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問題21.42歳の男性。右利き。事務職。会社近くのアパート2階に独り暮らしをしている。脳出血を発症し、2か月経過した現在、右片麻痺があるため回復期リハビリテーション病院に入院し在宅復帰にむけトレーニング中である。ブルンストロームステージは上肢3、手指2、下肢5であり、杖での屋内歩行は可能となっており階段昇降訓練中である。感覚障害、高次脳機能障害は認めない。
現在の状況で適切なのはどれか。
1.屋外の歩行は難しいと判断する。
2.介護保険の対象外である。
3.利き手交換訓練が必要である。
4.将来的にも職場復帰は困難である。
解答3
解説
・42歳の男性(右利き、事務職)。
・会社近くのアパート2階に独り暮らし。
・脳出血を発症(右片麻痺)、2か月経過。
・回復期リハビリテーション病院にて在宅復帰を目標。
・Brs:上肢3、手指2、下肢5(杖での屋内歩行は可能、階段昇降訓練中)。
・感覚障害、高次脳機能障害は認めない。
→ほかの選択肢が消去できる理由も上げられるようにしよう。本症例は、右手の巧緻動作が重度障害であるため、左手による代償訓練(利き手交換)が優先される。
1.× 屋外の歩行は難しいと判断する優先度は低い。なぜなら、本症例の下肢のブルンストロームステージは5であり、杖での屋内歩行は可能、階段昇降訓練中であるため。下肢のブルンストロームステージ5は、随意的な動作がほぼ可能なレベル(分離運動可能)を示している。
2.× 介護保険の「対象といえる」。なぜなら、介護保険の対象(第2号被保険者:40歳以上で特定疾病該当者)に含まれるため。ちなみに、第1号被保険者は、「65歳以上」である。
3.〇 正しい。利き手交換訓練が必要である。なぜなら、本症例は、脳出血を発症後、2か月経過しており、右上肢(Br.3)、手指(Br.2)で随意運動が十分に出現していないため。したがって、今後の症状の著明な改善は見込めないこと、職業(事務職)復帰を考えると、左手での筆記などの訓練が必要と考えられる。
4.× 将来的にも、職場復帰は「困難」ではなく十分に可能性がある。なぜなら、本症例は、すでに杖での屋内歩行は可能、階段昇降訓練中であり、感覚障害・高次脳機能障害がないため。したがって、補助具や利き手交換により、ADL・職業復帰が可能と考えられる。
がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る)
関節リウマチ
筋萎縮性側索硬化症
後縦靭帯骨化症
骨折を伴う骨粗しょう症
初老期における認知症
進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
脊髄小脳変性症
脊柱管狭窄症
早老症
多系統萎縮症
糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
脳血管疾患
閉塞性動脈硬化症
慢性閉塞性肺疾患
両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
問題22.肝性昏睡でみられる不随意運動はどれか。
1.チック
2.舞踏病様振戦
3.羽ばたき振戦
4.アテトーゼ様運動
解答3
解説
肝性脳症とは、重度の肝疾患がある人において、正常なら肝臓で除去されるはずの有害物質が血液中に蓄積して脳に達することで、脳機能が低下する病気である。長期にわたる(慢性の)肝疾患がある患者に発生する。肝性昏睡とは、肝性脳症によって、意識障害や精神・神経症状を引き起こしている重篤な状態を指す。
1.× チックとは、不規則で突発的な体の動きや発声が、本人の意思とは関係なく繰り返し起きてしまう疾患。根本的な原因は解明されていない。
