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問題56 鳥口腕筋を貫き、上腕の屈筋群を支配するのはどれか。
1.a
2.b
3.c
4.d
答え.2
解説
1.× a(腋窩神経)の走行は、首から肩甲骨の裏を通り、上腕骨を巻き付くよう後上腕回旋動脈とともに走る。腋下神経麻痺は、①三角筋や小円筋の機能低下、②上腕の外側の知覚機能の低下などがみられる。
2.〇 正しい。b(筋皮神経)は、鳥口腕筋を貫き、上腕の屈筋群を支配する。筋皮神経とは、烏口腕筋を貫き、上腕二頭筋と上腕筋の間を走行し、外側二頭筋溝の遠位端で筋膜を貫いて、前腕橈側の皮膚に分布し、感覚枝である外側前腕皮神経を出す。主に、上腕の屈筋群(上腕二頭筋、烏口腕筋、上腕筋)と前腕外側の感覚を司る。
3.× c(正中神経)の走行は、腕神経叢を出たのち上腕骨に沿って走り、前腕では橈骨と尺骨の間を走り、手根管をくぐりぬけて、主に手の親指側に分布する。支配する感覚の領域は手のひら側の親指から薬指の半分とその下の手のひら、手背側では親指から薬指の半分の指先である。正中神経麻痺で、tear drop sign(ティア ドロップ サイン)または、perfect O(パーフェクト Oテスト)や、Phalen(ファレンテスト)が陽性となる。ファーレン徴候(Phalen徴候)とは、手首を曲げて症状の再現性をみる検査である。perfect O(パーフェクト Oテスト)とは、親指と人差し指の先端をくっつけて丸形を作る検査である。
4.× d(尺骨神経)の走行は、上腕の内側から前腕の内側を通る。小指側の感覚と手指・手首の運動を支配する。尺骨神経麻痺の症状として、Froment徴候陽性や鷲手がみられる。Froment徴候(フローマン徴候)とは、母指の内転ができなくなり、母指と示指で紙片を保持させると母指が屈曲位をとることである。
問題57 神経支配で正しいのはどれか。
1.浅胸筋は胸神経前枝に支配される。
2.側腹筋は腰神経叢の枝に支配される。
3.横隔膜は頸神経叢の枝に支配される。
4.深背筋第1層は脊髄神経後枝に支配される。
答え.3
解説
1.× 胸神経前枝に支配されるのは、「浅胸筋」ではなく腹筋群である。
浅胸筋とは、胸腕筋とも呼ばれ、胸部の皮膚のすぐ下層に位置し、主として上肢の運動をつかさどる筋群である。 胸腕筋に属する筋は、大胸筋、小胸筋、鎖骨下筋、前鋸筋である。大・小胸筋は内側および外側胸筋神経、鎖骨下筋は鎖骨下筋神経、前鋸筋は長胸神経支配である。ちなみに、胸神経前枝は、肋間神経(と肋下神経)に枝を出すため、支配する筋は外・内肋間筋や胸横筋、腹直筋などである。
2.× 側腹筋は、「腰神経叢」ではなく胸神経叢の枝に支配される。
側腹筋とは、側腹部の最浅層の筋であり、外腹斜筋や内腹斜筋、腹横筋があげられる。外腹斜筋は肋間神経・腸骨下腹神経が、内腹斜筋は肋間神経・腸骨下腹神経・腸骨鼠経神経が、腹横筋は肋間神経・腸骨下腹神経・腸骨鼠経神経・陰部大腿神経があげられる。
3.〇 正しい。横隔膜は頸神経叢の枝に支配される。
横隔膜の支配神経は、横隔神経と副横隔神経(C3~C5)である。つまり、頸神経の枝といえる。
4.× 深背筋第1層は、「脊髄神経後枝」ではなく頸神経叢に支配される。
脊髄神経後枝は、体幹の背側にある固有背筋(脊柱起立筋)や背中の皮膚に分布する。深背筋第1層は、僧帽筋と広背筋である。僧帽筋の支配神経は、副神経(外枝)と頸神経叢の筋枝である。広背筋の支配神経は、胸背神経である。ちなみに、深背筋第2層は、小・大菱形筋と肩甲挙筋である。小・大菱形筋の支配神経は、肩甲背神経である。肩甲挙筋の支配神経は、頸神経叢の枝と肩甲背神経である。
腹部から下肢に分布する脊髄神経は、腰神経叢と仙骨神経叢とを形成する。腰神経叢は、T12~L4の前枝で構成され、その枝は腹部から大腿前面に分布する。一方、仙骨神経叢は、L4~S4前枝から構成され、その枝は腰部~大腿後面と下肢~足部に分布する。
