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問題6 定型的鎖骨骨折で正しいのはどれか。
1.リング固定期間は4週とする。
2.固定期間中は肩関節可動域訓練を積極的に行う。
3.約10週で仮骨形成がみられる。
4.12週で全ての固定を除去する。
解答1
解説
定型的鎖骨骨折は、近位骨片が胸鎖乳突筋の作用で後上方に転移する。遠位骨片は、大胸筋の作用で短縮(下方)に転移する。
1.〇 正しい。リング固定期間は4週とする。
・鎖骨骨折では、8字帯固定や鎖骨バンド、スリングなどで骨折部の安定を保ちながら癒合を待つ。実臨床では年齢、転位、骨折型によって固定期間に幅があるが、非手術療法の固定期間は概ね2〜4週、その後に徐々に可動域訓練へ進むという流れが一般的である。
2.× 固定期間中は、肩関節可動域訓練を「積極的に行う」必要はない。なぜなら、固定期間中は骨折部の安定を優先するため。肩関節可動域訓練は、肩甲上腕リズムにより、鎖骨が動き、骨折の治癒が阻害される。
3.× 「約10週」ではなく約4〜6週で仮骨形成がみられる。
・仮骨形成とは、骨折すると、骨の連続性が断たれた状態になるが、その骨を融合するために新たに形成されるのが未熟な組織である。初期の炎症期の後の修復期に仮骨が形成される。 できたばかりの仮骨は強度が弱く不安定だが、時間の経過とともに石灰化していく。
4.× 「12週」ではなく8~9週間で全ての固定を除去する。

(※図引用:北星病院様HPより)
問題7 上腕骨外科頸外転型骨折で正しいのはどれか。
1.肩峰下に骨頭を触知できない。
2.肩関節棘下脱臼と類似の外観を呈す。
3.動脈損傷の有無を鎖骨下動脈の拍動で評価する。
4.腋窩神経損傷の有無を三角筋部の感覚異常で評価する。
解答4
解説
発生機序:肩外転位で手掌、肘を衝いて転倒
鑑別疾患:肩関節前方脱臼
好発年齢層:高齢者
腱板損傷:棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋
整復前の確認:腋窩動脈(橈骨動脈)、腋窩神経の確認
【上腕骨外科頸外転型骨折の転位・変形】
・近位骨片は軽度内転
・遠位骨片は軽度外転
・遠位骨折端は前内上方へ転位
・骨折部は前内方凸の変形
1.× 肩峰下に骨頭を「触知できる」。したがって、関節運動がある程度保たれるのが特徴である。一方、肩関節前方脱臼(烏口下脱臼)では、肩峰下が空虚になり、いわゆる「関節窩の空虚」がみられる。
2.× 「肩関節棘下脱臼」ではなく肩関節前方脱臼(烏口下脱臼)と類似の外観を呈す。
・肩関節の棘下脱臼とは、非常にまれで、上腕骨頭が肩甲棘の下に位置する肩関節脱臼の後方脱臼のひとつである。
3.× 動脈損傷の有無を、「鎖骨下動脈」ではなく腋窩動脈より遠位の拍動で評価する。なぜなら、鎖骨下動脈は、鎖骨の下方を走行する動脈で、上腕骨より近位となるため。
4.〇 正しい。腋窩神経損傷の有無を三角筋部の感覚異常で評価する。なぜなら、腋窩神経の障害を伴いやすいため。
・腋窩神経とは、腕神経叢から出る上腕部に走行する末梢神経で、上肢の背側を走行し、上腕部で、停止する。後神経束から分岐する。上腕の上外側の感覚と、小円筋と三角筋の筋肉を支配する。
