この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
問題96 周期の等容性収縮期で正しいのはどれか。
1.P波が発生している。
2.第Ⅱ心音が聞かれる。
3.房室弁が閉鎖している。
4.動脈圧は心室圧と等しい。
解答3
解説

(図引用:「看護師 イラスト集【フリー素材】」看護roo!様HPより)
心周期とは、心臓の収縮と弛緩からなる、心臓ポンプの1回の心拍動のことである。心周期は5つに分けられる。
①心房収縮期(心房が収縮し、左右の房室弁が開くことで、心房内の血液が心室に送られる)
②等容性収縮期(心室の収縮が始まる段階。心室内圧は上昇し、すべての弁は閉じる。血液に動きはない。)
③駆出期(さらに心室が収縮し、心室内圧が動脈内圧を上まわる。動脈弁が開き、心室内の血液は動脈へと流れる。)
④等容性拡張期(心室筋が弛緩して拡張が始まる段階。血液が動脈へと流れ出た後、心室圧は低下する。心室圧が動脈圧を下回ると、すべての弁が閉じる。心房には血液が流れ込み始める。)
⑤充満期(心房と心室がさらに拡張し、心室内圧が低下して房室弁が開き、心房の血液が心室に流れ込む。)
1.× 「P波」ではなくQRS波が発生している。
心周期を順に並べると、
P波 → 心房収縮 → QRS波 → 等容性収縮期 → 駆出期
となる。
2.× 「第Ⅱ心音」ではなく第Ⅰ心音が聞かれる。
心音は、
・第Ⅰ心音:房室弁閉鎖
・第Ⅱ心音:半月弁(大動脈弁・肺動脈弁)閉鎖
3.〇 正しい。房室弁(僧帽弁・三尖弁)が閉鎖している。房室弁とは、僧帽弁と三尖弁のことである。等容性収縮期は、心室の収縮が始まる段階であるため、心室内圧は上昇し、すべての弁は閉じる。血液に動きはないことが特徴である。
4.× 動脈圧は、心室圧と比較すると「等しい」ではなく大きい。なぜなら、等容性収縮期のすべての弁は閉じているため。等容性収縮期では、心室圧は急速に上昇しているが、まだ大動脈圧または肺動脈圧に十分達していないため、半月弁は開いていない。この時期は房室弁も半月弁も閉じている。心室圧が大動脈圧または肺動脈圧を上回ると、大動脈弁または肺動脈弁が開き、駆出が始まる。
正常心音は、Ⅰ〜Ⅳ音に分類されるが、健康成人ではⅠ音とⅡ音しか確認できないことが多い。
Ⅰ音(心室収縮時に起きる音:おもに僧帽弁閉鎖音、大動脈弁開放音)
Ⅱ音(心室拡張の始まりに起きる音:おもに大動脈弁閉鎖音(ⅡA)と肺動脈弁閉鎖音(ⅡP))
Ⅲ音(心室拡張期の終わり:心室筋の伸展による音)
Ⅳ音(心房収縮音:Ⅰ音の直前)
問題97 細動脈を拡張させるのはどれか。
1.アンジオテンシンⅡ
2.エンドセリン
3.心房性ナトリウム利尿ペプチド
4.バゾプレッシン
解答3
解説
1.× アンジオテンシンⅡとは、全身の動脈を収縮させるとともに、副腎皮質からアルドステロンを分泌させる。アルドステロンは、Naを体内に溜める働きがあり、これにより循環血液量が増加して心拍出量と末梢血管抵抗が増加する。これをレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(Renin-Angiotensin-Aldosterone System:RAAS)といい、血圧上昇後にはレニンの分泌は抑制され、この系の働きが低下する。
2.× エンドセリンとは、細動脈を収縮させるほか、陽性変時・変力作用、血管平滑筋増殖作用、心筋細胞肥大作用、線維芽細胞増殖作用などを有するとされる。
3.〇 正しい。心房性ナトリウム利尿ペプチドは、細動脈を拡張させる。
・心房性ナトリウム利尿ペプチドとは、主として心房で合成・貯蔵され、血液中に分泌されるホルモンである。水・ナトリウムの利尿、血管の拡張、レニン・アルドステロンの分泌抑制、循環血漿量の減少など多彩な生理作用を介して、生体の体液バランスならびに血圧調整に関与する。
4.× バゾプレッシンとは、下垂体後葉から分泌される水溶性ホルモンで、役割として、抗利尿作用がある。バソプレッシンは、集合管の受容体に作用し、水の透過性を亢進する。水の再吸収を促進する抗利尿作用・血圧上昇が起きる。尿を濃くし尿量を減らす作用がある。
※血管平滑筋に作用して血管収縮も起こす。
問題98 安静吸息時に収縮するのはどれか。
1.肺
2.横隔膜
3.胸膜
4.内肋間筋
解答2
