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問題46.腎組織はどれか。
1.パイエル板
2.ハッサル小体
3.ボーマン嚢
4.グリソン鞘
解答3
解説
1.× パイエル板とは、集合リンパ小節ともいい、小腸(回腸)に複数のリンパ濾胞が集まって構築されたリンパ組織で、肉眼で観察可能な直径2~3mmの円盤状構造である。パイエル板は小腸にある孤立リンパ小節の集合体である。
2.× ハッサル小体とは、胸腺髄質内にある同心円状の上皮細胞集団である。胸腺の老化・分化マーカーとして知られている。
3.〇 正しい。ボーマン嚢は、腎組織である。
・ボーマン嚢とは、腎臓の糸球体を包む袋状の構造物で、原尿を集めて尿細管へ送る役割がある。ボーマン嚢内の圧力が高いと、ろ過された液体が糸球体からボーマン嚢に移行するのが困難になるため、糸球体濾過量は低下する。
4.× グリソン鞘とは、肝臓の実質(肝臓の約6割を占める肝細胞のこと)に存在する小葉間結合組織である。グリソン鞘により肝小葉に分けられる。
問題47.精管の走行で正しいのはどれか。
1.精巣後縁→浅鼡径輪→鼡径管→深鼡径輪→精管膨大部
2.精巣後縁→精管膨大部→深鼡径輪→鼡径管→浅鼡径輪
3.精巣後縁→深鼡径輪→精管膨大部→鼡径管→浅鼡径輪
4.精巣後縁→深鼡径輪→鼡径管→浅鼡径輪→精管膨大部
解答1
解説
鼠径管とは、鼠径靭帯を底面として外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋でつくられたトンネルである。
鼠径管の中は、
男性:精管・精巣動脈・精巣静脈を含む精索と精巣挙筋が通る。
女性:子宮円索が通る。
1.〇 正しい。精巣後縁→浅鼡径輪→鼡径管→深鼡径輪→精管膨大部
・精管とは、精巣から精子を精嚢に輸送し、尿道に開口する管である。精巣で作られた精子は、精巣上体と呼ばれる管に蓄えられる。そこで精子は運動能力と受精能力を獲得し、性的刺激により脳から指令が出されると、精子は精管に押し出され、精管膨大部へと運ばれる。その後、精嚢や前立腺からの分泌液と混じって精液となり、尿道から体外へと放出される。
2.精巣後縁→精管膨大部→深鼡径輪→鼡径管→浅鼡径輪
3.精巣後縁→深鼡径輪→精管膨大部→鼡径管→浅鼡径輪
4.精巣後縁→深鼡径輪→鼡径管→浅鼡径輪→精管膨大部
これらは、どこかしらが誤っている。
問題48.女性生殖器で正しいのはどれか。
1.子宮は後傾後屈を示す。
2.子宮を包む腹膜は両側で子宮広間膜に続く。
3.卵巣堤索は子宮と卵巣を結ぶ。
4.卵管の内側端を卵管采という。
解答2
解説

(図引用:「妊産婦の体と分娩経過の変化」著:渡部信子様より)
1.× 子宮は、「後傾後屈」ではなく前傾前屈を示す。なぜなら、子宮体は膣軸に対して前方に傾き(前傾)、さらに子宮頸部に対して前に前屈しているため。ただし、前傾前屈子宮だと、尖腹から前不正軸定位になりがちであり、さらに、骨盤内に進入する際、第1回旋不良で頭頂骨が先進しやすい現代の分娩では、前頭頂骨定位となりやすいという報告もある。
2.〇 正しい。子宮を包む腹膜は両側で子宮広間膜に続く。子宮は骨盤内で腹膜に覆われており、その前面と後面を覆う腹膜が両側に広がって、左右の骨盤壁まで達する二重の腹膜ヒダを形成している(子宮広間膜)。
・子宮広間膜とは、子宮の両側に張り出したひだ(腹膜)のことをいう。
3.× 「卵巣堤索」ではなく卵巣固有靱帯(卵巣固有索)は子宮と卵巣を結ぶ。
・卵巣堤索(骨盤漏斗靱帯)は卵巣と骨盤壁につながる。
4.× 卵管の「内側端」ではなく外側端(卵巣に近い側)を卵管采という。
・卵管采とは、卵管の先の手のような部分(イソギンチャクのよう)である。卵巣から排卵された卵子は、卵管采にとらえられ卵管膨大部まで運ばれる。一方、膣内に射精された精子も、子宮腔、卵管を進み卵管膨大部へ到達する。

