテマトーデス
3.結節性多発性動脈炎
4.関節リウマチ
解答1
解説
自己免疫疾患とは、免疫システムが自分自身の体内の細胞や組織を誤って攻撃する疾患のことである。
1.× 後天性免疫不全症候群(AIDS)は、「自己免疫疾患」ではなく免疫不全症に該当する。
・後天性免疫不全症候群とは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)によって引き起こされる感染症である。ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は主に血液や性行為を通じて感染する。ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉感染症に対する治療法は飛躍的に進歩しており早期に発見することでエイズの発症を予防できるようになってきている。しかし、治療を受けずに自然経過した場合、免疫機能の低下により様々な障害が発現する。
2.〇 正しい。全身性エリテマトーデスは、自己免疫疾患である。
・全身性エリテマトーデスとは、皮膚・関節・神経・腎臓など多くの臓器症状を伴う自己免疫性疾患である。皮膚症状は顔面の蝶形紅斑、口腔潰瘍、手指の凍瘡様皮疹である。10~30歳代の女性に好発する多臓器に障害がみられる慢性炎症性疾患であり、寛解と再燃を繰り返す病態を持つ。遺伝的素因を背景にウイルス感染などが誘因となり、抗核抗体などの自己抗体産生をはじめとする免疫異常で起こると考えられている。
3.〇 正しい。結節性多発性動脈炎は、自己免疫疾患である。
・結節性多発動脈炎とは、中型血管を主体として、血管壁に炎症を生じる疾患(自己免疫疾患)である。原因不明であるが、血管炎の組織には多くの免疫を担当する細胞が見られること、ステロイドや免疫抑制薬などによる免疫抑制療法が効果を示すことが多いことなどから、免疫異常が関与していると考えられている。38℃以上の高熱、体重減少、高血圧、紫斑や皮膚潰瘍、筋肉痛・関節痛、四肢のしびれ、脳出血・脳梗塞、胸膜炎、尿蛋白や尿潜血陽性、腎機能低下、腹痛・下血、狭心症・心筋梗塞など様々な症状がおきる。
4.〇 正しい。関節リウマチは、自己免疫疾患である。なぜなら、関節滑膜で自己免疫反応が生じ、慢性炎症・増殖を起こすため。
・関節リウマチは、関節滑膜を炎症の主座とする慢性の炎症性疾患(自己免疫疾患)である。病因には、遺伝、免疫異常、未知の環境要因などが複雑に関与していることが推測されているが、詳細は不明である。関節炎が進行すると、軟骨・骨の破壊を介して関節機能の低下、日常労作の障害ひいては生活の質の低下が起こる。関節破壊(骨びらん) は発症6ヶ月以内に出現することが多く、しかも最初の1年間の進行が最も顕著である。関節リウマチの有病率は0.5~1.0%とされる。男女比は3:7前後、好発年齢は40~60歳である。
【症状】
①全身症状:活動期は、発熱、体重減少、貧血、リンパ節腫脹、朝のこわばりなどの全身症状が出現する。
②関節症状:関節炎は多発性、対称性、移動性であり、手に好発する(小関節)。
③その他:リウマトイド結節は肘、膝の前面などに出現する無痛性腫瘤である。内臓病変は、間質性肺炎、肺線維症があり、リウマトイド肺とも呼ばれる。
【治療】症例に応じて薬物療法、理学療法、手術療法などを適宜、組み合わせる。(※参考:「関節リウマチ」厚生労働省HPより)
問題104.腫瘍と性状との組合せで誤っているのはどれか。
1.髄様癌:軟らかい
2.腎細胞癌:黄褐色
3.悪性腫瘍:浸潤性増殖
4.良性腫癌:壊死
解答4
解説
1.〇 正しい。髄様癌:軟らかい
なぜなら、髄様癌は腫瘍細胞の密度が高く、間質(結合組織)が少ないため。
・髄様癌とは、腫瘍細胞が充実性に増殖し、間質が少なく髄様構造を示す癌である。代表例として甲状腺髄様癌があり、神経内分泌細胞由来であることが多い。間質の線維成分が乏しいため、触診や肉眼所見では性状が柔らかいことが特徴であり、この柔らかさは腫瘍内部に壊死や出血を伴いやすい点とも関連している。
