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問題91.安静時の吸息運動で重要な役割を担うのはどれか。
1.外肋間筋
2.僧帽筋
3.胸鎖乳突筋
4.小胸筋
解答1
解説
①安静吸気:横隔膜・外肋間筋。
②安静呼気:呼気筋は関与しない。
③努力吸気:呼吸補助筋(僧帽筋、胸鎖乳突筋・斜角筋・大胸筋・小胸筋・肋骨挙筋など)が関与。
④努力呼気:内肋間筋・腹横筋・腹直筋が関与。
1.〇 正しい。外肋間筋は、安静時の吸息運動で重要な役割を担う。
・外肋間筋の【起始】上位肋骨下縁、【停止】下位肋骨上縁、【作用】肋骨を引き上げて胸郭を広げる(吸息)である。
2.× 僧帽筋は、努力吸気を担う。
・僧帽筋の【起始】後頭骨上項線、外後頭隆起、項靭帯、第7頸椎以下全胸椎の棘突起および棘上靭帯、【停止】肩甲骨の肩甲棘と肩峰の上縁および鎖骨外側1/3(三角筋の起始範囲とほぼ同じ)、【作用】上部:肩甲骨と鎖骨の肩峰端を内上方にあげる。中部:肩甲骨を内側に引く。下部:肩甲骨を内下方に引き下げると同時にその下角を外側に回旋する。
3.× 胸鎖乳突筋は、努力吸気を担う。
・胸鎖乳突筋の【起始】胸骨部:胸骨柄前面、鎖骨部:鎖骨の胸骨端、【停止】乳様突起、後頭骨の上項線の外側部、【作用】両側が同時に作用すると首をすくめて顎を突き出す。片側が働けば顔面を対側に回す。吸息の補助
4.× 小胸筋は、努力吸気を担う。
・小胸筋の【起始】第2(3)~5肋骨表面、【停止】肩甲骨の烏口突起、【作用】肩甲骨を前下に引く。このとき下角が後内側に回旋する。肩甲骨を固定すると肋骨を引き上げる。
問題92.正しいのはどれか。
1.肩甲骨の位置は第4〜10肋骨の高さにある。
2.肩甲骨は前頭面と約60度の角度をなす。
3.肩甲骨の運動は常に鎖骨の動きを伴って起こる。
4.肩甲骨は最大上下方向に5cm、内外側方向に5cmの可動性がある。
解答3
解説
1.× 肩甲骨の位置は、「第4〜10肋骨」ではなく第2〜7肋骨の高さにある。
2.× 肩甲骨は、前頭面と「約60度」ではなく約35度(約30〜45度)の角度をなす。これを肩甲骨面と呼ぶ。
3.〇 正しい。肩甲骨の運動は、常に鎖骨の動きを伴って起こる。なぜなら、肩甲骨と鎖骨は連結(胸鎖関節)されているため。
4.× 肩甲骨は、最大上下方向に5cm、内外側方向に5cmの可動性より「大きい」。上下・内外方向ともに約10cmの可動性がある。
問題93.抗重力筋はどれか。
1.咬筋
2.前頭筋
3.大頬骨筋
4.前斜角筋
解答4
解説
抗重力筋とは、重力に逆らって体を支えるために働く筋肉全体を指す。ただし、その中でも常に持続的に活動する筋と、必要に応じて一時的に働く筋肉がある。
1.× 咬筋は、咀嚼筋(咬筋、側頭筋、外側翼突筋、内側翼突筋)の1つである。咳筋は、口を閉じる働きをする。
2.× 前頭筋は、表情筋である。眉を持ち上げる。眉弓を引き上げ前頭部に皺(しわ)を作る。
3.× 大頬骨筋は、表情筋である。口角を上外側に引き上げる作用を持つ。
4.〇 正しい。前斜角筋は抗重力筋である。頸部(頭部)を抗重力姿勢に保つ働きを持つ。
・前斜角筋の【起始】第3~7頸椎の横突起前結節、【停止】第1肋骨の前斜角筋結節、【作用】肋骨を引き上げて胸郭を広げる(吸息)。肋骨を固定すれば頸椎を前方に傾け、片側だけでは同側へ曲げる。【神経】頸神経前枝である。
問題94.原始反射はどれか。
1.足底反射
2.足底把握
3.下肢伸展反射
4.パラシュート反応
解答2
解説
原始反射は知覚や姿勢に入力された刺激が大脳の指令を受けずに脊髄や脳幹レベルで処理されることで、無意識下で筋肉が動く現象である。随意運動が発達すると徐々に原始反射は消失する。これは、新生児期の反射中枢は脊髄レベルであり、月齢とともに、脳幹部、中脳、大脳皮質と反射中枢は高次に達するため。
1.× 足底反射とは、表在反射のひとつである。足底を背、ピン、ハンマーの柄などで踵から足先に向けてこする。【判定】足趾屈曲すれば陽性である。
・表在反射とは、皮膚や粘膜を刺激することでみられる反射のことで、消失により錐体路障害を示す徴候である。
2.〇 正しい。足底把握は、原始反射である。
・足底把握反射とは、足趾把握反射ともいい、新生児の母趾球を検者の母指で圧迫すると、全趾が屈曲する反射である。3 ヵ月ごろから弱くなり、9 ヵ月ごろには消失。(12 ヵ月とするものもある)
3.× 下肢伸展反射といった名称の反射はない(※ありましたらコメント欄にて教えてください)。
4.× パラシュート反応は、姿勢反射のひとつであり、6か月頃から現れ始め、生涯続く。体幹を保持した状態から倒れそうになったときに、手のひらを広げてバランスを保つ反射で、生涯の転倒防止に役立つ。
問題95.ひとり歩きを始めた小児の歩行の特徴で正しいのはどれか。
1.歩行率(ケイデンス)が低い。
2.踵から接地する。
3.支持基底面が狭い。
4.上肢を高く挙上する。
解答4
解説
1.× 歩行率(ケイデンス)が「低い」のではなく高い。
なぜなら、歩幅が小さくなり歩数は増えるため。歩行率とは、単位時間内の歩数(歩/分)である。歩行率(歩調、ケイデンスとも)とは、単位時間内(1分間)の歩数を表す。歩行率=歩数(歩)÷歩行時間(秒)で示され、一般的に幼児で高く(ヨチヨチ歩きで歩数が多いため)、年齢が高くなるにつれて減少していく。
2.× 「踵から」ではなくつま先や足部外側から接地する。
なぜなら、バランスが不安定で、広い支持面を確保する必要があり、股関節外転・外旋位を強制されるためである。成長するにつれて、踵から接地する歩行パターンが徐々に出現する。
3.× 支持基底面が「狭い」のではなく広い。
なぜなら、バランスが不安定で、広い支持面を確保する必要があるため。
4.〇 正しい。上肢を高く挙上する。なぜなら、歩行初期は下肢だけではバランスをとれないため。歩行開始の段階の小児歩行では、上肢の振りがほとんどないのが特徴である。上肢を挙上し、腕の振りがない歩行をハイガード歩行という。バランスが改善されると、上肢の振りが徐々に現れる。
小児は身体の重心位置が相対的に高位で不安定なため、支持基底面の拡大で安定性を確保する。歩行率は年齢とともに減少し、歩幅は年齢とともに増加する。
ハイガード歩行:12ヶ月頃
ミドルガード歩行:15ヶ月頃
ローガード歩行:18ヶ月頃
国試オタク 