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問題16.腰椎椎間板ヘルニアの所見で誤っているのはどれか。
1.下肢の筋力低下
2.下肢の感覚低下
3.膀胱直腸障害
4.下肢深部腱反射の亢進
解答4
解説
椎間板は、外縁部分を構成する線維輪という靱帯様の構造物と、中心部に含まれる軟らかい髄核という構造物から成り立っているが、外縁部分の椎間板の線維輪が弱くなって膨隆したり、線維輪が断裂して中心部の髄核が脱出したりすると、近傍にある神経を圧迫している状態のことを腰椎椎間板ヘルニアという。L4/5とL5/S1が好発部位である。
L3‒L4間(支配神経根L4):膝蓋腱反射低下、大腿~下腿内側の感覚麻痺、大腿四頭筋力低下。
L4‒L5間(支配神経根L5):下腿外側~母趾の感覚麻痺、前脛骨筋、長母指伸筋、長趾伸筋の筋力低下。
L5‒S1間(支配神経根S1):アキレス腱反射低下、足部尺側側の感覚麻痺、下腿三頭筋、長母指屈筋、長趾屈筋の筋力低下。
1.〇 下肢の筋力低下は、腰椎椎間板ヘルニアの所見である。なぜなら、ヘルニアによって脱出した椎間板(髄核)が脊髄神経根を圧迫するため。したがって、圧迫された支配領域の筋の運動機能が障害される。
2.〇 下肢の感覚低下は、腰椎椎間板ヘルニアの所見である。なぜなら、圧迫される神経根は感覚線維も含むため。支配領域(デルマトーム)に一致した感覚障害が起こる。
3.〇 膀胱直腸障害は、腰椎椎間板ヘルニアの所見である。なぜなら、馬尾神経を圧迫すると、膀胱・直腸を支配する副交感神経線維が障害され、膀胱直腸障害を引き起こすため。
4.× 下肢深部腱反射の亢進は、「腰椎椎間板ヘルニア(下位運動ニューロン障害)」ではなく上位運動ニューロン障害(脊髄・脳疾患など)の所見ではない。なぜなら、椎間板ヘルニアは下位運動ニューロン障害であるため。したがって、深部腱反射は低下(または消失)する。
問題17.関節捻挫でみられないのはどれか。
1.関節血腫
2.関節の不安定性
3.弾発性固定
4.靱帯部に陥凹を触知
解答3
解説
1.〇 関節血腫は、関節捻挫でみられる。なぜなら、捻挫により靱帯や関節包が損傷されるため。その際に関節内血管が破綻して出血し、関節腔内に血液がたまる。
・関節血腫とは、関節の血管が損傷して出血が起こり、関節内に血が溜まっている状態である。
2.〇 関節の不安定性は、関節捻挫でみられる。なぜなら、靱帯は関節を安定される機能を持つため。捻挫によって関節を支える靱帯が部分的または完全に断裂し、関節の固定力(支持性)が低下する。
3.× 弾発性固定は、「関節捻挫」ではなく脱臼でみられる。
・弾発性固定とは、脱臼した位置で関節が動かなくなる状態をいう。患部を押しても反発するか、動いてもまた脱臼した位置に戻ろうとする特徴がある。
4.〇 靱帯部に陥凹を触知は、関節捻挫でみられる。なぜなら、靱帯の連続性が失われると、断裂部に陥凹(すき間)が生じるため。
問題18.屈曲整復法が適応となるのはどれか。
1.前腕両骨骨幹部骨折
2.上腕骨骨頭骨折
3.肘頭骨折
4.肋骨骨折
解答1
解説
屈曲整復法とは、短縮転位の整復困難な横骨折に適応される整復方法である。この整復法では、最も緊張が強く整復操作を妨害している骨膜や筋の緊張を取り除き整復を容易にすることを目的とする。
1.〇 正しい。前腕両骨骨幹部骨折は、屈曲整復法が適応となる。なぜなら、屈曲整復法により、前腕の筋群の筋緊張を緩め整復できるため。
・横骨折とは、骨折線が骨の長軸方向に対してほぼ垂直に入る骨折のことである。
2.× 上腕骨骨頭骨折は、屈曲整復法が適応とはならない。なぜなら、肩関節に近く筋緊張が十分緩まず、整復効果が乏しいため。主に、観血的整復固定(手術)が基本となる。
