第20回(H24年)柔道整復師国家試験 解説【午前66~70】

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問題66.基礎代謝を測定する条件で誤っているのはどれか。

1.摂食後12〜14時間
2.室温20〜25℃
3.睡眠状態
4.肉体的安静状態

解答

解説

基礎代謝とは?

基礎代謝とは、体温維持、心臓や呼吸など、人が生きていくために最低限必要なエネルギーのことである。基礎代謝量は、体重・体表面積・性と年齢などの要因に依存する。安静・空腹時のエネルギー消費量で、一般に女性より男性の方が高い。

1.〇 正しい。摂食後12〜14時間は、基礎代謝を測定する条件である。なぜなら、食事による食事誘発性熱産生が基礎代謝に上乗せされ正確に測定できない可能性が高いため。

2.〇 正しい。室温20〜25℃は、基礎代謝を測定する条件である。なぜなら、寒冷や高温の環境では、体温維持のために代謝(熱産生や発汗)が上昇し正確に測定できない可能性が高いため。

3.× 睡眠状態は、基礎代謝を測定する条件とはいえない。基礎代謝は、「睡眠状態」ではなく覚醒安静時に測定する。なぜなら、睡眠中は代謝活動が低下し、エネルギー消費量が基礎代謝よりも下回るため。

4.〇 正しい。肉体的安静状態は、基礎代謝を測定する条件である。なぜなら、筋運動や体位変化などの身体活動によりエネルギー消費が増え、正確に測定できない可能性が高いため。

 

 

 

 

 

問題67.β酸化により代謝されるのはどれか。

1.アミノ酸
2.ケト酸
3.クエン酸
4.脂肪酸

解答

解説

β酸化とは?

・β酸化とは、脂肪酸の代謝において脂肪酸を酸化して脂肪酸アセチルCoAを生成し、そこからアセチルCoAを取り出す代謝経路のことである。

1.× アミノ酸,ケト酸(ケトン酸、ケトカルボン酸ともいう)/クエン酸は、クエン酸回路などで代謝される。
・ケト酸とは、アミノ酸や糖の中間代謝産物(例:ピルビン酸、α-ケトグルタル酸など)である。すでに酸化分解の途中段階にある。
・クエン酸とは、TCA回路の中間産物である。
【クエン酸回路とは?】
・クエン酸回路(TCA回路、クレブス回路、トリカルボン酸回路)とは、ミトコンドリアでアセチルCoAが二酸化炭素と水へと酸化されATPを生成する。グルコース→ピルビン酸→アセチルCoA→【クエン酸回路】(オキサロ酢酸)+クエン酸→イソクエン酸→α-ケトグルタル酸→サクシニルCoA→コハク酸→フマル酸→リンゴ酸→オキサロ酢酸となる。

4.〇 正しい。脂肪酸は、β酸化により代謝される。なぜなら、β酸化は主に肝臓や筋肉で行われ、脂肪酸から大量のATPを産生する主要経路であるため。
・脂肪酸とは、脂肪を構成している要素である。分子の構造的な違いから①飽和脂肪酸と②不飽和脂肪酸に分類される。①飽和脂肪酸は主に動物性の脂肪に含まれる。②不飽和脂肪酸は、植物や魚の脂に多く含まれる。不飽和脂肪酸はさらに、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分けられる。一価不飽和脂肪酸でよく知られているオレイン酸はオリーブ油に多く含まれ、血液中のLDLコレステロールを下げる効果がある。

 

 

 

 

 

問題68.小腸の刷子縁に結合して消化を行うのはどれか。

1.αアミラーゼ
2.ラクターゼ
3.トリプシン
4.リパーゼ

解答

解説

MEMO

小腸の刷子縁とは、小腸の内側の表面にある、とても細かい突起が密集した構造である。栄養を効率よく吸収するために表面積を大きくし、消化酵素も備えている。歯ブラシの毛のように見えるためこの名前となった。(※読み:さっしえん)

