第33回(R7年)柔道整復師国家試験 解説【午前41~45】

 

問題41 被用者保険でないのはどれか。

1.全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)
2.組合管掌健康保険(組合健保)
3.国民健康保険
4.共済

解答

解説

被用者保険とは?

被用者保険とは、被用者を対象とする保険のことである。被用者とは、企業や個人事業主等に雇われた人々で、いわゆるサラリーマン等の会社員や公務員、さらには船員が含まれる。職域保険ともいう。被用者保険の場合、雇用に伴う給料支払等を通じて、被用者の所得等が把握されるため、雇用主からの拠出や被用者からの保険料徴収が相対的に容易に行えるというメリットがある。被用者保険は、①健康保険(一般被用者保険)、②特定被用者保険に分かれる。①健康保険は、組合管掌健康保険(組合健保)、全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)があり、②特定被用者保険は、国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、私立学校教職員共済制度、船員保険があげられる。

1.〇 全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)とは、中小企業の労働者やその家族を対象とした保険制度で、被用者保険の範囲内に含まれる。協会けんぽは、加入者の医療費や年金を支払うために設立されている。

2.〇 組合管掌健康保険(組合健保)とは、大企業の被用者等を対象とした健康保険制度のことをいう。常時700人以上の従業員がいるか、又は同じ業種の事業所が集まって、3,000人以上いる場合は、厚生労働大臣の認可を得て健康保険組合を設立し、企業の実態に応じた健康保険事業を運営することができる。

3.× 国民健康保険は、被用者保険でない
国民健康保険とは、日本の国民健康保険法等を根拠とする、法定強制保険の医療保険である。病気やケガで医療機関や薬局を受診する場合に、「国民健康保険証」を窓口に提示することで医療費の一定の割合を国民健康保険が負担できる。国民健康保険の加入者は、職場の健康保険(協会けんぽ、健康保険組合、共済組合)の加入者、75歳以上等で後期高齢者医療制度の加入者および生活保護を受けている人以外の方となる。

4.〇 共済(国家公務員共済組合)とは、公務員および私立学校教職員を対象とした公的社会保障を運営する社会保険組合である。組合は医療保険、年金保険の役割を担っており、組合員は健康保険法に基づく保険料の徴収・各種給付が行なわれない。

 

 

 

 

 

問題42 柔道整復師名簿の登録事項でないのはどれか。

1.性別
2.婚姻の有無
3.試験合格の年月
4.本籍地都道府県名

解答

解説
1.〇 性別/試験合格の年月/本籍地都道府県名は、柔道整復師名簿の登録事項である(※下参考)。

2.× 婚姻の有無は、柔道整復師名簿の登録事項でない。

柔道整復師名簿の登録事項

第2条(名簿の登録事項)
柔道整復師名簿には、次に掲げる事項を登録する。
①登録番号及び登録年月日
本籍地都道府県名、氏名、生年月日及び性別
試験合格の年月
④免許の取消し又は業務の停止の処分に関する事項
⑤再免許の場合には、その旨
⑥柔道整復師免許証又は柔道整復師免許証明書を書換え交付し、又は再交付した場合には、その旨並びにその理由及び年月日
⑦登録の消除をした場合には、その旨並びにその理由及び年月日

第3条(名簿の訂正) あん摩マッサージ指圧師、はり師又はきゅう師(以下「施術者」という。)は、前条第二号の登録事項に変更を生じたときは、三十日以内に、名簿の訂正を申請しなければならない。
2 前項の申請をするには、様式第二号による申請書に戸籍の謄本又は抄本(中長期在留者及び特別永住者については住民票の写し(住民基本台帳法第三十条の四十五に規定する国籍等を記載したものに限る。第五条第二項において同じ。)及び前項の申請の事由を証する書類とし、出入国管理及び難民認定法第十九条の三各号に掲げる者については旅券その他の身分を証する書類の写し及び前項の申請の事由を証する書類とする。)を添え、これを厚生労働大臣に提出しなければならない。
(※引用:「柔道整復師法施行規則」厚生労働省HPより)

 

 

 

 

 

問題43 応急の手当を除き医師の同意を要するのはどれか。

1.骨折
2.打撲
3.捻挫
4.擦過傷

解答

解説

柔道整復施術の対象(支給対象)

柔道整復の対象疾患は、急性又は亜急性の外傷性の骨折、脱臼、打撲、捻挫、肉ばなれ等。
骨折及び脱臼については、医師の同意が必要。(応急手当を除く)

