この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
問題51.正しい組合せはどれか。
1.間脳:大脳脚
2.中脳:黒質
3.橋:錐体交叉
4.延髄:線条体
解答2
解説
1.× 大脳脚は、間脳ではなく「中脳」にある。
・大脳脚とは、中脳の腹側に存在する太い白質で、大脳皮質と脳幹、脊髄を結ぶ(投射線維)。
2.〇 正しい。中脳:黒質
・黒質とは、中脳の被蓋と大脳脚との間に位置し、運動制御に関わる脳の一部であり、ドーパミン生成細胞が多く存在する。神経伝達物質となっている。
3.× 錐体交叉は、橋ではなく「延髄」にある。
・錐体交叉とは、大脳からの運動指令が通る「錐体路」のひとつであり、延髄の底部で左右入れ替わる現象である。
・錐体路(大脳皮質運動野→放線冠→内包後脚→大脳脚→延髄→(錐体交叉)→脊髄側索→脊髄前核細胞)の障害で、対側の運動麻痺などの症状を生じる。
4.× 線条体は、延髄ではなく「大脳基底核」にある。
・大脳基底核は、①線条体(被殻 + 尾状核)、②淡蒼球、③黒質、④視床下核で構成されている。
問題52.錐体路が通る部位はどれか。
1.後索
2.大脳脚
3.上小脳脚
4.視床
解答2
解説
錐体路とは、大脳皮質運動野―放線冠―内包後脚―大脳脚―延髄―錐体交叉―脊髄前角細胞という経路をたどる。障害されることで片麻痺などの症状をきたす。
1.× 後索は、深部感覚(振動覚、位置覚)を伝える。
・深部感覚(振動覚、位置覚)の伝導路は、【後根 ⇒ 後索(下肢からの線維は薄束を通って薄束核に終わり、上肢からの線維は楔状束を通って楔状束核に終わる) ⇒ 延髄(後索核) ⇒ 毛帯交叉 ⇒ 内側毛帯 ⇒ 視床後外側腹側核 ⇒ 感覚野】である。
2.〇 正しい。大脳脚は、錐体路が通る部位である。
・大脳脚とは、中脳の腹側に存在する太い白質で、大脳皮質と脳幹、脊髄を結ぶ(投射線維)。
3.× 上小脳脚は、小脳から出る出力路である。
・上小脳脚とは、主に歯状核に起始し、赤核、視床へとつながる遠心性線維から構成されている。
4.× 視床とは、嗅覚以外のあらゆる感覚情報(体性感覚、痛覚、視覚、聴覚、味覚など)を大脳皮質に送る一大中継基地を担う。視床出血の場合は、被殻出血と並んで頻度の高い脳出血で、脳出血全体の30%程度を占めている。麻痺に比べ、感覚障害が強くなる。
問題53.動眼神経核が存在するのはどれか。
1.中脳
2.橋
3.延髄
4.脊髄
解答1
解説
【中脳】
Ⅲ:動眼
Ⅳ:滑車
1.〇 正しい。中脳は、動眼神経核が存在する。ほかにも、滑車神経核が存在する。
・動眼神経とは、外側直筋と上斜筋以外の眼筋を支配する運動神経と、眼球内の瞳孔括約筋や毛様体筋を支配する副交感神経を含んでいる。
2.× 橋にある脳神経核は以下のとおりである。
Ⅴ:三叉
Ⅵ:外転
Ⅶ:顔面
Ⅷ:前庭
3.× 延髄にある脳神経核は以下のとおりである。
Ⅸ:舌咽神経
Ⅹ:迷走神経
Ⅺ:副神経
Ⅻ:舌下神経
4.× 脊髄とは、脳から連続する中枢神経であり、運動や感覚の伝導路として寄与する。
問題54.下顎神経が支配するのはどれか。
1.笑筋
2.広頸筋
3.咬筋
4.頬筋
解答3
解説
1.× 笑筋の【起始】広頚筋の顔面部の上、【停止】口角の皮膚、【作用】口角を外側方に引き、えくぼをつくる、【神経】顔面神経(頬筋枝)である。
2.× 広頸筋の【起始】下顎骨縁、【停止】下顎骨縁、【作用】頚部、鎖骨下方の皮膚を上に引き、筋膜を緊張させる、【神経】顔面神経の頚枝である。
3.〇 正しい。咬筋は、下顎神経が支配する。
・咬筋の【起始】浅側:頬骨弓の前2/3の下縁と内面、深側:頬骨弓の後ろ2/3の下縁、【停止】下顎骨の外面。浅側は咬筋粗面の下部、深側はその上方、【作用】下顎骨を上げて、歯をかみ合わせる(閉口)である。筋腹は並列につながっている。【神経】下顎神経である。
4.× 頬筋の【起始】上顎骨の歯槽隆起外側面、下顎骨の頬筋稜および翼突下顎縫線、【停止】口角、口輪筋に加わる、【作用】口角を外後方に引く。口から空気を吹き出す(トランペットを吹く時等)、【神経】頬筋枝(顔面神経)である。
問題55.副交感神経線維を含むのはどれか。
1.滑車神経
2.外転神経
3.顔面神経
4.内耳神経
解答3
解説
1.× 滑車神経とは、上斜筋を支配する運動神経である。
2.× 外転神経とは、外側直筋を支配する運動神経である。外転神経は、眼球を外方へと動かす。
3.〇 正しい。顔面神経は、副交感神経線維を含む。
・顔面神経とは、表情筋の運動、涙腺や口蓋腺などの分泌作用制御の副交感神経、および味覚を司る感覚神経を含む混合神経である。したがって、顔面神経の障害により、顔面表情筋の障害、角膜反射低下、聴覚過敏、味覚低下(舌前2/3)、涙分泌低下、唾液分泌低下などが起こる。
4.× 内耳神経とは、聴覚と平衡感覚を伝える感覚神経である。聴覚伝導路は、(内耳神経→蝸牛神経核(橋)→中脳下丘→視床→側頭葉)である。

(※図引用:「イラストでわかる歯科医学の基礎 第4版 」永未書店HPより)
国試オタク 