第30回(R4年)柔道整復師国家試験 解説【午前106~110】

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問題106 内耳で回転加速度を感知するのはどれか。

1.三半規管
2.卵形嚢
3.球形嚢
4.蝸牛

答え.

解説

(※図引用:「耳の構造・説明図」illustAC様より)

1.〇 正しい。三半規管は、内耳で回転加速度を感知する。
三半規管とは、①外側半規管、②前半規管、③後半規管の3つの半規管の総称である。すべての半規管は、頭が回転するときの方向と速さを感知する役割があり、外側半規管は水平回転(左右、 横方向の回転)、前半規管と後半規管は垂直回転 (上下、縦方向の回転)を感じ取る。

2.× 卵形嚢
卵形嚢とは、耳の奥にある内耳の前庭器官の内部にある平衡感覚を司る耳石器の一つである。

3.× 球形嚢
球形嚢とは、耳の一器官であり、水平方向の動きを感知する作用を持つ感覚器官である。平衡班と呼ばれている細胞が頭の角度を感じ取っている。

4.× 蝸牛
蝸牛とは、中耳から伝えられた音波を感じとり、それがどのような音であったかを分析して、聴神経(蝸牛神経)を通して脳へ伝える役割を持つ。

(※画像引用:やまだカイロプラクティック院様)

 

 

 

 

 

問題107 肩甲骨の上方回旋に関わるのはどれか。

1.小胸筋
2.前鋸筋
3.肩甲挙筋
4.菱形筋

答え.

解説
1.× 小胸筋
【起始】第2(3)~5肋骨表面、【停止】肩甲骨の烏口突起、【作用】肩甲骨を前下に引く。このとき下角が後内側に回旋する。肩甲骨を固定すると肋骨を引き上げる、【神経】内側および外側胸筋神経

2.〇 正しい。前鋸筋は、肩甲骨の上方回旋に関わる。
【起始】第1~8(~10)肋骨前外側面、【停止】第1,2肋骨とその間の腱弓からの筋束は肩甲骨上角。第2,3肋骨からは分散して広く肩甲骨内側縁。第4肋骨以下からは下角、【作用】全体:肩甲骨を前方に引く。下2/3:下角を前に引いて肩甲骨を外方に回旋し(上方回旋)、上腕の屈曲と外転を補助。最上部:肩甲骨をやや引き上げる、【神経】長胸神経

3.× 肩甲挙筋
【起始】第1~(3)4頸椎の横突起後結節、【停止】肩甲骨の上角と内側縁の上部、【作用】肩甲骨を内上方に引く、【神経】頸神経叢の枝と肩甲背神経

4.× 菱形筋
・小菱形筋:【起始】下部項靭帯、第7頸椎と第1胸椎の棘突起、【停止】肩甲骨内側縁(肩甲棘より上部)、【作用】肩甲骨を内上方に引く、【神経】肩甲背神経
・大菱形筋:【起始】第2~4胸椎の棘突起および棘上靭帯、【停止】肩甲骨内側縁(肩甲棘より下部)、【作用】肩甲骨を内上方に引く、【神経】肩甲背神経

 

 

 

 

 

問題108 示指の運動と筋の組合せで正しいのはどれか。

1.MP関節伸展:虫様筋
2.DIP関節屈曲:浅指屈筋
3.PIP関節屈曲:掌側骨間筋
4.MP関節外転:背側骨間筋

答え.

解説
1.× MP関節伸展:虫様筋
虫様筋【起始】4個ある。それぞれ深指屈筋腱から起こる。第1,2指:第2,3指に至る腱の橈側。第3,4指(それぞれ2頭をもつ):第3~5指に至る腱の相対する側、【停止】指背腱膜、【作用】第2~5指の基節骨の屈曲、中節骨、末節骨(DIP)の伸展、【神経】第1,2筋は正中神経、第3,4筋は尺骨神経

2.× DIP関節屈曲:浅指屈筋
浅指屈筋【起始】上腕尺骨頭:上腕骨内側上顆、尺骨粗面の内側、橈骨頭:橈骨の上部前面、【停止】第2~5中節骨底の掌面、【作用】第2~5指の中手指節関節と近位指節間関節の屈曲、【神経】正中神経

3.× PIP関節屈曲:掌側骨間筋
掌側骨間筋【起始】3個ある。第2中手骨の尺側。第4,5中手骨の橈側、【停止】基節骨底、指背腱膜、中節骨底、末節骨底、【作用】第2,4,5指の内転。背側骨間筋と共同して、おのおの基節骨の屈曲、中節・末節骨(DIP)の伸展、【神経】尺骨神経

4.〇 正しい。MP関節外転:背側骨間筋
背側骨間筋【起始】4個ある。それぞれ2頭もつ。第1~5中手骨の相対する面、【停止】基節骨、指背腱膜、中節骨底、末節骨底、【作用】第2,4指の外転第3指の橈・尺側外転。母指の内転。掌側骨間筋と共同しておのおのの基節骨の屈曲、中節・末節骨(DIP)の伸展、【神経】尺骨神経

 

 

 

 

 

問題109 脛骨の後方への逸脱を防ぐのはどれか。

1.前十字靭帯
2.後十字靭帯
3.内側側副靭帯
4.外側側副靭帯

答え.

解説
1.× 前十字靭帯
前十字靭帯とは、大腿骨に対する脛骨の前方へのすべり出しを抑制する靭帯である。

2.〇 正しい。後十字靭帯は、脛骨の後方への逸脱を防ぐ。
後十字靭帯を損傷する最も多い原因は、転倒の際に地面に強く膝の前面を打ち付けたり、ラグビーのようなコンタクトスポーツで脛(すね)の前面に相手プレイヤーがぶつかったり、交通事故で脛(すね)に強い衝撃が加わるなどである。

3.× 内側側副靭帯
膝の外側からのストレス(外反ストレス)に抵抗することで、関節の内側部分が開きすぎるのを防ぐ役割を持つ。

4.× 外側側副靭帯
膝の内側からのストレス(内反ストレス)に抵抗することで、関節の外側部分が開きすぎるのを防ぐ役割を持つ。

 

 

 

 

 

問題110 足の横アーチを構成するのはどれか。

1.踵骨
2.距骨
3.末節骨
4.中足骨

答え.

解説

足部のアーチ

内側縦アーチは、踵骨・距骨・舟状骨・内側楔状骨・第1中足骨からなる。

外側縦アーチは、踵骨・立方骨・第5中足骨からなる。

足根骨部の横アーチは、内側・中間・外側楔状骨、立方骨で形成される。

中足骨頭の横アーチは、第1~第5中足骨で形成される。

1~3.× 踵骨/距骨
内側縦アーチを形成する。

3.× 末節骨
各アーチへの関与は低い。

4.〇 正しい。中足骨が、足の横アーチを構成する。

 

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