(※引用:「柔道整復に係る療養費の概要」厚生労働省様HPより)

1.〇 正しい。骨折は、応急の手当を除き医師の同意を要する。ほかにも脱臼が該当する。

2.× 打撲は、医師の同意を必要としない。打撲とは、打ち身とも呼ばれ、体をどこかにぶつけたり、転倒したりして、皮膚の下の組織や血管が傷つき、内出血(青あざ)や腫れ、痛みを伴うケガのことである。

3.× 捻挫は、医師の同意を必要としない。捻挫とは、関節に不自然な力が加わって、骨と骨をつなぐ靭帯や関節を包む関節包などの組織が傷つくケガのことである。

4.× 擦過傷は、医師の同意を必要としない。擦過傷とは、すり傷と呼ばれ、皮膚の表面が何かにこすりつけられてめくれ、傷ができた状態を指す。

 

 

 

 

 

問題44 施術所の届出事項でないのはどれか。

1.施術の方法
2.開設者の住所
3.構造設備の平面図
4.業務に従事する柔道整復師の氏名

解答

解説

柔道整復師法

第五章施術所(施術所の届出)
第十九条 施術所を開設した者は、開設後十日以内に、開設の場所、業務に従事する柔道整復師の氏名その他厚生労働省令で定める事項を施術所の所在地の都道府県知事に届け出なければならない。その届出事項に変更を生じたときも、同様とする。
2 施術所の開設者は、その施術所を休止し、又は廃止したときは、その日から十日以内に、その旨を前項の都道府県知事に届け出なければならない。休止した施術所を再開したときも、同様とする。

(※引用:「柔道整復師法」e-GOV法令検索様HPより)

1.× 施術の方法は、施術所の届出事項でない

2~4.〇 正しい。開設者の住所/構造設備の平面図/業務に従事する柔道整復師の氏名は、施術所の届出事項である。
・あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう、柔道整復の施術業を行う場合には、「施術所の開設」、「開設した施術所の届出事項の変更」、「施術所の廃止・休止・再開」、「出張施術業の開始・廃止」、「滞在施術業」について届出る必要がある。

 

 

 

 

 

問題45 柔道整復師法で広告できないのはどれか。

1.経路案内
2.駐車料金
3.学会の理事
4.予約施術の実施

解答

解説

広告の制限

第二十四条(広告の制限) 柔道整復の業務又は施術所に関しては、何人も、文書その他いかなる方法によるを問わず、次に掲げる事項を除くほか、広告をしてはならない。
①柔道整復師である旨並びにその氏名及び住所
②施術所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項
③施術日又は施術時間
④その他厚生労働大臣が指定する事項
2 前項第一号及び第二号に掲げる事項について広告をする場合においても、その内容は、柔道整復師の技能、施術方法又は経歴に関する事項にわたつてはならない。(※引用:「柔道整復師法」e-GOV法令検索様HPより)

【その他厚生労働大臣が指定する事項】
①ほねつぎ(又は接骨)
②柔道整復師法第十九条第一項前段の規定による届出をした旨
③医療保険療養費支給申請ができる旨(脱臼きゆう又は骨折の患部の施術に係る申請については医師の同意が必要な旨を明示する場合に限る。)
④予約に基づく施術の実施
⑤休日又は夜間における施術の実施
⑥出張による施術の実施
⑦駐車設備に関する事項
(※引用:「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会」厚生労働省様HPより)

1.〇 正しい。経路案内は、柔道整復師法で広告できる事項である
・例えば、「最寄りの駅から徒歩○分」「○○バス停そば」といった経路案内や、周辺地図を掲載することができる。

2.〇 正しい。駐車料金は、柔道整復師法で広告できる事項である
・例えば、「駐車場完備」「駐車料金無料」といった表示ができる。

3.× 学会の理事は、柔道整復師法で広告できない。なぜなら、柔道整復師の経歴や役職(特定の学会の理事や役員など)は、施術の質や能力を不当に誇張したり、他の柔道整復師と比較して優位性を示すような広告につながる可能性があるため。したがって、施術所の看板、名刺、ウェブサイトなどに、「○○学会理事」「××研究会会長」といった肩書きを表示して、それを集客のための広告として利用できない。

4.〇 正しい。予約施術の実施は、柔道整復師法で広告できる事項である
・例えば、「予約制」「事前のご予約をお願いします」「当日予約可」といった表示ができる。

 

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