第20回(H24年)柔道整復師国家試験 解説【午前111~115】

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問題111.「がんを防ぐための12ヵ条(国立がんセンター監修、2005)」で正しいのはどれか。

1.日光によくあたる。
2.適度にスポーツをする。
3.脂肪を十分に摂取する。
4.繊維質の摂取を控えめにする。

解答

解説

がんを防ぐための新12か条

1.たばこは吸わない
2.他人のたばこの煙を避ける
3.お酒はほどほどに
4.バランスのとれた食生活を
5.塩辛い食品は控えめに
6.野菜や果物は不足にならないように
7.適度に運動
8.適切な体重維持
9.ウイルスや細菌の感染予防と治療
10.定期的ながん検診を
11.身体の異常に気がついたら、すぐに受診を
12.正しいがん情報でがんを知ることから

1.× 日光によくあたるのは、むしろ過度な紫外線曝露は皮膚がんのリスクを高める。

2.〇 正しい。適度にスポーツをする。これは、7の項目に該当する。適度に運動を実施することで、定期的な身体活動は肥満を防ぎ、インスリン抵抗性・慢性炎症を抑えることができ、がん発生を抑制することが明らかになった。特に、大腸がん、乳がん、子宮体がんでは、運動習慣がある人ほど発症率が低いと報告されている。

3.× 脂肪を十分に摂取するのは、むしろ、肥満や脂肪肝を介して、大腸がん・乳がん・子宮体がんなどのリスクを高める。

4.× 繊維質の摂取を控えめにするのは、むしろ、発がん物質を腸内に滞留させ、大腸がんのリスクを高める。食物繊維は腸内環境を整え、発がん物質の腸内滞留を防ぐことができる。また、繊維質の摂取は肥満・糖尿病・脂質異常症など生活習慣病の予防にもつながる。

 

 

 

 

 

問題112.介護保険で正しいのはどれか。

1.介護サービスを受けるのに自己負担はない。
2.家事援助は対象外である。
3.二号被保険者は65歳以上である。
4.要介護の判定は介護認定審査会で行う。

解答

解説

 

介護保険制度とは?

介護保険制度とは、寝たきりや認知症等で常時介護を必要とする状態(要介護状態)になった場合や、家事や身支度等の日常生活に支援が必要であり、特に介護予防サービスが効果的な状態(要支援状態)になった場合に、介護の必要度合いに応じた介護サービスを受けることができる。

・第1号被保険者は、65歳以上の者である。
・第2号被保険者は、40歳以上65歳未満の医療保険加入者である。

【基本理念】
自己決定の尊重
生活の継続
自己支援(残存能力の活用)

1.× 介護サービスを受けるのに自己負担は「ある」。この自己負担は、1~3割と収入に応じて異なる。65歳以上の方は1割または一定以上の所得のある場合は2割、特に所得の高い場合は3割となる。40歳から64歳までの方は1割となる。

2.× 家事援助も「対象内である」。家事援助とは、生活援助と同義である。平成15年4月の「介護保険制度」の改訂で訪問介護の「家事援助」は、「生活援助」という呼称に変更となっている。介護保険の「訪問介護(ホームヘルプ)」には、身体介護(入浴・排泄・食事介助など)に加えて、生活援助(家事援助)も含まれている。生活援助(家事援助)は、掃除・洗濯・調理・買い物など、日常生活を維持するための支援である。

3.× 「二号被保険者」ではなく一号被保険者は65歳以上である。
・第二号被保険者の対象年齢は、40歳から64歳までである。

4.〇 正しい。要介護の判定は、介護認定審査会で行う。申請後の流れは、市区町村職員による認定調査や主治医の意見書に基づく一次判定(コンピュータ)→一次判定結果と主治医の意見書に基づく二次判定(介護認定審査会)→要介護度の決定(市区町村)である。
・介護認定審査会とは、市町村の附属機関として設置され、要介護者等の保健、医療、福祉に関する学識経験者によって構成される合議体である。介護保険の給付を受けるために必要な要介護認定の手続きのうち、二次判定を行うものである。保健・医療・福祉の学識経験者で構成される。

(※図引用:みんなの介護)

 

 

 

 

 

問題113.毒素型細菌性食中毒を起こすのはどれか。

1.ウェルシュ菌
2.病原大腸菌
3.ボツリヌス菌
4.カンピロバクター

解答1・3

解説

食中毒とは?

