第26回(H30年)柔道整復師国家試験 解説【午前31~35】

この記事には広告を含む場合があります。

記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

 

問31 母親の細胞で構成されるのはどれか。

1.羊膜
2.基底脱落膜
3.絨毛膜
4.卵黄嚢

答え.2

解説

(※図引用:「羊膜のご提供をお考えのお母さまへ」東京歯科大学様HPより)

1.× 羊膜は、胎児の細胞で構成される。羊膜は、細胞とコラーゲンやラミニン等のタンパクからなる基底膜や緻密層からなり、血管を含まない半透明の薄い袋状の膜である。子宮の中で赤ちゃんを包む卵膜の最内層を覆う厚さ約100~150μmの半透明の膜であり、母体からの胎盤組織への拒絶反応の抑制等、赤ちゃんを保護したり、羊水を分泌する役割があると考えられている。 赤ちゃん由来の組織であるため、拒絶反応が起こりにくく、炎症を抑える働きがある。薄くて伸縮性に富むため、昔から様々な医療用途に用いられている。

2.〇 正しい。基底脱落膜は、母親の細胞で構成される。基底脱落膜とは、母体の子宮内膜の一部であり、妊娠中に胎盤の一部を形成する。胎盤とは、母体の組織に由来する基底脱落膜と、胎児の組織である絨毛が一緒になって構成されており、円盤状の基底脱落膜のなかに絨毛が納まっているような形をしている。

3.× 絨毛膜は、卵膜の層の一つである。卵膜とは、おなかの赤ちゃんを包む3層の薄い膜のことで脱落膜、絨毛膜、羊膜の3層からなる。

4.× 卵黄嚢とは、初期の胚の栄養供給や血液細胞の形成に関与する。妊娠2週頃には卵黄嚢にある新生血管の中で赤血球が作られ、妊娠8週頃になると、肝臓内で赤血球がつくられるようになり、白血球や血小板の産生が始まる。

 

 

 

 

 

問32 中硬膜動脈が通過するのはどれか。

1.正円孔
2.卵円孔
3.棘孔
4.破裂孔

答え.3

解説
1.× 正円孔とは、蝶形骨にある孔で、上顎神経が通過する。

2.× 卵円孔とは、蝶形骨にある孔で、下顎神経が通過する。

3.〇 正しい。棘孔は、中硬膜動脈が通過する。中硬膜動脈とは、内頸動脈から分岐する舌骨動脈の鼓室枝で、硬膜や頭蓋内の一部に血液を供給する。

4.× 破裂孔とは、蝶形骨にある孔で、頚動脈管(内頸動脈)が通過する。

頭蓋骨にある孔

大後頭孔(後頭骨):延髄、副神経、椎骨動·静脈
舌下神経管(後頭骨):舌下神経
上眼窩裂(蝶形骨):動眼・滑車・外転神経、眼神経、上眼静脈
下眼窩裂(蝶形骨-上顎骨頬骨間):眼窩下神経、頬骨神経、下眼静脈
視神経管(蝶形骨-小翼):視神経、眼動脈
正円孔(蝶形骨-大翼):上顎神経
卵円孔(蝶形骨-大翼):下顎神経
棘孔(蝶形骨-大翼):下顎神経硬膜枝、中硬膜動脈
破裂孔(蝶形骨-側頭骨間):頚動脈管(内頸動脈)
内耳孔(側頭骨-錐体):顔面神経、内耳神経、迷路動脈
頚静脈孔(側頭骨):内頚静脈、舌咽神経、迷走神経、副神経
茎乳突孔(側頭骨):顏面神経
下顎孔(下顎骨-下顎枝):下歯槽神経、下歯槽動・静脈
オトガイ孔(下顎骨-下顎体):オトガイ神経、オトガイ動・静脈
眼窩上孔(前頭骨):眼窩上神経外側枝
眼窩下孔(上顎骨):眼窩下神経

 

 

 

 

 

問33 椎体をもたないのはどれか。

1.第1頸椎
2.第2頸椎
3.第5頸椎
4.第7頸椎

答え.1

解説

(※図引用:「環軸関節」illustAC様より)

1.× 第1頸椎は、椎体をもたない。環椎は、リング状の骨であり、頭蓋骨(後頭骨)と第2頸椎(軸椎)をつなぐ。頭部の回旋運動を可能にしている。環椎には椎体がなく、その代わりに前弓と後弓という骨構造がある。

2.〇 第2頸椎/第5頸椎/第7頸椎は、椎体を持つ。椎体とは、椎骨の円柱状の部分である。椎骨同士をつないでいるのが椎間板である。椎間板は椎体と椎体のクッションの役目をしており、やわらかいゲル状の組織で衝撃を和らげたり、座布団のような働きをしたりする。

 

 

 

 

 

問34 手根骨遠位列で最も尺側に位置するのはどれか。

1.三角骨
2.豆状骨
3.有鈎骨
4.有頭骨

答え.3

解説

(※引用:「イラスト素材:手の骨」illustAC様より)

手根骨とは?

手根骨とは、小さな骨が近位に4個、遠位に4個並んだ合計8個の骨からなる。近位列には、橈側から舟状骨・月状骨・三角骨・豆状骨が並ぶ。遠位列には、橈側から大菱形骨、小菱形骨、有頭骨、有鈎骨が並ぶ。

1.× 三角骨/豆状骨は、手根骨近位列に該当する。近位列には、橈側から舟状骨・月状骨・三角骨・豆状骨が並ぶ。

3.〇 正しい。有鈎骨は、手根骨遠位列で最も尺側に位置する。遠位列には、橈側から大菱形骨、小菱形骨、有頭骨、有鈎骨が並ぶ。

4.× 有頭骨は、手根骨遠位列で有鈎骨の次に尺側に位置する。

 

 

 

 

 

問35 肘関節伸展時、上腕骨の肘頭窩に入る部位はどれか。

1.a
2.b
3.c
4.d

答え.4

解説

図は、橈骨と尺骨の近位側を示している。

1.× a(橈骨頭)は、前腕近位の回旋中心として機能する。

2.× b(橈骨粗面)は、上腕二頭筋の停止腱が付く所である。

3.× c(鉤状突起)は、肘関節の前方安定性に重要な骨性要素である。

4.〇 正しい。d(肘頭)は、肘関節伸展時、上腕骨の肘頭窩に入る部位である。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)