(図引用:「女性器の解剖と整理」医学出版様より)
問題49.下垂体後葉ホルモンはどれか。
1.成長ホルモン
2.プロラクチン
3.黄体形成ホルモン
4.バゾプレッシン
解答4
解説
下垂体後葉ホルモンには、バソプレシン(抗利尿ホルモン)とオキシトシンが分泌される。
①バソプレシンとは、下垂体後葉から分泌され、水の再吸収を促進する抗利尿作用・血圧上昇が起きる。尿を濃くし尿量を減らす作用がある。
②オキシトシンとは、脳下垂体後葉から分泌され、乳汁射出、子宮収縮作用を持つホルモンである。また、分娩開始前後には分泌が亢進し、分娩時に子宮の収縮を促し、胎児が下界に出られるように働きかける。
1.× 成長ホルモンとは、下垂体前葉から合成・分泌されるホルモンで、成長促進作用や代謝作用などの作用がある。
2.× プロラクチンとは、乳腺刺激ホルモンともいい、脳の下垂体から分泌され、妊娠すると高くなり乳腺を成長させ乳汁産生を行う。一般的に出産後など授乳期間中において、乳頭の刺激で高くなり乳汁を分泌する。
3.× 黄体形成ホルモンとは、下垂体前葉から分泌され、卵巣に影響し排卵を起こす上で重要な役割を担う。また、思春期に増加し、精巣においてテストステロン、卵巣においてエストロゲンの分泌を増加させる。
4.〇 正しい。バゾプレッシンは、下垂体後葉ホルモンである。
・バゾプレッシンとは、下垂体後葉から分泌される水溶性ホルモンで、役割として、抗利尿作用がある。バソプレッシンは、集合管の受容体に作用し、水の透過性を亢進する。水の再吸収を促進する抗利尿作用・血圧上昇が起きる。尿を濃くし尿量を減らす作用がある。
問題50.副腎で正しいのはどれか。
1.腎門部に位置する。
2.断面は円形を呈する。
3.皮質は3層に分けられる。
4.髄質からステロイドホルモンが分泌される。
解答3
解説

1.× 「腎門部」ではなく腎臓の上極に位置する。
・腎門とは、腎臓の内側(くぼんだ中央部分)にある部位を指し、腎動脈、腎静脈、尿管、神経、リンパ管などが出入りする場所である。
2.× 断面は、「円形」ではなくそら豆型(半円型)を呈する(※上図参照)。
3.〇 正しい。皮質は3層に分けられる。副腎皮質は、外側から内側に向けて球状層、束状層、網状層の3層構造を呈している。
①球状帯:電解質コルチコイド(アルドステロン)を産生する。皮膜直下の薄い層で、皮質細胞が球状の塊を形成する。
②束状帯:糖質コルチコイド(コルチゾール)を産生する。最も厚い層で、細胞は縦に並び、細胞索を形成する。その間を洞様毛細血管が髄質に向かって走行する。
③網状帯:アンドロゲンを産生する。皮質の最深部で、網状をなす細胞索からなる。
4.× 髄質から「ステロイドホルモン」ではなくカテコールアミンが分泌される。一方、ステロイドホルモンは副腎皮質由来である。
・副腎髄質から、①アドレナリン、②ノルアドレナリン、③ドーパミンがあり、これらを総称してカテコールアミンという。
ホルモンとは、①ペプチドホルモン、②ステロイドホルモン、③アミン・アミノホルモン、④糖タンパクホルモン、⑤その他の5つ分類される。①ペプチドホルモンは、成長ホルモン・インスリンなど大部分のホルモンが含まれる。②ステロイドホルモンは、副腎皮質ホルモンの他に性腺ホルモンも含まれる。コレステロールを原料として作られたステロイド骨格を盛るホルモンである。③アミン・アミノホルモンは、副腎髄質ホルモン(アドレナリン、ノルアドレナリン)、甲状腺ホルモンがある。
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