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問題116.手指の消毒で誤っているのはどれか。
1.石鹸と流水を用いて30秒くらいの手洗いをする。
2.流水は温水よりも冷水のほうがよい。
3.酒精(アルコール)綿を用いてもよい。
4.速乾性擦式消毒薬を用いてもよい。
解答2
解説
スタンダード・プリコーションとは、感染症の疑いや診断の有無にかかわらず、すべての患者に共通して実施される感染対策で、汗を除くすべての湿性生体物質(血液・体液・分泌物・排泄物・損傷した皮膚・粘膜)を感染源と見なし、対処する予防策である。
【手指衛生の5つのタイミング】
①患者に触れる前( 手指を介して伝播する病原微生物から患者を守るため)
②清潔/無菌操作の前( 患者の体内に微生物が侵入することを防ぐため)
③体液に曝露された可能性のある場合(患者の病原微生物から医療従事者を守るため)
④患者に触れた後(患者の病原微生物から医療従事者と医療環境を守るため)
⑤患者周辺の環境や物品に触れた後(患者の病原微生物から医療従事者と医療環境を守るため)
(※引用:「WHO手指衛生ガイドライン」矢野邦夫より)
1.〇 正しい。石鹸と流水を用いて30秒くらいの手洗いをする。なぜなら、効果的に除去するには、機械的洗浄(こすり洗い)と十分な時間が必要であるため。
2.× 逆である。流水は、「冷水」よりも「温水」のほうがよい。なぜなら、温水(約35〜40℃)の方が、皮脂(油脂成分)が溶け、結果的に汚れ(菌)が落としやすいため。したがって、冷水では油脂成分が固まりやすく、洗浄効果が下がる。
3.〇 正しい。酒精(アルコール)綿を用いてもよい。なぜなら、エタノール(70〜80%濃度)には、多くの細菌・ウイルスに対して迅速な殺菌作用があるため。特に、手洗い後や小範囲の消毒(注射部位など)に適している。
・酒精綿は、アルコール綿のことをいう。注射部位の消毒や、小さな物品の消毒など、限られた範囲の消毒に用いられることが一般的である。
4.〇 正しい。速乾性擦式消毒薬を用いてもよい。なぜなら、速乾性擦式消毒薬(エタノール製剤)は、短時間で広範な微生物を殺菌し、水を使わずに消毒できるため。特に、医療現場で最も推奨されている方法のひとつである。
・インフルエンザの感染経路は主に①飛沫感染と②接触感染である。感染拡大防止対策としては、①手洗い、②速乾性擦式消毒薬を用いた手指消毒、③人ごみを避ける、④インフルエンザ発症者の空間的な隔離が有効である。

(※参考:「インフルエンザワクチンリーフ」厚生労働省HPより)
問題117.院内感染対策として優先度が低いのはどれか。
1.疥癬(かいせん)虫
2.スピロヘータ
3.結核菌
4.メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)
解答2
解説
感染には、①接触感染、②空気感染、③飛沫感染がある。
①接触感染(例:流行性角結膜炎、疥癬、ノロウイルス感染症など)
(1)直接接触感染:感染者の皮膚粘膜との直接接触による伝播・感染する。
(2)間接接触感染:感染者の微生物で汚染された衣類、周囲の器物、環境などとの接触による伝播・感染する。
②飛沫感染(例:風疹、流行性耳下腺炎、 インフルエンザ、マイコプラズマ、百日咳など)
咳やくしゃみなどに伴って発生する飛沫(粒径5μm以上の粒子)が経気道的にヒトの粘膜に付着し感染する。飛散する範囲は1m以内であることが特徴。
③空気感染(例:結核、水痘、麻疹など)
飛沫核 (粒径5μm未満の粒子に付着した微生物)が長期間空中を浮遊し、これを吸い込むことで感染が伝播・感染する。
(※参考:「医療施設等における感染対策ガイドライン」厚生労働省様HPより)
1.〇 疥癬(かいせん)虫は、院内感染対策として優先度が高い。なぜなら、疥癬は、皮膚接触や寝具・衣類を介して容易に感染が拡大するため。
・疥癬とは、接触感染で、疥癬虫(ヒゼンダニ)による皮膚の角層内感染症で、強い痒み、丘疹が特徴である。
2.× スピロヘータは、院内感染対策として優先度が低い。なぜなら、スピロヘータ(例:梅毒トレポネーマ、レプトスピラなど)は、主に性的接触や動物尿など特定経路で感染し、通常の医療行為や接触で広がることはほとんどないため。
3.〇 結核菌は、院内感染対策として優先度が高い。なぜなら、結核は空気感染により拡大し、免疫低下患者や高齢者では発症リスクが高いため。
4.〇 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は、院内感染対策として優先度が高い。なぜなら、抗菌薬に対して耐性をもち、手指や環境表面を介して容易に伝播するため。長期入院患者・手術後・集中治療室などでの感染・保菌が問題となる。
・メチシリン耐性黄色ブドウ球菌とは、非常にありふれた常在菌で、健常者でも髪の毛や鼻の粘膜、口腔内、傷口などによく付着している。
問題118.屋内気候の基準でないのはどれか。
1.温度
2.湿度
3.気流
4.不快指数
解答4
解説
屋内気候の基準は、主に温度・湿度・気流の3つで整理できる。
