第21回(H25年)柔道整復師国家試験 解説【午後71~75】

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問題71.膝蓋骨脱臼で膝関節の肢位に関係なく脱臼しているのはどれか。

1.反復性脱臼
2.習慣性脱臼
3.恒久性脱臼
4.陳旧性脱臼

解答

解説

膝蓋骨脱臼の分類(4つ)

・外傷性脱臼とは、強い外力により脱臼するもの。
・反復性脱臼とは、初回脱臼後何度も脱臼を繰り返すもの。
・習慣性脱臼とは、同じ姿勢によって毎回脱臼するもの。
・恒常性脱臼とは、姿勢に関係なく常に脱臼しているもの。

1.× 反復性脱臼とは、初回脱臼後何度も脱臼を繰り返すものである。

2.× 習慣性脱臼とは、同じ姿勢によって毎回脱臼するもの。

3.〇 正しい。恒久性脱臼は、膝蓋骨脱臼で膝関節の肢位に関係なく脱臼している。したがって、恒久性膝蓋骨脱臼とは、膝関節のどの角度においても膝蓋骨の関節面が大腿骨の関節面と接触せず、膝蓋骨が常に脱臼位にあるものをさす。

4.× 陳旧性脱臼とは、関節がはずれた状態が長い間もとに戻らず、そのまま固まってしまったものである。普通の脱臼はすぐに治すが、時間がたつと周りの筋肉や靭帯が固まり、骨が動かしにくくなる。

膝蓋骨外側脱臼とは?

概要:膝蓋骨脱臼は、膝蓋骨(膝のお皿の骨)が外傷などにより外側にずれてしまい、関節から外れてしまった状態である。膝関節の形態的特徴により、10代の女性に生じることが多く、受傷者の20~50%の方が脱臼を繰り返す「反復性脱臼」へ移行する。【原因】ジャンプの着地などで、膝を伸ばす太ももの筋肉(大腿四頭筋)が強く収縮した時に起こる。【症状】炎症期は、膝関節の痛みや腫れが生じる。慢性期:脱臼を繰り返す(反復性脱臼)ようになると痛みや腫れなどは少なくなり、不安定感を強く訴える。
【治療】脱臼後、直ちに整復を行う。ほとんどの患者では鎮静や鎮痛は不要である。

 

 

 

 

 

問題72.受傷直後の肩外転角を小さい順に並べたもので正しいのはどれか。

1.鎖骨下脱臼:腋窩脱臼:関節窩下脱臼
2.関節窩下脱臼:鎖骨下脱臼:腋窩脱臼
3.関節窩下脱臼:腋窩脱臼:鎖骨下脱臼
4.鎖骨下脱臼:関節窩下脱臼:腋窩脱臼

解答

解説
1.〇 正しい。鎖骨下脱臼:腋窩脱臼:関節窩下脱臼
なぜなら、上腕骨頭が下方へ向かってより深く脱臼するほど、腕は体幹に近づき、外転角が小さくなるため。鎖骨下脱臼では上腕骨頭が鎖骨の下に入り込むため、上肢は体側に密着し、ほとんど外転できない。一方、関節窩下脱臼では骨頭が関節窩直下に留まるため、肩はある程度外転位で固定される。

・鎖骨下脱臼とは、上腕骨頭が関節窩の前方へ脱出してしまい、烏口突起よりもさらに内側に偏ってしまった状態のことである。つまり、鎖骨の下の辺りに上腕頭骨を触診することができる。上腕部を70度以上外側に向け肩甲骨を上げているような状態で支えられている。肩が骨格的に上方に突き出し、上腕が短縮して見える。

・腋窩脱臼とは、肩関節脱臼の一種で、下方脱臼に含まれる。腋窩脱臼は、外傷性脱臼であり、転倒時や転落時に地面に強く手をついた場合、及びスポーツ時に起こりやすい。腋窩脱臼の症状としては、特に肩関節の外転が制限される。脱臼時に腋窩神経が損傷を受けることにより、運動制限だけでなく、腋窩神経支配の筋(三角筋や小円筋)で知覚障害が起こるケースもある。