3.× 肘頭骨折は、屈曲整復法が適応とはならない(禁忌)。なぜなら、肘頭は上腕三頭筋腱の付着部で、屈曲すると三頭筋の牽引で骨片が引かれて転位が増大するため。
4.× 肋骨骨折は、屈曲整復法が適応とはならない。なぜなら、肋骨骨折は体幹の骨折であり、関節可動を利用する整復操作の対象ではないため。
・肋骨骨折の屋根瓦状絆創膏固定とは、絆創膏を貼付する範囲をアルコール綿で消毒し、呼気時に貼付していく。その際、乳頭部はガーゼで保護し、肋骨弓下縁から上方に向かって少しずつ重ねながら貼付していく。
問題19.徒手整復で末梢牽引が適切でないのはどれか。
1.肩関節前方脱臼
2.肘関節後方脱臼
3.第1中手指節関節背側脱臼
4.股関節後方脱臼
解答3
解説
コッヘル法 (槓杆法)、ヒポクラテス法(踵骨法)、スティムソン法(吊り下げ法)、クーパー法 (槓杆法)、ドナヒュー法(吊り下げ法)、モーテ法 (挙上法)、ミルヒ法 (挙上法)、シモン法(振り子法)、0ポジション法(挙上法)
1.〇 肩関節前方脱臼では、徒手整復で末梢牽引を行う。なぜなら、上腕軸方向に牽引することで関節包や筋の緊張を緩め、骨頭を関節窩に導くことができるため。徒手整復法として「コッヘル法」「ヒポクラテス法」「スティムソン法(懸垂法)」などが知られている。
2.〇 肘関節後方脱臼では、徒手整復で末梢牽引を行う(牽引・対抗牽引法)。肘関節後方脱臼では前腕全体が後方に転位しているため、前腕遠位端を牽引して骨端を離し、筋緊張を解除したのち、橈骨頭と尺骨を前方へ押し戻すことで整復が容易になる。
3.× 第1中手指節関節背側脱臼では、徒手整復で末梢牽引は行わない(禁忌)。なぜなら、牽引によりさらなる症状の悪化となるため。母指掌側板が関節間に挟み込まれて嵌頓している状態で、単純に牽引すると、掌側板がさらに関節内に引き込まれてロックが強くなり、整復不能(介在物嵌頓脱臼)になる。
4.〇 股関節後方脱臼では、徒手整復で末梢牽引を行う。
・コッヘル法とは、肩関節脱臼(前方脱臼)、股関節(後方脱臼)に対して行われる。【方法】患者:仰向け、術者:肘関節(膝関節)を90度に曲げて引っ張り、ゆっくり肩関節を外旋・内転(股関節内旋位→外旋)させる。これを行ない続けると、脱臼の整復が次第に行なわれる。※コッヘル法は、てこの原理を利用しているため、筋力のない高齢者などにも使える。ただ、十分筋力のある成人などに行なう場合は、大きな痛みが残る場合があるので、前もって全身麻酔をしておくことが推奨されている。
問題20.偽関節発生の局所原因でないのはどれか。
1.回旋力
2.圧迫力
3.牽引力
4.剪断力
解答2
解説
偽関節とは、骨折部の癒合不全により異常可動をきたすことである。血流が少なく、骨癒合が起こりにくい部位の骨折が好発部位である。つまり、①大腿骨頸部骨折、②手の舟状骨骨折、③脛骨中下1/3骨折等は偽関節を起こしやすい。
1.〇 回旋力は、偽関節発生の局所原因である。なぜなら、骨折部にねじれ(回旋)方向の力が加わると、骨折端の接触面がずれて不安定となるため。
2.× 圧迫力は、偽関節発生の局所原因でない。むしろ骨癒合を促進する。骨は力学的な荷重:圧力(運動)に応じて、骨吸収と骨形成を繰り返し、自らを再構築(リモデリング)する。つまり、運動が骨を強くする。
3.〇 牽引力は、偽関節発生の局所原因である。なぜなら、牽引力が持続すると、骨折端が離開して接触面が保てず、骨癒合に必要な骨性連続が形成されないため。
4.〇 剪断力は、偽関節発生の局所原因である。なぜなら、剪断力は、骨折端にずれを生じさせ、接触面の安定を妨ぐため。
・剪断力とは、外力を受けて部材が圧縮されたり、折り曲げられようとする時に、部材の両側に逆方向にずれて(部材をひし形に変形させて)抵抗しようとする力である。いわゆるズレの力といえる。
国試オタク 