解説
①安静吸気:横隔膜・外肋間筋。
②安静呼気:呼気筋は関与しない。
③努力吸気:呼吸補助筋(僧帽筋、胸鎖乳突筋・斜角筋・大胸筋・小胸筋・肋骨挙筋など)が関与。
④努力呼気:内肋間筋・腹横筋・腹直筋が関与。
1.× 肺は、安静吸息時に拡張する(膨らむ)。ただし、肺は、自分で能動的に収縮する機能はなく、実際には、横隔膜や肋間筋などの呼吸筋が胸郭を広げ、その結果として胸腔内圧を変化させ、肺が受動的に収縮・拡張する。
2.〇 正しい。横隔膜は、安静吸息時に収縮する。横隔膜とは、胸郭と腹郭を分ける筋膜性の膜であり、縦郭の境界をなしている。他にも、横隔膜の役割は、呼吸に関与する。
・横隔膜の【起始】胸郭下口の全周で、腰椎部、肋骨部、胸骨部の3部からなる。①腰椎部は、内側脚:第1~4腰椎体、外側脚:内側弓状靭帯と外側弓状靭帯、②肋骨部は、第7~12肋軟骨(肋骨弓部)の内面、③胸骨部は、剣状突起。一部は腹横筋腱膜の内面、【停止】腱中心、【作用】その収縮によって円蓋を下げ、胸腔を広げる(吸息)、【支配神経】横隔神経と副横隔神経(30~40%で欠如)である。
3.× 胸膜は、安静吸息時に拡張する(膨らむ)。ただし、肺と同様に自分で能動的に収縮する機能はない。
・胸膜とは、肺の表面を覆っている膜のことである。胸膜は二重になっており、①臓側胸膜(内側の肺側の膜)、②壁側胸膜(外側の肋骨側の膜)と呼ぶ。
4.× 内肋間筋は、安静呼息に収縮する。
・内肋間筋の【起始】下位肋骨上縁、【停止】上位肋骨の下縁および内面、【作用】外肋間筋と反対に肋骨を引き下げて胸郭を狭める(呼息)である。
問題99 自発呼吸の中枢が位置するのはどれか。
1.延髄
2.小脳
3.大脳皮質
4.視床下部
解答1
解説

(※図引用:「脳(矢状断)」illustAC様HPより)
1.〇 正しい。延髄は、自発呼吸の中枢が位置する。
・延髄とは、呼吸や循環、消化機能などの生命維持に関係する様々な中枢が集まっている。橋や延髄は脳幹と呼ばれる。
2.× 小脳とは、後頭部の下方に位置し、筋緊張や身体の平衡の情報を処理し運動や姿勢の制御(運動系の統合的な調節)を行っている。
3.× 大脳皮質とは、大脳の表層を覆うシワシワの部分で、前頭葉、頭頂葉、側頭葉などと呼ばれる部位の総称である。全身から送られてくる外界の情報を処理して思考・判断を行い、随意運動の指令を送り出している。
4.× 視床下部に、体温調節中枢がある。視床下部とは、間脳に位置し、内分泌や自律機能の調節を行う総合中枢である。 ヒトの場合は脳重量のわずか0.3%、4g程度の小さな組織であるが、多くの神経核から構成されており、体温調節やストレス応答、摂食行動や睡眠覚醒など多様な生理機能を協調して管理している。つまり、視床下部は自律神経の最高中枢である。
問題100 塩分の過剰摂取時に起こるのはどれか。
1.体液量の増加
2.血漿浸透圧の低下
3.レニンの分泌亢進
4.心房性ナトリウム利尿ペプチドの分泌抑制
解答1
解説
1.〇 正しい。体液量の増加は、塩分の過剰摂取時に起こる。なぜなら、塩分を多く摂ると、細胞外液のNa濃度が上がり、浸透圧上昇により水分が体内に保持されやすくなるため。
2.× 血漿浸透圧は、「低下」ではなく上昇する。なぜなら、塩分過剰では、細胞外液中のNa量が増えるため。
・血漿浸透圧とは、血液中の水を引きつける力の強さを表す指標である。主に血漿中のナトリウムなどの電解質濃度によって決まり、値が高いほど細胞内の水は血液側へ移動しやすくなる。
3.× レニンの分泌は、「亢進」ではなく抑制される。なぜなら、塩分過剰により、細胞外液量や循環血液量が増えると、腎は「体液が足りている」と判断するため。
・レニンとは、腎臓から分泌されるホルモンである。レニンは、腎血流量の減少により作動し、血圧上昇させる働きがある。
4.× 心房性ナトリウム利尿ペプチドの分泌は、「抑制」ではなく増加する。なぜなら、塩分過剰で体液量が増えると心房が伸展されるため。その刺激で心房性ナトリウム利尿ペプチド分泌が促進される。
・心房性ナトリウム利尿ペプチドとは、主として心房で合成・貯蔵され、血液中に分泌されるホルモンである。水・ナトリウムの利尿、血管の拡張、レニン・アルドステロンの分泌抑制、循環血漿量の減少など多彩な生理作用を介して、生体の体液バランスならびに血圧調整に関与する。
国試オタク 