第34回(R8年)柔道整復師国家試験 解説【午前41~45】

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問題41 医療過誤はどれか。

1.患者が病院内の廊下で転倒した。
2.患者が注射用量の取違えで死亡した。
3.看護師が投薬前に薬剤の取違えに気が付いた。
4.医師が個人情報を漏洩した。

解答

解説

医療過誤とは?

医療過誤とは、医療事故のうち医療機関側の人為的ミスによって起こった事例をいう。医療提供者(医師や看護師など)による過失によって引き起こされ、医療提供者が適切な診断や治療を行わなかったり、適切な情報提供や同意取得がなされていない場合に発生することが多い。医療過誤が発生した時、病院側は①刑事責任、②行政責任、③民事責任という3つの責任を負うことになる。

①刑事責任とは、医療過誤によって患者が怪我・後遺症を負ったり死亡したりした場合、医療従事者に対して刑事罰を科すこと。
②行政責任とは、医療過誤によって患者が怪我・後遺症を負ったり死亡したりした場合、病院側に対して行政処分が下されること。
③民事責任とは、医療過誤によって患者が怪我・後遺症を負ったり死亡したりした場合、病院側に損害賠償責任を果たしてもらうことである。

1.× 患者が病院内の廊下で転倒したことは、「医療事故」である。なぜなら、「病院内で転倒した」という事実だけでは、過失の有無がまだ分からないため。過失が明らかに(医療機関側の人為的ミス)なって初めて医療過誤になる。

2.〇 正しい。患者が注射用量の取違えで死亡した。なぜなら、誤った注射用量という明らかな医療上のミスがあるため。

3.× 看護師が投薬前に薬剤の取違えに気が付いたことは、「ヒヤリ・ハット」である。なぜなら、なぜなら、誤った医療行為が患者に実施される前に発見され、結果として患者に被害が及んでいないため。
・ヒヤリハットとは、危ないことが起こったが、幸い災害には至らなかった事象のことである。ハインリッヒの法則(1:29:300、分析により導かれた労働災害の発生比率)では、1 件の重大事故の裏には、29 件の軽傷事故、300 件の無傷事故(ヒヤリハット)があると言われている。

4.× 医師が個人情報を漏洩したのは、「守秘義務違反(個人情報保護上の問題)」である。なぜなら、個人情報漏洩は、患者のプライバシーや秘密を守る義務に反する問題であり、医療安全上の「過失のある医療事故」として問う医療過誤とは論点が異なるため。

 

 

 

 

 

 

問題42 社会保険制度でないのはどれか。

1.医療保険
2.年金保険
3.労災保険
4.生命保険

解答

解説

MEMO

社会保障制度は大きく①社会保険、②公的扶助、③社会福祉、④公衆衛生に分けて整理する。

社会保険とは、病気・老後・失業などに備え、保険料を出し合って支える仕組みである(例:医療保険・年金制度)

②公的扶助とは、生活に困る人に最低限の生活を保障する制度である(例:生活保護)。

③社会福祉とは、高齢者や障害者、子どもを支えるサービスである(例:児童福祉)。

④公衆衛生とは、感染症予防や健康増進で社会全体の健康を守る取組である(例:母子保健)。

1.〇 医療保険は、社会保険である。
・公的医療保険とは、私たちやその家族が、病気やケガをしたときに医療費の一部を公的な機関が負担する制度のことである。日本では「国民皆保険」といって、すべての人が何らかの公的医療保険に加入しているが、その種類によって保障内容に若干の差がある。

2.〇 年金保険は、社会保険である。
・年金保険とは、保険の仕組みを使い、保険料の拠出が前提となっている年金制度である。その運営主体や加入の強制の有無等により公的年金と私的年金に分かれる。

3.〇 労災保険は、社会保険である。
・災保険とは、労働者災害補償保険ともいい、業務上の災害または通勤上の災害によって負傷したり、病気になったり、障害が残ったり、死亡した場合に、労働者やその遺族のために、必要な保険給付を行う制度である。

4.× 生命保険は、社会保険制度でない。なぜなら、生命保険は国が運営する公的保険ではなく、保険会社が運営する任意加入の民間保険であるため。
・生命保険とは、公的な社会保険を補うために、個人が任意で加入する私的保障である。

 

 

 

 

 

問題43 柔道整復師の名簿を登録するのはどれか。

1.保健所
2.市町村
3.都道府県
4.厚生労働省(指定登録機関)

解答

解説

柔道整復師法

第五条(柔道整復師名簿) 厚生労働省に柔道整復師名簿を備え、免許に関する事項を登録する。

第六条(登録及び免許証の交付) 免許は、試験に合格した者の申請により、柔道整復師名簿に登録することによつて行う。
2 厚生労働大臣は、免許を与えたときは、柔道整復師免許証(以下「免許証」という。)を交付する。

