第23回(H27年)柔道整復師国家試験 解説【午前36~40】

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問題36.図中の矢印の部位に停止する筋はどれか。

1.上腕二頭筋
2.烏口腕筋
3.上腕三頭筋
4.上腕筋

解答

解説
1.× 上腕二頭筋の【起始】長頭:肩甲骨の関節上結節、短頭:肩甲骨の烏口突起、【停止】橈骨粗面、腱の一部は薄い上腕二頭筋腱膜となって前腕筋膜の上内側に放散、【作用】肘関節屈曲、回外(長頭:肩関節外転、短頭:肩関節内転)である。

2.× 烏口腕筋の【起始】烏口突起、【停止】上腕骨の内側面の中部、【作用】肩関節屈曲、内転である。

3.〇 正しい。上腕三頭筋は、図中の矢印の部位(肘頭)に停止する。
・上腕三頭筋の【起始】内側頭:上腕骨後面の橈骨神経溝の下方の大部分(広い)、両側の筋間中隔、外側頭:上腕骨橈骨神経溝の上方、長頭:肩甲骨の関節下結節、【停止】尺骨の肘頭、【作用】肘関節伸展、肩関節伸展である。

4.× 上腕筋の【起始】上腕骨の内側および外側前面の下半、内・外側の筋間中隔、肘関節包前面(広い)、【停止】鈎状突起と尺骨粗面(肘関節包)、【作用】肘関節屈曲である。

 

 

 

 

 

問題37.骨と部位名との組合せで正しいのはどれか。

1.腓骨:腓骨関節面
2.尺骨:橈骨切痕
3.上腕骨:外側顆
4.大腿骨:大結節

解答

解説
1.× 腓骨関節面は、「腓骨」ではなく脛骨にある。
・腓骨関節面は、脛骨外側顆の外側にあるくぼみで、腓骨頭と接する。

2.〇 正しい。尺骨:橈骨切痕
・橈骨切痕は、尺骨の外側にある橈骨頭を受け入れる浅いくぼみである。

3.× 外側顆は、「上腕骨」ではなく脛骨にある。
上腕骨には「外側上顆」という名称となる。

4.× 大結節は、「大腿骨」ではなく上腕骨にある。
大結節には、棘上筋、棘下筋、小円筋が付着する。

 

 

 

 

 

問題38.内転筋管を通るのはどれか。

1.伏在神経
2.腓腹神経
3.後大腿皮神経
4.坐骨神経

解答

解説

内転筋管とは?

内転筋管とは、膝関節内側の筋で囲まれた孔である。症状として、膝から下のふくらはぎの内側あたりと内くるぶし周辺にしびれや痛みがあり、立ち上がる時や膝を伸ばす時にピリッと痛みが強くなる。膝の内側がズキズキ痛かったりする場合もあるので、膝の痛みと間違われることもある。ほとんどの場合は、運動などによる筋肉の使い過ぎが原因で起こる。

1.〇 正しい。伏在神経は、内転筋管を通る。
・内転筋管は、大腿下部内側から後部にかけてある管状の構造物で、大腿動脈、大腿静脈、伏在神経が通る。
・伏在神経とは、下肢の皮膚の感覚を司る神経である。内転筋管の絞扼のことを、Hunter管症候群ともいう。

2.× 腓腹神経は、内転筋管を通らない。腓腹神経は、坐骨神経の脛骨神経枝から生じ、膝窩部(膝の後方)を下行して下腿後面を走行する。

3.× 後大腿皮神経は、内転筋管を通らない。後大腿皮神経は、坐骨神経と同様に仙骨神経叢(S1〜S3)から出て、大腿後面の皮膚を支配する。

4.× 坐骨神経は、内転筋管を通らない。坐骨神経は、骨盤後方から大腿後面を下行し、膝窩部で脛骨神経と総腓骨神経に分かれる。

 

 

 

 

 

問題39.閉鎖神経が支配するのはどれか。

1.縫工筋
2.内側広筋
3.腸骨筋
4.薄筋

解答

解説
1.× 縫工筋の【起始】上前腸骨棘、【停止】脛骨粗面の内側(鵞足を形成)、【作用】股関節屈曲、外転、外旋、膝関節屈曲、内旋、【神経】大腿神経である。

2.× 内側広筋の【起始】大腿骨転子間線の下部、大腿骨粗線の内側唇、【停止】膝蓋骨、脛骨粗面、【作用】膝関節伸展、【神経】大腿神経である。

3.× 腸骨筋の【起始】腸骨窩全体、【停止】大腿骨の小転子である。大腰筋の【起始】第12腰椎~第4腰椎の椎体と椎間円板、すべての腰椎の肋骨突起、第12肋骨、【停止】大腿骨の小転子、【神経】大腿神経である。

4.〇 正しい。薄筋は、閉鎖神経が支配する。
・薄筋の【起始】恥骨結合の外側、【停止】脛骨の内側面。停止腱は鵞足に加わる、【作用】股関節内転、膝関節屈曲と内旋、【支配神経】閉鎖神経前枝である。

 

 

 

 

 

問題40.前室間溝を走行するのはどれか。

1.左冠状動脈
2.右冠状動脈
3.冠状静脈洞
4.左心室後静脈

解答

解説

(※図引用:「心臓の血管、冠循環」illustAC様HPより)

MEMO

・冠状溝:【動脈】右冠状動脈、回旋枝(左冠状動脈)。【静脈】冠状静脈洞、大心臓静脈、小心臓静脈
・前室間溝:【動脈】前室間枝(左冠状動脈)、【静脈】大心臓静脈
・後室間溝:【動脈】後室間枝(右冠状動脈)、【静脈】中心臓静脈が走行する。

1.〇 正しい。左冠状動脈は、前室間溝を走行する。

2.× 右冠状動脈は、「冠状溝」を走行する。

3.× 冠状静脈洞は、「冠状溝」を走行する。

4.× 左心室後静脈は、「後室間溝」を走行する。左心室後静脈とは、左心室の裏側から出る血液を集めて心臓の外へ運ぶ静脈である。

 

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