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問題96.誤っている組合せはどれか。
1.電子顕微鏡観察:遺伝子配列の同定
2.免疫染色(免疫組織化学):タンパク質局在の探索
3.分子生物学的方法/ISH:メッセンジャ:RNAの同定
4.ヘマトキシリン・エオジン染色:組織構造の観察
解答1
解説
1.× 電子顕微鏡観察は、「遺伝子配列の同定」ではなく形態(構造)観察のための装置である。例えば、電子顕微鏡で観察できるのはミトコンドリアやリボソームの構造、細胞膜の三層構造などである。一方、遺伝子配列は、PCR増幅やシーケンサー解析で判定する。
2.〇 正しい。免疫染色(免疫組織化学):タンパク質局在の探索・免疫組織化学とは、抗原抗体反応を利用して組織・細胞内の抗原物質の所在を明確にする手法である。免疫染色は、目的タンパク質に特異的に結合する抗体(一次抗体)を用い、これに標識(二次抗体+酵素や蛍光物質)を付けて発色・蛍光反応により局在を可視化する。
3.〇 正しい。分子生物学的方法/ISH:メッセンジャーRNAの同定
・分子生物学的方法/ISHとは、標識したDNAまたはRNAプローブを用いて、組織切片内の相補的なmRNAと塩基対形成させることで、目的mRNAの存在部位(発現細胞)を顕微鏡的に確認できる方法である。
4.〇 正しい。ヘマトキシリン・エオジン染色:組織構造の観察
・ヘマトキシリン・エオジン染色とは、ヘマトキシリンが核酸(DNA・RNA)などの酸性物質を「青紫色(塩基性色素)」に染め、エオジンが細胞質や膠原線維などの塩基性成分を「ピンク色(酸性色素)」に染める方法である。これにより、核・細胞質・結合組織などの構造を容易に区別できる。
問題97.誤っている組合せはどれか。
1.脂肪肝:適応障害
2.尿毒症:代謝異常
3.アレルギー:免疫異常
4.ショック:循環障害
解答1
解説
1.× 脂肪肝は、「適応障害」ではなく代謝異常(変性)である。
・脂肪肝とは、中性脂肪が肝臓に多くたまった状態である。原因としては、お酒の飲みすぎや肥満、メタボリックシンドロームなどである。初期は、ほとんど症状がないが、進行した場合は、①食欲不振、②体のだるさなどの症状がみられる。治療は、飲酒制限や食事療法、運動療法、減量に加えて、脂質異常症や糖尿病に対する薬物療法などがある。
・適応障害とは、大きな生活の変化(進学、就職、転居など)やストレス性の出来事(離別、死別など)に対して、順応するまでに様々な症状(抑うつ気分、不安など)を呈するものをいう。例としては、職場の勤務異動により、新しい部署の仕事や人間関係に慣れることができずに、苦悩や情緒不安定な状態が特続することが挙げられる。
2.〇 正しい。尿毒症:代謝異常
・尿毒症とは、腎臓の働きが極度に低下して起こる全身の変化をいい、急性あるいは慢性の腎臓障害が進行した状態(正常の10分の1程度まで著しく低下している末期腎不全の状態)である。多様な症状を呈し、放置すると数日で死に至る。尿毒症の主な治療方法として、血液透析、連続携行式腹膜透析(CAPD)、腎移植などの腎代替療法が挙げられる。
3.〇 正しい。アレルギー:免疫異常
・アレルギーとは、本来無害な物質(花粉・食物・薬物など)に対して、免疫系が過剰に反応し、炎症や組織障害を引き起こす疾患群である。
4.〇 正しい。ショック:循環障害
なぜなら、ショックは全身の血液循環不全により、臓器への血流が不足する状態であるため。
ショックとは、体液の喪失、心臓機能の低下、血管系虚脱などにより組織への酸素供給が障害され、放置すれば進行性に全身の臓器還流障害から急速に死に至る重篤な病態である。頻度的に最も多いのは出血性ショックである。出血性ショックとは、外傷や、消化管などからの出血によって血液循環量の低下が原因で起こるショックのことである。術後出血が原因となることもある。
