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問題6 国際労働機関はどれか。
1.ILO
2.NGO
3.ODA
4.WHO
解答1
解説
1.〇 正しい。ILOは、国際労働機関である。国際労働機関(ILO:Inter national Labour Organization)は、世界の労働者の労働条件と生活水準の改善を目的とする国連の専門機関である。
2.× NGO(Non-governmental Organization:非政府組織)は、海外の現場に向けられた資金助成、緊急救援などの活動や、日本国内に向けた情報提供、地球市民教育(開発教育等)など行う。
3.× ODA(Official Development Assistance:政府開発援助)は、開発途上地域の開発を目的とする政府及び政府関係機関による国際協力活動のための公的資金のことである。主に開発途上国の経済発展や福祉の向上のために、先進工業国を中心とした政府や政府機関が他国に対して行う援助や出資のことである。
4.× WHO(World Health Organization:世界保健機関)は、「全ての人々が可能な最高の健康水準に到達すること」を目的として設立された国連の専門機関である。
世界保健機関とは、「全ての人々が可能な最高の健康水準に到達すること」を目的として設立された国連の専門機関である。
設置年:昭和23(1948)年
本部:ジュネーブ(スイス)
協力形態:多国間交流
事業内容:発展途上国への国際保健協力、感染症およびその他の疾病(エイズ・結核・マラリア等)の撲滅事業、国際疾病分類(ICD)の作成
備考:①WHOの構成組織である地域的機関は、6つ(アフリカ、アメリカ、東南アジア、ヨーロッパ、東地中海、西太平洋)あり、日本は西太平洋に所属している。②194か国加盟 (2018年4月時点)、③たばこ規制枠組み条約:たばこの消費等が健康に及ぼす悪影響から現在および将来の世代を保護することを目的とし、たばこに関する広告、包装上の表示等の規制及びたばこの規制に関する国際協力について規定。
(※参考:「日本とWHO」厚生労働省HPより)
問題7 ウイルスが病原体であるのはどれか。
1.足白癬
2.帯状疱疹
3.トキソプラズマ症
4.マイコプラズマ肺炎
解答2
解説
ウイルスは、他生物の細胞を利用して自己を複製させる、極微小な感染性の構造体で、タンパク質の殻とその内部に入っている核酸からなる。ウイルスは、①DNAウイルスと②RNAウイルスに分けられる。①DNAウイルスは、細胞のDNA合成に関わる酵素を利用しゲノムを複製する。①RNAウイルスは、ウイルスRNAを鋳型として細胞質で作られ、且つ、機能する。従って、RNAウイルスは原則として細胞質で増殖する。ちなみに、DNAウイルスにはアデノやヘルペスなどが分類される。
1.× 足白癬(※読み:はくせん)は、真菌が原因体である。白癬とは、いわゆる水虫のことで、皮膚糸状菌によって生じる皮膚感染症の一つである。接触感染の感染経路をとり、個室隔離の必要はない。症状として、小さな水ぶくれ、赤み、皮膚が乾燥して剥がれることがあげられる。
2.〇 正しい。帯状疱疹は、ウイルスが病原体である。帯状疱疹とは、身体の左右どちらか一方に、ピリピリと刺すような痛みと、これに続いて赤い斑点と小さな水ぶくれが帯状にあらわれる病気である。多くの人が子どものときに感染する水ぼうそうのウイルスが原因で起こる。皮疹部の接触感染の感染経路をとり、個室隔離の必要はない。
3.× トキソプラズマ症は、原虫が原因体である。トキソプラズマ症とは、トキソプラズマ(Toxoplasma gondii)による原虫感染症である。トキソプラズマとは、原虫の一種のトキソプラズマによる人獣共通感染症で、経胎盤感染で、児に水頭症や脳内石灰化、知的能力障害などを起こすことがある。加熱処理の不十分な肉に生存するシスト、土壌中やネコの糞中に存在するオーシストから水平感染する。