腰神経叢:①腸骨下腹神経、②腸骨鼠経神経、③外側大腿皮神経、④大腿神経、⑤陰部大腿神経、⑥閉鎖神経
仙骨神経叢:①上殿神経、②下殿神経、③坐骨神経、④後大腿皮神経、⑤陰部神経
問題58 動眼神経支配を受けるのはどれか。
1.眼輪筋
2.毛様体筋
3.瞳孔散大筋
4.上斜筋
答え.2
解説
(※図引用:「イラストでわかる歯科医学の基礎 第4版 」永未書店HPより)
1.× 眼輪筋は、顔面神経支配を受ける。
作用は上下の眼瞼を閉眼する。
2.〇 正しい。毛様体筋は、動眼神経支配を受ける。
毛様体筋は、眼の遠近調節を行う筋である。毛様体筋は近くを見るときに収縮する。ちなみに近くで見るとき、毛様体小帯が弛緩し、水晶体が厚くなる。
3.× 瞳孔散大筋は交感神経によって支配される。
瞳孔散大筋は、交感神経の支配を受けており、ノルアドレナリンの作用で収縮する。逆の働きをする瞳孔括約筋が副交感神経支配筋であり、アセチルコリンで瞳孔は収縮(縮瞳)する。
4.× 上斜筋は滑車神経によって支配される。
【眼球運動:筋】
外側:外直筋
内側:内直筋
外上方:外直筋+上直筋
内上方:内直筋+下斜筋
外下方:外直筋+下直筋
内下方:内直筋+上斜筋
【支配神経】
①動眼神経:内側直筋・上直筋・下直筋・下斜筋
②滑車神経:上斜筋
③外転神経:外側直筋
(※図:「看護師イラスト集」看護roo!様HPより)
問題59 内耳に含まれるのはどれか。
1.鼓膜
2.鼓室
3.前庭
4.耳管
答え.3
解説
(※図引用:「耳の構造・説明図」illustAC様より)
1.× 鼓膜は、中耳に位置する。
鼓膜とは、外耳と中耳を隔てる薄い膜状の構造物で、音波の振動を受け取り、骨伝導によって中耳へ伝達する。
2.× 鼓室は、中耳に位置する。
鼓室とは、中耳にある空気が充満した空間で、音を振動として伝達する役割がある。鼓膜からの振動を耳小骨(ツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨)を通じて内耳の蝸牛管へ伝達させる。
3.〇 正しい。前庭は、内耳に含まれる。
前庭とは、内耳の一部で、平衡感覚に関与している。前庭は、垂直方向の加速度や重力による刺激を感知する役割を果たす。
4.× 耳管は、中耳に位置する。
耳管とは、鼓膜の前壁から始まり、中耳と上咽頭を連絡する管であり、中耳内の圧を調整する。
問題60 体表から触れる部位と骨の組合せで正しいのはどれか。
1.外果:脛骨
2.肘頭:上腕筋
3.頸切痕:肩甲骨
4.乳様突起:側頭骨
答え.4
解説
1.× 外果は、「脛骨」ではなく腓骨である。
脛骨は内果を形成している。
2.× 肘頭は、「上腕筋」ではなく尺骨である。
また、肘頭に付着する筋肉は上腕三頭筋である。ちなみに、上腕筋の【起始】上腕骨の内側および外側前面の下半、内・外側の筋間中隔、肘関節包前面(広い)、【停止】鈎状突起と尺骨粗面(肘関節包)である。上腕三頭筋の【起始】内側頭:上腕骨後面の橈骨神経溝の下方の大部分(広い)、両側の筋間中隔、外側頭:上腕骨橈骨神経溝の上方、長頭:肩甲骨の関節下結節、【停止】尺骨の肘頭、【作用】肘関節伸展、肩関節伸展、【神経】橈骨神経である。
3.× 頸切痕は、「肩甲骨」ではなく胸骨である。
頸切痕は、胸骨の一番頭側の部分で触知可能な部位である。
4.〇 正しい。乳様突起:側頭骨
乳様突起は耳のすぐ下、側頭骨の一部であり、外部から触ることが可能である。胸鎖乳突筋の停止で付着する。胸鎖乳突筋の【起始】胸骨部:胸骨柄前面、鎖骨部:鎖骨の胸骨端、【停止】乳様突起、後頭骨の上項線の外側部、【作用】両側が同時に作用すると首をすくめて顎を突き出す。片側が働けば顔面を対側に回す。吸息の補助、【支配神経】副神経外枝、頸神経叢筋枝(C2,C3)である。