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問題76.閉経によって上昇するホルモンはどれか。
1.エストロゲン
2.糖質コルチコイド
3.ゴナドトロピン
4.バゾプレッシン
解答3
解説
1.× エストロゲンは、閉経後低下する。なぜなら、エストロゲンは、閉経により卵巣の機能が低下するため。
・エストロゲンとは、女性らしさを形成するホルモンであり、成長に伴って分泌量が増加し、生殖器官の発育および維持に寄与する。また、女性らしい丸みのある体形や美肌の形成にも関与している。分泌量は、月経周期の変動を伴いながら、20代でピークに達し、45~55歳の更年期に急激に減少する。エストロゲンの減少により、骨吸収を抑制する効果が低下し、その結果、骨吸収が亢進して骨粗鬆症のリスクが高まる。
2.× 糖質コルチコイドは、閉経後ほとんど変化しない。なぜなら、糖質コルチコイドの分泌は下垂体前葉の副腎皮質刺激ホルモンにより調整されており、性腺系(エストロゲン・ゴナドトロピン)とは異なる経路で制御されるため。
・糖質コルチコイドとは、副腎皮質の束状帯の細胞で産生されるステロイドホルモンのことである。副腎皮質ホルモンには、コルチゾール・アルドステロン・アンドロゲン(男性ホルモン)などがある。コルチゾールは、血糖値の上昇や脂質・蛋白質代謝の亢進、免疫抑制・抗炎症作用、血圧の調節など、さまざまな働きがある。過剰になるとクッシング症候群、不足するとアジソン病を引き起こす。
3.〇 正しい。ゴナドトロピンは、閉経によって上昇するホルモンである。
・ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG:human chorionic gonadotropin)とは、妊娠中にのみ測定可能量が著しく産生されるホルモンであり、妊娠の早期発見や自然流産や子宮外妊娠といった妊娠初期によくみられる異常妊娠の診断と管理のために使用される。主に絨毛組織において産生され、妊娠初期の卵巣黄体を刺激してプロゲステロン産生を高め、妊娠の維持に重要な働きをしている。また、胎児精巣に対する性分化作用や母体甲状腺刺激作用がある。絨毛性腫瘍の他に、子宮、卵巣、肺、消化管、膀胱の悪性腫瘍においても異所性発現している例もある。
4.× バゾプレッシンは、閉経後ほとんど変化しない。なぜなら、バゾプレッシンは下垂体後葉から分泌されるホルモンであり、性腺系(エストロゲン・ゴナドトロピン)とは異なる経路で制御されるため。
・バゾプレッシンとは、下垂体後葉から分泌される水溶性ホルモンで、役割として、抗利尿作用がある。バソプレッシンは、集合管の受容体に作用し、水の透過性を亢進する。水の再吸収を促進する抗利尿作用・血圧上昇が起きる。尿を濃くし尿量を減らす作用がある。
問題77.ビタミンDの活性化に重要な太陽光線はどれか。
1.紫外線
2.赤外線
3.可視光線
4.エックス線
解答1
解説
・ビタミンDとは、カルシウムとリンの吸収を促進する働きがある。ビタミンDの欠乏によりくる病をきたす。
・くる病とは、小児期に見られる骨の石灰化不全であり、主に成長障害と骨の弯曲が起こる疾患である。ビタミンDの代謝あるいは感受性の障害により、骨に石灰化が起こらず、強度が不足する病気である。 成人期ではビタミンD依存性骨軟化症と呼ばれる。小児期には成長も障害され、骨X線検査で特徴的な所見を呈し、ビタミンD依存性くる病とも呼ばれる。
1.〇 正しい。紫外線は、ビタミンDの活性化に重要な太陽光線である。なぜなら、皮膚中の7-デヒドロコレステロールが、紫外線を受けてプレビタミンD₃に変換されるため。
2.× 赤外線は、主に「熱作用(皮膚温度上昇)」をもたらす電磁波である。
3.× 可視光線は、人の目に見える範囲の光であり、化学変化を起こすほどのエネルギーを持たない。
4.× エックス線は、波長が極めて短く、エネルギーが強すぎて分子結合を破壊してしまい、過度の曝露はDNA損傷や発がんリスクを高める特徴を持つ。
問題78.カルシウムの生理作用で誤っているのはどれか。
1.筋肉収縮
2.止血促進
3.脱分極の発生
4.浸透圧維持
解答4
解説
1.〇 正しい。筋肉収縮は、カルシウムの生理作用である。
【筋収縮の機序】
①神経刺激が筋細胞膜を介して伝わり、筋小胞体からCa²⁺が放出される。
②放出されたCa²⁺はトロポニンに結合する。