4.× マイコプラズマ肺炎は、細菌が原因体である。マイコプラズマ肺炎とは、「肺炎マイコプラズマ」という細菌に感染することによって起こる呼吸器感染症である。小児や若い人の肺炎の原因としては、比較的多いものの1つである。例年、患者として報告されるもののうち約80%は14歳以下であるが、成人の報告もみられる。
感染には、①接触感染、②空気感染、③飛沫感染がある。
①接触感染(例:流行性角結膜炎、疥癬、ノロウイルス感染症など)
(1)直接接触感染:感染者の皮膚粘膜との直接接触による伝播・感染する。
(2)間接接触感染:感染者の微生物で汚染された衣類、周囲の器物、環境などとの接触による伝播・感染する。
②飛沫感染(例:風疹、流行性耳下腺炎、 インフルエンザ、マイコプラズマ、百日咳など)
咳やくしゃみなどに伴って発生する飛沫(粒径5μm以上の粒子)が経気道的にヒトの粘膜に付着し感染する。飛散する範囲は1m以内であることが特徴。
③空気感染(例:結核、水痘、麻疹など)
飛沫核 (粒径5μm未満の粒子に付着した微生物)が長期間空中を浮遊し、これを吸い込むことで感染が伝播・感染する。
(※参考:「医療施設等における感染対策ガイドライン」厚生労働省様HPより)
問題8 感染症法の類型と感染症の組合せで正しいのはどれか。
1.1類-急性灰白髄炎
2.2類-細菌性赤痢
3.3類-エボラ出血熱
4.4類-エムポックス(サル痘)
解答4
解説
1.× 急性灰白髄炎は、「1類」ではなく2類感染症である。
2.× 細菌性赤痢は、「2類」ではなく3類感染症である。
3.× エボラ出血熱は、「3類」ではなく1類感染症である。
4.〇 正しい。4類は、エムポックス(サル痘)が含まれる。
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症予防法、感染症法、感染症新法)は、感染症の予防および感染症患者に対する医療に関する措置について定めた日本の法律である。平成10年(1998年)に制定された。主な内容は、①1~5類感染症の分類と定義、②情報の収集・公表、③感染症(結核を含む)への対応や処置。
【「感染症法」の対象となる感染症】
①1類感染症(7疾患:エボラ出血熱 ・クリミア・コンゴ出血熱・痘そう(天然痘) ・南米出血熱・ペスト・マールブルグ病・ラッサ熱)
対応:原則入院・消毒等の対物措置(例外的に建物への措置,通行制限の措置も適用対象とする)
②2類感染症(6疾患:・急性灰白髄炎(ポリオ)・結核 ・ジフテリア ・重症急性呼吸器症候群(SARS)・特定鳥インフルエンザ(H5N1, H7N9) ・中東呼吸器症候群(MERS))
対応:状況に応じて入院・消毒等の対物措置
③3類感染症(5疾患:・コレラ・細菌性赤痢・品管出血性大腸菌感染症(0157等)・腸チフス ・パラチフス)
対応:・特定職種への就業制限・消毒等の対物措置
④4類感染症(44疾患:※一部抜粋。・E型肝炎・A型肝炎 ・黄熱・Q熱・狂犬病・チクングニア熱・鳥インフルエンザ(特定鳥インフルエンザを除く)・炭疽 ・ボツリヌス症 ・マラリア ・野兎病・重症熱性血小板減少症候群(SFTS)・デング熱・ジカウイルス感染症・日本脳炎・その他感染症(政令で指定))
対応:・感染症発生状況の情報収集、分析とその結果の公開,提供・媒介動物の輸入規制・消毒等の対物措置
⑤5類感染症(46疾患:※一部抜粋。・インフルエンザ(鳥インフルエンザ・新型インフルエンザ等感染症を除く)・ウイルス性肝炎(E型・A型を除く)・クリプトスポリジウム症・後天性免疫不全症候群(AIDS)・性器クラミジア感染症 ・梅毒・麻疹・百日咳・メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症・その他感染症(省令で指定))
対応:・感染症発生状況の情報収集、分析とその結果の公開情報提供