食中毒とは、食中毒を起こすもととなる細菌やウイルス、有毒な物質がついた食べ物を食べることによって、下痢や腹痛、発熱、吐き気などの症状が出る病気のことである。①微生物(細菌、ウイルス等)によるもの、②化学物質によるもの、③自然毒によるもの及びその他に大別される。なかでも、①微生物(細菌性)の食中毒は、感染型と毒素型に大きく分類される。加熱が有効なのは感染型であり、毒素型に加熱は無効である。

【毒素型】毒素型細菌性食中毒、セレウス、黄色ブドウ球菌、ボツリヌス

1.〇 正しい。ウェルシュ菌は、毒素型細菌性食中毒を起こす。
・ウェルシュ菌は、細菌であり産生する毒素により消化器症状(腹痛、下痢、悪心)を呈する。発症に至る原因としては、煮込み(カレーやシチュー)で料理の加熱が不十分である場合が多い。潜伏期間は6~18時間である。

2.× 病原大腸菌は、主に感染型(+毒素型)の食中毒を起こす。
・病原大腸菌とは、通常無害な大腸菌の中で、ヒトに下痢や腹痛などの消化器症状を引き起こす一部の菌株の総称である。腸管内で増殖してから病原因子を発現する「感染型」である。食べた時点では毒素は含まれず、菌が腸内で毒素を作るタイプである。

3.〇 正しい。ボツリヌス菌は、毒素型細菌性食中毒を起こす。
・ボツリヌス菌は、土壌や水などの環境中に生息し、缶詰や瓶詰め真空パック食品で問題となることが多い。潜伏期間は12~36時間で、症状は眼症状、嚥下障害、四肢麻痺、呼吸筋麻痺・死亡などである。

4.× カンピロバクターは、主に感染型の食中毒を起こす。
・カンピロバクターとは、生肉・生乳が主な原因食品であり、鶏、牛、野鳥など多くの動物が保有する細菌である。潜伏期間は、2~7日である。症状は、腹痛を伴う下痢、発熱などである。

 

 

 

 

 

問題114.潜伏期間の最も短いのはどれか。

1.腸炎ビブリオ食中毒
2.マイコプラズマ肺炎
3.結核
4.後天性免疫不全症候群(AIDS)

解答

解説
1.〇 正しい。腸炎ビブリオ食中毒は、潜伏期間の最も短い(10〜24時間:平均12時間)。
・腸炎ビブリオとは、食中毒の原因となる細菌で、海水や海産の魚介類などに生息している。4℃以下ではほとんど繁殖しない。腸炎ビブリオの症状は、潜伏期間が12時間前後で、主症状としては耐え難い腹痛があり、水様性や粘液性の下痢がみられる。下痢は日に数回から多いときは十数回で、しばしば発熱(37〜38℃)や嘔吐、吐き気がみられる。

2.× マイコプラズマ肺炎の潜伏期間は2〜3週間である。
・マイコプラズマ肺炎とは、「肺炎マイコプラズマ」という細菌に感染することによって起こる呼吸器感染症である。小児や若い人の肺炎の原因としては、比較的多いものの1つである。例年、患者として報告されるもののうち約80%は14歳以下であるが、成人の報告もみられる。