③Ca²⁺が結合すると、トロポニンの構造が変化し、トロポミオシンがアクチンのミオシン結合部位から移動。
④ミオシン頭部がアクチンに結合できるようになり、ATP分解のエネルギーで首振り運動が起こる。
⑤アクチンフィラメントがミオシンフィラメントの間を滑走して筋収縮が生じる。
2.〇 正しい。止血促進は、カルシウムの生理作用である。
・血液凝固因子とは、Ⅰ:フェブリノーゲン、Ⅱ:プロトロンビン、Ⅲ:トロンボプラスチン、Ⅳ:カルシウムイオン、Ⅴ:プロアクセレリン、Ⅵ:(欠番)、Ⅶ:プロコンバーチン、Ⅷ:抗血友病因子、Ⅸ:クリスマス因子、Ⅹ:スチュアート因子、Ⅺ:PTA、Ⅻ:ハーゲマン因子、XIII:フェブリン安定化因子である。
3.〇 正しい。脱分極の発生は、カルシウムの生理作用である。なぜなら、心筋細胞や平滑筋細胞、神経終末などでは、電位依存性Ca²⁺チャネルが開くことでCa²⁺が細胞内に流入し、脱分極(膜電位上昇)を引き起こすため。
4.× 浸透圧維持は、カルシウムの生理作用ではない。なぜなら、血漿浸透圧を決める主な要素は、ナトリウム・塩素・グルコース・尿素などの低分子物質であるため。
Na+:活動電位発生時の急速な脱分極。
Ca2+:脱分極の維持(プラトー)に関わる。
K+:再分極の際に関わる。
問題79.伝導速度が最も速いのはどれか。
1.痛覚の求心性線維
2.筋紡錘の求心性線維
3.温覚の求心性線維
4.触覚の求心性線維
解答2
解説

1.× 痛覚の求心性線維は、主にAδ線維(速い痛み)とC線維(遅い痛み)の2種類があり、いずれも細く、特にC線維は無髄線維であるため伝導速度が遅い。
2.〇 正しい。筋紡錘の求心性線維(Ⅰa線維)は、伝導速度が最も速い。なぜなら、筋紡錘の求心性線維(Ⅰa線維)は、直径が大きく髄鞘が非常に厚い有髄線維であるため。したがって、跳躍伝導が最も効率的に行われる。
3.× 温覚の求心性線維は、主にC線維(無髄線維)によって伝えられる。伝導速度は遅い。
4.× 触覚の求心性線維は、Aβ線維によって伝えられる。筋紡錘線維(Ⅰa線維)と比較すると伝導速度は遅い。
問題80.姿勢反射のうち脊髄反射はどれか。
1.前庭迷路反射
2.陽性支持反射
3.立ち直り反射
4.踏み直り反射
解答2
解説
立ち直り反射とは、姿勢反射の一つで、姿勢を保持するときに働く機能系である。例えば、①頸の立ち直り反射や②視性立ち直り反射などがあげられる。頸筋性や視覚性のほかにも、迷路性、体性があげられる。
①頸の立ち直り反応とは、背臥位の子どもの頭を一方に向けると、頸筋群の固有感覚受容器が刺激されて、肩・体幹・腰部がその方向に丸太様に全体的に回転する。4~6 ヵ月に出現し、5歳までに消失する。
②視性立ち直り反射とは、視覚刺激の誘発により、頭部の位置を正常に保持する反射のことで、例えば座位の場合、を座らせて左右に傾けると頭を垂直にしようとする。視性の刺激が立ち直りに関与する。腹臥位:3ヵ月、座位・立位:5~6ヵ月に出現し生涯継続する。
1.× 前庭迷路反射は、脳幹(延髄・中脳)レベルの反射である。
・前庭迷路反射とは、耳の内部にある前庭系と大脳を結ぶ神経経路によって調節され、主に平衡と体の姿勢を維持する。内耳前庭器官を受容器として生じ、回転運動やその他の身体の動きによって、前庭器官内部の感覚細胞の上にあるクプラ、耳石膜などに流動圧、内圧、ずれなどが加わると、それらの神経情報は前庭神経を伝わって延髄内に分布する前庭神経核に伝わり、さらに上位の中枢にまで送られ反射運動を生じる。
2.〇 正しい。陽性支持反射は、姿勢反射のうち脊髄反射である。
・陽性支持反射とは、新生児の腋窩を支えて抱き上げて足底を床につけると下肢、体幹が伸展し、起立する反応。これに対し新生児を同姿勢で空中に抱き上げると下肢を逆に屈曲する反応を陰性支持反射という。
3.× 立ち直り反射は、中脳レベルの反射である。
4.△ 踏み直り反射も姿勢反射のうち脊髄反射である。ただし、原始反射・自動運動として扱われることが多いため、最も典型的な脊髄性姿勢反射として問われた場合、優先的に選択肢2(陽性支持反射)が該当する。
・踏み直り反射とは、脇の下を抱え、足背を机の端の裏側につけると、足を持ち上げ、机の上に足を踏み出す反射で、新生児期にみられ、遅くとも2か月までに消失する。
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