第21回(H25年)柔道整復師国家試験 解説【午前81~85】

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問題81.無酸素的な筋肉の収縮で起こるのはどれか。

1.グリコーゲンの蓄積
2.ミトコンドリアの機能亢進
3.乳酸の生成
4.筋蛋白の生成

解答

解説

MEMO

酸化的リン酸化(電子伝達系)とは、 細胞内(ミトコンドリア)で起こる呼吸(電子伝達系の複合体を経て酸素に渡してH2Oにする)に関連した現象で一連のリン酸化(ATP合成)反応のこと。

1.× グリコーゲンは、「蓄積」ではなく消費される。なぜなら、無酸素運動(短距離走や筋トレのような高強度運動)では、エネルギー源として筋内グリコーゲンが急速に分解され、ATPを産生するため。
・グリコーゲンとは、多糖類の一種で、エネルギーを貯蔵し人間の活動に欠かせないものである。普段は、肝臓や骨格筋等に蓄えられており、急激な運動を行う際のエネルギー源として、あるいは空腹時の血糖維持に利用される。

2.× ミトコンドリアの機能亢進するのは、「好気的代謝(酸化的リン酸化)」である。一方、無酸素的収縮ではミトコンドリアは関与しない。なぜなら、ミトコンドリアは酸素を利用してATPを産生する「好気的代謝(酸化的リン酸化)」の場であるため。

3.〇 正しい。乳酸の生成は、無酸素的な筋肉の収縮で起こる。なぜなら、乳酸は激しい運動(嫌気的代謝)をした後に蓄積される疲労物質であるため。
・嫌気的代謝とは、生体内で酸素を利用せずに糖(グルコース)をピルビン酸や乳酸などに分解し、エネルギーを産生する反応過程である。有酸素運動でのエネルギー産生は、クエン酸回路であり乳酸産生が起こりにくい。

4.× 筋蛋白は、「生成」ではなく分解されやすい(無酸素的収縮の直後)。なぜなら、無酸素運動中は酸素供給が不足し、エネルギー代謝が不完全になるため。例えば、筋トレ中は無酸素的収縮によって筋線維が損傷するが、休息・栄養摂取後に修復が進み、筋蛋白合成が亢進する(超回復)。

 

 

 

 

 

問題82.核袋線維で正しいのはどれか。

1.腱紡錘の中に存在する。
2.線維の両端に多くの核が集まっている。
3.線維の中央部は収縮が起こらない。
4.錐外筋線維と直列に並んでいる。

解答

解説

MEMO

筋紡錘は、筋線維の中にあり、筋が伸ばされたことを感知し、筋を縮ませる働きを持つ。筋紡錘の中には、錘内線維と呼ばれる少数の筋線維があり、核袋線維と核鎖線維からなる。

1.× 腱紡錘の中に存在するのは、「筋紡錘」である。
・筋紡錘とは、骨格筋の収縮を感知する感覚器(筋の長さとそれが変化する速さを感知する感覚器)であり、腱をたたいて骨格筋を急速に伸ばすと起こる筋単収縮(伸張反射)に関与する。

2.× 線維の「両端」ではなく中央に多くの核が集まっている。なぜなら、核袋線維はその名の通り、線維の中央部が膨らんで「袋状」になっており、その中に多数の核が集まっている構造をしているため。

3.〇 正しい。線維の中央部は収縮が起こらない。なぜなら、核袋線維の中央部は感覚受容部であるため。

4.× 錐外筋線維と「直列」ではなく並列に並んでいる。なぜなら、筋紡錘は筋の内部に並行して存在し、筋が伸びると同時に筋紡錘も伸びるように配置されているため。一方、腱紡錘(ゴルジ腱器官)は、錐外筋線維と直列に並び、筋の張力(収縮力)を感知する。
・腱器官(ゴルジ腱器官)は、筋と腱の移行部に位置し、腱にかかる張力(筋の収縮力)を感知する受容器である。自原抑制に関与する。

 

 

 

 

 