(※引用:「柔道整復師法」e-GOV法令検索様HPより)

1.× 保健所とは、精神保健福祉・健康・生活衛生など地域保健法に定められた14の事業(主に疾病予防・健康増進・環境衛生などの公衆衛生活動)を中心に行っている。保健所では保健師や精神保健福祉士、医師などが生活面や社会復帰について相談にのってくれる。

2~3.× 市町村/都道府県は、名簿登録主体ではない。

4.〇 正しい。厚生労働省(指定登録機関)は、柔道整復師の名簿を登録する。これは、柔道整復師法の第五条(柔道整復師名簿)に規定されている。
・厚生労働省とは、「国民生活の保障・向上」と「経済の発展」を目指すために、社会福祉、社会保障、公衆衛生の向上・増進と、働く環境の整備、職業の安定・人材の育成を総合的・一体的に推進する。日本の厚生労働省の長および主任の大臣たる国務大臣である。

 

 

 

 

 

問題44 柔道整復師の免許で正しいのはどれか。

1.現住所が記載されている。
2.合格証書が免許証になる。
3.免許の更新が必要である。
4.外国人も免許を取得できる。

解答

解説
1.× 現住所は「記載されない」。柔道整復師法施行規則の第二条(名簿の登録事項)において以下のとおりである。
柔道整復師名簿(以下「名簿」という。)には、次に掲げる事項を登録する。
一 登録番号及び登録年月日
二 本籍地都道府県名(日本の国籍を有しない者については、その国籍)、氏名、生年月日及び性別
三 試験合格の年月
四 免許の取消し又は業務の停止の処分に関する事項
五 再免許の場合には、その旨
六 柔道整復師免許証(以下「免許証」という。)又は柔道整復師免許証明書(以下「免許証明書」という。)を書換え交付し、又は再交付した場合には、その旨並びにその理由及び年月日
七 登録の消除をした場合には、その旨並びにその理由及び年月日
(※引用:「柔道整復師法施行規則」e-GOV法令検索様HPより)

2.× 合格証書が免許証「とはならない」。なぜなら、国家試験の合格は免許取得の前提にすぎず、免許そのものは申請して名簿登録されることで成立し、その後に免許証が交付されるため。根拠は、柔道整復師法第6条である。

3.× 免許の更新は「不要である」。なぜなら、一定期間ごとの更新手続は規定されていないため。法令上、免許について定められているのは申請・登録・免許証交付・名簿訂正・書換え交付・再交付・返納などである。

4.〇 正しい。外国人も免許を取得できる。なぜなら、柔道整復師法には、国籍を理由とする一律の免許拒否規定がないため。

 

 

 

 

 

問題45 柔道整復師の業務で正しいのはどれか。

1.名称独占である。
2.反復継続の意思をもって施術をする。
3.繰り返しの施術が必要である。
4.同意は歯科医師でもかまわない。

解答

解説

MEMO

柔道整復師とは、骨折、脱臼、打撲、捻挫などの怪我を治療する医療技術職である。骨折や脱臼を手技で元の位置に戻したり、包帯やテーピングで固定したりする。

1.× 「名称独占」ではなく業務独占である。柔道整復師法の第十五条(業務の禁止)において、「医師である場合を除き、柔道整復師でなければ、業として柔道整復を行なつてはならない」と規定されているため(※引用:「柔道整復師法」e-GOV法令検索様HPより)。
・業務独占とは、国家資格を持たないものがその名称を用いて当該業務に従事することはできないこと。
・名称独占とは、無資格者は当該の名称を用いて当該業務につくことができないが、無資格者であってもその名称を用いなければ当該業務につくことができること。

2.〇 正しい。反復継続の意思をもって施術をする。なぜなら、柔道整復師法は「業として柔道整復を行う」ことを前提にしており、法解釈上の「業」とは「反復継続の意思をもって行うこと」であるため。
・「業」とは、社会通念上、反復継続の意思をもって行う行為を指する。したがって、単発的・偶発的な行為は「業」にはならない。

3.× 必ずしも、繰り返しの施術が必要「ではない」。つまり、柔道整復師の業務は、「同じ患者に必ず繰り返し施術すること」ではない。なぜなら、1回の施術で完治することもあるため。

4.× 同意は、「歯科医師」ではなく医師のみである
・柔道整復師の第十七条(施術の制限)において、「柔道整復師は、医師の同意を得た場合のほか、脱臼きゆう又は骨折の患部に施術をしてはならない。ただし、応急手当をする場合は、この限りでない」と記載されている(※引用:「柔道整復師法」e-GOV法令検索様HPより)。

 

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