ちなみに、絨毛との違いは、絨毛は組織レベルの肉眼でも見える「指状の突起」、刷子縁(微絨毛)は細胞レベルの「細胞膜の微細な突起」である。

1.× αアミラーゼは、デンプンなどを、マルトース (麦芽糖) を分解する唾液腺や膵臓から分泌される消化酵素である。

2.〇 正しい。ラクターゼは、小腸の刷子縁に結合して消化を行う。
・ラクターゼとは、小腸上皮細胞の微絨毛膜(刷子縁膜)に存在し、ラクトースをグルコースとガラクトースに分解する酵素である。

3.× トリプシンとは、膵臓から分泌される膵液に含まれる消化酵素の一つである。 膵臓から産出されるトリプシノーゲンという物質が、十二指腸内の酵素の働きによって変換される。 たんぱく質を分解し、小腸で吸収されやすくする働きがある。

4.× リパーゼとは、中性脂肪を脂肪酸とグリセリンに加水分解する反応を触媒する酵素である。膵液にはアミラーゼ、リパーゼ、トリプシンどの酵素が含まれている。

 

 

 

 

 

問題69.脂質の消化と吸収とに関与しないのはどれか。

1.グルクロン酸
2.胆汁酸塩
3.リパーゼ
4.カイロミクロン

解答

解説
1.× グルクロン酸は、脂質の消化と吸収とに関与しない。
・グルクロン酸とは、肝臓で薬物・ビリルビン・ホルモンなどを水溶性に変える「抱合反応」に使われるものである。

2.〇 胆汁酸塩は、脂質の消化と吸収とに関与する
・脂質は、胆汁(肝臓から分泌される)に含まれる胆汁酸塩とレシチンによって乳化され、膵リパーゼにより分解される。ちなみに、胆汁酸塩とは、脂肪を乳化してリパーゼ作用を助ける物質である。

3.〇 リパーゼは、脂質の消化と吸収とに関与する
・リパーゼとは、中性脂肪を脂肪酸とグリセリンに加水分解する反応を触媒する膵臓から分泌される消化酵素である。

4.〇 カイロミクロンは、脂質の消化と吸収とに関与する
・カイロミクロンとは、脂質を吸収後に輸送するリポタンパク粒子である。小腸上皮で吸収された脂肪酸やモノグリセリドは再び中性脂肪に合成され、リンパ管へ送るためにカイロミクロンという粒子に封入される。これにより、脂質は血漿中に運ばれ、全身の組織で利用される。

 

 

 

 

 

問題70.非ふるえ熱産生が顕著にみられるのはどれか。

1.骨格筋
2.血管平滑筋
3.褐色脂肪組織
4.甲状腺

解答

解説

ふるえ熱産生とは?

ふるえ熱産生とは、体性運動神経を介した骨格筋のふるえを通じた熱産生反応である。小刻みな収縮:シバリングによって生体内で熱が産生される現象である。寒さによる「ふるえ」は骨格筋の不随意運動による筋収縮で発生するエネルギーが熱となるため、熱産生が増加する。

1.× 骨格筋は、ふるえ熱産生が顕著にみられる。なぜなら、骨格筋の収縮活動(ふるえ)によってATPが分解され、そのエネルギーの多くが熱として放出されるため。

2.× 血管平滑筋は、熱産生自体は行われない。なぜなら、血管平滑筋は体温調節に関与するため。血流調節(収縮・拡張)を行い、熱の放散量を調節する機能を持つ。

3.〇 正しい。褐色脂肪組織は、非ふるえ熱産生が顕著にみられる。
・褐色脂肪組織とは、多房性で小型の脂肪滴を有するという形態学的な特徴を有する褐色脂肪細胞より主に構成されており、高い熱産生能を有する組織である。褐色脂肪組織は新生児の熱酸性のための組織であるが、低出生体重児の場合は褐色脂肪細胞が少ないため低体温になりやすい。

4.× 甲状腺は、実際に熱を作る器官ではない。なぜなら、甲状腺は、熱産生を促進するホルモン(T₃・T₄)を分泌するため。

 

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