問題83.感覚受容器が自由神経終末でないのはどれか。

1.触圧覚
2.温覚
3.冷覚
4.痛覚

解答

解説
1.× 触圧覚は、感覚受容器が自由神経終末でない。
・触圧覚は、マイスナー小体、メルケル触盤、パチニ小体、ルフィニ終末などが担う。

2~5.〇 温覚/冷覚/痛覚は、自由神経終末で感知される。
・自由神経終末とは、痛覚・温覚・冷覚などの感覚受容器である。

 

 

 

 

 

問題84.身体の平衡に関係しない感覚情報はどれか。

1.視覚
2.聴覚
3.前庭感覚
4.足底部の触圧覚

解答

解説

バランスの構成要素

健常者の安静立位では視覚70%、体性感覚20%、前庭器官 10%と報告されている。

1.〇 視覚は、平衡保持に重要な感覚情報である。なぜなら、視覚情報は空間の位置関係を把握し、身体の傾きや動きを認識するために欠かせないため。特に、視覚と前庭感覚が協調することで、動いているときでも周囲を安定して見ることができる(前庭動眼反射)。

2.× 聴覚は、身体の平衡に関係しない感覚情報である。なぜなら、聴覚は内耳の蝸牛で音の振動を感知する感覚であり、平衡感覚を司るのは同じ内耳でも前庭と半規管であるため。

3.〇 前庭感覚は、平衡保持に重要な感覚情報である。なぜなら、前庭感覚(平衡感覚)は内耳の半規管と耳石器(卵形嚢・球形嚢)で生じる感覚であり、頭部の回転・傾き・加速度を感知して、姿勢・眼球運動・筋緊張を反射的に調整するため。

4.〇 足底部の触圧覚は、平衡保持に重要な感覚情報である。なぜなら、足底部の機械受容器(触圧受容器・固有受容器)が床面からの圧力や体重分布を検知し、その情報を脊髄・小脳に伝えて姿勢を微調整しているため。

 

 

 

 

 

問題85.女性への性分化で誤っている組合せはどれか。

1.生殖隆起:卵巣
2.ウォルフ管:子宮
3.生殖結節:陰核
4.尿道ヒダ:小陰唇

解答

解説

性分化とは?

性分化とは、胎生期に染色体に存在する遺伝子のプログラムのもとに、体の性(性腺、内性器および外性器の性)が分化する過程の総称である。性染色体(X染色体とY染色体のことを指します)に基づき精巣や卵巣が発育し、男女それぞれに特徴的な内性器(体の中の性器)や外性器(体の外側の性器)が造られる過程を指す。

1.〇 正しい。生殖隆起:卵巣
・生殖隆起とは、体腔上皮細胞から構成されている細胞層が増殖、肥厚して、背方に向かって索状に伸びだす過程をいう。 この索状の組織の中へ生殖細胞が取り込まれる。生殖隆起は、胚発生の初期段階で形成される構造であり、成長と発達の過程で卵巣に分化する。

2.× ウォルフ管は、「子宮」ではなく男性器の原基である。
・女性の場合、ウォルフ管が退縮する。男性の場合は、ウォルフ管が精巣上体・輸精管・精嚢に分化する。ウォルフ管とは、ライディッヒ細胞から分泌されるテストステロンが存在するとき(男性になるとき)、精巣上体・輸精管・精嚢に分化する。テストステロンが存在しないとき(女性になるとき)は退縮する。性管・外性器は、胎児精巣由来ホルモンの有無に依存して分化する。

3.〇 正しい。生殖結節:陰核
・生殖結節とは、将来生殖器官になる細胞が形成する塊状の組織である。したがって、陰核の先祖細胞であり、発達の過程で陰核に分化する。
この分化は胎児期のアンドロゲン(男性ホルモン)の有無によって決まる。
①テストステロンが存在 → 陰茎形成
②テストステロンが欠如 → 陰核形成

4.〇 正しい。尿道ヒダ:小陰唇
・尿道ヒダは、小陰唇の発達の基となる構造であり、発達の過程で小陰唇に分化する。
性分化において以下のように分かれる。
①男性:尿道ヒダが癒合して陰茎尿道を形成。
②女性:癒合せず左右に残り、小陰唇となる。

 

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