第26回(H30年)柔道整復師国家試験 解説【午後1~5】

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問1 柔道整復師免許で正しいのはどれか。

1.都道府県知事の免許を受けて柔道整復を業とするための資格である。
2.柔道整復師は名称を独占する。
3.試験に合格した者の申請により名簿に登録する。
4.他の人に貸与、譲渡、相続することができる。

答え.3

解説
1.× 「都道府県知事」ではなく厚生労働大臣の免許を受けて柔道整復を業とするための資格である。柔道整復師法施行規則の第一条の三(免許の申請)において、「免許を受けようとする者は、様式第一号による申請書を厚生労働大臣に提出しなければならない」と規定されている(※引用:「柔道整復師法施行規則」厚生労働省HPより)。

2.× 柔道整復師は、「名称」ではなく業務を独占する。業務独占とは、国家資格を持たないものが、その名称を用いて当該業務に従事することはできないこと(例:医者など)。一方、名称独占とは、資格がなくてもその業務に従事する事はできるが、資格取得者のみ特定の資格名称(肩書き)を名乗ることができ、資格を所有していない者が法律に定める特定の名称を名乗ることができない資格のことをいう。

3.〇 正しい。試験に合格した者の申請により名簿に登録する。柔道整復師法施行規則の第3条(名簿の訂正)において、「あん摩マッサージ指圧師、はり師又はきゅう師(以下「施術者」という。)は、前条第二号の登録事項に変更を生じたときは、三十日以内に、名簿の訂正を申請しなければならない」と規定されている(※引用:「柔道整復師法施行規則」厚生労働省HPより)。

4.× 他の人に貸与、譲渡、相続することが「禁止されている」。なぜなら、柔道整復師の免許は個人に対して交付されるものであるため。貸与されたものは、「無免許での施術に関して、違反して、不正の採点をした者」する可能性が高く、「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」となりかねない。

主な罰金の種類

【1年以下の懲役または50万円以下の罰金】
①無免許での施術に関して、違反して、不正の採点をした者。
②虚偽、不正の事実に基づいて免許を受けた者。
③秘密保持義務違反な者。
④試験事務又は登録事務の停止の命令に違反したときは、その違反行為をした指定試験機関又は指定登録機関の役員又は職員。

【30万円以下の罰金】
①患部への施術の規定に違反した者
②広告制限の規定に違反した者
③はり師の消毒の規定に基づく指示に違反した者
④業務の停止を命ぜられた者で、当該停止を命ぜられた期間中に、業務を行ったもの。
⑤規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
⑥規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
⑦規定に基づく処分又は命令に違反した者
⑧規定に基づく業務停止の処分に違反した者

(※引用:「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」e-GOV法令検索様HPより)

 

 

 

 

 

問2 柔道整復師法第4条に規定されている欠格事由で意見聴取の機会が与えられるのはどれか。

1.麻薬中毒者
2.肢体不自由者
3.精神機能障害者
4.品位を損する行為をした者

答え.3

解説

柔道整復師免許の欠格事由

第四条(欠格事由) 次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。
一 心身の障害により柔道整復師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
二 麻薬、大麻又はあへんの中毒者
三 罰金以上の刑に処せられた者
四 前号に該当する者を除くほか、柔道整復の業務に関し犯罪又は不正の行為があつた者

第七条(意見の聴取) 厚生労働大臣は、免許を申請した者について、第四条第一号に掲げる者に該当すると認め、同条の規定により免許を与えないこととするときは、あらかじめ、当該申請者にその旨を通知し、その求めがあつたときは、厚生労働大臣の指定する職員にその意見を聴取させなければならない。

(※引用:「柔道整復師法」e-GOV法令検索様HPより)

1.× 麻薬中毒者は、第四条第二号に該当する。意見の聴取は、第四条第一号に掲げる者に該当する。

2.4.× 肢体不自由者/品位を損する行為をした者のみは、欠格事由に該当しない

3.〇 正しい。精神機能障害者は、柔道整復師法第4条に規定されている欠格事由で意見聴取の機会が与えられる。

 

 

 

 

 

問3 柔道整復師法施行規則において柔道整復師が死亡した場合、届出業務者が名簿の登録の消除を申請しなければならない期日はどれか。

1.5日以内
2.10日以内
3.20日以内
4.30日以内

答え.4

解説

柔道整復師法施行規則

第四条(登録の消除) 名簿の登録の消除を申請するには、様式第三号による申請書を厚生労働大臣に提出しなければならない。
2 柔道整復師が死亡し、又は失踪の宣告を受けたときは、戸籍法による死亡又は失踪の届出義務者は、三十日以内に、名簿の登録の消除を申請しなければならない。
3 前項の規定による名簿の登録の消除を申請するには、申請書に、当該柔道整復師が死亡し、又は失踪の宣告を受けたことを証する書類を添えなければならない。