・関節窩下脱臼とは、垂直脱臼もしくは直立脱臼とも言われ、上腕が90°以上に外転挙上した状態の脱臼位で弾発固定を起す脱臼である。この脱臼では、回旋筋腱板損傷、上腕二頭筋長頭腱断裂、腋窩神経損傷、関節窩下縁骨折、上腕骨頭後上方関節面の圧迫骨折などの合併を生じやすい。

2.× 関節窩下脱臼:鎖骨下脱臼:腋窩脱臼
3.× 関節窩下脱臼:腋窩脱臼:鎖骨下脱臼
4.× 鎖骨下脱臼:関節窩下脱臼:腋窩脱臼
これらの選択肢より優先されるものが他にある。

 

 

 

 

 

問題73.末梢神経麻痺を合併するのはどれか。

1.スワンネック変形
2.ヘバーデン(Heberden)結節
3.デュピュイトラン(Dupuytren)拘縮
4.フォルクマン(Volkmann)拘縮

解答

解説
1.× スワンネック変形は、末梢神経麻痺を合併しない
・スワンネック変形とは、MP関節屈曲、PIP関節過伸展、DIP関節屈曲する変形をいう。関節リウマチなどによっておこる。

2.× ヘバーデン(Heberden)結節は、末梢神経麻痺を合併しない。主に手指の変形性関節症でみられる。手指の変形性関節症は大きく2種類あり、①DIP関節の変形(ヘバーデン結節)と、②PIP関節の変形(ブシャール結節)がある。これらの関節と親指の付け根がこわばり、ときに痛みを伴うことがある。一般的に手首・MP関節、手掌の関節は侵されない。治療としては、①関節可動域を改善する訓練を温水中で行う(運動中の痛みを軽減しできるだけ関節を柔軟にしておくため)、②安静にする、③間欠的に副子で固定して変形を予防する、④鎮痛薬や非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)を用いて痛みや腫れを軽減するなどがあげられる。

3.× デュピュイトラン(Dupuytren)拘縮は、末梢神経麻痺を合併しない
・Dupuytren拘縮(デュピュイトラン拘縮)とは、手掌腱膜の肥厚による屈曲拘縮である。外傷や糖尿病、長期のアルコール多飲などが誘引になりうる。また発生率には人種差があり、遺伝的な要因が関与していると考えられている。

4.〇 正しい。フォルクマン(Volkmann)拘縮は、末梢神経麻痺を合併する。
・Volkmann拘縮(フォルクマン拘縮)は、前腕のコンパートメント症候群(筋区画症候群)となる。つまり前腕の組織全体の圧力が高まり、前腕屈筋群の壊死と正中・尺骨神経麻痺が起こる。

Volkmann拘縮とは?

 Volkmann拘縮は、上腕骨顆上骨折などの後に起こる阻血性の拘縮のことである。骨折部の腫脹によって上腕動脈が圧迫され、血行障害が生じ、前腕屈曲群の虚血性壊死と神経圧迫麻痺(正中・尺骨神経麻痺)が起こり、特有の拘縮をきたすことをいう。前腕回内位、手関節屈曲位、母指内転、MP関節伸展、IP関節屈曲位の肢位をとる。Volkmann拘縮の症状として、①疼痛、②脈拍消失、③運動麻痺、④蒼白、⑤知覚麻痺、⑥腫脹などである。骨折による血管損傷が直接原因となる一次性のものと、遠位の組織の腫脹による循環障害が原因の二次性のものとがある。二次性のものには、ギプス固定などもその一因となるため、病院によっては屈曲位ギプスを決して行わず、入院して垂直牽引で保存的に加療するか、内反肘予防も含めて観血的整復固定術で早期に確実に治す方法を選択することも多い。特に、上腕骨顆上骨折は徒手整復が肘屈曲120°くらいで良好となることも多く、この状態でギプスを巻くと主張した肘周囲の血行障害・阻血が起こる可能性が高い。

 

 

 

 

 

問題74.ガレアジ(Galeazzi)骨折で正しいのはどれか。

1.後骨間神経麻痺を合併しやすい。
2.近位橈尺関節部で橈骨頭が脱臼する。
3.尺骨骨幹部の骨折である。
4.前腕回内回外運動障害を残しやすい。

解答

解説

Galeazzi骨折とは?