2.× 舞踏病様振戦は、ハンチントン病などの大脳基底核疾患でみられる。
・ハンチントン病とは、常染色体優性遺伝型式を示す遺伝性の神経変性疾患である。不随意運動(舞踏運動)や認知機能低下、精神症状が特徴である。
3.〇 正しい。羽ばたき振戦は、肝性昏睡でみられる不随意運動である。
・羽ばたき振戦とは、手関節を背屈させたまま手指と上肢を伸展させ、その姿勢を保持するように指示すると、「手関節及び中指関節が急激に掌屈し、同時に、元の位置に戻そうとして背屈する運動」が認められる。手関節や手指が速くゆれ、羽ばたいているようにみえるので、このように呼ばれる。肝性脳症(肝性昏睡)やウィルソン病、呼吸不全(CO2ナルコーシス)など代謝性神経疾患で出現する。
4.× アテトーゼ様運動は、アテトーゼ型脳性麻痺や大脳基底核障害でみられる。ほかにも、視床症候群などでも。
・アテトーゼとは、錐体外路(特に淡蒼球・尾状核)障害により、ゆっくり流れるようにうねる連続的な不随意運動のことである。
問題23.突進歩行がみられるのはどれか。
1.バージャー病
2.先天性股関節脱臼
3.進行性筋ジストロフィー
4.パーキンソン病
解答4
解説
1.× バージャー病は、間欠性跛行がみられる。
・バージャー病とは、脚や腕の細い動脈や中間サイズの動脈が、炎症を起こして閉塞する病気である。喫煙は病変の増悪因子であるが、原因不明である。症状は、腕や脚への血流減少による冷感、しびれ、チクチクする感覚、灼熱感、間欠性跛行などである。治療で最も重要なのは禁煙で、薬剤も有効なことがある。寒さにより血管が狭くなるため(収縮)、寒さへの曝露を回避することが助けになる。
・間欠性跛行とは、歩行を続けると下肢の痛みと疲労感が強くなり、足を引きずるようになるが、休むと再び歩けるというものである。「体幹前傾」ではなく休むと改善する。
2.× 先天性股関節脱臼は、動揺歩行(トレンデレンブルグ歩行やアヒル歩行)がみられる。
・先天性股関節脱臼とは、生下時の女児(0~1歳)におこる股関節の脱臼などの状態である。現在では、先天性股関節脱臼のことを発育性股関節形成不全と呼ぶ傾向にある。変形性股関節症の原因となることが多い。片側に発症することが多く、リーメンビューゲル装具(アブミ式吊りバンド)で開排(屈曲・外転)肢位にして治療する。リーメンビューゲル装具で改善しない場合、牽引療法を、さらに治療が困難な場合は、観血的整復術や補正手術を検討する。
・動揺歩行(トレンデレンブルグ歩行やアヒル歩行)は、肢帯筋の筋力低下(中殿筋の筋力低下やDuchenne型筋ジストロフィー)で起こる。
3.× 進行性筋ジストロフィーは、動揺歩行(トレンデレンブルグ歩行やアヒル歩行)がみられる。
・進行性筋ジストロフィーとは、骨格筋の変性及び壊死を主病変とし、進行性の筋力低下や萎縮をきたす遺伝性疾患である。収縮した骨格筋が弛緩しにくくなる現象(ミオトニア現象)と、全身の筋力低下、筋萎縮を主症状とし、その他にも多彩な症状を呈する疾患である。
4.〇 正しい。パーキンソン病は、突進歩行がみられる。
・突進歩行とは、前のめりになって、急に小走りの状態で、何かにぶつかるまで自分の意志で止まることができない症状である。突進歩行はパーキンソン病の症状(姿勢反射障害や寡動)で生じる。
パーキンソン病とは、黒質のドパミン神経細胞の変性を主体とする進行性変成疾患である。4大症状として①安静時振戦、②筋強剛(筋固縮)、③無動・寡動、④姿勢反射障害を特徴とする。また、自律神経障害による便秘や起立性低血圧、排尿障害、レム睡眠行動障害などが起こる。レム睡眠行動障害とは、レム睡眠の時期に体が動き出してしまう睡眠障害の1つである。 睡眠時随伴症に分類される。
問題24.満月様顔貌がみられるのはどれか。
1.敗血症
2.先端肥大症
3.クッシング(Cushing)症候群
4.パーキンソン(Parkinson)病
