第21回(H25年)柔道整復師国家試験 解説【午後36~40】

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問題36.ウイルス性肝炎で正しいのはどれか。

1.A型は慢性化しやすい。
2.B型は劇症化しやすい。
3.C型は経口感染しやすい。
4.E型は血液感染しやすい。

解答

解説

劇症肝炎とは?

劇症肝炎とは、急性肝不全ともいい、肝臓の機能が急激に低下し、意識障害などの重篤な症状が現れる疾患である。この意識障害を「肝性脳症」といい、ひどい場合は昏睡状態に陥る。劇症肝炎(急性肝不全)は、全身の臓器に障害を引き起こしやすいため、肝臓に対する治療だけでなく、呼吸や循環などの全身的な管理が必要になる。劇症肝炎の原因は、肝炎ウイルスの感染、薬物アレルギー、自己免疫性肝炎などで、わが国では、B型肝炎ウイルスの感染によることが最も多く、全体の約40%を占めている。

1.× 慢性化しやすいのは、A型ではなく「C型」である。
・C型肝炎とは、C型肝炎ウイルス(HCV)に感染することによって起こる肝臓の病気である。C型肝炎ウイルスは、主に感染者の血液や体液から感染する。感染の危険性がある行為としては注射器の使い回しや剃刀(かみそり)の共用などがある。赤ちゃんに感染しても多くは無症状であるが、まれに乳児期に重い肝炎を起こすことがあり、将来、肝炎、肝硬変、肝がんになることもある。

2.〇 正しい。B型は劇症化しやすい
・B型肝炎とは、B型肝炎ウイルスに感染することによって生じる肝臓の病気のことである。B型肝炎ウイルスは主に感染者の血液や体液を介して感染する。たとえば、注射針を感染者と共用した場合や、感染者と性行為をした場合などに感染する。

3.× 経口感染しやすいのは、「C型」ではなくA型である。
・A型肝炎とは、A型肝炎ウイルス(HAV)感染による疾患である。通常、感染した人の便で汚染されたものを摂取したときに感染する。初期症状は倦怠感や発熱、頭痛、筋肉痛等で、一過性の急性肝炎が主症状であり、治癒後に強い免疫が残る。治療は、通常、安静を含めた対症療法が中心となる。

4.× 血液感染しやすいのは、「E型」ではなくB・C型である。
・E型肝炎とは、E型肝炎ウイルスに感染することによって起こる肝臓の病気である。E型肝炎ウイルスとは、急性肝炎の原因となるRNAウイルスである。水や豚・猪のレバーなど食物を介して経口感染する。従来、経口伝播型非A非B型肝炎とよばれてきたウイルス性の急性肝炎で、その病原体はE型肝炎ウイルス(RNAウイルス)である。E型肝炎の致死率はA型肝炎の10倍といわれ、妊婦では実に20%に達することがある。

 

 

 

 

 

問題37.悪性貧血の原因となるのはどれか。

1.ビタミンA欠乏症
2.ビタミンB2欠乏症
3.ビタミンB12欠乏症
4.ビタミンC欠乏症

解答

解説
1.× ビタミンA欠乏症で、夜盲症となる。夜盲症とは、暗いところではたらく網膜の細胞に異常があり暗順応が障害されて、暗いところや夜に見えにくくなる病気である。

2.× ビタミンB2欠乏症とは、口角炎、口内炎、舌の炎症などが見られる。ビタミンB2は水溶性のビタミンで、糖質、脂質、タンパク質の代謝、エネルギー産生に関わる酸化還元酵素の補酵素として働く。欠乏すると、皮膚炎や粘膜障害がよく見られる。例えば、口角炎、舌炎、口唇炎などである。

3.〇 正しい。ビタミンB12欠乏症は、悪性貧血の原因となる。
・悪性貧血とは、ビタミンB12または葉酸の欠乏によって生じる巨赤芽球性貧血の中である。最も発生頻度が高いビタミンB12欠乏性の貧血が悪性貧血である。ビタミンB12は胃液中の内因子との結合によって小腸下部で吸収され、葉酸とともに骨髄内での赤血球生成に利用される。悪性貧血は、高度の萎縮性胃炎による内因子分泌の欠乏が一次的原因である。その結果、回腸末端部からのビタミンB12の吸収障害をおこす。欠乏症状として①動悸、②めまい、③耳鳴り、④全身倦怠感、⑤舌炎、⑥悪心、⑦嘔吐、⑧下痢、⑨神経症状として四肢の知覚異常、⑩歩行困難、⑪視力障害などがおこる。時には興奮,軽い意識混濁などの精神障害をきたすこともある。

4.× ビタミンC欠乏症は、壊血病を生じる。壊血病は、結合組織の異常から毛細血管が脆弱化して出血しやすくなる。

 

 

 

 

 

問題38.血友病Bで正しいのはどれか。

1.女性患者が多い。
2.後天性の疾患である。
3.血液凝固第Ⅶ因子の欠乏による。
4.血液凝固第Ⅸ因子の欠乏による。

解答

解説

”血友病とは?”