Galeazzi骨折(ガレアッジ骨折)は、橈骨骨幹部の骨折と遠位橈尺関節の脱臼を伴う損傷である。前腕を強く回内して受傷した際に多く見られる。

1.× 後骨間神経麻痺を合併しやすいのは、「モンテジア骨折」である。ガレアジ骨折で最も多い神経障害は正中神経や尺骨神経である。
・モンテジア骨折は、尺骨骨幹部骨折に橈骨頭脱臼が起きたものである。手をついて転倒・転落した際、前腕回内力が作用することで起こりやすい。
・後骨間神経とは、肘の辺りで橈骨神経から分岐して回外筋にもぐりこみ、指を伸展する筋肉を支配している神経である。後骨間神経麻痺により下垂指(drop finger)となる。

2.× 近位橈尺関節部で橈骨頭が脱臼するのは、「モンテジア骨折」である。

3.× 尺骨骨幹部の骨折であるのは、「モンテジア骨折」である。

4.〇 正しい。前腕回内回外運動障害を残しやすい。なぜなら、回内回外運動は、橈骨と尺骨の連動による遠位橈尺関節の滑走性に依存しているため。整復や固定が不十分だと、骨癒合後も橈尺の位置関係がずれ、可動域制限・疼痛・回内回外障害を残す。

 

 

 

 

 

問題75.手関節伸展(背屈)位で手掌を衝いたことが原因でないのはどれか。

1.コーレス(Colles)骨折
2.掌側バートン(Barton)骨折
3.舟状骨骨折
4.月状骨周囲脱臼

解答

解説
1.〇 コーレス(Colles)骨折は、手関節伸展(背屈)位で手掌を衝いたことが原因で生じる
・コーレス骨折は、橈骨遠位端部伸展型骨折のことで、橈骨遠位端骨折の1つである。 橈骨が手関節に近い部分で骨折し、遠位骨片が手背方向へ転位する特徴をもつ。合併症には、尺骨突き上げ症候群、手根管症候群(正中神経障害)、長母指伸筋腱断裂、複合性局所疼痛症候群 (CRPS)などがある。

2.× 掌側バートン(Barton)骨折は、手関節伸展(背屈)位で手掌を衝いたことが原因でない。背側バートン骨折が手関節屈曲(掌屈)位で手掌を衝いたことで起こる。
・掌側バートン(Barton)骨折は、橈骨遠位部の関節内骨折である。遠位部骨片が手根管とともに背側もしくは掌側に転位しているものをいう。それぞれ背側Barton骨折・掌側Barton骨折という。

3.〇 舟状骨骨折は、手関節伸展(背屈)位で手掌を衝いたことが原因で生じる
・舟状骨骨折とは、サッカーなどの運動時に後ろ向きに転倒して、手関節背屈で手をついた時に受傷することが多い。10〜20代のスポーツ競技者によくみられる骨折である。急性期では、手首の母指側が腫れ、痛みがある。急性期を過ぎると一時軽快するが、放置して骨折部がつかずに偽関節になると、手首の関節の変形が進行し、手首に痛みが生じて、力が入らなくなり、また動きにくくなる。

4.〇 月状骨周囲脱臼は、手関節伸展(背屈)位で手掌を衝いたことが原因で生じる
・月状骨周囲脱臼とは、手関節の強制背屈により生じた月状骨の掌側脱臼である。手首と手が痛み、形状にゆがみが生じることがある。迅速に治療されない場合、合併症として正中神経麻痺や月状骨の虚血性壊死が起こる。

 

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