3.× 結核の潜伏期間は、数週間〜数か月である。
・肺結核とは、結核菌による感染症で、体の色々な臓器に起こることがあるが多くは肺のことである。結核菌は、喀痰の中に菌が出ている肺結核の患者と密閉空間で長時間(一般的には数週間以上)接触することにより空気感染でうつる。リンパ節結核や脊椎カリエス(骨の結核)など、肺に病気のない結核患者からはうつらない。また肺結核でも、治療がうまくいって喀痰の中に菌が出ていない患者さんからはうつることはない。また、たとえ感染しても、発病するのはそのうち1割ぐらいといわれており、残りの9割の人は生涯何ごともなく終わる。感染してからすぐに発病することもあるが、時には感染した後に体の免疫が働いていったん治癒し、その後数ヶ月から数十年を経て、免疫が弱ったときに再び結核菌が増えて発病することもある。結核の症状には、咳、痰、血痰、熱、息苦しさ、体のだるさなどがある。

4.× 後天性免疫不全症候群(AIDS)の潜伏期間は、数年(平均7〜10年)である。
・ヒト免疫不全ウイルスは、人の免疫細胞に感染してこれを破壊し、最終的に後天性免疫不全症候群を発症させるウイルスである。ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉感染症に対する治療法は飛躍的に進歩しており早期に発見することで後天性免疫不全症候群(AIDS)の発症を予防できるようになってきている。しかし、治療を受けずに自然経過した場合、免疫機能の低下により様々な障害が発現する。

 

 

 

 

 

問題115.予防接種で誤っているのはどれか。

1.受けるように努めなければならない。
2.集団予防と個人予防とが目的である。
3.インフォームド・コンセント(説明と同意)は不要である。
4.弱毒生ワクチンは抗体産生能を保持している。

解答

解説

予防接種法とは?

予防接種法とは、公衆衛生の観点から伝染のおそれがある疾病の発生・まん延を予防するためにワクチンの予防接種を行うとともに、予防接種による健康被害の迅速な救済を図ることを目的として制定された日本の法律である。予防接種法に基づく予防接種には、①定期予防接種と②臨時予防接種があり、定期予防接種の対象疾患には、①A類疾病と②B類疾病がある。さらに同法に基づかない任意接種もある。

A類疾病:主に集団予防、重篤な疾患の予防に重点を置き、国の積極的な勧奨があり、本人(保護者)に努力義務がある。
疾患:結核、ジフテリア、破傷風、百日咳、ポリオ、麻疹、風疹、日本脳炎、ヒブ(インフルエンザ菌b型)感染症、小児の肺炎球菌感染症、水痘、ヒトパピローマウイルス感染症、B型肝炎

B類疾病:主に個人予防に重点を置き、国の積極的な勧奨なく、本人(保護者)に努力義務はない。
疾患:季節性インフルエンザと高齢者の肺炎球菌感染症

(参考:「予防接種とは?」東京都医師会HPより)

1.〇 正しい。受けるように努めなければならない
・これは、予防接種法の第9条(予防接種を受ける努力義務)において、「定期の予防接種であってA類疾病に係るもの又は臨時の予防接種の対象者は、これらの予防接種を受けるよう努めなければならない」と定められている(※引用:「予防接種法」e-GOV法令検索様HPより)。

2.〇 正しい。集団予防(A類疾病)と個人予防(B類疾病)とが目的である。一定割合(多くは人口の70〜95%)が免疫を持つと、感染が社会全体で広がりにくくなる(=集団免疫)。

3.× インフォームド・コンセント(説明と同意)は、「必要である」。なぜなら、予防接種は医行為の一種であり、本人または保護者に対して効果・副反応・接種方法・救済制度などを十分に説明し、同意を得て実施することが、医師法および予防接種法で義務付けられているため。
・インフォームド・コンセントとは、「十分な説明を受けたうえでの同意・承諾」を意味する。医療者側から診断結果を伝え、治療法の選択肢を提示し、予想される予後などについて説明したうえで、患者自らが治療方針を選択し、同意のもとで医療を行うことを指す。診断結果の伝達には「癌の告知」という重要な問題も含まれる。

4.〇 正しい。弱毒生ワクチンは、抗体産生能を保持している。なぜなら、弱毒生ワクチンは、病原性を弱めたが抗原性は残したウイルス・細菌を使用しており、体内で増殖して強い免疫(長期的抗体産生)を誘導するため。
・弱毒生ワクチンとは、病原性は弱いが抗体産生能は保持している特徴を持つ。

 

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