第21回(H25年)柔道整復師国家試験 解説【午前66~70】

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問題66.吸息時に起こらないのはどれか。

1.胸膜腔内圧の陽圧化
2.横隔膜の収縮
3.肺胞壁弾性力の増大
4.肺胞内の陰圧化

解答

解説
1.× 胸膜腔内圧の陽圧化は、吸息時に起こらない。なぜなら、胸膜腔内圧は、陰圧になるため。
・安静時の吸息では、横隔膜の収縮と胸腔の容積の増加により、胸膜腔内圧がさらに陰圧になる。吸息時、胸郭が拡大し、胸膜腔内の圧力が下がり(陰圧となり)、その結果として肺胞が拡大し、肺胞内の圧力も下がる(陰圧となる)。

2.〇 横隔膜の収縮は、吸息時に起こる。
・横隔膜の【起始】胸郭下口の全周で、腰椎部、肋骨部、胸骨部の3部からなる。①腰椎部は、内側脚:第1~4腰椎体、外側脚:内側弓状靭帯と外側弓状靭帯、②肋骨部は、第7~12肋軟骨(肋骨弓部)の内面、③胸骨部は、剣状突起。一部は腹横筋腱膜の内面、【停止】腱中心、【作用】その収縮によって円蓋を下げ、胸腔を広げる(吸息)、【支配神経】横隔神経と副横隔神経(30~40%で欠如)である。

3.〇 肺胞壁弾性力の増大は、吸息時に起こる。なぜなら、吸息により肺が拡張すると、肺胞壁の弾性線維が伸展され、弾性収縮力(戻ろうとする力)が増大するため。

4.〇 肺胞内の陰圧化は、吸息時に起こる。なぜなら、胸郭拡大→胸膜腔内陰圧化→肺拡張→肺胞内の圧が外気圧より低くなることで、その圧差によって空気が流れ込むため。

 

 

 

 

 

問題67.ヘーリング・ブロイエル反射で正しいのはどれか。

1.求心性末梢神経は舌咽神経である。
2.反射中枢は視床下部である。
3.反射的に吸息が増強する。
4.受容器は肺伸展受容器である。

解答

解説

ヘーリング・ブロイエル反射とは?

ヘーリング・ブロイエル反射とは、肺の伸展・縮小により肺伸展受容器が刺激された場合に、その刺激が迷走神経を介して延髄に伝達され、呼吸が抑制されることである。 吸気を抑制する肺膨張反射、呼気を抑制する肺縮小反射に分類される。遠心路は運動神経である。

1.× 求心性末梢神経は、「舌咽神経」ではなく迷走神経である。肺伸展受容器→迷走神経→延髄へ伝わる。
・舌咽神経とは、知覚・運動・分泌を受けもつ混合神経で、舌の後部3分の1の感覚や咽頭筋の運動を支配する。 また分泌線維は耳下腺に分布し、唾液の分泌を司る。 鼓室粘膜の知覚もこの神経が支配する。

2.× 反射中枢は、「視床下部」ではなく延髄である。肺伸展受容器→迷走神経→延髄へ伝わる。
・視床下部とは、間脳に位置し、内分泌や自律機能の調節を行う総合中枢である。 ヒトの場合は脳重量のわずか0.3%、4g程度の小さな組織であるが、多くの神経核から構成されており、体温調節やストレス応答、摂食行動や睡眠覚醒など多様な生理機能を協調して管理している。つまり、視床下部は自律神経の最高中枢である。

3.× 反射的に吸息が「増強」ではなく抑制する。なぜなら、肺が過度に拡張すると伸展受容器が刺激され、延髄へ信号が送られて吸息中枢を抑制し、呼吸が抑制される。

4.〇 正しい。受容器は肺伸展受容器である。肺伸展受容器→迷走神経→延髄へ伝わる。

 

 

 

 

 

問題68.糖質摂取後に血中濃度が低下するのはどれか。

1.乳酸
2.グルコース
3.インスリン
4.グルカゴン

解答

解説
1.× 乳酸(乳酸濃度)は、糖質摂取後はやや上昇することがある。なぜなら、食後にグルコースが増えると解糖系が活発化し、末梢組織(特に赤血球・骨格筋)でピルビン酸→乳酸への変換が増えるため。
・乳酸とは、カラダを動かすエネルギーを作るため糖を分解している際にできる生成物である。