解答3
解説
満月様顔貌とは、顔に脂肪が沈着して満月のように丸くなった状態のことである。ムーンフェイスともいう。 副腎皮質ホルモンの過剰分泌、もしくは副腎皮質ホルモン製剤の過剰投与によって引き起こされる。
1.× 敗血症とは、感染症への反応が制御不能に陥ることで生命を脅かす臓器機能障害が生じる臨床症候群である。敗血症性ショックでは、組織灌流が危機的に減少する。肺・腎臓・肝臓をはじめとする急性多臓器不全が起こる場合もある。特に、新生児は免疫学的に未熟であるため重症化しやすく、肺炎や髄膜炎を併発することもある。そのため、早期診断、早期治療が極めて重要である。
2.× 先端肥大症とは、下垂体前葉ホルモンである成長ホルモンの過剰分泌で生じる顔面骨(下顎骨・頬骨)や手足の末端が肥大する疾患である。顔面の特徴として、①眉弓部の突出、②頬骨の突出、③軟部組織(鼻部や口唇など)の肥大、④下顎の前突が認められる。
3.〇 正しい。クッシング症候群は、満月様顔貌がみられる。
・クッシング症候群とは、副腎皮質ホルモンであるコルチゾールの過剰分泌により起こる内分泌系疾患である。満月様顔貌や中心性肥満などの特徴的な症状を呈する。主に、副腎腺腫、副腎癌、副腎過形成、ACTH産生下垂体腺腫などによりコルチゾールの過剰分泌が起こる。
4.× パーキンソン病は、仮面様顔貌がみられる。
・パーキンソン病とは、黒質のドパミン神経細胞の変性を主体とする進行性変成疾患である。4大症状として①安静時振戦、②筋強剛(筋固縮)、③無動・寡動、④姿勢反射障害を特徴とする。また、自律神経障害による便秘や起立性低血圧、排尿障害、レム睡眠行動障害などが起こる。レム睡眠行動障害とは、レム睡眠の時期に体が動き出してしまう睡眠障害の1つである。 睡眠時随伴症に分類される。
問題25.患児の頬粘膜に境界鮮明な青白色の隆起した小さな斑点とその周囲の小紅暈がみられるのはどれか。
1.偽膜形成
2.扁桃腺窩滲出
3.ベル現象
4.コプリック斑
解答4
解説
コプリック斑は、児の頬粘膜に境界鮮明な青白色の隆起した小さな斑点とその周囲の小紅暈がみられる。
1.× 偽膜形成は、ジフテリアなどでみられる所見である。
・ジフテリア菌とは、鼻やのどの粘膜に感染して重い感染症を引き起こす細菌である。咽頭に灰白色の厚い膜(偽膜)が形成され、剥離すると出血するのが特徴である。ジフテリア菌は、患者や無症候性保有者の咳などに含まれるジフテリア菌を吸い込むことによって感染する。
2.× 扁桃腺窩滲出は、扁桃炎(特に溶連菌感染)でみられる所見である。
・扁桃腺窩滲出とは、扁桃腺にあるくぼみ(扁桃腺窩)に、炎症によって生じた白色や黄白色の分泌物がたまる状態を指す。主に、細菌やウイルス感染に伴う扁桃炎で見られ、発熱、咽頭痛、嚥下痛などの症状を伴うことが多い。
3.× ベル現象に、口腔所見はみられない。
・ベル現象とは、閉眼した時、眼球が上転する現象のことである。Bell麻痺は、特発性の末梢性顔面神経麻痺のことである。他の麻痺(中枢性、感染によるRamsay-Hunt症候群、外傷、中耳炎、腫瘍など)を除いたものをさす。顔の片側の筋肉に起こる突然の筋力低下または麻痺がおこる。
4.〇 正しい。コプリック斑は、患児の頬粘膜に境界鮮明な青白色の隆起した小さな斑点とその周囲の小紅暈のことである。
・Koplik斑(コプリック斑)とは、麻疹 (はしか) 患者の大部分に現れる頬粘膜の斑点である。臼歯に対する部分に境界明瞭なやや隆起した粘膜疹ができる。
・麻疹とは、麻疹ウイルスの感染後、10~12日間の潜伏期ののち発熱や咳などの症状で発症する病気のこと。38℃前後の発熱が2~4日間続き、倦怠感(小児では不機嫌)があり、上気道炎症状(咳、鼻みず、くしゃみなど)と結膜炎症状(結膜充血、目やに、光をまぶしく感じるなど)が現れて次第に強くなる。
国試オタク 