第20回(H24年)柔道整復師国家試験 解説【午前46~50】

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問題46.腎臓を包まないのはどれか。

1.線維被膜
2.肉様膜
3.脂肪被膜
4.ゲロータ筋膜

解答

解説

腎臓を包む膜

腎臓は外側から腎筋膜(ゲロタ筋膜)→脂肪被膜→腎被膜(線維被膜)の順に包まれている。
腎筋膜(ゲロタ筋膜):密性結合組織の膜状の構造物。筋組織を包んでいるのではなく、腎臓・副腎をつつんだ脂肪被膜を覆う。前葉と後葉が腎の外側方で合わさり、さらに腹壁の筋群の内面を被う「横筋筋膜」へと続く。
脂肪被膜:腎臓・副腎をつつむ脂肪組織の塊。
腎被膜(線維被膜):薄く堅い結合組織の被膜で、腎臓表面を覆う。

1.〇 線維被膜は、腎臓を包む最内側の膜である。

2.× 肉様膜は、腎臓を包まない。肉様膜とは、陰嚢を覆う組織のひとつである。表皮、真皮、肉様膜、コールス筋膜、4層の被膜、睾丸鞘膜の9層で構成されている。

3.〇 脂肪被膜とは、腎臓・副腎をつつむ中間層の脂肪組織である。

4.〇 ゲロータ筋膜は、腎臓を包む最外層の線維性膜である。

 

 

 

 

 

問題47.腎臓で誤っているのはどれか。

1.左腎は右腎より高位である。
2.長軸の延長線は下方で交わる。
3.腎門には尿管がある。
4.集合管の尿は乳頭孔から出る。

解答

解説

(※図引用:「イラストボックス様」より)

1.〇 正しい。左腎は右腎より高位である。なぜなら、右腎の上には肝臓が位置しているため。したがって、肝臓による圧迫で、右腎がやや下方に位置する。

2.× 長軸の延長線は、「下方」ではなく上方(頭側)で交わる。なぜなら、腎臓は上端が内方、下端が外方を向いて斜めに配置されているため。つまり「八の字」のように位置している。したがって、腎臓のの長軸を延長すると上方で交わる位置関係となる。

3.〇 正しい。腎門には尿管がある
・腎門とは、腎臓の内側(くぼんだ中央部分)にある部位を指し、腎動脈、腎静脈、尿管、神経、リンパ管などが出入りする場所である。

4.〇 正しい。集合管の尿は、乳頭孔から出る
・集合管とは、集合尿細管は集まっている部分をいう。主に、水の再吸収を役割として持つ。
・乳頭孔とは、乳頭の先端近くでは背の高い円柱状の上皮を持つもので、集合管から分泌された尿が腎盂へ流れる場所である。

腎の尿路経路

腎小体→近位尿細管→ヘンレ係蹄→遠位尿細管→集合管乳頭孔→小腎杯→大腎杯→腎盂→尿管

 

 

 

 

 

問題48.受精卵が着床する時期はどれか。

1.受精直後
2.受精後約24時間
3.受精後約6日目
4.受精後約14日目

解答

解説

(※図引用:「基礎編―人体発生―」腹腔内内ヘルニア大全HPより)

1~2.× 受精直後/受精後約24時間に、まだ着床は起こらない。なぜなら、受精後約1日では2細胞期となる時期であるため。

3.〇 正しい。受精後約6日目は、受精卵が着床する時期である。なぜなら、受精後5〜6日目には胚盤胞が子宮内膜に到達するため。子宮内膜上皮に侵入し始める。

4.× 受精後約14日目には、すでに着床が完了している。

胚盤胞に関する基礎知識

卵割球
・前核期胚(1日目)
・4分割期胚(2日目)
・8分割期胚(3日目)

桑実胚(4日目):割球が16個から32個の状態を指す。

胚盤胞(5日目):胎盤と胎児になる部分が確認できる状態になっているより成長した胚。

 

 

 

 

 

問題49.子宮で正しいのはどれか。

1.子宮は前傾後屈である。
2.子宮広間膜は子宮頸から恥骨後面に至る。
3.子宮内膜の表層は機能層である。
4.子宮筋層は横紋筋である。

解答

解説

(図引用:「女性器の解剖と整理」医学出版様より)