問題98.女性よりも男性に頻度の高い疾患はどれか。
1.関節リウマチ
2.骨粗鬆症
3.胆石症
4.痛風
解答4
解説
関節リウマチは、関節滑膜を炎症の主座とする慢性の炎症性疾患である。病因には、遺伝、免疫異常、未知の環境要因などが複雑に関与していることが推測されているが、詳細は不明である。関節炎が進行すると、軟骨・骨の破壊を介して関節機能の低下、日常労作の障害ひいては生活の質の低下が起こる。関節破壊(骨びらん) は発症6ヶ月以内に出現することが多く、しかも最初の1年間の進行が最も顕著である。関節リウマチの有病率は0.5~1.0%とされる。男女比は3:7前後、好発年齢は40~60歳である。
【症状】
①全身症状:活動期は、発熱、体重減少、貧血、リンパ節腫脹、朝のこわばりなどの全身症状が出現する。
②関節症状:関節炎は多発性、対称性、移動性であり、手に好発する(小関節)。
③その他:リウマトイド結節は肘、膝の前面などに出現する無痛性腫瘤である。内臓病変は、間質性肺炎、肺線維症があり、リウマトイド肺とも呼ばれる。
【治療】症例に応じて薬物療法、理学療法、手術療法などを適宜、組み合わせる。
(※参考:「関節リウマチ」厚生労働省HPより)
1.× 関節リウマチは、女性に多い疾患である。なぜなら、女性ホルモン(エストロゲン)などが免疫応答を活性化させる傾向に関与していると考えられているため。
2.× 骨粗鬆症は、女性に多い疾患である。なぜなら、エストロゲンの低下により骨吸収が亢進し、骨密度が低下し、さらに閉経後の女性で急増するため。
・骨粗鬆症とは、骨量が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気である。原因として、閉経による女性ホルモンの低下や運動不足・喫煙・飲酒・栄養不足・加齢などである。骨粗鬆症の患者は、わずかな外力でも容易に圧迫骨折(特に胸腰椎)、大腿骨頚部骨折、橈骨遠位端骨折を起こしやすい。
3.× 胆石症は、女性に多い疾患である。なぜなら、胆石形成には、女性ホルモン(エストロゲン)が関与し、コレステロールの胆汁中分泌を増加させることで、コレステロール胆石が形成されやすくなるため。
・胆石症とは、胆石(胆嚢や胆管にできる結石)によって引き起こされる病気の総称である。肝臓で作られた胆汁は一度胆嚢に蓄えられた後、胆管を通って十二指腸に流れ、その胆汁中の成分が析出することにより、胆嚢で石となるためそれを胆石(胆嚢内結石)と呼ぶ。主に影響を受けるのは、直接ビリルビンである。
4.〇 正しい。痛風は、女性よりも男性に頻度の高い疾患である。なぜなら、男性では女性ホルモン(エストロゲン)が少なく、尿酸排泄が低下しやすいため。※女性ホルモン(エストロゲン)が腎臓からの尿酸排泄を促進する。
・痛風とは、体内で尿酸が過剰になると、関節にたまって結晶化し、炎症を引き起こして腫れや痛みを生じる病気である。風が患部に吹きつけるだけで激しい痛みが走ることから痛風と名づけられたといわれている。男性に頻発する単関節炎で、下肢、特に第1中足跳関節に好発する。尿酸はプリン体の代謝の最終産物として産生され、代謝異常があると尿酸の産生過剰・排泄障害が生じ高尿酸血症となる。高尿酸血症は痛風や腎臓などの臓器障害を引き起こすほか、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣を合併しやすい。