2.× グルコース(グルコース濃度)は、糖質摂取後は上昇する。なぜなら、糖質(炭水化物)が小腸で吸収されるとグルコースとして血中に入るため。
・グルコースとは、果物や穀類などに多く含まれ、自然界に最も多く存在する単糖類である。

3.× インスリン(インスリン濃度)は、糖質摂取後は上昇する。なぜなら、膵臓β細胞が血糖上昇を感知してインスリンを分泌されるため。
・インスリンとは、膵臓のランゲルハンス島にあるβ細胞から分泌されるホルモンの一種で、①血糖低下、②脂肪合成の作用がある。

4.〇 正しい。グルカゴンは、糖質摂取後に血中濃度が低下する。なぜなら、グルカゴンは血糖を上げるホルモンであり、血糖が十分にある状態では膵α細胞からの分泌が抑制されるため。
・グルカゴンとは、膵臓のランゲルハンス島にあるα細胞から分泌されるホルモンの一種で、①血糖上昇、②脂肪分解の作用がある。

 

 

 

 

 

問題69.呼吸商はどれか。

1.酸素摂取量/酸素消費量
2.二酸化炭素排出量/酸素消費量
3.呼息にかかる時間/吸息にかかる時間
4.運動開始時の酸素不足/運動後に返済される酸素負債

解答

解説
1.× 酸素摂取量/酸素消費量
・酸素摂取量と酸素消費量は、ほぼ同義で使われ、体内に取り込まれて組織で利用される酸素の量を指す。

2.〇 正しい。二酸化炭素排出量/酸素消費量は、呼吸商である。
・呼吸商とは、単位時間あたりの二酸化炭素産生量(二酸化炭素排出量)と酸素消費量の比である。呼吸商は栄養素によって異なり、ブドウ糖が1.0、タンパク質は約0.8、脂質が0.7である。

3.× 呼息にかかる時間/吸息にかかる時間は、代謝とは無関係である。なぜなら、「呼息時間/吸息時間」は呼吸リズムや人工呼吸器設定(例:I:E=1:2など)で使うことが多いため。

4.× 運動開始時の酸素不足/運動後に返済される酸素負債
これは、酸素負債に関する説明である。酸素負債とは、激しい運動時に筋肉が必要とする酸素の量が、実際に体内に供給される酸素の量を上回り、その不足分を「借金」のように後で補う必要がある状態を指す。

 

 

 

 

 

問題70.胃酸の分泌を抑制するのはどれか。

1.アセチルコリン
2.ガストリン
3.セクレチン
4.ヒスタミン

解答

解説
1.× アセチルコリンは、胃酸分泌を促進する。
・アセチルコリンとは、代表的な神経伝達物質であり、①運動神経の神経筋接合部、②交感神経および副交感神経の節前線維の終末、副交感神経の節後線維の終末などのシナプスで放出される。アセチルコリンは、中枢神経で働く場合と末梢神経で働く場合で作用が異なる。①運動神経の神経筋接合部では、筋収縮に作用する。

2.× ガストリンは、胃酸分泌を促進する。
・ガストリンとは、胃幽門前庭部と十二指腸上部のG細胞から分泌され、胃酸・ペプシノーゲンの分泌促進や胃運動促進の作用がある。

3.〇 正しい。セクレチンは、胃酸の分泌を抑制する。
・セクレチンとは、十二指腸のS細胞から分泌され、胃酸分泌抑制や炭酸水素イオン分泌促進、膵液の分泌促進の作用がある。肝臓、膵臓、十二指腸が重炭酸塩を分泌するのを促す役割を果たす。

4.× ヒスタミンは、胃酸分泌を促進する。
・ヒスタミンとは、アレルギー様症状を呈する化学物質である。組織周辺の肥満細胞や血中の好塩基球がアレルギー反応の際に分泌される。血圧降下血管透過性亢進、血管拡張作用がある。胃壁細胞のヒスタミン受容体に結合して胃酸を分泌させる。

 

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