2.〇 正しい。腎細胞癌:黄褐色
なぜなら、腎細胞癌の腫瘍細胞は、脂肪とグリコーゲンを多量に含むため。したがって、切断面が黄褐色(または黄金色)を示す。
・腎細胞癌とは、腎臓の尿細管上皮から発生する悪性腫瘍である。代表的な淡明細胞癌では、腫瘍細胞内に脂質やグリコーゲンを多く含むため、肉眼的に黄褐色を呈する。この黄褐色は腫瘍の血流が豊富であることとも関連し、出血や壊死を伴いやすい所見として認められる。進行に伴い、血尿が出たり、背中・腰の痛み、腹部のしこり、足のむくみ、食欲不振、吐き気や便秘、おなかの痛みなどが生じたりする。
3.〇 正しい。悪性腫瘍:浸潤性増殖
なぜなら、悪性腫瘍は周囲組織との境界が不明瞭で、基底膜や臓器の被膜を破って周囲に浸潤しながら増殖するため。
・悪性腫瘍とは、このような腫瘍のうち、無秩序に増殖しながら周囲にしみ出るように広がったり(浸潤)、体のあちこちに飛び火して新しいかたまりを作ったり(転移)するもののことをいう。
4.× 壊死は、「良性腫癌」ではなく悪性腫瘍に起こりやすい。なぜなら、良性腫瘍は、緩徐で膨張性に増殖し、血流の供給が保たれているため。一方、悪性腫瘍は、急速に増殖し、腫瘍中心部が虚血(酸素不足)に陥るため、しばしば壊死巣を形成する。
・良性腫瘍とは、浸潤や転移をせず、周りの組織を押しのけるようにしてゆっくりと増える腫瘍のことをいう。
問題105.ヒトパピローマウイルスが原因となるのはどれか。
1.子宮頸部扁平上皮癌
2.バーキット(Burkitt)リンパ腫
3.成人T細胞白血病
4.鼻咽頭癌
解答1
解説
1.〇 正しい。子宮頸部扁平上皮癌は、ヒトパピローマウイルスが原因となる。
・子宮頸がんとは、子宮頸部(子宮下部の管状の部分)に生じるがんのことである。子宮頸がんは、子宮がんのうち約7割程度を占める。近年、20~30歳代の若い女性に増えてきており、30歳代後半がピークとなっている。子宮頸がんの原因のほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染である。このウイルスは性的接触により子宮頸部に感染する。初期では無症状だが、進行するにつれて帯下の増加や悪臭のある帯下、周囲臓器の浸潤による疼痛などの症状が現れる。子宮頸がんの予防方法は、HPVワクチンを接種することで、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を予防することが挙げられる。また、子宮頸がん検診を定期的に受けることで、がんになる過程の異常(異形成)やごく早期のがんを発見し、医師と相談しながら、経過観察したり、負担の少ない治療につなげたりすることができる。
2.× バーキット(Burkitt)リンパ腫は、エプスタイン・バーウイルス(Epsteir Barrウイルス:EBウイルス)感染と関連がある。
・バーキットリンパ腫とは、悪性リンパ腫のうち非ホジキンリンパ腫に分類される高悪性度のB細胞リンパ腫である。成人では悪性リンパ腫の1~2%程度あるが、小児では25~40%を占め、比較的若い人に多く発症する。女性1人に対し、男性が2~3人で男性に多い傾向がある。キスを介して感染する。
3.× 成人T細胞白血病とは、HTLV-Ⅰ(ヒトT細胞白血病ウイルス)というウイルス感染が原因である感染症である。このウイルスに感染した白血球中のT細胞ががん化し、それが無制限に増殖することで発症する。主に母乳を介して母子感染し、長い潜伏期間を経た後、成人T細胞白血病を発症することが多い。日本の西南地方に多いが、原因ははっきりしていない。
4.× 鼻咽頭癌は、エプスタイン・バーウイルス(Epsteir Barrウイルス:EBウイルス)感染と関連がある。
・鼻咽頭癌とは、鼻腔の奥に位置する鼻咽頭の上皮から発生する悪性腫瘍である。東アジアに多く、未分化癌が多いことが特徴である。発症にはエプスタイン・バーウイルス(EBウイルス)の感染が強く関与しており、腫瘍細胞内にウイルス遺伝子が検出される。初期症状に乏しく、頸部リンパ節転移で発見されることも多い。
国試オタク 