・温度は、暑すぎず寒すぎない快適さを左右し、作業効率や健康に影響する。
・湿度は、乾燥や結露、カビの発生を防ぐ重要な要素である。
・気流は、空気のよどみを防ぎ、体感温度や快適性を調整する役割を持つ。これらを総合的に管理することが、良好な屋内環境の基本である。
1.〇 温度は、屋内気候の基準である。なぜなら、人間の体温調節・快適感・集中力などに直接影響する最も重要な要素であるため。例えば、高温では熱中症、低温では凍結や集中力低下などが生じる。
2.〇 湿度は、屋内気候の基準である。なぜなら、湿度は、発汗・蒸発・皮膚感覚・感染症の拡散に関係するため。乾燥しすぎると喉・皮膚の不快感やインフルエンザの拡散が増え、過湿ではカビやダニが繁殖する。
3.〇 気流は、屋内気候の基準である。なぜなら、気流は、体感温度や蒸発による熱放散に影響し、空調効率や快適さに直結するため。強すぎる気流は不快感を、弱すぎる気流は空気のよどみを生む。
4.× 不快指数は、屋内気候の基準でない。
・不快指数とは、温度と湿度から計算される簡易指標である。温度と湿度の組み合わせから算出される「快適さの指標」である。
問題119.上水道で誤っているのはどれか。
1.水道法に基づき水質基準が定められている。
2.浄水処理には沈殿、ろ過、消毒の工程がある。
3.硝酸態窒素は各種の病原菌による汚染の指標である。
4.塩素と原水中の有機物質からトリハロメタンが発生する。
解答3
解説
1.〇 正しい。水道法に基づき水質基準が定められている。
・水道法とは、上水道事業について定める日本の法律である。第4条において水質基準が定められている(※参考:「水道法」厚生労働省HPより)。
【水質汚濁の指標】①水素イオン濃度、②生物化学的酸素要求量、③化学的酸素要求量、④浮遊物質量、⑤溶存酸素量、⑥大腸菌群数、⑦総窒素、⑧総リン、⑨n-へキサン抽出物質などがあげられる。
2.〇 正しい。浄水処理には、沈殿、ろ過、消毒の工程がある。
【標準的な浄水過程】
① 凝集沈殿(薬剤で汚濁物を凝集させて沈降)
② ろ過(砂や活性炭などで微粒子除去)
③ 消毒(塩素などで細菌・ウイルスを殺菌)
3.× 硝酸態窒素は、「各種の病原菌」ではなく化学的な汚染の指標(窒素汚染)である。
・硝酸態窒素とは、生活排水・肥料・家畜排泄物などに由来する有機性窒素の酸化生成物である。水中の硝酸塩濃度が高いと、乳児ではメトヘモグロビン血症(青色症)を起こす危険がある。
4.〇 正しい。塩素と原水中の有機物質から、トリハロメタンが発生する。これらは発がん性が懸念されるため、水質基準で規制されている。
・トリハロメタンとは、メタンの4つの水素のうち、3つがハロゲンである塩素(Cl–)、臭素(Br–)などに置換された化合物である。トリハロメタンの一種、クロロホルムとブロモジクロロメタンは世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)により、「グループ2B:発がん性の恐れがある」とされている。マウスではこれら物質の発がん性を示す証拠が十分あるものの、人に対しての影響は詳しく分かっていないため、『発がん性の恐れがある』という表現になっている。
問題120.地球環境の保全と保護に関する国際的な取組みでないのはどれか。
1.ヘルシンキ宣言
2.ラムサール条約
3.リオデジャネイロ宣言
4.ワシントン条約
解答1
解説
1.× ヘルシンキ宣言は、地球環境の保全と保護に関する国際的な取組みではない。
・ヘルシンキ宣言とは、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」の基盤となる倫理的原則を示しているものである。ニュルンベルク綱領とは、医学的研究のための被験者の意思と自由を保護するガイドラインである。ニュルンベルク裁判で問題とされた人体実験において遵守されるべき基本原則を定めた倫理綱領である。1947年に提示された、研究目的の医療行為を行うにあたって厳守すべき10項目の基本原則である。後にヘルシンキ宣言として人を対象とする研究の倫理指針につながった。
2.〇 ラムサール条約とは、湿地の保全と賢明な利用を目的とした国際条約である。1971年にイランのラムサールで採択され、水鳥の生息地として重要な湿地を中心に、生態系や生物多様性を守ることを重視している。加盟国は重要な湿地を登録し、保全と持続可能な利用に努める義務を負う。
3.〇 リオデジャネイロ宣言とは、1992年の地球サミットで採択された環境と開発に関する基本原則である。持続可能な開発の推進や、環境保護と経済成長の両立を目指し、各国の協力や市民参加の重要性を強調している。
4.〇 ワシントン条約とは、野生動植物の国際取引を規制し、絶滅のおそれがある種を保護するための国際条約である。1973年に採択され、正式名称を「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」という。動植物を取引規制の度合いにより区分し、過度な利用を防ぐことを目的としている。
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