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問題21 脳卒中片麻痺患者の急性期にみられないのはどれか。
1.排尿障害
2.嚥下障害
3.沈下性肺炎
4.肩手症候群
答え.4
解説
①先行期・・・飲食物の形や量、質などを認識する。
②準備期・・・口への取り込み。飲食物を噛み砕き、飲み込みやすい形状にする。
③口腔期・・・飲食物を口腔から咽頭に送り込む。
④咽頭期・・・飲食物を咽頭から食道に送り込む。
⑤食道期・・・飲食物を食道から胃に送り込む。
1.〇 正しい。排尿障害
脳卒中の発生初期には、脳浮腫や意識障害の合併により、排尿筋の収縮不全による排出障害(尿閉)が生じる。徐々に、膀胱が不随意に収縮する過活動膀胱に移行することが多く、その後も後遺症として排尿障害をきたしやすい。
2.〇 正しい。嚥下障害
脳卒中になると、手足の麻痺のみならず嚥下に関わる咽頭のあたりを動かす機能も麻痺する。
3.〇 正しい。沈下性肺炎
沈下性肺炎とは、仰臥位で寝ていると、自然に気管に唾液(唾)などが流れてしまい、誤嚥の状態となり肺炎を起こすことである。
4.× 肩手症候群は、脳卒中片麻痺患者の急性期にみられない。
肩手症候群とは、複合性局所疼痛症候群の一つで、原疾患発症後、数週~数か月後に肩や手の炎症・疼痛を生じ、最終的に骨萎縮や拘縮を来す。
肩手症候群は、複合性局所疼痛症候群(CRPS)の1つと考えられており、脳卒中後片麻痺に合併することが多い。他にも骨折や心臓発作などが誘因となる。症状は、肩の灼熱性疼痛と運動制限、腫脹などを来す。それら症状は、自律神経障害によるものであると考えられている。
第1期:症状が強い時期。
第2期:痛みや腫脹が消失し、皮膚や手の萎縮が著明になる時期。
第3期:手指の拘縮と骨粗懸症が著明になる時期の経過をとる。
治療目的は、①疼痛緩和、②拘縮予防・軽減である。
治療は、①星状神経節ブロック、②ステロイド治療、③アームスリング装着を行う。
リハビリは、①温熱療法、②マッサージ、③関節可動域訓練(自動他動運動)、④巧級動作練習を行う。
『脳卒中治療ガイドライン2009』では、「麻痺の疼痛・可動域制限に対し、可動域訓練は推奨される(グレードB:行うよう勧められる)」としている。
問題22 高齢者の姿勢バランスをファンクショナルリーチテストで見る場合、正常とみなされる境界到達距離はどれか。
1.5cm
2.10cm
3.15cm
4.20cm
答え.3
解説
ファンクショナルリーチは、バランスの評価に用いられる。立位で、足が前に出たり浮いたりせず、水平方向に上肢をできるだけ伸ばす。平均25~30cmであり、30cm以上では転倒リスクは低い。一方、20cm未満だと非常にバランスを崩しやすく危険な状態、20〜25cmで転倒リスクありと判断できる。
1~2.× 5cm/10cm
非常に短いリーチ距離である。20cm未満だと非常にバランスを崩しやすく危険な状態と判断できる。
3.〇 正しい。15cm
これは、正常とみなされる境界到達距離である。
4.△ 20cm
文献によって、高齢者のファンクショナルリーチテストの平均を28.2cmと記載されているものもある。カットオフ値(境界到達距離)が15cmと記載されている文献をご存知の方いらしたら、コメント欄にて教えてください。
(※引用:「ファンクショナルリーチテストとそのほかのバランス評価法」著:中村一平ら)
問題23 64歳の男性。脳梗塞を発症後、コミュニケーション障害が生じた。口数が少なく、「痛いところはありますか」と尋ねると、「う、ん」と答え、「どこですか」と尋ねると何か言おうとするものの言葉にならないようである。「ボールペンと言ってください」と指示すると、「ボーボ・・・」と途中まで言いかけてあきらめてしまった。「左手でじゃんけんのチョキをしてください」という指示には間違いなく従える。
考えられる症状はどれか。
1.全失語
2.伝導失語
3.ブローカ失語
4.ウェルニッケ失語
答え.3
解説
・64歳の男性(脳梗塞後:コミュニケーション障害)。
・「痛いところはありますか」と尋ねると、「う、ん」と答える。
・言語非流暢:「どこですか」と尋ねると何か言おうとするものの言葉にならないようである。