血友病とは、血液を固めるのに必要な「血液凝固因子(第Ⅷ因子または第Ⅸ因子)が不足・活性低下する病気のことである。

【概念】
伴性劣性遺伝(男児に多い):生まれつき発症することがほとんどであるため、幼少期から①些細なことで出血する、②出血が止まりにくいといった症状が繰り返される。
血友病A:第Ⅷ凝固因子の活性低下
血友病B:第Ⅸ凝固因子の活性低下

【症状】関節内出血を繰り返し、疼痛、安静により関節拘縮を起こす。(筋肉内出血・血尿も引き起こす)肘・膝・足関節に多い。鼻出血、消化管出血、皮下出血等も起こす。

【治療】凝固因子製剤の投与、関節拘縮・筋力低下に対するリハビリテーション

(※参考:「血友病」Medical Note様HP)

1.× 「女性」ではなく男性患者が多い。なぜなら、血友病Bは、X染色体劣性遺伝(伴性劣性遺伝)であるため。原因遺伝子はX染色体上にあり、男性(XY)は異常遺伝子を1つ持つだけで発症するが、女性(XX)は正常なもう1つのX染色体が代償するため発症しにくい。

2.× 後天性の疾患である。なぜなら、血友病Bは、X染色体劣性遺伝(血液凝固因子:第Ⅸ因子)であるため。出生時から凝固因子が欠乏していることが特徴である。

3.× 血液凝固第Ⅶ因子の欠乏によるのは「第Ⅶ因子欠乏症」で、血友病とは関係ない。
・血友病A:第Ⅷ凝固因子の活性低下
・血友病B:第Ⅸ凝固因子の活性低下

4.〇 正しい。血液凝固第Ⅸ因子の欠乏による。血友病Bは、血液凝固第Ⅸ因子欠乏症で、トロンビン形成が障害され、血液凝固が進行しないため、出血が止まりにくくなる。

 

 

 

 

 

問題39.HTLVーⅠウイルス感染が原因で発症するのはどれか。

1.急性骨髄性白血病
2.急性リンパ性白血病
3.成人T細胞白血病
4.慢性骨髄性白血病

解答

解説

HTLVーⅠウイルス感染とは?

成人T細胞白血病とは、HTLV-Ⅰ(ヒトT細胞白血病ウイルス)というウイルス感染が原因である感染症である。このウイルスに感染した白血球中のT細胞ががん化し、それが無制限に増殖することで発症する。主に母乳を介して母子感染し、長い潜伏期間を経た後、成人T細胞白血病を発症することが多い。日本の西南地方に多いが、原因ははっきりしていない。

1.× 急性骨髄性白血病とは、骨髄の中にある骨髄系の幼若な血液細胞が癌化して白血病細胞となり、骨髄内で急速に分裂・増殖する疾患である。はっきりした原因は不明である。白血病細胞が骨髄内で増加することで、骨髄本来の造血機能が著しく障害される。初期症状として、発熱、貧血、出血傾向、骨痛、倦怠感などがみられる。

2.× 急性リンパ性白血病とは、骨髄の中にあるリンパ系の幼若な血液細胞が癌化して白血病細胞となり、骨髄内で急速に分裂・増殖する疾患である。はっきりした原因は不明である。白血病細胞が骨髄内で増加することで、骨髄本来の造血機能が著しく障害される。初期症状として、発熱、貧血、出血傾向、骨痛、倦怠感などがみられる。

3.〇 正しい。成人T細胞白血病は、HTLVーⅠウイルス感染が原因で発症する(※上を参照)。なぜなら、HTLV-ⅠはCD4陽性T細胞に感染し、長期潜伏後にウイルス遺伝子(Taxなど)が細胞の増殖制御を乱すことで、T細胞の腫瘍化を引き起こすため。

4.× 慢性骨髄性白血病とは、骨髄で作られる白血球が異常増殖するタイプの白血病で、フィラデルフィア染色体と呼ばれる遺伝子異常(95%以上)を伴うことが多い病気である。進行はゆるやかで、初期には無症状のまま血液検査などで偶然に見つかることが多い。治療には主にチロシンキナーゼ阻害薬と呼ばれる薬が使われ、効果がある場合は長期管理が可能とされている。