烏口下脱臼とは、肩関節前方脱臼(約90%)のひとつである。上腕骨頭が肩甲骨関節窩から前方に脱臼した症状で、①烏口下脱臼と②鎖骨下脱臼に分類される。関節全体を覆う袋状の関節包と靭帯の一部が破れ、突き出た上腕骨頭が烏口突起の下へすべることで起こる脱臼である。介達外力が多く、後方から力が加わる、転倒するなどで手を衝くことで過度の伸展力が発生した場合(外旋+外転+伸展)などに起こる。症状として、①弾発性固定、②関節軸の変化(骨頭は前内方偏位、上腕軸は外旋)、③脱臼関節自体の変形(三角筋部の膨隆消失、肩峰が角状に突出、三角筋胸筋三角:モーレンハイム窩の消失)、④上腕仮性延長、⑤肩峰下は空虚となり、烏口突起下に骨頭が触知できる。
問題8 上腕骨外科頸外転型骨折の整復で正しいのはどれか。
1.腹臥位で整復する。
2.第1助手は肩部を上外方に牽引・固定する。
3.第2助手は短縮転位を除去する。
4.術者は遠位骨片操作時に上腕の牽引を緩める。
解答3
解説
患者:背臥位、腋窩に手挙大より大きめの枕子を挿入しておく。
第1助手:帯などで上内方に牽引、固定させる。
第2助手:肘関節直角位で上腕下部及び前腕下部を把握する。末梢牽引させながら徐々に上腕を外転させ短縮転位を除去し両骨折端を離開させる。
術者:両手で遠位骨片近位端を把握する。
(対向牽引が遠位骨片骨軸方向に正しく行う)
1.× 「腹臥位」ではなく背臥位で整復する。
2.× 第1助手は肩部を「上外方」ではなく上内方に牽引・固定する。
3.〇 正しい。第2助手は、短縮転位を除去する。第2助手:肘関節直角位で上腕下部及び前腕下部を把握する。末梢牽引させながら徐々に上腕を外転させ短縮転位を除去し両骨折端を離開させる。
4.× 術者は、遠位骨片の操作時も上腕の牽引を「緩めず維持する」。なぜなら、もし、牽引を途中で緩めると、せっかく離開した骨片が再び重なり、短縮転位が戻ってしまいやすくなるため。
問題9 三角筋付着部より遠位の上腕骨骨幹部骨折で正しいのはどれか。
1.自然下垂位で固定する。
2.ミッデルドルフ三角副子で保持する。
3.過剰な仮骨が生じやすい。
4.尺骨神経障害を合併しやすい。
解答2
解説
上腕骨骨幹部三角筋付着部より遠位骨折において、①近位骨片は外方に、②遠位骨片は後上方へ転位する。整復は、近位骨片に遠位骨片を合わせる事から固定肢位は肩関節外転位である。肩関節外転70度、水平屈曲30~40度、肘関節直角位、前腕回内回外中間位である。
最終結論:正解は 2.ミッデルドルフ三角副子で保持する です。
覚えるべき要点:三角筋付着部より遠位の上腕骨骨幹部骨折では、固定の基本は自然下垂位ではなく、肩関節外転位での保持であり、柔整の実技・国試ではミッデルドルフ三角副子が定番です。合併しやすい神経は尺骨神経ではなく橈骨神経で、過剰仮骨は典型所見というより不安定性が強いときの異常治癒でみる表現です。
1.× 「自然下垂位」ではなく肩関節外転70度、水平屈曲30~40度、肘関節直角位、前腕回内回外中間位で固定する。肩関節外転70度、水平屈曲30~40度、肘関節直角位、前腕回内回外中間位である。
2.〇 正しい。ミッデルドルフ三角副子で保持する。枕子、厚紙副子、ミッデルドルフ三角副子などを用いる。
・ミッデルドルフ副子固定(ミッテルドルフ三角副子)とは、上腕骨骨幹部骨折時や、腱板断裂(棘上筋が断裂した時)などに用いる伝統的な固定法である。元になるのは、クランメル副子という金属でできた副子に新聞紙や包帯を巻きつけたものを組み合わせて作成することが多い。
