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問題16 失語症で復唱が可能なのはどれか。
1.ブローカ失語
2.ウェルニッケ失語
3.伝導失語
4.健忘失語
答え.4
解説
1.× ブローカ失語
ブローカ失語とは、①復唱困難、②言語理解良好、③非流暢を特徴として言語障害である。
2.× ウェルニッケ失語
ウェルニッケ失語とは、①復唱困難、②言語理解不良、③非流暢を特徴とした言語障害である。感覚性失語ともいう。話し方は滑らかであるが、言い間違いが多かったり、言葉が支離滅裂になったりして、自分の言いたいことが思うように伝えられなくなってしまうという特徴がある。したがって、復唱・言語理解は不良、言葉の流暢性は良好である。
3.× 伝導失語
伝導失語とは、①復唱困難、②言語理解良好、③流暢を特徴とした言語障害である。つまり、言語の理解や発話の機能が保たれているものの、言葉を繰り返す能力が障害される失語症の一種である。
4.〇 正しい。健忘失語は、失語症で復唱が可能である。
健忘失語とは、簡単な物品の呼称が困難となって、なかなか物の名前が出てこないが、その他の点ではおおむね言語機能は保たれているものをいう。
問題17 写真を下に示す。母指の運動はどれか。
1.橈側外転
2.橈側内転
3.掌側外転
4.掌側内転
答え.3
解説
1~2.× 橈側外転/橈側内転
これらは、母指の手掌面に平行の運動である。橈側外転は、示指から離れる動きで、橈側内転は示指にくっつく動きである。
3.〇 正しい。掌側外転が、写真の母指の運動である。
母指の手掌面に垂直な平面の運動である。掌側外転は、母指の基本面から遠ざかる動き(手掌方向への動き)である。
4.× 掌側内転
母指の手掌面に垂直な平面の運動である。掌側内転は、基本軸に近づく動き(背側方向への動き)である。つまり、掌側内転の場合は、示指と母指がくっつく。
問題18 機能的自立度評価法(FIM)で監視または準備が必要だが、一人で実施可能な場合のレベルはどれか。
1.7
2.6
3.5
4.4
答え.3
解説
FIM(Functional Independence Measure:機能的自立度評価法)は、日常生活動作の指標である。介護負担度の評価を目的として、実際に「しているADL」を評価する。自立度と介助量により分類して1~7点の7段階で評価する。
1.× 7は、完全自立に該当する。
2.× 6は、修正自立に該当する。
3.〇 正しい。5は、機能的自立度評価法(FIM)で監視または準備が必要だが、一人で実施可能な場合のレベルである。
4.× 4は、最小介助に該当する。
問題19 86歳の男性。3年前に脳卒中になり、現在、屋内での生活は概ね自立しているが、介助なしには外出しない状況で、外出の頻度も少なく日中も寝たり起きたりの生活をしている。
障害高齢者の日常生活自立度の分類はどれか。
1.A1
2.A2
3.B1
4.B2
答え.2
解説
(※図引用:「障害高齢者の日常生活自立度判定基準」厚生労働省HPより)
・86歳の男性(3年前:脳卒中)。
・現在:屋内での生活は概ね自立しているが、介助なしには外出しない。
・外出の頻度も少なく、日中も寝たり起きたりの生活をしている。
1.× A1
屋内での生活は概ね自立しているが、介助なしには外出しない。
1. 介助により外出し、日中はほとんどベッドから離れて生活する。
2. 外出の頻度が少なく、日中も寝たり起きたりの生活をしている。
2.〇 正しい。A2は、本症例の障害高齢者の日常生活自立度の分類である。
3~4.× B1/B2
屋内での生活は何らかの介助を要し、日中もベッド上での生活が主体であるが、座位を保つ。
1. 車いすに移乗し、食事、排泄はベッドから離れて行う。
2. 介助により車いすに移乗する。
問題20 脳卒中のリハビリテーション治療で正しいのはどれか。
1.ポジショニングはできるだけ早期に開始する。
2.寝返りができない患者では約4時間おきに体位変換する。
3.関節拘縮を防ぐため週3回の関節可動域訓練が必要である。
4.中等度の意識障害があっても座位訓練を行う。
答え.1
解説
褥瘡とは、局所の持続的な圧迫により組織に虚血が生じて発生する皮膚・皮下組織の損傷のことである。仙骨部、大転子部、足関節外果、踵部などの骨の突出している場所に好発する。頚髄完全損傷では、自分で除圧できないこと、感覚障害を合併していることより、褥瘡が生じやすい。したがって、仰臥位の褥瘡好発部位は、仙骨部が最も多く、次いで踵骨部、肩甲骨部、後頭部などがある。
1.〇 正しい。ポジショニングはできるだけ早期に開始する。
なぜなら、不良姿勢は、関節拘縮や褥瘡を発生しやすいため。正しいポジショニングによりそれらが予防できる。
2.× 寝返りができない患者では、「約4時間」ではなく約2時間おきに体位変換する。
なぜなら、4時間の圧迫により褥瘡が生じやすいため。
3.× 関節拘縮を防ぐため、「週3回」ではなく毎日の関節可動域訓練が必要である。
各関節5~10回を1セットとして、1日に2~3セット行う。痛みや違和感が発生しないように行う。
4.× 中等度の意識障害があっても座位訓練を行う必要はない。
なぜなら、意識障害がある場合、体調不良が生じた場合のコミュニケーションが図りにくいため。座位訓練の中止判断が困難となりやすい。
【座位訓練の開始基準】
・意識レベルが JCS1桁である
・全身状態が安定している
・麻痺などの症状増悪がない
【座位訓練の施行基準】
・開始前,直後,5分後,15分後,30分後に血圧を測定
・ 30°,45°,60°,最高位(80°)の 4 段階
→ 30 分以上可能となったら次の段階へ
・1日2回施行,安定したら回数を増加
・最高位で30分以上可能→車椅子座位訓練開始
【座位訓練の中止基準】
・血圧の低下
10mmHg以上→5分後の回復や自覚症状で判断
30mmHg以上→中止
・脈拍
開始前の30%以上あるいは 120/分以上→中止
・起立性低血圧症状(気分不良など)→中止