第七条(免許証又は免許証明書の返納) 施術者は、名簿の登録の消除を申請するときは、免許証又は免許証明書を厚生労働大臣に返納しなければならない。第四条第二項の規定により名簿の登録の消除を申請する者についても、同様とする。
2 施術者は、免許を取り消されたときは、五日以内に、免許証又は免許証明書を厚生労働大臣に返納しなければならない。

(※引用:「柔道整復師法施行規則」厚生労働省HPより)

1~3.× 5日以内/10日以内/20日以内は、名簿の登録消除申請期間ではない。

4.〇 正しい。30日以内は、柔道整復師法施行規則において柔道整復師が死亡した場合、届出業務者が名簿の登録の消除を申請しなければならない期日である。柔道整復師法施行規則の第四条(登録の消除)において規定されている。 

 

 

 

 

 

問4 柔道整復師が業務として行えるのはどれか。

1.外科手術を行う。
2.患部に施術に伴う湿布を行う。
3.患部に痛み止めを注射する。
4.診療放射線を人体に照射する。

答え.2

解説
1.× 外科手術を行うのは、医師である。医師とは、患者の容態・問診・検査データなどから病名と病状を確定する診断と、投薬や手術などにより病状を改善させる治療を行う専門職種である。これは医師法により定められている行為で、医師だけに許されている。

2.〇 正しい。患部に施術に伴う湿布を行う。柔道整復師とは、骨折、脱臼、打撲、捻挫などの怪我を治療する医療技術職である。骨折や脱臼を手技で元の位置に戻したり、包帯やテーピングで固定したりする。

3.× 患部に痛み止めを注射するのは、医師もしくは看護師(条件あり)である。看護師とは、医師の診察にもとづき、診療や治療の補助を行い、病気やケガなどで不自由な生活を送る患者さんに対して、看護を提供する職業である。また、医師の補助、患者さんと医療スタッフ間のコミュニケーションの円滑、患者さんの相談や指導などといった心のケアを行う。

4.× 診療放射線を人体に照射するのは、診療放射線技師である。診療放射線技師とは、放射線技術の専門知識を生かして、放射線や検査の説明、目的に応じた撮影、三次元画像などの作成や読影の補助、診療上の説明を受ける方へ判りやすい画像提供など、手術サポートおよび放射線治療などを行う専門職である。

 

 

 

 

 

問5 柔道整復師法で広告できるのはどれか。

1.案内地図
2.赤十字マーク
3.学会の認定事項
4.マッサージ実施

答え.1

解説

広告の制限

第二十四条(広告の制限) 柔道整復の業務又は施術所に関しては、何人も、文書その他いかなる方法によるを問わず、次に掲げる事項を除くほか、広告をしてはならない。
①柔道整復師である旨並びにその氏名及び住所
②施術所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項
③施術日又は施術時間
④その他厚生労働大臣が指定する事項
2 前項第一号及び第二号に掲げる事項について広告をする場合においても、その内容は、柔道整復師の技能、施術方法又は経歴に関する事項にわたつてはならない。(※引用:「柔道整復師法」e-GOV法令検索様HPより)

【その他厚生労働大臣が指定する事項】
①ほねつぎ(又は接骨)
②柔道整復師法第十九条第一項前段の規定による届出をした旨
③医療保険療養費支給申請ができる旨(脱臼きゆう又は骨折の患部の施術に係る申請については医師の同意が必要な旨を明示する場合に限る。)
④予約に基づく施術の実施
⑤休日又は夜間における施術の実施
⑥出張による施術の実施
⑦駐車設備に関する事項
(※引用:「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会」厚生労働省様HPより)

1.〇 正しい。案内地図は、柔道整復師法で広告できる。なぜなら、患者が施術所の訪問に必要な情報であるため。

2.× 赤十字マークは、柔道整復師法で広告できない。なぜなら、赤十字マークと柔道整復師との関連性が薄いため。また、赤十字マークを見た患者に誤解を招く可能性が高いため。ちなみに、赤十字マークとは、戦争や紛争などで傷ついた人々と、その人たちを救護する軍の衛生部隊や赤十字の救護員・施設等を攻撃から守るために使用(表示)するマークである。

3.× 学会の認定事項は、柔道整復師法で広告できない。なぜなら、学会の認定事項を広告することが、柔道整復師の技能、施術方法又は経歴に関する事項に該当する可能性が高いため。また、その学会を知らないものからすれば、施術の質や能力を誇大に示す可能性があるため。

4.× マッサージ実施は、柔道整復師法で広告できない。なぜなら、マッサージと柔道整復師との関連性が薄いため。柔道整復師とは、骨折、脱臼、打撲、捻挫などの怪我を治療する医療技術職である。骨折や脱臼を手技で元の位置に戻したり、包帯やテーピングで固定したりする。

 

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