3.× 過剰な仮骨が生じやすい「とはいえない」。なぜなら、上腕骨骨幹部骨折は、一般に血流や周囲筋の安定化により治癒が比較的良好とされているため。一方で、過剰な骨性仮骨とは、肥厚性偽関節(骨折部の不安定性が続いたときにみられる異常治癒像)として現れ、骨折部が不安定な状態で生じやすい。
4.× 「尺骨神経」ではなく橈骨神経障害を合併しやすい。なぜなら、橈骨神経の走行上、損傷を伴いやすいため。
・橈骨神経麻痺とは、母指背側の感覚障害と上腕三頭筋・腕橈骨筋・長、短橈側手根伸筋、総指伸筋などの伸筋群の麻痺(下垂手)を認める。
問題10 コーレス(Colles)骨折の外観で正しいのはどれか。
1.スコップ型変形
2.尺骨頭の背側突出
3.銃剣状変形
4.手の尺側偏位
解答3
解説
コーレス骨折は、橈骨遠位端部伸展型骨折のことで、橈骨遠位端骨折の1つである。 橈骨が手関節に近い部分で骨折し、遠位骨片が手背方向へ転位する特徴をもつ。合併症には、尺骨突き上げ症候群、手根管症候群(正中神経障害)、長母指伸筋腱断裂、複合性局所疼痛症候群 (CRPS)などがある。
1.× スコップ型変形は、「スミス骨折」でみられる。
・スコップ型変形とは、手首を横から見るとスコップや鍬(すき)のようなに見えるものである。
・スミス骨折とは、橈骨遠位端骨折のひとつで、遠位骨片が掌側に転位しているのが特徴である。手首が強制的に掌屈されるとき(手首が手の掌側に曲がる動き)に起こりやすい。通常、受傷直後に痛みや腫れなどの明らかな症状がある。
2.× 尺骨頭の背側突出とは、尺骨突き上げ症候群にみられる。コーレス骨折の合併症ではあるものの、必ず外観として現れるものではない。
・尺骨突き上げ症候群とは、手首の小指側にある尺骨が橈骨より長くなり、手を使うとその突き出た部分が手首の軟骨や靱帯を圧迫して痛みを引き起こす状態である。
3.〇 正しい。銃剣状変形は、コーレス骨折の外観である。
・銃剣状変形とは、フォーク状変形とも呼び、手首が背側に上がり、外見がフォークのような形になることから呼ばれる。背側転位が高度の場合フォーク状変形を呈し、橈側転位が高度の場合は銃剣状変形を呈す。
4.× 手の尺側偏位は、関節リウマチにみられやすい変形である。
・尺側偏位とは、手関節が尺骨側(手の小指側)に偏位する変形をいう。
関節リウマチは、関節滑膜を炎症の主座とする慢性の炎症性疾患である。病因には、遺伝、免疫異常、未知の環境要因などが複雑に関与していることが推測されているが、詳細は不明である。関節炎が進行すると、軟骨・骨の破壊を介して関節機能の低下、日常労作の障害ひいては生活の質の低下が起こる。関節破壊(骨びらん) は発症6ヶ月以内に出現することが多く、しかも最初の1年間の進行が最も顕著である。関節リウマチの有病率は0.5~1.0%とされる。男女比は3:7前後、好発年齢は40~60歳である。
【症状】
①全身症状:活動期は、発熱、体重減少、貧血、リンパ節腫脹、朝のこわばりなどの全身症状が出現する。
②関節症状:関節炎は多発性、対称性、移動性であり、手に好発する(小関節)。
③その他:リウマトイド結節は肘、膝の前面などに出現する無痛性腫瘤である。内臓病変は、間質性肺炎、肺線維症があり、リウマトイド肺とも呼ばれる。
【治療】症例に応じて薬物療法、理学療法、手術療法などを適宜、組み合わせる。
(※参考:「関節リウマチ」厚生労働省HPより)
国試オタク 