 

 

 

 

 

問題40.悪性腫瘍を最も合併しやすいのはどれか。

1.全身性硬化症(強皮症)
2.皮膚筋炎
3.全身性エリテマトーデス
4.関節リウマチ

解答

解説
1.× 全身性硬化症(強皮症)でも悪性腫瘍を合併することはあるが、頻度は皮膚筋炎よりも低い。
・全身性硬化症とは、強皮症ともいい、全身性の結合組織病変で、手指より始まる皮膚の硬化病変に加え、肺線維症などの諸臓器の病変を伴う。病因は不明であり、中年女性に多い。症状は、仮面様顔貌、色素沈着、ソーセージ様手指、Raynaud現象(レイノー現象)、嚥下障害、間質性肺炎、関節炎、腎クリーゼなどがある。

2.〇 正しい。皮膚筋炎は、悪性腫瘍を最も合併しやすい。
・多発性筋炎とは、自己免疫性の炎症性筋疾患で、主に体幹や四肢近位筋、頸筋、咽頭筋などの筋力低下をきたす。典型的な皮疹を伴うものは皮膚筋炎と呼ぶ。膠原病または自己免疫疾患に属し、骨格筋に炎症をきたす疾患で、遺伝はなく、中高年の女性に発症しやすい(男女比3:1)。5~10歳と50歳代にピークがあり、小児では性差なし。四肢の近位筋の筋力低下、発熱、倦怠感、体重減少などの全身症状がみられる。手指、肘関節や膝関節外側の紅斑(ゴットロン徴候)、上眼瞼の腫れぼったい紅斑(ヘリオトロープ疹)などの特徴的な症状がある。合併症の中でも間質性肺炎を併発することは多いが、患者一人一人によって症状や傷害される臓器の種類や程度が異なる。予後は、5年生存率90%、10年でも80%である。死因としては、間質性肺炎や悪性腫瘍の2つが多い。悪性腫瘍に対する温熱療法は禁忌であるので、その合併が否定されなければ直ちに温熱療法を開始してはならない。しかし、悪性腫瘍の合併の有無や皮膚症状などの禁忌を確認したうえで、ホットパックなどを用いた温熱療法は疼痛軽減に効果がある(※参考:「皮膚筋炎/多発性筋炎」厚生労働省様HPより)。

3.× 全身性エリテマトーデスとは、皮膚・関節・神経・腎臓など多くの臓器症状を伴う自己免疫性疾患である。皮膚症状は顔面の蝶形紅斑、口腔潰瘍、手指の凍瘡様皮疹である。10~30歳代の女性に好発する多臓器に障害がみられる慢性炎症性疾患であり、寛解と再燃を繰り返す病態を持つ。遺伝的素因を背景にウイルス感染などが誘因となり、抗核抗体などの自己抗体産生をはじめとする免疫異常で起こると考えられている。本症の早期診断、早期治療が可能となった現在、本症の予後は著しく改善し、5年生存率は95%以上となった。主な治療法として、①非ステロイド系消炎鎮痛剤、②ステロイド剤などである。診断基準として、顔面紅斑、円板状皮疹、光線過敏症、口腔内潰瘍、抗核抗体陽性など4項目以上満たすと全身性エリテマトーデス(SLE)を疑う。

4.× 関節リウマチは、慢性炎症により悪性腫瘍のリスクはやや上昇するが、皮膚筋炎ほどではない。

”関節リウマチとは?”

関節リウマチは、関節滑膜を炎症の主座とする慢性の炎症性疾患である。病因には、遺伝、免疫異常、未知の環境要因などが複雑に関与していることが推測されているが、詳細は不明である。関節炎が進行すると、軟骨・骨の破壊を介して関節機能の低下、日常労作の障害ひいては生活の質の低下が起こる。関節破壊(骨びらん) は発症6ヶ月以内に出現することが多く、しかも最初の1年間の進行が最も顕著である。関節リウマチの有病率は0.5~1.0%とされる。男女比は3:7前後、好発年齢は40~60歳である。
【症状】
①全身症状:活動期は、発熱、体重減少、貧血、リンパ節腫脹、朝のこわばりなどの全身症状が出現する。
②関節症状:関節炎は多発性、対称性、移動性であり、手に好発する(小関節)。
③その他:リウマトイド結節は肘、膝の前面などに出現する無痛性腫瘤である。内臓病変は、間質性肺炎、肺線維症があり、リウマトイド肺とも呼ばれる。
【治療】症例に応じて薬物療法、理学療法、手術療法などを適宜、組み合わせる。

(※参考:「関節リウマチ」厚生労働省HPより)

 

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