1.× 子宮は、「前傾後屈」ではなく前傾前屈である。なぜなら、子宮体は膣軸に対して前方に傾き(前傾)、さらに子宮頸部に対して前に前屈しているため。ただし、前傾前屈子宮だと、尖腹から前不正軸定位になりがちであり、さらに、骨盤内に進入する際、第1回旋不良で頭頂骨が先進しやすい現代の分娩では、前頭頂骨定位となりやすいという報告もある。

2.× 子宮広間膜は、「子宮頸から恥骨後面に至る」のではなく骨盤側壁に広がる腹膜のヒダである。
・子宮は骨盤内で腹膜に覆われており、その前面と後面を覆う腹膜が両側に広がって、左右の骨盤壁まで達する二重の腹膜ヒダを形成している(子宮広間膜)。つまり、子宮広間膜とは、子宮の両側に張り出したひだ(腹膜)のことをいう。

3.〇 正しい。子宮内膜の表層は機能層である。子宮内膜は、腺上皮細胞と間質細胞からなり、筋層に近い基底層と、表層の機能層に区別され、機能層にはラセン状の走行を示すラセン動脈が分布する。子宮漿膜は腹膜の一部で、両側は子宮広間膜に、前方は膀胱漿膜に、後方は直腸漿膜に移行する。
・子宮内膜は、「基底層」と「機能層」に分かれ、表層の機能層は月経周期ごとに増殖・剥離を繰り返す。

4.× 子宮筋層は、「横紋筋」ではなく平滑筋(非随意筋)である。なぜなら、子宮は、内臓平滑筋から成る臓器であり、随意的に動かすことはできないため。
・横紋筋とは、筋組織のひとつで筋線維(筋細胞)の集まった物で、体を動かす際に使われるため「骨格筋」とも呼ばれる。

子宮内膜の構造

①基底層の特徴として、常に残存し、次周期の再生の基礎となる。

②機能層の特徴として、ホルモンの影響で増殖 → 分泌 → 脱落(=月経)する層である。
受精・妊娠が成立すると、機能層は、脱落膜となり胎盤の母体側を形成する。

 

 

 

 

 

問題50.ホルモンで誤っているのはどれか。

1.生体調節機構をもつ。
2.標的器官をもつ。
3.消化酵素を含む。
4.血液中に分泌される。

解答

解説

ホルモンの種類

ホルモンとは、①ペプチドホルモン、②ステロイドホルモン、③アミン・アミノホルモン、④糖タンパクホルモン、⑤その他の5つ分類される。①ペプチドホルモンは、成長ホルモン・インスリンなど大部分のホルモンが含まれる。②ステロイドホルモンは、副腎皮質ホルモンの他に性腺ホルモンも含まれる。コレステロールを原料として作られたステロイド骨格をもつホルモンである。③アミン・アミノホルモンは、副腎髄質ホルモン(アドレナリン、ノルアドレナリン)、甲状腺ホルモンがある。

1.〇 正しい。生体調節機構をもつ
例えば:
インスリン(膵臓β細胞):血糖値を下げる。
グルカゴン(膵臓α細胞):血糖値を上げる。
副腎皮質ホルモン(コルチゾール):ストレス時の代謝調整
これらの相互作用により、生体は血糖・体温・血圧などを一定に保つ。

2.〇 正しい。標的器官をもつ
例えば、
インスリン:標的は筋・肝・脂肪細胞(インスリン受容体あり)
甲状腺ホルモン:全身の代謝細胞に作用
卵胞刺激ホルモン:卵巣・精巣に作用
標的器官はそれぞれホルモン受容体を介して特異的に反応する。
・標的器官とは、ホルモンが血液によって運ばれ、特定の受容体をもつ細胞だけが反応する臓器や組織のことである。ホルモンは体中に流れるが、受け取れる器官にだけ作用し、成長や代謝、体内環境の調節を行う。

3.× 消化酵素は「含まない」。なぜなら、消化酵素は消化液の成分であるため。一方、ホルモンは「体内情報の伝達・調節を行う化学物質」である。

4.〇 正しい。血液中に分泌される。なぜなら、ホルモンは内分泌腺(例:下垂体・甲状腺・副腎・膵臓など)から分泌され、血液により標的器官へ運ばれる化学伝達物質であるため。このような分泌様式を内分泌という。

 

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