エストロゲンとは、主に卵巣から分泌される女性らしさをつくるホルモンで、成長とともに分泌量が増え、生殖器官を発育・維持させる働きをもっている。女性らしい丸みのある体形をつくったり、肌を美しくしたりする作用もあるホルモンである。分泌量は、毎月の変動を繰り返しながら20代でピークを迎え、45~55歳の更年期になると急激に減る。
問題99.アルコール性肝障害でみられるのはどれか。
1.アミロイド変性
2.硝子滴変性
3.脂肪変性
4.フィブリノイド変性
解答3
解説
アルコール性肝障害とは、アルコールの飲みすぎによって肝臓に負担がかかり、肝細胞に中性脂肪が蓄積することによって風船状に肥大化し肝機能が障害されてしまう病気である。初期には肝臓全体が腫れてアルコール性脂肪肝の状態となる。
1.× アミロイド変性とは、アミロイドと呼ばれる異常蛋白質が脳、心臓、腎臓、消化管、神経など全身の様々な臓器に沈着し、機能障害を起こす病気の総称である。複数の臓器にアミロイドが沈着するものを、全身性アミロイドーシスといい、一つの限局した臓器にアミロイドが沈着するものを、限局性アミロイドーシスという。
2.× 硝子滴変性とは、とくに腎尿細管上皮などにタンパク質が蓄積して細胞質が硝子様に見える変性のことである。
3.〇 正しい。脂肪変性は、アルコール性肝障害でみられる。
・脂肪変性とは、脂肪化ともいい、細胞質内に形態学的に観察可能な脂肪滴が出現している状態である。脂肪変性は中性脂肪の異常蓄積により出現する。アルコール性肝障害の初期症状としてよく見られ、肝細胞内に異常に脂肪が蓄積することを指す。
4.× フィブリノイド変性とは、アレルギー性疾患や膠原病の特徴的病変である。フィブリノイド変性を認める膠原病として代表的なものは全身性エリテマトーデスである。全身性エリテマトーデスではフィブリノイド変性を伴う小動脈血管炎を認める。
問題100.壊死で正しいのはどれか。
1.乾酪壊死は融解壊死に属する。
2.脳梗塞では凝固壊死がみられる。
3.ガス壊疽は壊死組織への腐敗菌感染による。
4.壊死による組織欠損は修復されない。
解答3
解説
1.× 乾酪壊死は、「融解壊死」ではなく凝固壊死に属する。
・融解壊死とは、壊死組織が液化してしまう状態である。脳梗塞後に特に見られる病変である。
・乾酪壊死とは、結核性滲出性病変でみられる壊死の一種で、壊死した細胞が白く固まってチーズ(乾酪)様の外観を呈す。原因はタンパク分解酵素を阻害する脂質が壊死巣に多く含まれることである(※読み:かんらくえし)。
2.× 脳梗塞では、「凝固壊死」ではなく融解壊死がみられる。
・脳軟化とは、脳梗塞ともいわれ、脳の血管に障害が起こり、神経細胞に酸素や栄養分が行き渡らなくなり、神経細胞が死んで脳の中に空洞ができる状態である。
3.〇 正しい。ガス壊疽は、壊死組織への腐敗菌感染による。なぜなら、組織中で糖を発酵してガス(二酸化炭素や水素)を産生し、壊死が急速に拡大するため。
・ガス壊疽とは、ガス産生菌が傷口から侵入して感染し、筋肉が壊死に陥り、全身に中毒症を起こす致死性の感染症である。筋肉を中心としてメタンや二酸化炭素などのガスが発生することにより、感染が広がる。クロストリジウム属(ウェルシュ菌など)の菌により起こるクロストリジウム性ガス壊疽と、他の細菌で起こる非クロストリジウム性ガス壊疽の2つに大別される。深刻な感染症で、急速に進行し、強い痛みを伴い、皮膚の下にある組織が壊死し、ガスを生じることからこの名前が付けられている。
4.× 壊死による組織欠損は、修復されない「とはいえない」。壊死による組織欠損は修復されるが、元通り(完全再生)ではなく瘢痕形成による。壊死組織は、マクロファージにより除去され、その後線維芽細胞が増殖して肉芽組織を形成し、最終的に瘢痕(線維化組織)として修復される。
国試オタク 