第21回(H25年)柔道整復師国家試験 解説【午前86~90】

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問題86.力の単位で誤っているのはどれか。

1.力の重力単位は質量1kgの物体に作用する地球の引力を1kgwという。
2.力の重力単位の測定には測定場所の指定が必要となる。
3.力の(絶対)単位にはニュートン(N)が用いられる。
4.力の(絶対)単位ダイン(dyn)はMKS単位である。

解答

解説
1.〇 正しい。力の重力単位は、質量1kgの物体に作用する地球の引力を1kgwという
・1kgf(キログラムフォース、キログラム重)は、質量1kgの物体に作用する地球の重力の力を指す。これは約9.81ニュートンに相当する。

2.〇 正しい。力の重力単位の測定には測定場所の指定が必要となる。なぜなら、重力単位は場所によって異なるため。例えば、赤道では約9.78 m/s²、極地では約9.83 m/s²である。

3.〇 正しい。力の(絶対)単位にはニュートン(N)が用いられる
・絶対単位とは、物理学上の定義や法則に基づき、絶対的な尺度によって測定されるようにした単位のことである。例えば、量、時間、長さ、質量、電流、熱力学温度、物質量及び光度について明確に定義された単位、秒(s)、メートル(m)、キログラム(kg)、アンペア(A)、ケルビン(K)、モル(mol)、カンデラ(cd)を基礎として構築されている。

4.× 力の(絶対)単位ダイン(dyn)は、「MKS単位」ではなくCGS単位である。質量1gの物体に、1㎝/sec2の加速度が生じる力を1ダイン(dyn)という。つまり、10万分の1ニュートンのことである。
・MKS単位系(メートル・キログラム・秒系)では、ニュートン(N)が採用されている。
①MKS:m・kg・s → ニュートン
②CGS:cm・g・s → ダイン
違いは「基準の大きさ」

 

 

 

 

 

問題87.多軸性関節でないのはどれか。

1.肩関節
2.手根間関節
3.股関節
4.距腿関節

解答

解説
1.〇 肩関節(肩甲上腕関節)は、多軸性関節(球関節)である。

2.〇 手根間関節は、多軸性関節(平面関節)である。

3.〇 股関節は、多軸性関節(臼状関節)である。

4.× 距腿関節は、一軸性関節(らせん関節)である。

 

 

 

 

 

問題88.下肢の運動に関与する大脳皮質はどれか。

1.頭頂葉前上部
2.前頭葉後上部
3.後頭葉下部
4.側頭葉上部

解答

解説

1.× 頭頂葉前上部は(中心後回:一次体性感覚野:ブロードマン3,1,2野)、感覚(体性感覚)を司る領域である。

2.〇 正しい。前頭葉後上部は、下肢の運動に関与する大脳皮質である。なぜなら、前頭葉後上部には、一次運動野(ブロードマン4野)があるため。

3.× 後頭葉下部は、視覚中枢(一次視覚野)がある領域である。

4.× 側頭葉上部は、聴覚中枢(一次聴覚野)がある領域である。

 

 

 

 

 

問題89.頭部を体幹に対して回旋させると顔面の向いた側の四肢が伸展し後頭側の四肢が屈曲した姿勢になるのはどれか。

1.モロー反射
2.交差性伸展反射
3.非対称性緊張性頸反射
4.対称性緊張性頸反射

解答

解説
1.× モロー反射とは、4~6か月前後に消失する原始反射の一つであり、頭を落下すると、手指を開き上肢を広げる。その後、上肢屈曲位に戻る反射のこと。

2.× 交差性伸展反射とは、脊髄レベルの姿勢反射である。【刺激と反応】検者が一側下肢を伸展させ、同側の足底を刺激すると反対側の下肢が屈曲し、その後に刺激を与えている検者の手を払いのけるように伸展・交差する。【出現と消失時期】胎児期後期から、生後1、2 ヵ月まで。

3.〇 正しい。非対称性緊張性頸反射は、頭部を体幹に対して回旋させると顔面の向いた側の四肢が伸展し後頭側の四肢が屈曲した姿勢になる。
・非対称性緊張性頸反射とは、背臥位にした子どもの顔を他動的に一方に回すと、頸部筋の固有感覚受容器の反応により、顔面側の上下肢が伸展し、後頭側の上下肢が屈曲する。生後4~6か月には消失する。

4.× 対称性緊張性頸反射とは、腹臥位(水平抱き)で頭部を伸展させると、頸部筋の固有感覚受容器の反応により、上肢は伸展、下肢は屈曲し、頭部を屈曲させると逆に上肢は屈曲、下肢は伸展する。4~6 ヵ月に出現、8~12ヵ月まで。

 

 

 

 

 

問題90.随意運動で正しいのはどれか。

1.運動プログラムとは活動する筋群名をいう。
2.随意運動ではまず意志の発動がある。
3.体性感覚は運動プログラムに関与しない。
4.姿勢保持に運動プログラムは関与しない。

解答

解説
1.× 運動プログラムとは、活動する筋群名をいう「わけではない」。なぜなら、単なる筋名のリストではなく、動作の順序・力加減・速度・方向といった動作制御情報を含んでいるため。つまり、運動プログラムとは、「どの筋をどの順序・どの強さ・どのタイミングで動かすか」を指すものである。大脳皮質運動野・小脳・大脳基底核などが協調して形成する運動指令の設計図のようなものである。

2.〇 正しい。随意運動では、まず意志の発動がある
・随意運動とは、自由意志に基づく運動である。したがって動作を行うという意思決定が脳内のどこかでなされたのに引き続き、動作目標の設定、姿勢、運動方向、範囲、タイミング、使用する筋の種類、発生する力の調整等々の諸条件を中枢神経系で決定し、これらの情報が運動の最終共通経路である運動単位に伝えられて随意運動は遂行される(※引用:「モーターコントロールから見た歩行」著:福士 宏紀様より)。

3.× 体性感覚(触覚・深部感覚など)は、運動プログラムに「関与する」。なぜなら、体性感覚からのフィードバック情報(関節角度・筋張力・皮膚圧など)は、運動の修正や微調整に必要であるため。これをもとに小脳や大脳皮質が運動プログラムを調整する。したがって、体性感覚が欠如すると、動作がぎこちなくなり、正確な運動が困難になる(感覚性運動失調)。

4.× 姿勢保持に運動プログラムは「関与する」。なぜなら、随意運動を行う際には常に体のバランスを保つための姿勢制御(抗重力筋活動)が必要であるため。例えば、ボールを投げるとき、腕を動かすだけでなく、無意識に反対の脚や体幹筋が緊張してバランスをとる。これも運動プログラムに含まれる姿勢制御である。

 

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