第21回(H25年)柔道整復師国家試験 解説【午前16~20】

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問題16.脆弱性骨折で頻度の高いのはどれか。

1.鎖骨骨折
2.上腕骨外科頸骨折
3.脛骨骨折
4.踵骨骨折

解答

解説

脆弱性骨折とは?

脆弱性骨折とは、骨量の減少や骨質の劣化によって骨強度が低下し、軽微な外力によって発生した非外傷性骨折である。 軽微な外力とは、立った姿勢からの転倒かそれ以下の外力をさす。転んで手をついた、重いものを持ち上げた、尻もちをついた、など健康な方では折れないような外力による骨折のことをさす。

【高齢者の4大骨折】骨粗鬆症は閉経後の女性に多く、骨の変形や痛み、易骨折性の原因となる。高齢者に多い骨折は①大腿骨頸部骨折、②脊椎圧迫骨折、③橈骨遠位端骨折、④上腕骨頸部骨折などがあり、これらは「高齢者の4大骨折」と呼ばれている。

1.3.× 鎖骨骨折/脛骨骨折は、若年層の外傷性骨折が多い。若年者やスポーツ外傷でよく見られる。

2.〇 正しい。上腕骨外科頸骨折は、脆弱性骨折で頻度の高い。
・上腕骨外科頸骨折とは、上腕骨の骨折の中で、特に高齢者に多く発生する骨折の一つであり、骨頭から結節部にかけての太い部分から骨幹部に移行する部位で発生する。老年期とは、一般的に65歳以上をいう。

4.× 踵骨骨折は、足根骨骨折の中で最も頻度が高く、受傷機転の多くは高所からの転落による高エネルギー直達外力である。踵骨骨折のうち関節内骨折は65〜75%を占めるとされる。踵骨の大部分は海綿骨であり骨癒合は良好とされる。その反面、骨萎縮や可動域制限による疼痛などの機能障害が残存しやすい病態であり、適切な時期に的殺な治療を行うことが予後を大きく左右するとされる。
機序:ほとんどは下肢からの墜落で起こる。
骨折の種類:圧迫骨折
重症化:距踵関節面が保たれない。
治療:ほとんどは徒手整復と保存。アキレス腱付着部の裂離骨折であれば手術。
リハビリ:踵免荷のための免荷装具を作成・利用して徐々に荷重を開始する。
予後:骨折は治癒しても、内・外反に加え扁平足になり、関節面にも変形を来たす。

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問題17.急性塑性変形が発生しやすい時期はどれか。

1.幼小児
2.青年
3.壮年
4.老年

解答

解説

急性塑性変形とは?

急性塑性変形とは、1974年にBordenらによっ て提唱されたもので、小児長管骨に弾性限界を超えるが、完全骨折には至らない程度の外力が加わったときに弯曲変形し、骨が元の形に戻ることができなくなった状態である。(※参考:「小児下腿骨急性塑性変形の2例」著:松村宣政)

1.〇 正しい。幼小児は、急性塑性変形が発生しやすい時期である。なぜなら、幼小児の骨は、弾力性が高いため。
・幼児とは、満1歳から小学校入学前をさす。
・小児とは、7歳以上15歳未満をさす。

2~4.× 青年(10代後半から30代前半頃まで)/壮年(30代後半から50代後半頃まで)/老年(65歳ごろ)は、急性塑性変形が発生しにくい。なぜなら、弾力性が低く「しなり」にくいため。

 

 

 

 

 

問題18.青年の骨折治療に比べて高齢者骨折の治療計画で正しいのはどれか。

1.固定は長期間行う。
2.固定力の強度は強固にする。
3.安静臥床は長期間にする。
4.運動療法を早期から行う。

解答

解説
1.× 固定は長期間行うのは避けるべきである。なぜなら、長期間の固定は、関節拘縮・筋萎縮・循環障害などが起こるため。結果的に、ADL(日常生活動作)の低下や寝たきりにつながりやすい。

2.× 固定力の強度は強固にする優先度は低い。むしろ、「強固な固定」よりも、「安定かつ早期可動が可能な固定」が重要である。なぜなら、高齢者の骨は脆いことが多く、過度に強固な固定は、骨を損傷したり、圧迫壊死や循環障害を起こす危険があるため。

3.× 安静臥床は長期間にするのは避けるべきである。なぜなら、高齢者では長期臥床により、重大な合併症(廃用症候群・深部静脈血栓症・誤嚥性肺炎・褥瘡など)が発生しやすいため。

4.〇 正しい。運動療法を早期から行う。なぜなら、早期からの運動療法(早期離床)により、筋力低下・関節拘縮・血栓・肺炎・認知機能低下などを防ぐことができるため。

 

 

 

 

 

問題19.骨折の整復法で正しいのはどれか。

1.近位骨片の長軸方向に牽引する。
2.捻転転位は最後に整復する。
3.遠位骨片に近位骨片を合わせる。
4.屈曲整復法は側方転位に用いる。

解答

解説
1.〇 正しい。近位骨片の長軸方向に牽引する。なぜなら、骨折部位では筋肉の収縮によって骨片が互いにずれ(転位)を生じるため。まず筋の牽引力を打ち消して骨片の位置を整える必要がある。

2.× 捻転転位は、「最後」ではなく最初に整復する。
・牽引直圧整復法とは、一般的な骨折に対して行う治療で、牽引力を利用して直圧を加えて行う。まずは、捻転転位の整復を行うが、 高度な捻転転位は牽引で自然整復されることは少ない。したがって、牽引直圧整復法では、捻転転位 →短縮転位 →屈曲転位 →側方転位の順で行う。
転位の矯正を行う
・捻転転位とは、ねじれるように軸回転したものをいう。

3.× 逆である。「近位骨片」に「遠位骨片」を合わせる。なぜなら、近位骨片は体幹側に固定されて動かしにくいが、遠位骨片は比較的自由に操作できるため。近位骨片を動かそうとすると、周囲筋や神経血管を損傷する危険が高くなる。

4.× 屈曲整復法は「側方転位」ではなく短縮転位(整復困難な横骨折)に用いる。なぜなら、緊張が強く整復操作を妨害している骨膜や筋の緊張を取り除き整復を容易にすることができるため。

 

 

 

 

 

問題20.脱臼の整復障害でないのはどれか。

1.筋の弛緩
2.種子骨の介在
3.整復支点の骨欠損
4.ボタン穴機構

解答

解説
1.× 筋の弛緩は、脱臼の整復障害でない。むしろ、再脱臼の要因となる。関節脱臼では、筋が反射的に緊張して関節面の整復を妨げることが多いため、筋の弛緩は、整復を容易にする条件である。

2.〇 正しい。種子骨の介在は、脱臼の整復障害である。なぜなら、脱臼の際に滑車や関節包内に種子骨・軟骨片・骨片などが挟み込まれると、骨頭が関節窩に戻る物理的スペースがなくなるため。

3.〇 正しい。整復支点の骨欠損は、脱臼の整復障害である。なぜなら、整復には関節面同士の支点や方向性が必要であるため。このような場合は、徒手整復ではなく観血的整復が適応となる。

4.〇 正しい。ボタン穴機構は、脱臼の整復障害である。なぜなら、脱臼時に関節包や筋腱が骨頭や骨片の周囲に嵌り込み、ボタン穴のように引っかかることで、骨頭が関節窩へ戻れなくなるため。

 

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