・復唱困難:「ボールペンと言ってください」と指示すると、「ボーボ・・・」と途中まで言いかけてあきらめてしまった。
・言語理解良好:「左手でじゃんけんのチョキをしてください」という指示には間違いなく従える。
1.× 全失語
全失語とは、①復唱困難、②言語理解不良、③非流暢を特徴とした言語障害である。
2.× 伝導失語
伝導失語とは、①復唱困難、②言語理解良好、③流暢を特徴とした言語障害である。伝導失語とは、言語の理解や発話の機能が保たれているものの、言葉を繰り返す能力が障害される失語症の一種である。
3.〇 正しい。ブローカ失語が考えられる症状である。
ブローカ失語とは、①復唱困難、②言語理解良好、③非流暢を特徴とした言語障害である。
4.× ウェルニッケ失語
ウェルニッケ失語とは、①復唱困難、②言語理解不良、③非流暢を特徴とした言語障害である。感覚性失語ともいう。話し方は滑らかであるが、言い間違いが多かったり、言葉が支離滅裂になったりして、自分の言いたいことが思うように伝えられなくなってしまうという特徴がある。したがって、復唱・言語理解は不良、言葉の流暢性は良好である。
問題24 頭痛を主訴に来院した患者で現病歴に記載されるのはどれか。
1.「10歳時に上腕骨を骨折した」
2.「父親がくも膜下出血で亡くなった」
3.「コレステロールを下げる薬を飲んでいる」
4.「ギザギザした光が見えてから頭が痛くなる」
答え.4
解説
現病歴とは、今回発生した症状の起こり方、経過をいう。つまり、今の症状が、「いつ、どのように発症し、どんな症状が、どのように経過したか」ということである。
1.× 「10歳時に上腕骨を骨折した」
これは、既往歴に該当する。既往歴とは、これまでかかった病気などの記録のことである。既往歴には大きな病気だけではなく、薬の副作用、アレルギー、交通事故、出産経験、健康状態なども含まれる。
2.× 「父親がくも膜下出血で亡くなった」
これは、家族歴に該当する。家族歴とは、親族や同居者の治療中の病気や既往歴のことである。遺伝性疾患や感染症等で家族歴が重要となるだけではなく、患者の背景を知り、適切な治療方針を立てる上で参考になる。
3.× 「コレステロールを下げる薬を飲んでいる」
これは、服薬状況に該当する。
4.〇 正しい。「ギザギザした光が見えてから頭が痛くなる」は、現病歴に該当する。
現病歴とは、今回発生した症状の起こり方、経過をいう。つまり、今の症状が、「いつ、どのように発症し、どんな症状が、どのように経過したか」ということである。
問題25 翼状頸をきたす疾患はどれか。
1.クッシング(Cushing)症候群
2.バセドウ(Basedow)病
3.ターナー(Turner)症候群
4.パーキンソン(Parkinson)病
答え.3
解説
翼状頚とは、首から肩にかける皮膚にたるみがある状態である。ターナー症候群にみられる。
1.× クッシング(Cushing)症候群
Cushing症候群とは、副腎皮質ホルモンであるコルチゾールの過剰分泌により起こる内分泌系疾患である。満月様顔貌や中心性肥満などの特徴的な症状を呈する。主に、副腎腺腫、副腎癌、副腎過形成、ACTH産生下垂体腺腫などによりコルチゾールの過剰分泌が起こる。
2.× バセドウ(Basedow)病
Basedow病とは、甲状腺刺激ホルモン受容体に対する自己抗体による甲状腺機能亢進症である。症状は、眼球突出、頻脈、びまん性甲状腺腫が特徴的である。また、甲状腺中毒症状も出現するが、血行障害は関与しない。
3.〇 正しい。ターナー(Turner)症候群は、翼状頸をきたす疾患である。
Turner症候群とは、典型的には身長が低く、首の後ろに皮膚のたるみ(翼状頸)があり、学習障害がみられ、思春期が始まらないのが特徴である。2本のX染色体のうち1本の部分的または完全な欠失によって引き起こされる性染色体異常である。女性特有の染色体異常である。
4.× パーキンソン(Parkinson)病
パーキンソン病とは、黒質のドパミン神経細胞の変性を主体とする進行性変成疾患である。4大症状として①安静時振戦、②筋強剛(筋固縮)、③無動・寡動、④姿勢反射障害を特徴とする。また、自律神経障害による便秘や起立性低血圧、排尿障害、レム睡眠行動障害などが起こる。レム睡眠行動障害とは、レム睡眠の時期に体が動き出してしまう睡眠障害の1つである。 睡眠時随伴症に分類される。