問題9 手術器具の消毒法はどれか。
1.高圧蒸気滅菌法
2.火炎滅菌法
3.紫外線消毒
4.低温消毒
解答1
解説
1.〇 正しい。高圧蒸気滅菌法は、手術器具の消毒法である。高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)とは、飽和水蒸気(空気が排除され蒸気で満たされた状態)の中で135℃付近まで加熱し、発生した水分により蛋白凝固を促進して微生物を死滅させる方法をいう。利点として、①浸透性が強いこと、②残留毒性がないこと、③短時間で滅菌可能であることなどがあげられる。
2.× 火炎滅菌法とは、火炎中で加熱することによって微生物を殺滅する方法をいう。主な適応として、火炎によって破損しないもの(ガラス製や磁製、金属製の物品など)である。
3.× 紫外線消毒とは、紫外線照射によりDNAが紫外線を吸収し、DNA遺伝コードを破壊し、増殖を防ぎ、死滅(不活性化)する方法をいう。
4.× 低温消毒とは、一般に65℃、30分の加熱で行う消毒方法である。他の方法に比べ時間も手間もかかり、生産効率が良いとはいえない殺菌方法であるが、低温で時間をかけて殺菌することで、たんぱく質の変性が少なく、生乳本来の自然な味に近いまま、人に有害な微生物を無くすことができる。
・無菌とは、すべての菌が存在しない状態である。
・滅菌とは、物体の表面または容器内のすべての生命形態(細菌、ウイルス、胞子、真菌など)を完全に除去または死滅させるプロセスを指す。
・消毒とは、病原性微生物を、害の無い程度まで減らしたり、あるいは感染力を失わせたりして、毒性を無力化させることである。
・殺菌とは、一部を殺しただけでも「殺菌した」と言える状態であるため、この用語を使う場合は、有効性を保証したものではないともいえる。
・静菌とは、菌をしずめている状態で、菌を殺さないがその増殖を止めている状態を指す。対象や程度を含まない概念である。
・除菌とは、菌をのぞいている状態で、対象物から菌を除いて減らしている状態である。
・抗菌とは、菌をふせぐことで、細菌の増殖を阻止する(抑制する)ことである。菌を殺したり減少させたりするのではなく、繁殖を阻止する(抑制する)対象や程度を含まない概念である。
問題10 騒音性難聴で最初に聞こえにくくなる音域はどれか。
1.1000Hz付近
2.2000Hz付近
3.4000Hz付近
4.8000Hz付近
解答3
解説
騒音性難聴とは、大きな音が常にしている環境に身を置いている方が発症しやすい難聴である。具体的に、建設現場や道路工事、鉄工所や印刷所、持続的に機械音がしている工場のライン、パチンコ店、ライブハウスなどで働く方、また音楽演奏家やパイロットなどに発症しやすい。
1~2.× 1000~2000Hz付近は、騒音性難聴の初期段階で最初に影響を受ける周波数帯域ではない。日本人間ドック学会では、1000Hz(ヘルツ)で30dB(デシベル)以下、4000Hzで30dB以下の音が聞こえていれば正常としている。
3.〇 正しい。4000Hz付近は、騒音性難聴で最初に聞こえにくくなる音域である。騒音性難聴の特徴として、遺伝子が関係しており、遺伝的に、騒音の曝露で難聴をおこしやすい人と、多少の騒音を聴いても難聴をおこしにくい人がいる。騒音性難聴には治療法はなく、騒音の曝露を受け続ける限り、難聴は進行しつづける。騒音の曝露を止めると、そこで進行は止まる。
4.× 8000Hz付近は、高齢になると聞こえにくい周波数帯域である。50歳くらいから少しずつ8000Hzが低下していく傾向がある。
老人性難聴(加齢性難聴)とは、加齢によって耳(内耳)と脳(聴覚中枢)が障害されて聴こえにくくなっている状態である。老人性難聴は、高音域の聴力から障害される。他にも、語音弁別能や周波数選択性の低下、補充現象などの症状が複数現れる。ちなみに、補充現象とは、聞こえが悪いのに、音を大きくすると大きくした比率以上に大きく聞こえる現象である。